「赤」の版間の差分
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2018年7月14日 (土) 21:47時点における版
赤(紅、あか)は暖色の一つで、ヒトの血のような色。可視光線のなかで波長が最も長く、およそ 700 nm である。なお、朱色、緋色についてもここで扱う。
単体(絶対的概念)で示す時には赤の字も使われるが、対比(相対的概念)や熟語で示す時には紅の字を使い、紅色(こうしょく)という(例:紅白、紅緑灯)。尚、朱の字は紅橙色(紅と橙の中間色)を意味する。赤より波長の長い光を赤外線と呼ぶ。
赤は、下のような色をしている。
左から
- 光の三原色でレッド(R)と呼ばれる色
- 絵の具の三原色のひとつで、四色刷の印刷のインクのひとつとして多用されるマゼンタ(M)と呼ばれる色
- 印刷物などに多く使われる金赤(キンアカ)という色(マゼンタ(M)100%+イエロー(Y)100%)
である。
赤の色材
赤色は血の色や明るい(アカルイ)にも通じ、昔から多用されてきた色である。かつて赤色の色材として使われた水銀化合物の辰砂や鉛化合物の鉛丹は鮮やかな赤であるが有毒であり、赤色酸化鉄(弁柄)は無毒だが色調に鮮明さを欠く。アカネ色素をレーキ化したマダーレーキ(ピンクマダー、ローズマダー、ディープマダー等)やエンジムシの色素をレーキ化したコチニールレーキ(クリムソンレーキ、カーマイン)も同じ成分を持つ合成品に代替されたので、今日では鮮やかな赤は原則として化学的に合成される。赤の合成色材は一般に紫外線に弱かったが、最近十分な耐性を持つ顔料が開発され、自動車にも使われるようになった。しかしこれは非常に高価で、そのため赤い自動車はその分値段が高い。
- カドミウムレッドの画像
赤に関する事項
- 赤のイメージに起因する事項
- 火や血液からの連想で、一般に「情熱」や「活気」など、精神や物事の盛り上がりを表すことが多い。
- 一般に、赤は「熱暑」「激情」を表す。地図上で、熱帯は赤で示される。(⇔青)
- 赤は「警告」「禁止」「失格」(※注)の色として用いられる事が多い。例:赤信号、赤点(⇔緑)、レッドカード
- ※モータースポーツにおいては、失格は黒旗であり、赤旗はアクシデントによってレースが中断または中止される意味となる。
- 一般に赤は喧嘩、戦争をイメージし、悪い影響を与える。
- 郵便局の配達車やオートバイや郵便ポスト、消防車は赤色である。
- 赤(レッド)はスーパー戦隊シリーズではリーダーの色として使用され、熱血漢のキャラクターが当てられることが多い。
- 中国においては、赤は忠義を示す色とされる。(例:京劇における関羽)
- 赤=血液のイメージからの事項
- 赤→血→革命という連想から、政治的に赤は革命・社会主義・共産主義を象徴する。社会主義国の国旗には赤地の物が多く、特に共産主義者は俗に「赤」(『アカ』の表記も)と呼ばれる。例:赤狩り、赤軍(=革命軍) (⇔白)
- 赤は血のイメージから、「生」「愛」「祝賀」を意味する事も多い。例えば、結婚式などの吉事祝典には、紅白の幕や紅白の水引が使われる。(⇔黒)
- 転じて旧帝国陸軍歩兵科の兵科色として緋色が制定されていた。陸上自衛隊においても引き続き普通科の旗やパレード時に着用するスカーフなどで赤色が用いられている。
- 愛のイメージから、性別において赤は女性を表す。例:「紅一点」 (⇔黒)
- 色彩心理学における赤
- 宗教・民俗学などにおける赤
- 五行思想において、赤は「火」を表し、南方の色とされる。例:朱雀
- 民俗学において、赤には「魔除け」の意味があるとされ、神社の鳥居は赤いことや、地蔵の涎掛けも同様の意味があるとされる(諸説あり)。また、郷土玩具は、飛騨・高山市の猿ぼぼなど赤いものが多い。子供への疫病除けの願掛けがこめられている。
- 江戸時代、天然痘除けとして赤い達磨が使用された。
- 赤=赤子から、還暦にかぶる頭巾は赤い。
- 仏教では、赤色は「餓鬼」の世界の色として考えられている。
- 自然・科学における赤
- 暦においては、休日(大半の国では日曜日)は赤で記される。(⇔黒、青)
- 日の出と日没の際、太陽および空が赤から橙に染まって見える。これは、赤い光の波長が長いという特徴からおこる現象である。(朝焼け・夕焼け)
- 火星は赤く見える。これは、火星の表面のほとんどが酸化鉄によって構成されているからである。
- 恒星の場合は表面温度の低い星が赤く輝き、表面温度の高い星は青白く輝く。アンタレスやミラ、ガーネット・スターが赤いのも表面温度が低いからである。
