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東京スカイツリーは東京都墨田区押上一丁目にある電波塔(送信所)である。観光・商業施設やオフィスビルが併設されており、ツリーを含め周辺施設は「東京スカイツリータウン」と呼ばれる。2012年5月に電波塔・観光施設として開業した。
東京スカイツリーについての名称・ロゴマーク・シルエットデザイン・完成予想CGといった知的財産は東武タワースカイツリー株式会社等の著作権及び商標権により保護されている。
目次
概要[編集]
2000年頃から既存の電波塔である東京タワーに代わる新タワーについて首都圏各地で誘致活動が行われていたが、2003年12月に日本放送協会(NHK)と在京民間テレビ局5社(日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)が600メートル級の新しい電波塔を求めて「在京6社新タワー推進プロジェクト」を発足、新タワー構想を推進していくことで建設に向けた計画に進展がついた(建設地決定についての経緯は後述)。
東京スカイツリーの建設目的は東京タワーが位置する都心部では超高層建築物が林立し、その影となる部分に電波が届きにくくなる問題を低減するほかにワンセグやマルチメディア放送といった携帯機器向けの放送を快適に視聴できるようにすることも建設目的のひとつとされた。
事業主体は東武鉄道が筆頭株主となる「東武タワースカイツリー株式会社」であり、事業費は約500億円とした。このために、同社は500億円のユーロ債のCBを発行して資金調達を行っている。建設費は約400億円。総事業費は約650億円。施工は大林組、設計は日建設計である。テレビ局からの賃貸料および観光客からの入場料などで収益を得る見込みである。
東京都墨田区に所在する東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線・京成押上線・都営地下鉄浅草線の押上駅(2012年5月22日より「押上(スカイツリー前)」)と東武スカイツリーラインのとうきょうスカイツリー駅(旧業平橋駅)の間に挟まれる、東武鉄道の本社隣接地で所有地でもある貨物駅跡地(貨物廃止後業平橋駅3、4、5番線ホームの敷地として使用されたが、廃止)に建設された。当地区は航空法上、東京国際空港(羽田空港)の制限表面の外側水平表面が被さる地域であるため空港標点の海抜295メートルまでの建造物しか建てられなかったが2005年4月28日に高さ規制区域が見直されて建設可能となった。
2008年7月14日に着工され、3年半の期間をかけて2012年2月29日に竣工した。2012年5月22日に展望台として開業し、2011年12月から2013年5月にかけて放送局の試験放送ならびに本放送を実施する計画であった。
東京タワーの建造時(1957年 - 1958年)に比べ鋼材の品質や溶接技術・各種構造計算(シミュレーション)などの設計技術・基礎部の特殊な工法が大きく進歩したことにより、東京タワーの建築面積を大きく下回る面積ながらこの高さの自立式鉄塔の建設が可能となった。また、全体の主要接合部が溶接により建設されているが鋼管同士を直接溶接接合する分岐継手を採用し、軽量化と耐震性を増している。主要鋼材はH鋼ではなく鋼管が使用された。構造が鉄骨造としては稀に見る複雑さであり各部材に要求される寸法等の精度も一般建築物とは桁違いであるため、鉄骨部材を作成する工場のうち国内のレベルの高い工場の多くは一時的にスカイツリーの部材製作で繁忙を極める状態となった。その他、範囲=溶接作業の一部には手作業による職人技が寄与している部位も多分にある。
計画の基本的情報[編集]
- 計画名:業平橋押上地区開発計画(新タワー計画)
- 所在地:東京都墨田区押上一丁目1番13号他
- 建築主:東武鉄道、東武タワースカイツリー
- 施工:大林組
- 設計・監理:日建設計
- 監修者:澄川喜一、安藤忠雄
- 階数:地上29階(第2展望台)
- 高さ:634メートル
- 敷地面積:36,844.39平方メートル(施設全体)
- 建築面積:31,832.60平方メートル(施設全体)
- 延べ面積:229,410.30平方メートル(施設全体)
- 建設地点:ほぼ平行する東武伊勢崎線と北十間川間の幅約100メートル強と都営地下鉄浅草線に囲まれた場所に一辺約68メートルの三角形型の基礎。東西に向く一辺は北十間川とほぼ平行。
- 構造:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
- 鉄骨:最大直径2.3メートル、厚さ10センチメートル
