黄色
黄色(きいろ)は、色の一つで、太陽のような色。波長は565nmから590nm程度。 色材の三原色(絵の具の三原色)の一つであり、赤と緑の光を混ぜても同じ色に見える。広義には、次のような色が黄色と呼ばれる。
色材の三原色[編集]
色材の三原色の一つとしての黄色は、次のような色である。
これは青(ブルー、紫みの青)の補色で、この色の顔料は青の波長を吸収する。カラー印刷でのインク・トナーに使われ、通常シアン・マゼンタ・黒と共に使われるため、CMYKと呼ばれる。ただし、現在の技術では理想的な黄色のインク・トナーを作ることは難しく、黄色のインクは理想的な黄色とは微妙に違う色となる。なお、
黄色の色材[編集]
かつては発色性が良く、紫外線にも強い硫化カドミウムを主成分とした無機顔料(カドミウムイエロー)が使われていたが、有毒かつ高価なため今日では高級な油絵の具や水彩絵の具を除いてほとんど使われない。今日では化学的に合成されたアゾ系の有機顔料が主体。アゾ系の黄色顔料はパーマネントイエローの名前で絵の具にも使われるが、ホルベイン工業ではアゾ系顔料と無機顔料でありながら毒性のないチタンイエローの混合物からつくった絵の具を「パーマネントイエロー」として売っている(但し油絵の具と透明水彩絵の具のみ)。また、黄色の無機顔料としては他に黄鉛(クロムイエロー)、ジンククロメート(亜鉛黄、ジンクイエロー)、ストロンチウムクロメート(ストロンチウムイエロー、ストロンシャンイエロー)、黄土(イエローオーカー)、ニッケルイエロー、ビスマスバナジウムイエロー(バナジウムイエロー、ビスマスイエロー)等があり、無毒な黄土、ニッケルイエロー、ビスマスバナジウムイエローは有機顔料と同じくらいよく使われる。黄鉛とジンククロメートは有毒だが生産量が多く今日でも塗料に多く使われるので、この2つは日本工業規格(JIS)で統一規格の対象として規定している12品目の顔料の1つとなっている。なおセラミック顔料のクロムチタンイエローやプラセオジムイエローも黄色の無機顔料である。黄色の有機顔料、とりわけ一般印刷に使用されている汎用品は赤と同様紫外線に弱いため、数箇月屋外に掲示されたポスターなどは赤と黄が無くなり、紺色に見える。
警戒色としての黄色[編集]
黄色は視認性の高い色で、特に黒との組み合わせは非常に目立つコントラストとなる。この「黄色と黒」の組み合わせを一般に「警戒色」と呼び、交通標識や工事現場、各種工場で多用される。
日本海海戦のロシア艦隊は、煙突を黄色と黒に塗り分けており、日本艦隊にとって視認しやすかったと言われている。又、蜂と虎の体色も、黄色と黒の組み合わせ(縦縞)である事が多い。これは、蜂は毒針で刺す能力を持つ自分を、虎は咬み殺す能力を持つ自分を、視覚的に他の動物に印象づけることで、外の動物が避けてくれるようになる効果を持つと言われており、これを生物学の分野でも「警戒色」といい、俗に「虎マーク」とも呼ばれている。
このように、黄色は暗い所でかなり目立つ色なので、特に小学生が登下校時に被る通学帽や、幼稚園児の通園かばんや、児童用の雨傘には、黄色一色が用いられる事が多い。又、合羽やヘルメットにも、黄色一色が用いられる事も多い。
スポーツ界でも、「黄色と黒」の組み合わせを用いるチームもあり、(1) 黄色と黒の縦縞とするパターンや、(2) 上半身が黄色で下半身が黒のパターン、の2通りがある。
黄色に関する事項[編集]
- 一般に、黄色は注意を意味する色として使われる事が多い。例:黄信号、イエローカード
- 日本では、黄色い背景と黒い文字の組み合わせで注意を喚起する為に、黄色のマーカーが多用されている。
- 炎色反応で黄色を呈する元素としてナトリウムがあげられる。ナトリウムランプはこの性質を利用した照明器具である。
- 五行思想では、黄色は「土」を表し、中央の色とされる。例:黄竜
- 現在では、黄色は穀物の穂や夕日のイメージから、「秋」や「西」を意味する事が多い。 ⇔緑
- 穀物が実ると黄色くなる事から、「豊穣」「金運」を表す事がある。
- 古代中国では、黄色は皇帝・皇位を表す色として重宝された。
- 国旗などでは黄色を用いることで、金色を表すことも多い。
- 太陽やひまわりの色。又、太陽のような鮮やかな黄色をサンイエローともいう。日本では古くより山吹色(やまぶきいろ)とも言う。
- ドイツの郵便ポストの色。マークは郵便馬車のラッパ。
- 紙が古くなると黄ばむ事から、黄色は「低俗」「大衆受け」「臆病」の象徴として用いられる。例:イエロージャーナリズム(センセーショナルな報道)、黄色組合(御用組合) ⇔青(高尚)、赤(勇敢)
- 政治的には、黄色は労資協調主義(容共×親政府)を象徴する。 ⇔赤、白、黒
- 特に女性の、甲高い声を「黄色い声」と呼ぶことがある。
- 気候では「乾燥」を表し、砂漠や乾燥帯は黄色で示される。
- 心理学的に黄色は光に象徴されるように、開放感、気分の明快さを与える色である。
- 黄色は子どもの時は好まれるが、大人になると次第に好まれなくなる色の代表である。要出典
- スーパー戦隊シリーズの登場人物の一人に、黄色が使われることが多い。作品により男性にも女性にも使われる。
- プロ野球・福岡ソフトバンクホークス・阪神タイガースのチームカラー。
- カナリアの色としても知られており、それ故黄色のユニフォームのワールドカップブラジル代表はカナリア軍団と呼ばれる。
- 仏教では、黄色は「畜生」の世界の色として考えられている。
- かつて西武鉄道がコーポレートカラーとして使用していた。
- 中央・総武緩行線、南武線、鶴見線、総武本線のラインカラー。
- 名古屋市営地下鉄東山線のラインカラー。
- タイ王国では、プミポン国王の生まれた曜日である月曜日の色であり、月曜日には多くの国民が黄色い服を着用する。
- 林家木久蔵の笑点の大喜利での着物の色。
- 東海道新幹線・山陽新幹線ののぞみの種別カラー。
- 筑豊篠栗鉄道事業部所属(福北ゆたか線用)のJR九州813系とJR九州817系のCTステッカーの色。
ピカチュウとイエローデビルの色
黄(イエロー)を含む言葉[編集]
- 黄金→金
- 黄銅
- 黄道
- 黄色人種→モンゴロイド
- 黄犬契約
- 黄表紙
- 黄色い救急車
- 黄色作戦(第二次世界大戦時のドイツ軍による西部戦線進撃作戦)
- イエロー:1970年代中期日本のロックバンド。
- イエローカード
- イエローキャブ
- イエローケーキ:ウランを精鉱すると黄色になることから。
- イエローページ:職業別電話帳。NTT発行のものはタウンページ。
- イエローモンキー
- 欧米人が使う日本人への蔑称語。
- 日本のロックバンド、THE YELLOW MONKEY。
- イエロー・マジック・オーケストラ
イエローデビル。ロックマンの敵
黄色と他の色を混ぜると[編集]
近似色[編集]
関連項目[編集]
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・黄色を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |