「コスプレ系飲食店」の版間の差分

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過剰な客引きが問題となった事例もある。名古屋のコスプレ喫茶「moexレイヤーズ」は2005年8月にオープンしたのだがJR名古屋駅の近くで店員が警察の許可を得ずにコスプレ姿で公道で客引き行為を行い、警察から行政指導を受けている。なお、この店は2006年2月をもって閉店している。
 
過剰な客引きが問題となった事例もある。名古屋のコスプレ喫茶「moexレイヤーズ」は2005年8月にオープンしたのだがJR名古屋駅の近くで店員が警察の許可を得ずにコスプレ姿で公道で客引き行為を行い、警察から行政指導を受けている。なお、この店は2006年2月をもって閉店している。
  
また、大阪・日本橋のメイド喫茶の中には「[[ぼったくり]]行為」を行う店があると[[朝日放送]]のテレビの情報番組『[[キャスト (テレビ番組)|キャスト]]』で放送された。店員とのトーク代やドリンク代、サービス料などで高額な請求がされ、経営者は「料金説明はしているし、営業自体に問題は無い」と話しているが、弁護士の浦田忠興は「法制度の隙間をくぐったものであり、取り締まるためには新たな法整備が必要」と指摘している<ref>[http://webnews.asahi.co.jp/cast/archives/120206.html 『キャスト』公式ウェブサイト2012年2月9日放送分]</ref>。そのぼったくり喫茶が[[めいどりぃむ]]である。
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また、大阪・日本橋のメイド喫茶の中には「[[ぼったくり]]行為」を行う店があると[[朝日放送]]のテレビの情報番組『[[キャスト (テレビ番組)|キャスト]]』で放送された。店員とのトーク代やドリンク代、サービス料などで高額な請求がされ、経営者は「料金説明はしているし、営業自体に問題は無い」と話しているが、弁護士の浦田忠興は「法制度の隙間をくぐったものであり、取り締まるためには新たな法整備が必要」と指摘している<ref>[http://webnews.asahi.co.jp/cast/archives/120206.html 『キャスト』公式ウェブサイト2012年2月9日放送分]</ref>。そのぼったくり喫茶が[[めいどりぃむ]]であるが、秋葉原にも[[Hermate]]や[[萌えコン]]系列の店(萌えコン@カフェ、萌えコン@鉄道、萌えコン@耳かき NEXT)のようなめいどりぃむに匹敵する悪質店舗も存在する。
  
 
== コスプレ系飲食店を題材とした作品 ==
 
== コスプレ系飲食店を題材とした作品 ==

2012年4月11日 (水) 22:20時点における版

コスプレ系飲食店(コスプレけいいんしょくてん)とは、漫画アニメを中心としたサブカルチャー、とりわけおたく文化を取り入れ、店員がコスプレをして接客を行う飲食店である。喫茶店ないしは居酒屋などを業態とする物が多い。

特に女性店員がメイドのコスプレを行って接客する喫茶店を特にメイド喫茶あるいはメイドカフェと呼び、男性店員が執事のコスプレをして接客する飲食店を執事喫茶と呼ぶ。女性店員が男装のコスプレをして接客を行う王子喫茶ギャルソン喫茶もある。

メイド喫茶のメイドはアニメゲームに登場したキャラクターが元になっているといわれている。また衣装としてのメイド服は19世紀末に英国に実在したものが映画、アニメ、ゲームなどに取り入れられディフォルメされたという説もある。メイド喫茶ではお客を「ご主人様」、「お嬢様」としてメイドが給仕する。

サービスコンセプトとしては「癒し」をテーマにした店舗や「萌え」をテーマにした店舗など、様々である。店員とのコミュニケーションも魅力のひとつとなっている。近年はメイド服以外にも巫女シスター女子高生ゴスロリなど様々なコスチュームや世界観を持つ店舗が登場している。アルコールを提供する居酒屋バーやマッサージを行うリフレ店の形態を取る店舗も増えている。

コスプレ系飲食店が登場した当初は秋葉原に出店が集中していたが、次第に首都圏の各主要駅付近や全国の都市へも拡大している。また、「ぴなふぉあ」はタイバンコクに出店したこともある。

歴史

誕生前

コスプレ系飲食店ができる以前にもアンナミラーズなどウェイトレス制服に特徴があり、その魅力が話題となる飲食店は存在していた。

ウェイトレスの制服をコンセプトとしたゲームは『ヴァリアブル・ジオ』シリーズ(1993年~)や『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズ1996年~)など、パソコン用に多数発売されており、当時のパソコンユーザーから支持を得ていた。

1999年には、制服系ジャンルオンリー同人誌即売会コスチュームカフェ」が始まった。

イベント内飲食店の登場

こうした中、同人誌即売会やコスプレイベントではオタクの理想の具現化として人気キャラやメイドが接客するカフェの営業がイベント内で恒例化するようになった。

一つは前述の「コスチュームカフェ」のイベント内で、主催者がコスプレ店員のいるカフェイベントを開催したものである。このイベントは好評を博し、同イベント及び姉妹イベントの「帝國メイド倶楽部」で毎回行われるようになった。

もう一つはキャラクターコンテンツ製作会社「ブロッコリー」が行った企画である。1998年8月に開催された「東京キャラクターショー」で『Piaキャロットへようこそ!!』の舞台であるレストランを模した喫茶店を設置、作中の制服をまとったウェイトレスが飲食物を販売した。この企画が成功を収め、コスプレ系飲食店の下地を作ったといえる。

こうしたイベント内で行われるコスプレ喫茶は現在でも同人誌即売会や展示会などで、主にアニメやゲームのプロモーション企画として新作品や人気作品のキャラクターを用いて行われている。

コスプレ喫茶の誕生

東京キャラクターショーでの企画の成功を受けブロッコリーは1999年7月からゲーマーズスクエア店にて「Piaキャロレストラン」を数回にわたって期間限定で開店、話題を呼んだ。2000年5月1日には「カフェ・ド・コスパ」として常設運営を開始、店員はこれまでのPiaキャロットシリーズだけではなく他の作品のコスプレもして人気を獲得していった。

また2000年2月25日、ゲーマーズ旧本店に「ゲーマーズカフェ」を開店。開店当初はデ・ジ・キャラットのコスプレをした店員がいた他、「GAカフェ」、「朝霧の巫女カフェ」などそれぞれの作品にちなんだコスプレ喫茶を展開した(2003年4月6日の旧本店閉店と同時に終了)。

メイド喫茶の誕生

2001年3月、ゲーマーズスクエア店の運営権がブロッコリーからコスプレ衣装製作会社「コスパ」とその関連会社に委譲された。それとともにカフェ・ド・コスパも3月30日に「CURE MAID CAFÉ(キュアメイドカフェ)」へとリニューアル、ウェイトレスの制服をメイド服に統一し落ち着いた雰囲気のある空間と「癒し」をコンセプトに運営されることとなる。これが飲食店としての「メイド喫茶(メイドカフェ)」の第一号店と考えられている[1]

この業態を定着させたのが、「Cafe Mai:lish(カフェ・メイリッシュ)」である。2002年7月19日パソコン専門店T-ZONEの直営店として「Mary's(メアリーズ)」として開店したこの店は店員の制服が昼はメイド服、夜はコスプレ衣装という形態をとっていた(現在も時間、曜日によりメイド服とメイド服以外のコスプレを併用している)。参加型イベントも多数行なうなどして支持を得て成功した。この店舗が軌道に乗り始めた頃、アキバ文化がマスメディアに取り上げられるようになり一般にも広く知られるようになった。以後さまざまなコスプレ系飲食店が秋葉原で急増する。なお、「お帰りなさいませ、ご主人様」というメイドが主人を出迎える(見送る)というスタイルを実践した店舗は、名古屋・大須の「M's Melody(エムズ・メロディ)」(2002年9月13日開店)が最初であるという説もある。

メイド喫茶が急増した理由としては、以下のような要因が挙げられている。

  • アニメ・ゲームなどのサブカルチャーが成長・成熟しメディアに取り上げられたこと。
  • 従来のアニメ・ゲームなどで登場している「メイド」を、店員としたことで幅広い世代に受け入れられたこと。
  • 飲食店として風俗産業とは一線を画し、比較的穏健な取扱いがなされたこと。
  • 喫茶店であるため、少ない資本で開業できたこと。
  • 特定の(アニメなどの)キャラクターに依存せず、著作権関係の制約がほぼ無かったこと。

