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千葉 景子(ちば けいこ、1948年(昭和23年)5月11日 - )は、日本の弁護士、政治家。法務大臣(第83・84代)。前参議院議員(4期)。
人物、活動についてはこちらのまとめサイトをご覧頂きたい。
目次
経歴[編集]
政界入りまで[編集]
横浜国立大学学芸学部附属横浜中学校を経て東京学芸大学附属高等学校を卒業し、1971年(昭和46年)中央大学法学部を卒業する。1982年(昭和57年)弁護士登録。横浜弁護士会に所属。弁護士としては、厚木基地爆音訴訟、富士見産婦人科事件、宇都宮病院事件を担当する。
社会党時代[編集]
弁護士活動を通じて日本社会党と関係が生まれ、所属していた弁護士事務所長からの薦めもあり、1986年(昭和61年)第14回参議院議員通常選挙に社会党公認で神奈川選挙区から立候補し初当選。以後、当選4回。社会党副書記長、社会民主党副党首を歴任するが、1997年(平成9年)1月に社民党を離党し、民主党に入党する。その後も、神奈川県の自治労や連合の支持を受け、「アムネスティ議員連盟」事務局長を務めた。
民主党時代[編集]
2004年(平成16年)7月11日第20回参議院議員通常選挙では、神奈川選挙区から立候補して4選。しかし、選挙運動の過程で、那谷屋正義と同じく労働組合による票のとりまとめのための買収工作があったとして、関係者が逮捕され、懲役1年6月・執行猶予5年の有罪判決を受ける。民主党・新緑風会副会長、党広報委員長を歴任。2007年(平成19年)8月、党総務委員長に就任。
民主党の次の内閣では男女共同参画人権総務大臣、法務大臣を歴任する。
法務大臣として[編集]
2009年(平成21年)9月16日第93代内閣総理大臣鳩山由紀夫の下で法務大臣に就任。「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属する議員が死刑執行命令を出す法務大臣に就任したことで、法と持論の間で死刑制度をどう考えていくか注目されていたが、同月29日に同議員連盟を外れる意向を示した。また、法務大臣による検事総長への指揮権については「慎重にしなければならないが、検察の行き過ぎがあれば指揮権の発動は制度としては認められている」と述べ、歴代法務大臣より踏み込んだ考えを示した。
2009年11月17日、自民党の棚橋泰文から鳩山由紀夫総理の脱税疑惑(本人は脱税を認めている)についての質問の際に、憲法第75条(国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意が無ければ起訴されない)と言う条文を存在しないと述べた。なお、千葉はこの発言の直後に条文を確認し、訂正している。
活動[編集]
- 1999年8月5日、日の丸・君が代を国旗・国歌とする法律について反対票を投じた。
- 2002年10月22日、国会代表質問で政府が民間給与との格差是正のため国家公務員給与の引き下げを実施することについて、自民党を中心とする政府の経済失政が民間給与の落ち込みを招いたと指摘し、官民格差の是正によって、給与所得を抑制することは問題があると指摘した。
- 2004年10月14日、参議院本会議で、小泉総理所信表明演説に対して質問を行う。千葉は第2次小泉内閣 (改造)について、「今般の閣僚、党三役の顔ぶれを見る限り、民間人の登用はゼロ、女性閣僚もたった二人、大変失礼ではありますが、新鮮味のない顔ぶれでした。」と皮肉った。しかし、後に自身が法務大臣に就任した鳩山内閣も、民間人の登用がなく、女性閣僚が二人という構成となった。
- 2006年4月26日、『共謀罪に反対する超党派国会議員と市民の緊急院内集会』の呼びかけ人の一人となる。
- 2007年6月25日、安倍首相に対する問責決議案を提出した。(結果は否決)
- 2008年4月16日に開催された民団の外国人参政権推進集会に賛同。
- 政権交代による入閣までは「児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」の担当を行っていた。児童買春・児童ポルノ処罰法改正検討チームの座長として見直し時期となっていた同法改正に取り組み、民主党側改正案を取りまとめたが、改正案は2009年7月の衆議院解散により与党(自民党・公明党)案と共に廃案となった。同法案改正に関する読売新聞紙上の特集記事においては、単純所持規制には冤罪防止の観点から慎重に、架空創作物規制に関しては分けて考えるべき等の発言を行っている。
参議院法務委員における活動[編集]
- 1999年8月11日、法務委員長の荒木清寛解任決議案を提出。その賛成討論では、議長から持ち時間を大幅に越えていることを何度も注意されるも、これを無視して発言を続け、『組織犯罪対策関連三法案の審議において、委員長の職権を乱用し、審査の請求や総理大臣に対する質疑の必要性を訴える議員を無視し、委員会の開会を強行した』と、激しく糾弾を行った。
