「次世代DVD」の版間の差分
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2007年10月22日 (月) 20:59時点における版
次世代DVDとはDVDの次の世代の光ディスクの総称である。通常はHD DVDとBlu-ray Disc(BD)を指す。現在日本のメーカーを中心にアメリカの映画会社やパソコン会社などが両陣営に分かれて規格争いを繰り広げており、かつてのベータマックス・VHSによる家庭用VTRの規格競争を彷彿とさせている。
目次
概要
DVDと共通する基本構造・用途を持ちながら、デジタルハイビジョン映像の長時間収録が可能な大容量を実現した。
登場の背景
- デジタルハイビジョン放送を収録・保存可能なほど大容量な媒体はテープメディアとハードディスクしか存在しなかったため、光ディスクの大容量化が望まれていた。
- ハイビジョン映像に対応する大画面・薄型テレビが一般家庭に普及するとの予測に基づき、映画企業などがハイビジョン映像を収録可能なビデオパッケージ規格を求めた。
- 既存のDVDソフトの市場は飽和状態となり成長が鈍化していることも背景にある。映画企業などはビデオパッケージ市場を活性化させる起爆剤として期待をかけ、次世代DVD規格の開発に熱心に参加してきた。
呼称
Blu-ray DiscはBlu-ray Disc Association(Blu-ray Disc Foundersより改称)により策定されており、HD DVDはこれまでDVD規格を策定してきたDVDフォーラムによって策定された。そのためDVDの後継規格はHD DVDのみであり、Blu-ray Discは独自に開発が行われているため厳密には次世代DVDと呼ぶのは正しくない。しかしDVDが一般化されていることなどから、HD DVDとBlu-ray Discを含めて次世代DVDと呼ぶことがほとんどである。
HD DVD・Blu-ray Discの呼称がまだ消費者に浸透していないため日本のマスメディアではそれぞれの規格を支持している代表的な企業の名称を示し、「東芝陣営」「ソニー・松下陣営」と併記されることも多い。
ソニーや松下の広告戦略によって「ブルーレイ」は徐々に認知されつつあるが、HD DVDはハードディスク(HD)や従来のDVDと混同されやすく分かりにくいのではないかと言われる。2007年6月に発表された次世代DVDに関するアンケート調査ではこのような誤解を持った回答者が多かったため、一部項目ではHD DVDに関する有効なデータが得られなかったという[1]。
採用技術
Blu-ray DiscとHD DVDは本来互換性がないが、共通する技術が数多く使用されている。
ともに直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状で素材は主にプラスチックからなる[2]。読み取りには波長405nmの青紫色のレーザーを用いている。なおCDでは波長780nmの赤外線レーザー、DVDでは650nmの赤色レーザーを用いており、より波長の短いレーザーを用いることで高密度の読み取りを可能にしている。
いずれもビデオ規格では映像コーデックとしてMPEG-2トランスポートストリーム、H.264/MPEG-4 AVC、VC-1が採用され、主に1920×1080ドットの映像が収録される。音声コーデックには従来のDVDと同じドルビーデジタル・DTS・リニアPCM(ただしDVDよりも高いビットレートやマルチチャンネルのPCMを収録可能)、さらに新世代のコーデックとしてドルビーデジタルプラス、ドルビーTrueHD、DTS-HDが採用されている。
著作権保護技術はどちらもAACS(Advanced Access Content System)を採用する。完全にコピーを禁止しているわけではなく、マネージドコピー(著作権者が許可する範囲内でハードディスクなどにコピーできる)に対応している。ただし、現在もAACSは暫定的なライセンスでありマネージドコピーは使用できない。
消費者の反応
- 規格分裂は消費者にとって利益とならないため、規格争いが決着するまで購入を手控えている消費者が多いことが各種調査で指摘されている。
- ハイビジョン映像に対応したテレビの普及と共に次世代DVDの需要も増えることが見込まれている。
HD DVDとBlu-ray Discの比較
物理構造
HD DVDとBlu-ray Discでは物理的には記録層の深さ(保護層の厚さ)の違いがあり、HD DVDではDVDと同じ0.6mm厚であるのに対しBlu-ray Discは0.1mm厚である。この違いが様々な影響をもたらしている。
- HD DVDではDVDと記録層の深さが同じため、現行のDVDのプレス施設を一部流用することが可能でありコスト面では有利だと言われている。
