「グロービートジャパン」の版間の差分
1行目: | 1行目: | ||
− | + | 日本平和神軍]]の[[フロント企業]]だとして[[インターネット告発|ネット告発]]している[[ウェブサイト]]の[[平和神軍観察会]]を運営する[[個人]]を、[[名誉毀損]]で訴えて裁判沙汰になっている。 | |
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
=== 概要 === | === 概要 === | ||
[[裁判]]でグロービートジャパンと[[右翼]][[カルト]][[新宗教|新興宗教]]の[[一体性]]が問われており、[[マスコミ]]ではない[[個人]]が[[ウェブサイト]]で[[表現]]をするにあたってどの程度の根拠があれば記述しても良いかが問題となっており裁判の主要な争点となっている。個人でも表現に[[責任]]が伴うのは当然だが、裁判で証拠として採用されるには[[調査会社]]やマスコミと同程度の事前調査が求められ、[[インターネット]]で個人が公開する批判的文章は、ほとんど全てが[[名誉毀損]]となりうるからである。名誉毀損の裁判は、通常の[[推定無罪]]原則とは逆で、表現者側が[[悪魔の証明|無実を証明]]しないと[[敗訴]]や[[有罪]]になってしまう。この逆転構造を利用し、企業が批判を潰すために高額な賠償金を請求する裁判を起こす例が名誉毀損訴訟の賠償額の高額化とともに増加している。このように、[[表現者]]に対して[[言論弾圧]]となる効果を狙って高額な請求をする訴訟は[[SLAPP]]と呼ばれ、同様の事例に[[武富士]]名誉毀損裁判や[[オリコン・烏賀陽裁判]]などがある。 | [[裁判]]でグロービートジャパンと[[右翼]][[カルト]][[新宗教|新興宗教]]の[[一体性]]が問われており、[[マスコミ]]ではない[[個人]]が[[ウェブサイト]]で[[表現]]をするにあたってどの程度の根拠があれば記述しても良いかが問題となっており裁判の主要な争点となっている。個人でも表現に[[責任]]が伴うのは当然だが、裁判で証拠として採用されるには[[調査会社]]やマスコミと同程度の事前調査が求められ、[[インターネット]]で個人が公開する批判的文章は、ほとんど全てが[[名誉毀損]]となりうるからである。名誉毀損の裁判は、通常の[[推定無罪]]原則とは逆で、表現者側が[[悪魔の証明|無実を証明]]しないと[[敗訴]]や[[有罪]]になってしまう。この逆転構造を利用し、企業が批判を潰すために高額な賠償金を請求する裁判を起こす例が名誉毀損訴訟の賠償額の高額化とともに増加している。このように、[[表現者]]に対して[[言論弾圧]]となる効果を狙って高額な請求をする訴訟は[[SLAPP]]と呼ばれ、同様の事例に[[武富士]]名誉毀損裁判や[[オリコン・烏賀陽裁判]]などがある。 |
2007年12月27日 (木) 15:09時点における版
日本平和神軍]]のフロント企業だとしてネット告発しているウェブサイトの平和神軍観察会を運営する個人を、名誉毀損で訴えて裁判沙汰になっている。
目次
概要
裁判でグロービートジャパンと右翼カルト新興宗教の一体性が問われており、マスコミではない個人がウェブサイトで表現をするにあたってどの程度の根拠があれば記述しても良いかが問題となっており裁判の主要な争点となっている。個人でも表現に責任が伴うのは当然だが、裁判で証拠として採用されるには調査会社やマスコミと同程度の事前調査が求められ、インターネットで個人が公開する批判的文章は、ほとんど全てが名誉毀損となりうるからである。名誉毀損の裁判は、通常の推定無罪原則とは逆で、表現者側が無実を証明しないと敗訴や有罪になってしまう。この逆転構造を利用し、企業が批判を潰すために高額な賠償金を請求する裁判を起こす例が名誉毀損訴訟の賠償額の高額化とともに増加している。このように、表現者に対して言論弾圧となる効果を狙って高額な請求をする訴訟はSLAPPと呼ばれ、同様の事例に武富士名誉毀損裁判やオリコン・烏賀陽裁判などがある。
争点
