「不謹慎ゲーム」の版間の差分
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# 事件の2ヵ月後に発売予定だった爆弾によるビルの解体をテーマとしたパズルゲーム『[[ビルバク]]』の発売が突然中止になり、内容を修正した上で半年後に発売された。 | # 事件の2ヵ月後に発売予定だった爆弾によるビルの解体をテーマとしたパズルゲーム『[[ビルバク]]』の発売が突然中止になり、内容を修正した上で半年後に発売された。 | ||
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また、特別な事件などがなくても『不謹慎』の範囲は時と共に変化するため、発売当時とは異なる評価をされるゲームもある。 | また、特別な事件などがなくても『不謹慎』の範囲は時と共に変化するため、発売当時とは異なる評価をされるゲームもある。 | ||
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2010年8月19日 (木) 17:10時点における最新版
不謹慎ゲーム(ふきんしんゲーム)とは、社会的な事故・事件などを題材に、揶揄や中傷、ないし悪ふざけを目的として作成されたコンピュータゲームの総称である。また特に事故や事件でなくとも、その主題が犯罪を行なうことであるゲームも不謹慎ゲームであると考えられている。
しかしこの「不謹慎」の範囲は時代によって人によって判断が異なる場合があるため、不謹慎ゲームであるか否かに関して意見がわかれる場合がある。(→#価値観の論争)
概要[編集]
不謹慎ゲームでは、時事ネタを扱う関係から、簡易にプログラムの作成が可能なスクリプト言語、あるいはRPGツクールなどのコンストラクションツールやFlashなど、プログラミング的な技術をあまり要求されないツールで作成されることもある。
一般的に不謹慎ゲームと考えられるものは、商業的に販売されることはほとんどなく、主にインターネットやパソコン通信などで配信される。そのため、そのような形態をとることが容易なパソコン用のものがほとんどである。家庭向けゲーム機用のものは、プログラムを作成する環境を調えることや、実機で動作する形態で配信・配布することが難しいのでまず見られない。しかし市販のゲームソフトがその内容から不謹慎だと問題視される場合もある(後述)。
ゲームの内容としては、安易なシミュレーションゲームやパズルゲーム、単純なアクションゲーム等が多い。既存のゲームのアイデアやリソースを流用して作成(この場合は著作権の侵害になる可能性がある)されたものもあるが、概してゲーム性は低い。中にはゲームともみなされないようなジョークプログラムに類されるものもある。
これらの制作者は一部のアマチュアであるとされるものの、匿名でインターネットやパソコン通信、もしくは愛好家向けの同人活動の範疇で配布されるため、一部には同人グループ名のわかるソフトウェアも見られるものの、その多くにおいて制作者の実態は不明である。
有名な作品とその歴史[編集]
日本国内において、不謹慎ゲームは8ビットパソコンの時代から存在したものの(『万引きゲーム』などがある)、あまり一般社会に知られることは無かった。米国では1993年の世界貿易センター爆破事件や、1978年から1996年にかけて大学・航空会社関係に手製爆弾を送り付けたユナボマー事件(→セオドア・カジンスキー)がメディア上で取り沙汰された際に、PC/AT互換機向けなどに同種のゲームがパソコン通信を通じて配布されている。
日本に於いて不謹慎ゲームを一躍有名にしたのは、地下鉄サリン事件を題材として作成された『地下鉄サリンゲーム』が挙げられる。これはサリン袋を地下鉄車両や駅に仕掛け、死傷者数を競うという内容であった。当時、Windows95の発売により家庭へのパソコン普及が急速に進んでいた背景もあり、マスコミ等でもさかんに報道された。この事件の後、オウム真理教を題材とする不謹慎ゲームが多数作成され、主にインターネットを通じて配信された。
その後、食品細菌混入事件や潜水艦衝突事故、ストーカー殺人、通り魔殺傷、小学校児童殺傷事件など社会を騒がせる事件が起きた際に不謹慎ゲームは散発的に作成され、度々マスコミの報道するところとなった。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降、再び不謹慎ゲームは注目を集めるようになった。特に、飛行機を操作して世界貿易センタービルを模したビルに衝突させるゲーム、『旅客機でGO!』は広く報道された。またこれに関連する事件・人物を題材とした不謹慎ゲームには、オサマ・ビンラディンを射殺するゲームや炭疽菌を散布するゲームなどが存在する。
その後、現在に至るまでに不祥事を起こした会社や芸能人を題材としたものや、自然災害を面白半分に扱ったものなどが作成されている。