- 電気では、陽極は赤で示される。(⇔黒)
- 言語における赤
- 赤は日本語では「明らかな」「全くの」という意味を持つことがある。例:赤貧、真っ赤な嘘、赤っ恥
- ブランドや商品イメージにおける赤
- サントリーが出しているウイスキー、サントリーレッドのこと。ラベルが赤いので、バーなどでは、通称「赤札」や「赤」としてこのウイスキーのことが呼ばれている。
- 三菱グループは赤いスリーダイヤをシンボルマークとしており、グループ各企業でも赤をコーポレートカラーにしているところが多い。
- 日本航空のコーポレートカラーである。
- スポーツカー製造やF1で有名なフェラーリ社は、「フェラーリレッド」と呼ばれる独特の発色の強い赤をイメージカラーとし、自社の車などにペイントしている。
- ロボットアニメの代名詞『機動戦士ガンダム』にて、人気キャラであるシャア・アズナブルが赤く塗装したモビルスーツに搭乗し「赤い彗星」の異名を取っていた事から、アニメファンの間では「赤=シャア専用」のイメージがほぼ固定化されている。またシャア専用ザクIIの設定に関連して、乗物・機械などで「赤い機体は一般機の3倍の能力を持つ(または「通常の3倍」の速度で移動する)」というジョークが言われている。
- 鉄道における赤
- 赤は多くの私鉄、地下鉄のコーポレートカラー、ラインカラーとして使用されている。
- コーポレートカラー等として使用している鉄道会社
- 京浜急行電鉄(なお、コーポレートカラーは水色)
- 東京急行電鉄
- 京成電鉄
- 名古屋鉄道
- 阪神電気鉄道※優等種別専用車を表す車両塗装として、通称“赤胴車”。(ちなみに普通専用車は青胴車。)
- 九州旅客鉄道
- 西日本鉄道
- 沖縄都市モノレール
- ラインカラーとして使用している路線
- 路線の種別としての赤
また、多くの鉄道会社で「急行」「特急」を示す色となっている。
- その他
- 人物・キャラクターに関する赤
赤(紅、レッド)を含む言葉
- “アカ”は共産主義(思想自体、または共鳴者)への蔑称。この意味では、日本ではカタカナで書かれる事が多い。
- 赤道
- 赤十字社(紅十字会)
- 紅白歌合戦
- あかがねは銅の古語。色が赤いことから。
- 赤旗(紅旗):いずれも対義語は白旗
- 赤線:日本で1958年以前に公然と売春が行われていた地域の俗称。
- 赤紙(あかがみ):第二次世界大戦中に日本陸軍が発行した召集令状の俗称。
- 赤備え:武具を朱塗りに統一させた戦国時代の軍団編成。
- レッドカード
- レッドキング
- レッドアロー
- レッドバロン
- レッドマン
- スーパー戦隊シリーズ
- 赤ヘル軍団:広島東洋カープの異名。打者が着用するヘルメットが、チームカラーである赤い色であることから。
- 赤い悪魔:イングランドのプロサッカーチームマンチェスター・ユナイテッドの異名。
- 浦和レッドダイヤモンズ:Jリーグチームの一つ。
- シンシナティ・レッズ:メジャーリーグのチーム。「レッドストッキングス」の略。
- ボストン・レッドソックス:メジャーリーグのチーム。
- レッドスター:
- 阪神タイガースの外野手、赤星憲広の異名。由来は彼の名字から。
- セルビアのサッカーチーム「レッドスター・ベオグラード」の略称。
- 紅:X JAPANのメジャー1stシングル。
- 赤い彗星:「機動戦士ガンダム」シリーズの重要な登場人物・シャア・アズナブルの異名。
- 『赤き征裁』・『死色の真紅』・『赤笑虎』:小説「戯言シリーズ」に登場するキャラクター「哀川潤」の異名。ちなみに彼女の毛髪及び瞳の色、好きな色も赤である。
- 赤犬・赤馬:放火犯の隠語。犬の一種である赤犬は、中国や韓国では、食べる習慣がある。
- 赤いきつね:東洋水産(マルちゃん)が発売しているカップうどんの商品名。
- 東京都港区赤坂
- 埼玉県越谷市赤山町
- 福岡県田川郡赤村
- スーダンレッド
- カドミウムレッド
- 赤ドラ:麻雀牌の中で、同種・同数のほかの牌と異なり、赤一色で彩色されている牌。常にドラとなる。
- レッド・オクトーバーを追え!:(The Hunt for Red October)1984年に発表されたトム・クランシーの小説。1990年に映画化された。
- 朝赤龍太郎:大相撲幕内力士。横綱朝青龍と同部屋(高砂部屋)で朝青龍の弟弟子。また朝青龍と同じ明徳義塾高等学校出身。
- 赤いバスター
赤と他の色を混ぜると
近似色
関連項目
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