特に秋葉原では以下の背景により、メイド喫茶が急増したとされる。

  • PCの街からコンテンツの街への移行時で秋葉原のシンボル的な施設として捉えられオタクに加えサラリーマン、観光客、女性など多くの人が秋葉原のメイド喫茶を訪れるようになった。
  • 萌えブーム以前の秋葉原のテナントは空きテナントが多く、また坪単価が比較的安かった(坪単価1万円以下もあった)。
  • オタクの街であった秋葉原に女性の雇用を創出し、飲食店という枠組みでメイド希望者も集まりやすかった。

お客を「ご主人様(旦那様)」、「お嬢様」として扱うメイドの接客が斬新で多くの人の支持を得たことやサブカルチャーの台頭と連携できたことも大きい。

「メイドカフェ」の商標登録

過去にいくつかの企業がこの「メイドカフェ」という言葉の商標登録を申請したが、2006年にゲームメーカーアトラスのグループ企業である、パチンコパチスロ機メーカー「アトム」が商標権を取得した(2006年6月、第4965354号、指定商品は耳栓他の第9類とスキーワックス他の第28類,飲食物の提供(第43類)等は含まれていない[2])。

コスプレ居酒屋と水商売

2000年8月神田駅前の居酒屋「蔵・太平山(くら・たいへいざん)」が毎週日曜限定でコスプレ居酒屋を開始、一時は予約なしに入店できないほどの人気となり角川書店の「東京ウォーカー」にも掲載された。2001年11月10日には台東区の秋葉原の近くに個人営業の「ひよこ家」が開店、昼間はメイド喫茶、夜間はメイド居酒屋として営業を行い固定客を確保して定着するようになった。

2003年5月3日に神田駅前にコスプレパブ「MJ+C(エムジェープラスシー、後に新橋に移転、2005年12月13日閉店)」が開店して以降はコスプレ居酒屋以外にメイドバー、メイド焼肉店などができている。コスプレパブやコスプレキャバクラなどは以前から存在していたが、メイド喫茶の増加に伴い新たに開店した店舗も多い。また既存のガールズバーやキャバクラ、風俗店の中にもこれまで衣装の一つであったメイド服をデフォルトとする店舗も出てきている。

他地域への拡大

秋葉原以外への増加も続いた。

2003年2月14日に「Cafe Mai:lish」が吉祥寺に2号店を開店(2004年2月15日閉店)したのをはじめ首都圏では池袋渋谷新宿中野横浜などターミナル駅を持つ街にメイド喫茶が開店している。池袋駅東口のサンシャインシティ前のいわゆる「乙女ロード」には腐女子向け店舗が並んでおり、秋葉原とは客層の異なる独自の文化を形成している。店舗数の飽和、治安、客層などの面から最近は秋葉原を避け下町ベッドタウンに開店する事業者もいる。

名古屋大須では「M's Melody(エムズ・メロディ、2002年9月13日開店)」が、札幌では「Cafe Primevere(カフェ・プリムヴェール、2003年2月17日開店、2007年12月30日閉店)」が、神戸では「KANON(カノン、2003年8月31日開店、2008年6月30日閉店)」が秋葉原を追うように開店した。2004年には大阪日本橋に「CCOちゃ(こっちゃ、2004年10月16日開店)」が開店、仙台では「fairy tale(フェアリー・テール、2005年9月18日開店)」が開店している。近年は「Cafe Doll(カフェドール)」の様に地方から秋葉原に進出した店舗もあり2007年には堺市堺区南海高野線堺東駅近くに「Moe-Cha」が、長野市長野駅近くに「麗」がそれぞれ開店した。その後も2008年12月現在、札幌から沖縄まで各地に店舗ができておりさらに台湾台北香港韓国ソウルタイバンコクシンガポールカナダトロントの各市内にも常設のメイド喫茶が、また中国北京上海フランスパリなどではイベントなどでの期間限定店舗が開店するまでになった。今後もこの傾向は続いてゆくものとみられる。

最近は期間限定で開店するメイド喫茶(2006年1月の「萌えカフェin六本木ヒルズ」など)やライブイベントとコラボレーションした「アキバなライブカフェ」、既存のメイド喫茶を借り切って行う移動型店舗形式の「雲雀亭」などメイド喫茶そのものがメインのイベントもある。