- Blu-ray Discは保護層の薄さにより当初は傷に弱く、最初に製品化された記録型ディスクはDVD-RAMのようなカートリッジに収められていた。しかしTDKが開発したDURABIS技術などにより克服し、この点に懸念を示していたワーナー・ブラザーズなどの支持を獲得した。2006年以降はBlu-ray Disc・HD DVDともCDやDVDと同様に裸のディスクで取り扱われる。
- 記録層が浅いBlu-ray Discは記録密度を上げるのが比較的容易なため、片面一層25GBの記録が可能であるのに対しHD DVDにおいては片面一層15GBである。
- Blu-ray Discはより高密度なため最大転送速度も速く、標準転送速度ではBlu-ray Discが53.95Mbps、HD DVDが36.55Mbpsである。1倍速はともに約36MbpsであるがBD-Videoでは1.5倍速(53.95Mbps)が標準転送速度であり、BD-Video再生には通常2倍速以上のドライブが使われる。
- 片面2層にHD DVDとDVDを記録した「HD DVDツインフォーマットディスク」がHD DVDの発売当初(2006年3月)の段階から製品化されている。一方Blu-ray DiscとDVDのツインフォーマットディスクは現在開発中。
ビデオ規格の採用技術
現在、HD DVDではプレーヤーにおいて新世代のサラウンド音声フォーマットであるドルビーデジタルプラスとドルビーTrueHD 2chのデコードが必須であるが、Blu-ray Discのプレーヤーではオプション扱いである。もっとも、これらの音声フォーマットに対応したAVアンプは2007年6月に発売されたばかりで需要が非常に限られる上、PCMマルチチャンネル音声を収録した物や両者のプレーヤーの必須・オプションに無関係にロスレスサラウンドを収録する物、実質的にはBlu-ray Discプレーヤーでもデコード可能な音声フォーマットの範囲が拡大していること等、両者の決定的な違いには至らなかった。なおDTS-HDは両フォーマットともオプション扱いである。
DVD-Videoに比べて広範な機能を搭載できるインタラクティブ技術はBlu-ray DiscはJavaを基にしたBlu-ray Disc Java(BD-J)を、HD DVDはマイクロソフトが開発したHDiを採用している。現在、ピクチャーインピクチャーやインターネット接続などの機能はBlu-ray DiscではオプションでHD DVDでは必須となっており、HD DVDが製品化で先行している。
著作権保護技術に関して、Blu-ray DiscではAACSに加え、より万全に海賊版対策ができる技術「BD+」を必須採用している。BD+を搭載した映像ソフトは2007年内にも発売される見込み[3]。
おもな参入企業
下表の太字は一方を独占的に支持する企業を表す。太字でないものは両陣営に参入している企業を表すが、どちらかと言えば片方の陣営に近いと考えられる場合はそちらに含めている。
Blu-ray Disc支持 | 両規格支持 | HD DVD支持 | |
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規格策定・促進団体 |
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家電、部品製造等 |
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映画・映像ソフト |
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IT関連 |
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メディア製造 |
両方に消極的な企業
- 日本の大手映像ソフト発売元は参入に消極的な企業が多い(規格策定団体に加入しているが具体的な発売予定がない等)。東映系列・東宝系列・角川系列・ジェネオンエンタテインメント・バップ・手塚治虫アニメワールドなどがその例である。
- 大手レコード会社のEMIは欧米ではHD DVD独占支持だが、日本のEMIミュージック・ジャパンは2007年春まで東芝の傘下だったにもかかわらずHD DVDを発売していない。
規格争い
両規格が分裂したまま製品化されたため、VHS対ベータマックスのように一方が圧倒的に普及してもう一方が淘汰される可能性がある。一方、技術面でのハードルが比較的少ないためDVD-RAM/-RW/-R対DVD+RW/+Rのように両対応機器が普及する可能性もある。現在は実勢的にBlu-ray Discが有利であるが、決着がつくほどの普及には至っていない。
製品化以前