平和神軍観察会は、グロービートジャパン株式会社・日本平和神軍・株式会社イオンド大学日本校の3団体は密接に関係しており全て中杉こと黒須の影響下にある、と主張している。グロービートジャパンは、それぞれ全く別個の活動をしている団体で、少なくともグロービートジャパンは、平和神軍やイオンド大学とは関係しておらず、それらの活動の内容も知らないと主張している。
資金提供
グロービートジャパンは従業員でもなく役員でもない中杉こと黒須に対して、給与の名目で年に数千万円もの資金を継続して提供し続けている。刑事裁判の証人尋問での代表取締役社長である北条晋一(本名黒須伸一)の証言によって、中杉は全く仕事をしていないことが判明しており、この資金提供は脱税ではないかとの指摘もある。[1]
グロービートジャパンが中杉(=黒須)に提供した金額
利益供与
グロービートジャパンが所有する保養施設の花月荘を、株式会社イオンド大学日本校に無償で貸与している。表面上の貸与先はイオンド大学のオーナーである中杉弘(本名黒須英治)だが、電話番号が株式会社イオンド大学日本校と同一であるなど、実質的にイオンド大学日本校に貸与している。また、花月荘の運営で得られる収入は、すべてイオンド大学日本校の収入となる。
グロービートジャパンの体質的問題
背景には、グロービートジャパンの体質的な問題があることを避けては通れない。グロービートジャパンは、自社に都合の悪い記述は許さないと言う姿勢を一貫して取っており、それはグーグル八分の申請をはじめはてなダイアリーキーワードやWikipediaの書き換えにも現れている。Wikipediaでは当事者による編集は望ましくないとされているが、グロービートジャパンの取締役である大橋正純(特別:contributions/yamayan、特別:contributions/m-ohasi)が自社に有利なように執拗な書き換えを行っている。
民事裁判
2003年2月10日にグロービートジャパンは、平和神軍観察会の管理人である個人に対し、名誉毀損と営業妨害を理由に3,150万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に提起する。中杉こと黒須が運営する日本平和神軍やイオンド大学との一体性があるかのような記述をされたためである。
判決では、東京高等裁判所での控訴審と最高裁判所での上告審において「代表取締役黒須伸一その他取締役と日本平和神軍を主宰する黒須英治とが親子という身分関係にあるだけではなく、被控訴人(グロービートジャパン)の方から黒須英治に対して積極的に提携を求めたとまではいえないが、黒須英治は被控訴人のオーナーを自称するなどしており、被控訴人と黒須英治とは一定の関係があると評価することは誤りではない」と、両者について一定の関係性が認定されたものの、「日本平和神軍との関係が個別の法主体性を否定されるほど一体又は極めて密接なものであるとまでいうことはできない」として、平和神軍観察会の管理人に77万円の賠償を命じる判決が確定している。
刑事裁判
グロービートジャパンからの告訴を受け、2004年12月28日に平和神軍観察会の管理人が東京地方検察庁から起訴される。2005年6月27日午後1時30分から東京地方裁判所第425号法廷にて初公判が開かれ、2006年11月時点で刑事裁判は続行中である。山口貴士らと共に弁護人の一人である紀藤正樹によると、日本で初めてウェブサイト上の表現が名誉毀損罪で起訴された刑事裁判とのことである。 この刑事裁判では、代表取締役の北条(黒須伸一)と鶴見嘉弘(本名靏見嘉弘)が証人として尋問されている。だが、このように時代の最先端を行く重要な裁判であるにも関わらず、東京地方検察庁の検察官である中村憲一が開廷中に居眠りするなど不真面目な態度を取り、閉廷後に問題となっており[2]、2007年5月25日午後3時30分から午後4時30分まで東京地方裁判所第428号法廷で開かれる予定の次回公判でも検察官らは居眠りするか傍聴人の間で注目されている。