メイド喫茶から非メイド服の喫茶へ

それまで店員の制服や店舗のコンセプトはアニメ・ゲーム系のコスプレまたはメイドがメインの状態だったが、さらにジャンルの広がりが見られるようになった。

過去には名古屋・大須に「大須の巫女茶屋(2003年2月~11月)」というメイド同様にコスプレの一ジャンルであり、ゲームでもしばしば登場する巫女をコンセプトとした店舗があった。また、名古屋には「やすらぎ居酒屋 月天・がってん」(前身の「飲食夜神 月天(いんしょくやしん がってん)」から店名変更)という巫女が接客する居酒屋もある。

近年では萌え属性の一つである「妹萌え」に着目した「妹系カフェ NAGOMI(いもうとけいカフェなごみ)」、シスター教会をイメージした「St.GraceCourt(セントグレイスコート)」が秋葉原に(2010年10月31日閉店)、店舗を魔法学校であるというコンセプトの下に営業を行っている「王立アフィリア魔法学院」が池袋にできている(他に上野六本木、名古屋の大須、大阪・日本橋にも同じグループが運営する同一コンセプトの店がオープンしている)。2008年6月12日には秋葉原に「巫女さんかふぇ」が開店、店舗自体が神社というコンセプトでイベントスペースも併設していた(2009年1月25日閉店)。

池袋には男装した女性スタッフによるボーイズラブをコンセプトに据えた(実際は男女カプ系の乙女ゲームに近い)「B:Lily-rose(リリーローズ)」(閉店)、メイドとともに扱われることがある執事をコンセプトにした「執事喫茶 Swallowtail」が開店し吉祥寺にも2006年6月23日に「男装レイヤーズ Cafe & Bar Prince」(クロス吉祥寺3F)が開店(2007年12月31日閉店)して女性客を意識した店舗もある。

2006年6月に渋谷にスタッフ全員が外国人で外国人執事が女性客をプリンセスとしてもてなすというコンセプトの「外国人執事喫茶 BUTLERS CAFE」が開店。日本初の外国人執事喫茶である。

2007年11月に、ライブとオタ芸を売りとした「Dear Stage」が台東区秋葉原にオープンした。同店には「ディアガール」と呼ばれるライブアイドルが所属し、一日数回のステージとお給仕を行う。店内にはステージが設置され、お酒やお食事を楽しみながらライブを観賞したりオタ芸を打つことができる。

2010年3月21日、茨城県ひたちなか海浜鉄道鹿島臨海鉄道で列車を使ったメイド喫茶「メイドトレイン」を運行した。ひたちなか海浜鉄道は1960年代の古い車両が多いことを逆手に取り、同年代の食堂車をイメージしたウエイトレス風のメイドが、鹿島臨海鉄道ではリゾート列車マリンライナーを用い秋葉原のメイド喫茶をイメージした萌え系のメイドがそれぞれ給仕した。

企画

各店舗では客を確保するために、多種多様なサービスやイベントをしている。

サービス

ポイントカードの発行や会員制サービス、店員とのコミュニケーションがとれるサービスなどがある。

御主人様、お嬢様の帰宅を記録するポイントカードは満了すると2ショット撮影や価値の高いコミュニケーションサービスが受けられる。お客をメイドが名前で呼ぶことにより同一性が保持されリピーター増加に繋がる。コミュニケーションサービスには「お帰りなさいませ、御主人様(店によっては“旦那様”、女性客なら“お嬢様”)」などの挨拶で客を出迎える他に跪いておしぼりを渡す・注文を取る、メイドとゲームで遊ぶ、ドリンクにミルクなどを入れてかき混ぜる(店によっては「愛込め」と呼んでいる)、席でオムライスにケチャップを用いた落書きをする、パスタなどをかき混ぜる、息を吹きかけて冷まして食べさせてあげる、客が帰る時には「行ってらっしゃいませ、ご主人様(旦那様、お嬢様)」と声をかける、などがある。なおゲームや一部のサービスは「萌えメニュー」、「アミューズメントメニュー」などとして料金が発生することがある。