- 1999年7月 ソニー、フィリップスがDVR-Blue規格を発表した。DVR-Blueは405nmの青紫色レーザーを使用し、保護層0.1mm、直径12cmのディスク片面一層で22.5GBの容量を持つ規格である。
- 2001年10月 DVD-RAMを支持していた松下電器産業や日立製作所、東芝、日本ビクターによりDVD-RAM規格を発展させた「二層相変化RAMディスク」を開発。DVR-Blueと同様405nmの青紫色レーザーを使用し、直径12cmのディスクを使用しているものの二層記録方式を採用しているため50GBの容量を持つ規格である。
- 2002年
- 2月19日 DVR-Blueと二層相変化RAMディスクの技術を統合し、日立製作所、LG電子、松下電器産業、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、トムソンの9社がBlu-ray Disc(BD)の規格を策定したことが発表された。BD規格はDVD規格を定めてきたDVDフォーラムで策定した物ではなく、上記の9社が共同で策定した規格である。この時に承認されたのは片面一層の書き換え型規格である。
- 8月29日 東芝、NECは共同で青紫色レーザーを用いた次世代DVD規格として「Advanced Optical Disc(AOD)」(仮称)をDVDフォーラムに提案、2002年11月26日にHD DVDという名称で正式に承認された。この時に承認されたのは再生専用(HD DVD-ROM)ディスク規格である。
製品化以降
- 2003年4月10日 ソニーは片面一層記録(23GB)対応のBDレコーダー「BDZ-S77」を発売した。同時に、録画用書き換えメディアも製品化された。
- 2004年10月4日 Blu-ray Disc FoundationsはBlu-ray Disc Associationに改称。この時点で加盟企業は73社。
- 2005年10月3日 HD DVD陣営であったパラマウント映画がBDでもリリースを行うと発表、同月20日にはワーナー・ブラザーズもBDでもリリースを行うと発表したため、米国の大手映画スタジオでHD DVDのみでリリースを行うのはユニバーサル・ピクチャーズ 1社のみとなった。
- 2006年
- 3月31日 HD DVDソフトが発売。
- 6月20日 BDソフトが発売。
- HD DVDソフトの発売が先行したことや初期のBDソフトで画質の評価が低いタイトルがあったことなどで、緒戦はHD DVD有利でスタートした。しかし11月に日米でのプレイステーション3の発売以降、BDソフトの売上が飛躍的に増加した。
- 録画機が重視される日本国内では7月に東芝がHD DVDレコーダーを、11~12月に松下電器産業とソニーがBDレコーダーを発売した。年末商戦ではプレーヤー・レコーダーのシェアでBDが94.7%を占め圧勝した(BCNランキングの発表)。この数字にはプレイステーション3が含まれていないため実際のシェアはBDがより圧倒的であるとみられる。
- かつての記録型DVDの規格争い(DVD-RAM/-RW/-R対DVD+RW/+R)のようにBD/HD DVD両対応機器への動きも出てきた。LG電子が両対応プレーヤーを発表(2007年2月発売)。またワーナーがディスク両面にBDとHD DVDを記録する「Total Hi Def(THD)」ディスクを発表したものの、まだ研究開発段階でありコストも高いため業界や消費者からは批判的な反応が多い。
- 2007年
- 米国最大手のレンタルビデオチェーンBlockbusterが実質的にBD支持を打ち出す[4]など、ソフトの需要の拡大からBDが有利になっている情勢である。
- しかしHD DVD陣営の東芝はプレーヤーの低価格化で巻き返しを図ろうとしている。HD DVD陣営はゲーム機を除いた専用プレーヤーの販売台数の多さやアタッチレート(ハード1台あたりのソフトの売上本数)が高い(データを示していないが)ことで優位性があると主張している。
- Adams Media Researchの調査によると[5]、2007年6月までのソフト販売本数はBDが180万本、HD DVDが130万本である。同じくAdams Media Researchが4月23日にBDソフトが100万本を突破したと発表しており[6]、約2ヶ月で2倍近くに伸びたことになる。
- 7月、米業界誌Home Media MagazineがまとめたHDビデオの販売動向調査(Nielsen VideoScanのデータによる)によると累計シェア(BD:HD DVD)は60:40で、1月~6月の期間のシェアは67:33である。BDとHD DVDの差は徐々に開きつつある。