- 2008年12月4日、参議院法務委員会における国籍法改正案審議の「討論」段階では、各党とも特に発言を行わずにそのまま採決に入り可決させる流れが事前の与野党折衝で取り決められていたものの、採決直前に自民党の丸山和也委員が突如発言を求める。澤雄二委員長(公明党)は一旦発言を許すが、委員会理事の千葉は自民党の約束違反として抗議。これを受けて委員長は速記を止めさせ審議を中断する。ほどなく委員長は審議を再開し、「特にご意見もないようですので」と挙手採決を行い、議案は全会一致で可決された。千葉は国籍法改正の付帯決議案を朗読している。参議院のインターネット中継で流れたこの様子は、動画サイトに転載された。
辛光洙の釈放[編集]
1989年「在日韓国人政治犯釈放の要望書」に署名。この中に、北朝鮮による日本人拉致問題の容疑者・辛光洙が含まれていた。 2009年9月、鳩山内閣に千葉が入閣する際に、この釈放問題は北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになると指摘されたが、総理大臣の鳩山由紀夫は「(同じく署名をした新閣僚の菅直人と千葉が問題のある行動をしたことについて)過去は問わない」と説明した。
この件について、千葉は「何故自身がこの様な問題のある署名にサインをしたのか調査する」と述べた。同月29日、千葉は産経新聞のインタビューに対し、署名をしたことについて「まあ、『うかつだったのかな』という気持ちはある。誤解を招くような結果になったのは、大変申し訳ないという気持ちではある」と釈明した。
2009年11月5日の衆院予算委員会にて稲田朋美自民党議員からこの件を追及された際には、辛が釈放嘆願のリストに含まれているのに気付かなかったと答弁している。
11月17日の法務委員会での答弁において、棚橋泰文自民党議員からこの件を追求された際には「かなり前のことなので覚えていない」「調査不十分で不注意であった」と答弁したが、撤回要求に対しては「辛光洙に対してのみの署名でないので撤回しない」と答弁。その後の追及で「署名内容は現在調査中であるため、お答えできない」と訂正し、さらに法相就任直後に署名内容の調査を始めたと主張したが、調査を命じた相手の名前や役職は明確に回答できず、2ヶ月に及ぶ調査がありながら現在まで結論が出ていない理由は全く述べられなかった。なお、同答弁において千葉氏は「北朝鮮工作員の味方であるように言われるのは心外である」と述べたが、最後まで署名の撤回については「調査中であり返答できない」という主張を繰り返した。
少年法の厳罰化への反対[編集]
- 2007年4月27日、参議院本会議において、政府が保護観察の強化などを盛り込んだ少年法改正案を提出すると、千葉は『凶悪な少年犯罪を作り出すのは社会が原因であり、少年法の厳罰化は、児童の更生に全く役に立たない』と強く反対した。
不法入国・不法滞在への対応[編集]
- 1989年、「在日韓国人政治犯釈放の要望書」に署名する
- 2004年4月7日、入国管理局の不法滞在外国人通報システムを批判した。
- 2004年4月13日、参議院法務委員会で、不法滞在者への罰則強化は不法滞在の抑止力にはならず、外国人と共生できる社会への道を閉ざしているのではないかと質問した。
- 2006年3月27日、出入国・在留管理を強化し、テロリストや不法入国などのブラックリストに符合した外国人を直ちに強制退去させる出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に反対し、『指紋採取の入管法改正は大問題~3/27緊急集会』の呼びかけ人となる。
- 2006年11月、法務省入国管理局が難民不認定処分と国外退去処分を下したイラン人に対して、処分の取り消しを求める運動の呼びかけ人になる。
- 2007年8月、法務省入国管理局が退去強制命令を下した1997年に観光ビザで来日し、神奈川県川崎区に不法滞在していた韓国人の家族に対して、撤回を求める働きかけを精力的に行う。
- 2007年10月30日、テロ防止のため入国・再入国のたびに、指紋と顔情報の提供を義務づける「日本版US-VISIT」に反対し、『「テロ対策」と日本版US-VISITを考える院内集会』の呼びかけ人となる
- 2009年3月17日、参議院法務委員会において、他人名義のパスポートにより日本に不法入国した家族に対して、強制送還をせずに、一家全員を日本に在留させる特別措置をするよう森英介法務大臣に求めた。
- 2009年9月30日、法務大臣として「(不法入国者やオーバースティの外国人が)日本に長年定着し、罪を犯したりすることなく一生懸命働き、家族も日本がふるさとのようになっている人に『帰りなさい』というのはねえ。日本社会もそういうみなさんの力で成り立っている。少子化などもあり、日本に寄与して地域の一員になっているみなさんに温かい目を向けていく方向にしていきたい」と産経新聞のインタビューに答えた。
- 2009年10月9日、最高裁判所から中国残留孤児と血縁関係がないと判断され、大阪入国管理局から国外退去を命じられていた姉妹に対して、法務大臣の権限で在留特別許可を認めた。この件について、自民党の稲田朋美から、彼等が不法入国者である事を隠して生活保護を受けていた点を国会で指摘されたが、千葉は「法相の管轄では無い」と釈明し、コメントを避けた。
従軍慰安婦問題への取り組み[編集]
- 1999年、日本の戦争責任資料センター代表の荒井信一や西川重則が主催する「恒久平和調査局設置を求める院内集会」に参加。