飲食物

提供される飲食物は一般的な飲食店で提供されるメニューを基本としているが、全体として以下のような特徴が見られる。

  • 商品に「萌え」又はアニメ・ゲーム世界を想起させる名前を付けている店舗が多い。
  • デザート系(ケーキ、パフェなど)のメニューが多い。
  • 量が少なめである。
  • フード系ではオムライスが前面に出され、ケチャップソースなどにより装飾を施す場合が多い。大阪・日本橋ではお好み焼きたこ焼きに装飾を施す店舗もある。
  • 器の盛り付けや装飾にアニメ、アスキーアートなどのキャラクターを用いる。
  • ソースなどでトッピングを施し、遊び要素が感じられる。
  • 店員がオリジナルカクテルを持っている店舗もある。

上記に挙げた以外にも、特徴の多くは飲食物の味の改善や新規性より店舗のコンセプトや店員のキャラクター性を補強する性質が強い。しかし中には一般の店舗よりも高級志向、グルメ指向を有する店舗も見られ両極化の傾向が現れている。

一例として、本格的なアフタヌーン・ティーセットを供する店舗が見受けられる。紅茶スコーンまたはサンドイッチ、ケーキなどで、食器もティースタンドを用いセットで2,000円程度が相場となっている。

展望においても後述するがコスプレ系飲食店の中でも喫茶店の場合、調理専門の店員を置かずメイド(コスプレ店員)をキッチン担当とする店舗とキッチン専任スタッフが調理する店舗がある。多くのコスプレ系飲食店のメニューは割高であり、提供される飲食物は品質が安定しない場合も散見される。冷凍食品やレトルトパウチ食品を使用しているメニューもある。しかしコスプレ喫茶は、料理の質よりも店員とのコミュニケーションやサービスの質が重要視される。コスプレ喫茶では料理が一つのサービス提供のツールとして機能している。近年はキッチンやホールに男装のギャルソンを配置する店舗もある。

店舗内の装飾については萌え絵のマスコットキャラクターを前面に出したり、店舗の構造上から通常のオープンカフェのような店舗やテーマ、世界観に基づきお屋敷風に装飾するなど様々である。テーブル席のみの店舗とカウンターとテーブル席を併設している店舗がある。

イベント

店舗が独自にコスチュームに変化を持たせ集客を図るイベントや、店舗外で常連客を集めライブや撮影会などを行うイベントがある。こういったイベント情報は店頭および店舗のホームページ、mixiのお店のコミュニティ、あるいは店員のブログなどで手に入れることができる。

前者の例としては季節にあわせ衣装をメイド服から水着や浴衣、人気アニメのコスプレに変えるなどがある。「Cos-Cha」では店員がスクール水着を着用するイベントを開催したところ待機列が公道にまで伸び、通報により警察が出動して騒ぎになった。ちなみに「Cos-Cha」は以後もこのイベントを3回実施し、いずれも行列ができるほどの盛況ぶりであったという。同店ではほぼ毎月のように衣装を変えるイベントを行っているが、どの程度集客にプラスされるかは不確定な要素がある。

「NAGOMI」では妹系キャラの店員がツンデレキャラになるというイベントを定期的に開催、TBSの『王様のブランチ』でもイベントの模様が紹介され話題になった。

店自体をイベントスペースとして、トークライブやミニライブなどを行っているケースもある。その代表的な店舗は2005年11月8日に開店した「めいどinじゃぱん」(2007年9月9日閉店)である。

風適法の規制

後述のように、店員が客と1対1で話すなどの接客が風営法上の接待に当たるのではないかという指摘により警察による指導が行われた事例もある。

2005年10月には福岡県警がメイドの接客内容が風営法で規定されている「接待(客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業)」に当たるとし福岡市内のメイド喫茶2店舗に対して風俗営業の届け出を行なうよう指導、指導を受けた同2店が風俗営業の許可申請を行った。