また2ちゃんねるなど電子掲示板のコミュニティで、「ネオむぎ茶ゲーム化計画」(→西鉄バスジャック事件)といったスレッドからつくられることもある。『麻原の野望』はこのスレッドから作られたが、こういった不謹慎ネタを好むコミュニティ上では、しばしばコミュニティ参加者らが即興で作ったような作品が公開され、これが二次・三次的に再配布されることも多く、やはり制作者・配布者はハンドルネームなどの表示はあるものの、匿名である傾向は強い。
不謹慎ゲームの例[編集]
- 昭和天皇崩御・平成改元
- 『平成京エイリアン』
- 地下鉄サリン事件
- ペルー日本大使公邸占拠事件
- O-157
- 北海道古平町豊浜トンネル岩盤崩落事故
- 神戸連続児童殺傷事件
- 香港返還
- 『香港97』
- 池袋通り魔殺人事件・下関通り魔殺人事件
- アメリカ同時多発テロ事件
- 『不謹慎ゲーム2001』仮(現在製作段階体験版が配布されている)
- 和歌山毒物カレー事件
- JCO臨界事故
- 西鉄バスジャック事件
- 『ネオむぎクエスト』
- 『モナーRPG』(ほか)
- 大阪教育大学附属池田小学校乱入殺傷事件(附属池田小事件)
- 奈良騒音傷害事件
- 『M.H.H.S. ~Miyoco Hip Hop Story~』
- 『抗議大戦』(ほか)
- 耐震強度偽装事件
- 『姉は一級建築士 ~イケない構造設計~』
- 『耐震アミーゴ』
- 2006ワールドカップサッカー選手権決勝・ジダン選手の頭突き退場事件
- 田代まさしによる不祥事
- 『タシロギアソリッド』(ほか)
価値観の論争[編集]
「不謹慎」と一言でいっても、その範囲は各人の立場や状況によって様々である。例えば、属する社会などでの常識、信仰する宗教、取り上げられている事象の当事者なのかどうか、あるいは、ゲーム内で虐げられる側かそうでは無いかなどによって変わってくる。社会問題として報じられた事件を題材としたようなものなど、ほとんどの人が「不謹慎」であると考えるゲームがある一方、ある程度個人的な事象を扱っているために、人によって判断が異なるゲームもある。
また、社会的影響の大きい事件が発生した場合、事件の前後でそれに関係する事柄の「不謹慎」の社会的な境界ないし閾値が変化してしまうことがある。このようなとき、事件以前には普通に市販されていたゲームが、結果的に「不謹慎ゲーム」とみなされることがある。また、発売予定のゲームが「不謹慎ゲーム」とみなされるおそれがあることから、制作者が自主的に内容を変更したり、販売を中止や延期したりすることもある。
アメリカ同時多発テロ事件の発生直後では、以下のような例が存在した。
- 架空の世界における国家間の戦争を扱ったシューティングゲーム『ACE COMBAT 04 shattered skies』で、ロシア製の旅客機型も存在する戦略爆撃機が撃墜されるシーンのあったため、CM放映が自粛された。
- ニューヨークが舞台のアクションゲーム『メタルギアソリッド2 Sons of Liberty』はムービーシーンの背景に世界貿易センタービルを模したビルが使用されており、発売時にはこのシーンが削除された。また、暴走した「アーセナルギア」がニューヨークに突っ込むシーンも9・11を連想させるとして削除された。
- 事件の2ヵ月後に発売予定だった爆弾によるビルの解体をテーマとしたパズルゲーム『ビルバク』の発売が突然中止になり、内容を修正した上で半年後に発売された。
- 『Flight Simulator 2004 A Century of Flight』では、マップ内の世界貿易センタービルを削除するために発売が遅れた。
また、特別な事件などがなくても『不謹慎』の範囲は時と共に変化するため、発売当時とは異なる評価をされるゲームもある。
この他にも、実際の社会では忌避されるような犯罪行為をゲーム内で仮想体験させるような残酷ゲームもある。そのようなものは、似たような事件の被害を受けた被害者などやゲームの社会的影響を懸念する者にとっては、『たかがゲーム内の仮想体験』では済まされないとして、批判される事がある。
現実的には、発表が行われた国で人倫に反するという一般的な社会的によって不謹慎かどうかは判別される傾向にある。この他、特定個人・団体を中傷する作品を発表し、流通させた場合には名誉毀損や侮辱罪が適用されるものと思われる。またいくつかの不謹慎ゲームは少年犯罪者や事件の被害者の顔写真を無修正で使用しているため少年法やプライバシーにも反することも考えられる。
関連項目[編集]
- 残酷ゲーム
- メディア・リテラシー
- 日本コンピュータクラブ連盟
- 山本隆雄
- チェルノブ 発売当時はチェルノブイリ原発事故から2年しか経っておらず轟々たる非難を浴びた。
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