- 2000年4月福島瑞穂らと共同で戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を提出した。
- 2002年7月23日、参議院内閣委員会の戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案についての審議において、日本政府の『従軍慰安婦への賠償並びに財産及び請求権の問題は日韓基本条約とサンフランシスコ平和条約で法的に解決している』という見解に強い憤りを表明し、慰安婦の名誉と尊厳の回復を政府が積極的に行うべきだと主張した。
- 2002年5月、衆院第二議員会館で開催された「元『慰安婦』の補償と名誉回復のために! 決起集会」に参加し、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案の成立を訴えた。
- 2006年3月29日、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を参議院に提出する。(結果は廃案)
- 2007年2月21日、マイク・ホンダがアメリカ合衆国下院121号決議を成立させる動きに連動し、米議会の公聴会で慰安婦を名乗り証言した李容洙を招いて開催した集会に参加。米下院に提出された決議案の通過阻止を目的に日本当局がロビイストを雇いロビー活動を行っていることについて非難した。
- 2008年6月10日、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を参議院に提出する。(結果は廃案)
- 2008年8月7日、「アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心の刻む集会」実行委員会が招聘した慰安婦を自称する女性を谷岡郁子と一緒に横路孝弘衆議院副議長や江田五月参議院議長に引き合わせ、「日本国民の一人として、深くお詫びします」と謝罪をさせた。
夫婦別姓制度の推進[編集]
- 1999年1月27日、全国フェミニスト議員連盟などが主催する『夫婦別姓選択制と婚外子差別撤廃の実現に向けて市民と国会議員の集い』に参加。
- 2009年4月24日、選択的夫婦別姓制度の導入を柱とする「民法の一部を改正する法律案」の筆頭発議者となる
「子供は国の宝」発言への批判[編集]
2007年2月15日、参議院厚生労働委員会で、安倍首相が今国会の施政方針演説で「子供は国の宝」と述べたことについて、「子供は経済や年金のために生まれるのでない。子供は国のために生まれるという発想があるのではないか」と批判した。
ただし、自身が所属する民主党の『次の内閣厚生労働部門 ~民主党の政策提言~』に、「子どもは国の宝」と挙げられており、また、2006年4月に民主党が提出した「小児医療提供体制の確保等のために緊急に構ずべき施策の推進に関する法律」も同じ言葉が使われている。民主党の議員も郡和子が2006年4月6日衆議院本会議において”子供は国の宝”と述べている。
指揮権発動発言[編集]
2009年9月21日、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』にて検察の暴走を抑える為に指揮権を発動するとの趣旨の発言をしたが、同番組中において同じくゲスト出演していた山際澄夫は、検察が民主党小沢幹事長の西松献金問題や鳩山由紀夫総理の故人献金問題などについて捜査をおこなっているとして、「故人献金の捜索を検察がやるって時に法相がそんな事言うのは大問題だ!!」と批判した。
所属議員連盟[編集]
- アムネスティ議員連盟(事務局長)
- 新政局懇談会
- 恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟
- 朝鮮半島問題研究会顧問
- 在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟呼びかけ人
- 死刑廃止を推進する議員連盟2009年9月16日の記者会見で明らかにした。
- 戸籍法を考える議員連盟
公約[編集]
- 「横須賀港の原子力空母の母港化に反対し、厚木基地のNLPは硫黄島に移転させる」「政府から独立した人権擁護機関を都道府県毎に設置する」「外国籍県民と共生できる社会」などを公約としている。
政策[編集]
- 二重国籍を推進している。
- 人権侵害救済法を推進している。
- 国籍法改正を推進している。
- 外国人参政権の賛成派。
- 夫婦別姓の賛成派。
- 鳩山由紀夫内閣で法務大臣に就任したが、自身は死刑制度に反対しており、死刑廃止を目指す議員連盟にも名を連ねている。
- 定着している不法滞在者には温かい目を向けていくとしている。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- トマトクラブ(公式ホームページ)
官職 | ||
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次代: 現職
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歴代の法務大臣 |
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