愛媛県警も松山市内のメイド喫茶に同様の指導を行っており、指導を受けた同店は「あくまで『喫茶店』としての営業を続ける」として届け出は出さず指摘されたサービスを取り止めている。11月には大阪・日本橋地区の店舗にも「客とゲームをする時の接客が接待にあたる」と管轄署である浪速警察署による指導が入り指導を受けた店舗が浪速署に「接待にあたる営業を行わない」とする誓約書を提出、該当するサービスを終了した。警視庁は2005年10月時点で都内の店舗に対しては同様の指導は行っていないとしたが2006年11月に渋谷にある店舗が都内では初めての行政指導を受け、その店舗は営業を休止した。2007年8月には静岡市で夜間はパブ、土日の昼間はメイド喫茶として営業していた店舗がパブ営業の際に風適法の許可をとらずに女性店員に接待をさせたとして静岡中央署が同店舗の経営者を風適法違反容疑で逮捕、メイド喫茶営業の際にも接待営業があったか調べている。

このことから後述するように「当店は風俗店ではない」とその旨を掲示し、風俗営業に当たるサービスは一切行っていないことを告知している店舗も増えている。

展開と展望

現状

現在コスプレ系飲食店は全国各地に広まり、一般にも広く認知されている。ちなみに店舗のほとんどは東京都や大阪府などの都市部に集中している。秋葉原で配布されるフリーペーパーを参照しても、飲食系・非飲食系を問わずコスプレ系業態は秋葉原だけで100店舗にもなる。

様々なサービス・イベント・宣伝などを行い、利益を出している店舗がある一方で採算が取れず閉店という選択を取る店舗も増えている。一般的な飲食店と比較すれば飲食専業ではないこともあり飲食物のレベルは高いとは言いにくく、固定客を確保しても回転が悪ければ収入も得られない。客の回転を良くするため時間制限を設けたりチャージ料を設定する店舗もある。

一部では過剰な「アキバ系萌えサービス」を廃し、フードメニューや紅茶やコーヒーに対する専門店並のこだわりを売りにしたメイド喫茶店も徐々に出てきている。大阪・日本橋には既存のカフェレストランから業種転換して幅広い客層を取り込み成功した「e-maid(イーメイド)」やオープン前に洋食店へ修行に行き本格的に料理の腕を磨いたメイドが在籍し内装デザインもメイド自身が手がけた「Love Charm(ラブチャーム、後に閉店)」という店舗があり、萌えだけではなく穏当な価格設定やフードメニューも質と量ともに充実させるという理念を掲げた店も登場している。秋葉原ではフ-ドメニューに力を入れていた「ショコラッテ」(2005年8月3日開店)が2007年3月31日に閉店し秋葉原においては店員の質やサービス内容、店の世界観などの重要性が再認識されることとなった。

こうした状況の中、乱立状態にあるメイド喫茶やメイド関連業種の初の業界団体として2007年4月1日に「CANDY FRUIT(キャンディフルーツ)」が中心となって「日本メイド協会」が設立された。協会加盟の会員間の情報交換や従業員の教育やセミナーの開催、「メイド検定試験」の実施、メイドの普及や地位向上などを主目的としており法人・個人を問わず任意入会を呼びかけることにしている。また、2007年6月には「ミアグループ」が中心となった「日本メイド喫茶協同組合」が設立された。店舗間に跨る大きな組織をイメージさせるがいずれの団体も加入者の多くは自社、関係者に留まっている。2007年10月13日に日本メイド協会による第1回メイド検定が実施され、秋葉原のメイドを中心に約60名の受験生が筆記試験を受験した。ただしこの検定内容はあくまでキャンディフルーツ独自の解釈であり、検定の普遍性・公共性を確立したとはまだいいがたい状況にある。

既存のメイド喫茶に混じり、あえてポジショニングとしてコミュニケーションを重視したキャバクラ的なノリの店舗も出てきている[3]

インターネットとメディアの活用

売上の拡大のためにはインターネットやマスメディアの活用は欠かせない。特にホームページの作成・更新は必須である。ブログや掲示板では双方向のコミュニケーションが可能となっている。またメディアに登場することは新たな客層を獲得することに繋がる。アイドル活動している店員を積極的に在籍させる店舗もある。新規参入者の中には飲食店の営業経験がない企業・個人や性風俗水商売からの参入と思われるものもある。

2005年12月にユーキャン流行語大賞で秋葉原の「@home cafe」のウェイトレスによるユニット、完全メイド宣言が「萌え~」でノミネートされている。

2006年5月22日毎日新聞大阪朝刊に亀田早苗による「メードカフェ:女性記者が体験 『ご主人様、大丈夫か?』」と題した論説が掲載されるなど、メイドカフェに関する記述は一般紙上でも見られる。