また、2005年11月25日、第4回公判の直前に、被告人である平和神軍観察会の管理人や弁護士・傍聴人らを脅迫して日本平和神軍と中杉弘を宣伝するシール状のビラが法廷への入口手前の床に貼られ、裁判が妨害され証人尋問が中止されている。この事件は毎日新聞(毎日新聞社)や週刊現代(講談社)などでも報道され[3][4]、グロービートジャパンと日本平和神軍の関係が有名になる。
検索エンジン検閲問題
「グロービートジャパン」を検索エンジンで調べると、本来なら上位に表示されるウェブページの多くが、検閲により検索のページに表示されないよう恣意的に操作されている事態となっており、情報のアクセス権 (知る権利)の侵害だと厳しく批判されており、多くのブロガー達の怒りを買い、からかいの対象として玩具にされている[5]。検索エンジンの検閲については、グーグル八分#グロービートジャパンも参照。
グーグル八分
グーグルで「グロービートジャパン」を検索すると、30件以上ものページが検閲されており、グーグル日本法人の社長である村上憲郎が説明する検閲のポリシーなどから、グロービートジャパンが検閲を申請していると思われる。検閲されているページは、主に平和神軍観察会事件の刑事裁判を傍聴した個人のブログなどであるため、これらの検閲は第82条で裁判の公開を規定した日本国憲法の精神を踏みにじるものだと批判されている。裁判の記録に対する検閲は、グロービートジャパン・平和神軍観察会裁判の外には発見されていない。弁護士のブログなど一部の裁判関連ページは表示されている。
ヤフー八分
業務提携をしているYahoo! JAPANでは、グロービートジャパン・平和神軍観察会裁判に関連するウェブページがまったく表示されない。
検索エンジンスパム疑惑
グロービートジャパンが検索エンジンスパムを行って都合の悪い情報を隠蔽しようとしている疑惑があり、検証サイトで実証されつつある[6]。
会長
代表取締役の北条晋一(黒須伸一)や鶴見嘉弘の父である中杉弘(本名黒須英治)が会長を名乗り和解や出版社へのクレームなどの対外的な交渉をすることがあるが、グロービートジャパンに会長職は存在しない。中杉が勝手に会長を自称していることについて、北条と鶴見は「勝手に名乗られて迷惑」と裁判で証言しており[7]、中杉の独断専行であることを主張している。
業務提携
2005年に、Yahoo! JAPANとのコラボレーション企画で「138万人が選び出した味『濃厚豚骨醤油ラーメン 真骨頂』」と言うものを発売している。ブロガー向け試食会を開催し、ブログの口コミによるヒットを狙った画期的な企画である。試食会には有名ブロガーのネタフルも参加し[8]、日経スペシャル ガイアの夜明け(テレビ東京)で取り上げられ放送される[9]。
しかし、2006年6月22日にヤフー株式会社の株主総会で、悪徳商法?マニアックスの管理人でもあるBeyondが株主の一人として「グロービートジャパンとの共同企画に関して、裁判の影響による利益とリスクについて、どう考えているか?」と質問すると、ヤフーの社長である井上雅博は「そんな会社は知らない」と答えている[10]。
提携企業
- CHABUYA JAPAN
- セコム - ミネラルウォーター
- 篠崎屋 - らあめん豆大豆・創作うどん豆大豆
- ヤフー
- 東京ニュース通信社 - TOKYO BROS.(廃刊)
- 講談社 - TOKYO1週間
- 東洋水産 - カップラーメン
- ジャパンフリトレー - スナック菓子
- ぐるなび - 海の家
運営ブランド
参考文献
- 田中康男「有名ラーメンチェーンと“カルト右翼”の奇妙な関係」『TITLE』2000年12月号 文藝春秋 2000年
- 藤田庄市「シリーズ 現代のカルト…第五回 宗教法人売買」『新潮45』2002年6月号 新潮社 2002年
- Beyond「ラーメン花月・平和神軍名誉毀損事件」『ハッカージャパン』2005年9月号 白夜書房 2005年
- 「有名ラーメン店とあやしい新興宗教団体の関係が裁判で明らかに!」『BUBKA』2006年1月号 コアマガジン 2006年
- 井上恵一朗「新鮮 法廷ブログ - 意識して証言」『朝日新聞』43247号15面 朝日新聞社 2006年9月2日夕刊