- 8月14日、Home Media Magazine傘下のHome Media Researchによると[7]、米国での2007年上半期のハイディフィニション映画ディスクの販売本数がBDが160万本、HD DVDが79万5000本であるとした。なお販売開始からの累計ではBDが220万本、HD DVDが150万本であるとした。またWarner Home Videoによると、映画「300」のハイディフィニション映画ディスク版の販売本数が約28.7万本と現在の所最も売れたハイディフィニション映画ディスクとなっている。それぞれの内訳はBD版が約19万本、HD DVD版が約9万7000本売れたとした。
- 8月20日、ヴァイアコム傘下のパラマウント・ピクチャーズ等はコンテンツをHD DVDに独占供給すると発表、契約開始から18ヶ月間HD DVDのみでの発売となる。ただし、スティーヴン・スピルバーグが監督した作品に関しては現段階では対象外となっていて、加えて今回の独占発表時にも引用された映画「トランスフォーマー」の監督マイケル・ベイからも独占決定に異論が出ている[8]。また、今回のヴァイアコムの決定にはHD DVD陣営からの1億5000万ドルの見返りがあったためであると複数の米メディア[9]が伝えている。一部ではこの発表を「パラマウント・ショック」と呼び、特に欧米では規格争いに大きな影響を与える可能性がある。
- 10月、CEATEC JAPANでのBD陣営の発表によると日本国内のBDのシェアはソフトが約90%、レコーダーが96%、メディアが98%と圧倒した。
各種産業との関連性
- 映画の興行収入およびDVDの売上シェアではBlu-ray Disc陣営が8割を占めるのに対し、HD DVD陣営は4割程度である(いずれの数値も両規格支持の企業を含む)。
- 日本国内では単体プレーヤーよりもレコーダーの市場が大きいため、次世代DVDのシェアにも大きな影響を与えている。DVDレコーダーの大手メーカーのうちHD DVD支持は東芝のみである。東芝は2007年6月下旬に前機種より価格を抑えたHD DVDレコーダーを発売したが、極端なシェアの差が開いた状況は変わっていない。
- 大画面薄型テレビにおいてもBD陣営が圧倒的な割合を占めている。特に日本ではテレビ・レコーダー間のリンク機能(VIERA Link・AQUOSファミリンクなど)の人気が高くDVDレコーダーの売上にも影響を及ぼしており、次世代DVDのシェア争いにも影響を与える可能性がある。
- 家庭用ゲーム機においては、BDドライブを標準搭載するプレイステーション3に対抗してか、マイクロソフトのXbox 360がHD DVD対応周辺機器を発売した。PS3はBDフォーマットの強力な牽引役となっているが、Xbox 360は標準搭載でないため売上は少なく、影響力はあまり大きくない。2007年6月時点で米国内においてPS3が約140万台(BDプレーヤー全体の約93%)、Xbox 360用HD DVDプレーヤーが約15万台(HD DVDプレーヤー全体の約50%)を売り上げたというデータがある[10]。
- パーソナルコンピュータにおいては、東芝がHD DVDを、BDドライブは初期搭載機種やBTO等でDELL・NEC・富士通・エプソンダイレクト・ソニー等で採用されている。
- マイクロソフトはWindows Vistaの発売以前に同OSでHD DVDを優先的にサポートすると表明していたが[11]、その姿勢はトーンダウンしたようである。両フォーマットの物理構造以外の差は少ないこと、再生・書き込みアプリケーションがOSとは別に必要なこともあり、実際にVistaで利用する上でBDが不利になることはない。
備考
- BD優勢となる中でユニバーサル・ピクチャーズもBDに参入するのではという観測が度々流れているが、2007年8月現在では同社はHD DVDのみを強力に支持する姿勢を崩していない。
- HD DVD陣営のメモリーテックは複数のソフト会社と資本関係にあり、その影響でBD参入をためらったメーカーが多いと推測される。これに該当するのはポニーキャニオン(当初積極的にHD DVDソフトを発売したが、BDにも参入している)、エイベックス(2007年10月に両規格参入を表明)。
互換性の確保
DVDとの互換性
HD DVD・BDの再生/記録機器はDVDにも対応しているが、ソフト側でも従来のDVD機器への互換性を保とうとする動きがある。HD DVDで製品化されているツインフォーマットディスクがその例である。
DVD版の同梱
バンダイビジュアルは「BD+DVD」または「HD DVD+DVD」の2枚組製品を発売することを決めた[12]。しかしDVD版の同梱は不要と感じる消費者が多いことこの形態により高い価格に設定されることで、アニメファンを中心に強い批判が巻き起こっている。
またこれらの製品は現在流通している「BD用ケース」または「HD DVD用ケース」ではなく主に市販のDVDに用いられるトールケースを採用しているため、一般的な次世代DVDソフトとはケースのサイズが異なる。そのため次世代DVDと判りづらいという指摘やサイズを一般的な「BD(HD DVD)用ケース」に合わせてほしいという意見も多い。