マナーとトラブル

コスプレ系飲食店が一般に認知され多くの人が訪れるようになり、さまざまなトラブルもまれに発生するようになった。来店するの客のマナー、モラルも問われている。各店舗はトラブル防止のため店内掲示やホームページ上などで注意を呼びかけると同時にシステム面の改善に尽力している。

ほとんどの店舗が店内での撮影を禁止している。デジタルカメラや携帯電話などを使って無断撮影する行為は店内の雰囲気を乱し、店員のプライバシーの侵害ともなる(料理の撮影は許可している店舗もある)。現在は無断撮影する客はほとんど見られない。メニューやポイント特典にチェキ撮影のある店舗は店側のポラロイドカメラによって撮影を行う。店内での無断撮影が問題になった例としては講談社の女性誌「VoCE」による盗撮行為が挙げられる。また、店外でビラ配りをしているときの撮影も禁止している店舗もある。

人気店員に対するストーカー行為は店舗が最も警戒している行為である。秋葉原においては店員と客という関係でプライベートで接触することはあまり無い。また秋葉原においてはアドレス交換を禁止してる店が殆どである。アイドル活動している店員のいる店舗では出待ち、入り待ちを禁止し店員の安全に注意を払っている。

店内を全面禁煙としている店舗と店内分煙としている店舗、喫煙に関する決まりのない店舗がある。喫茶店を禁煙にするのもどうかという見方もあり喫煙については難しい問題であるがコミュニケーション重視のメイド喫茶は全面禁煙が多く、それ以外のメイド喫茶は分煙(仕切などは特にない)としている店舗が多い。居酒屋、バーでは喫煙に関する決まりは特にない店舗が多い。

店員の「引き抜き」行為なども起こり得る問題であるが、敵対的な引き抜きは見られない。店舗間のつながりや個人の紹介で店員が移籍するケースはあるようである。

2006年1月には秋葉原の「CAFE&DIMENSION」の閉店後に男性が店内へ入り閉店作業をしていたメイドを刃物で脅し、無理矢理店外へ連れ出すという事件が発生した。店内で通報していたため、犯人は急行した警官によって店を出た直後に威力業務妨害などの疑いで現行犯逮捕された。「CAFE&DIMENSION」は一時閉店しその後再開。また別の事例として同年10月には秋葉原の路上でチラシを配っていたリフレ店のメイドに男性が客を装って店に案内させ店舗の入居するビルの階段で猥褻な行為に及んだもののメイドが抵抗したため犯人は逃走し、未遂に終わったという事件もおきている。こうした行為は一部のメディアで「メイド狩り」と称されて紹介された。

飲食店では当然店員に触ることが禁止されているが店員がキスをされる、胸を触られるなど一部マナーの無い客も存在した。こうしたトラブルを防止するために「当店はキャバクラではありません」という注意書きを掲示するメイド喫茶や「当店は風俗店ではありません」という注意書きを掲示するリフレ店もある。

秋葉原では店舗間での防犯面での情報交換を目的として2007年6月に「秋葉原地区メイドカフェ等防犯連絡会議」が設置され、地元商店会や万世橋署とも連携している。コスプレ系飲食店での窃盗や強盗などの事件は置き引きが年に数件報告されているだけである。しかしメイド喫茶は男性スタッフが前面に出ないため防犯対策の甘さが指摘されることもあり、「秋葉原地区メイドカフェ等防犯連絡会議」でも議論されている。

過剰な客引きが問題となった事例もある。名古屋のコスプレ喫茶「moexレイヤーズ」は2005年8月にオープンしたのだがJR名古屋駅の近くで店員が警察の許可を得ずにコスプレ姿で公道で客引き行為を行い、警察から行政指導を受けている。なお、この店は2006年2月をもって閉店している。

また、大阪・日本橋のメイド喫茶の中には「ぼったくり行為」を行う店があると朝日放送のテレビの情報番組『キャスト』で放送された。店員とのトーク代やドリンク代、サービス料などで高額な請求がされ、経営者は「料金説明はしているし、営業自体に問題は無い」と話しているが、弁護士の浦田忠興は「法制度の隙間をくぐったものであり、取り締まるためには新たな法整備が必要」と指摘している[4]。そのぼったくり喫茶がめいどりぃむであるが、秋葉原にもHermate萌えコン系列の店(萌えコン@カフェ、萌えコン@鉄道、萌えコン@耳かき NEXT)のようなめいどりぃむに匹敵する悪質店舗も存在する。

コスプレ系飲食店を題材とした作品

Wikipediaに項目があり、コスプレ喫茶やメイド喫茶・メイドカフェを物語の主題や主たる舞台にした作品を取り上げる。

漫画・アニメ

ゲーム

飲食店以外のコスプレ系業態

秋葉原を中心にコスプレ系飲食店とは別の形で、コスプレをした店員を常駐させた新たな業態が展開されている事例もある。

おそらくこうした形での元祖といえるのが、漫画専門古書店まんだらけ」だと言えるだろう。現在のようなコスプレを主体とした店舗ができる以前から「コスプレ店員」を常駐させていた。

2000年ごろから秋葉原に店舗を構えるインターネットカフェ漫画喫茶ゲームセンターではメイド服を制服にした、もしくはコスプレをした店員が常駐する店がでてきている。現在では更にリラクゼーションマッサージリフレクソロジー)店(マッサージ店単独で営業されている店舗と、メイド喫茶に併設されている店舗とがある)やパチンコ店、雀荘美容室眼鏡店、カラオケボックスなどにも広がりをみせ漫画喫茶やゲームセンターでも秋葉原以外の地域にコスプレ店員を常駐させている店舗ができるようになった。また、秋葉原の街をメイドが案内するというサービスを行う店舗も登場し、ガイド専門の無店舗型の場合とカフェやリフレを併設しサービスのひとつとして行う店舗がある。

2005年には「メイドホテル」と銘打った宿泊施設も登場、マスメディアやインターネット上で話題となったが採算が取れずに1ヶ月ほどで閉館となったというケースもある。

出張メイド・イベントコンパニオン業

「出張メイドサービス」という業態もできている。福岡の「maidear(メイディア、現在は営業終了)」がその始まりでメイドの衣装を着た女性スタッフが派遣され、依頼者の部屋の掃除や洗濯を行うものでその後コスプレ衣装制作会社「キャンディフルーツ」が東京で同様のサービスを開始、マスメディアに取り上げられた事から話題となり同業者も急増している。興味深いことにこのサービスにはオタク層だけでなく、ごく普通の主婦の間でも少なくない利用があるという。

2007年には石川県金沢市にメイドが同乗し買い物や観光などでの外出を補助する「メイドたくしー」なる福祉タクシーが登場したが障害者を装った健常者のみの利用が相次ぎ国土交通省が定める福祉限定許可から外れ、道路運送法に違反する恐れがあるとして1ヶ月で廃業した。

「出張メイドサービス」と類似するが一般的なイベントコンパニオン業態の範囲内に収まる、コスプレイヤー専門又はコスプレ衣装を着用したアニメ関連企業向けに特化したイベントコンパニオン派遣企業も存在する。通常のコミケ会場企業ブースでのイベントコンパニオンはこれまでモーターショーなどでみかけるモデル体型のイベントコンパニオン又は企業対コスプレイヤー個人の直接契約によるイベントコンパニオンが主であったが、秋葉原のメイドカフェ「ミアカフェ」が運営するコスプレイベントコンパニオン専門派遣企業「ミア・スタッフ」がコスプレイヤーに特化したイベントコンパニオン派遣サービスを展開している。同様に、コスパやキャンディフルーツなどのコスプレ衣装メーカー数社が類似のサービスをイベント向けオーダーメイドコスプレ衣装納入の一環として行なっている。

また日本国外でも男性が全裸に蝶ネクタイ、シャツの襟・カフス、尻を露出したエプロンのみの格好でパーティーなどでサービスを行う「執事コンパニオン」ビジネスがスタートした。ストリッパーの趣味の良い代わりとなる存在として注目を集めている(参考:原文 -- No Sex please, we're British butlers, Tue Jun 6, 2006, By Paul Majendie(ロイター))。

その他

なお類似のものに「コスプレ風俗」というものがあるが、これに関しては「性的ロールプレイ」を参照されたい。

脚注

外部リンク