Blu-ray Disc・HD DVD両対応機器
2006年、LG電子とサムスン電子がBlu-ray DiscとHD DVDの両方を再生可能なプレーヤーを発表し、2007年前半に発売された。また双方の書き込み規格に対応可能なピックアップレンズやLSIが製品化されているがHD DVDの書き込み規格の製品化自体が進んでいないため、双方の書き込みに対応するドライブやレコーダーが発売される見通しは立っていないのが現状である。一方の規格のみを支持する主力メーカーが多いため、両対応機器を開発する動きはなかなか進まない可能性がある。
Total Hi Def
2007年1月、両規格を支持するワーナー・ブラザーズがBlu-ray Disc・HD DVDの双方を両面に記録した再生専用ディスク「Total Hi Def」(略:Total HD、THD)を発表した。しかし以下のような理由で多くの冷ややかな反応・批判を受けている。
- 製造コストが極めて高いとされ、実売価格も高く設定されるとすれば消費者に余分な負担を強いることになる。
- ワーナーはHD DVD・BDの片面ディスクも併売すると発表している。同じ映画タイトルでHD DVD・BD・THDの3種類の次世代ディスクが発売されれば流通業者に余計な負担がかかることになり、当然消費者にも混乱を与える。
- THDの製品化以前に発売された再生機器との互換性に疑問が残る。
- 両面記録メディアのため「レーベルが印刷できない」、「取り扱いに注意を要する」などの難点。
これらの反響を受けてか、ワーナーは2007年後半としていたTotal Hi Defの発売を2008年に延期した[13]。
課題点
- HD DVDとBlu-ray Discは共にHDTVに対応した高性能フォーマットであるが、放送局や制作プロダクションなどの業務用途には既に青紫色レーザーを用いてProfessional Discに記録するXDCAMが存在し今後はフラッシュメモリに記録するカムコーダも増えると思われ、この用途では両規格の採用の可能性はきわめて低い。今後、一般家庭のみならずコンテンツ制作の業界へどう売り込んでいくかが課題である。既にDVDは企業や学校など業務用途でも利用されており、一部のメーカーではHD DVDとBlu-ray Discの両規格を採用したカムコーダや編集用デッキなどを研究開発しているという。日立製作所は8月30日にフルハイビジョンBDビデオカメラを発売した。
脚注
- ↑ 次世代DVD製品購入における最重要ポイントは“画質”-みずほ情報総研ら調査。普及状況や価格も考慮 - Impress AV Watch 2007年6月4日
- ↑ Blu-ray Disc陣営は紙を素材の一部に採用したディスクを開発している。詳細はBlu-ray Discを参照。
- ↑ Blu-ray.com - BD+ Titles Coming Soon(2007年4月13日)
- ↑ 米Blockbuster、1,700店舗でBlu-rayのレンタルを実施-BDのレンタル実績を評価(Impress AV Watch 2007年6月19日)
- ↑ 欧州当局、独禁法違反調査でBlu-rayに注目か(ITmedia 2007年7月3日)
- ↑ Blu-rayビデオソフトの販売が100万本を突破(Impress AV Watch 2007年4月24日)
- ↑ Blu-ray映画、売れ行きはHD DVDの2倍 米国では2007年前半にBlu-ray映画が160万本、HD DVD映画は79万5000本売れた。(ロイター) - Reuters(翻訳ITmedia +D LifeStyle) 2007年8月15日
- ↑ Bay to Paramount: "No Blu-ray, No Transformers 2!" - High-Def Digest 現地時間8月21日
- ↑ 東芝、HD-DVD支持見返りに170億円・米紙報道- NIKKEI NET 8月22日
- ↑ Blu-ray Holds 5 to 1 Hardware Lead Over HD-DVD(IGN.COM)
- ↑ 本田雅一の週刊モバイル通信 第341回 Windows VistaのHD DVDサポート(Impress AV Watch 2006年5月26日)
- ↑ バンダイビジュアル、BD/HD DVD 11作品を7月より発売(Impress AV Watch 2007年3月22日)
- ↑ 米Warner、「Total HD」ソフトの発売を2008年に延期(ファイル・ウェブ 2007年6月29日)
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