- 基礎工法:場所打ちコンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)工法固有名称:ナックルウォール工法
- 基礎の深さ:50メートル
- 地上部分本体重量:約41,000トン
- 用途:電波塔、展示場、店舗、ミュージアム、事務所、ホール、各種学校、地域冷暖房施設、駐車場
- 電波塔内の施設:放送施設・展望施設(第1展望台・第2展望台)・商業施設ほか
- 高さ350メートルの第1展望台にはレストランやカフェ、ショップなども併設される。また4階には出発ロビー、5階には到着ロビーがそれぞれ設置される。
- 高さ450メートルの第2展望台には天望回廊と呼ばれるチューブ型でガラス張りの回廊を設置。天望回廊は第2展望台の2つのフロアを結ぶ約110メートルのスロープになっている。
- エレベーター:地上4階から350メートルの高さにある第1展望台まで約50秒間の分速600メートル40人乗り4台(東芝製、うち2台は1階まで到達する)、第1展望台と450メートルの高さにある第2展望台を結ぶ約30秒間の分速240メートル40人乗り2台(日立製)および、昇降距離が464.4メートルと日本最長である、地下駐車場から第2展望台上の高さ458メートルまでを結ぶ分速240メートル(非常時は分速540メートル)27人乗り業務用2台(東芝製、458メートルが最上階)。
- 収容人数:天望デッキ(第1展望台):約2,000人、天望回廊(第2展望台):約900人
- 非常階段数:2523段(地上1階から天望回廊上の業務フロア458メートルまでの数)。
- タワー周辺は東京スカイツリータウンとして整備され、地上31階建てのオフィス棟のほか、中層の商業棟、広場、約1,100台分の駐車場なども建設された。
高さ[編集]
全高(尖塔高)634メートル、軒高(塔本体の屋上の高さ)497メートルは2012年完成時点で自立式鉄塔としてはキエフテレビタワーの385メートルを上回る世界第1位。現存する電波塔としてはKVLY-TV塔の628.8メートルを上回る世界第1位。2011年11月17日に世界一高いタワーとしてギネス世界記録の認定を受けた。人工の建造物としてはブルジュ・ハリーファの828メートルに次ぐ世界第2位となる。
建築物としての高さは470.97メートルであり、あべのハルカスの300メートルを上回って日本一の高さである。
東京都心部で立ち並ぶ200メートル級の超高層ビルの影響を受けない高さとして、NHKと在京民放キー局5社が「600メートル」という数字を要請し、着工当初は高さを610.6メートルとする計画であった。建設計画を策定する中で当時世界一の高さのカナダオンタリオ州・トロントにあるCNタワーを上回る。またアメリカイリノイ州・シカゴに建設予定のあった「シカゴ・スパイア」(現在は凍結中)のアンテナを含めた高さが約2,000フィート(約609.6メートル)だったため、「610メートル」という数字になったという。構想段階では世界一高い建造物を目指していたが、完成時の高さを非公開にして建設していたブルジュ・ハリーファが高さ828メートルで完成した。
2009年10月16日に計画を修正し、高さ634メートルを目指すことを発表した。数字には東京近辺の旧国名である武蔵国(「むさし」のくに)の語呂合わせも考慮したとしている。なお当初は東京タワーの2倍の666メートルの計画だったが設計者から少し低い高さにすべきと言われ、浅草寺が創建された628年に因み628メートルの案も有ったと根津嘉澄東武鉄道社長は2012年5月14日の開業記念式典後の記者会見で秘話を語った。
タワーデザイン・ライティング[編集]
2006年(平成18年)11月24日にデザインが公表された。以下の3つのコンセプトに基づき、デザインされている。
- 時空を超えた都市景観の創造:日本の伝統美と近未来的デザインの融合
- まちの活性化への起爆剤:賑わいと親しみを感じる3つのゲートと2つの展望台
- 都市防災「安全と安心」への貢献:日本古来の建築「五重塔」に通じる新たな構造システム
法隆寺の五重塔を参考にして、心柱(鉄筋コンクリート造の高さ375メートル直径約8メートルの円筒で内部は階段)により地震などによる揺れを抑える心柱制震構造となっている。また、アンテナが取り付けられる「ゲイン塔」の上には制振装置(総重量約100トンで、バネの上に乗った重りでアンテナの揺れを抑える)が設置され、心柱自体の重みと共に付加質量機構を形成する。ゲイン塔外周の直径約6メートル、アンテナ外周直径約8メートル。
タワーの水平方向の断面は地面真上では正三角形であるが、高くなるほど丸みをおびた三角形に変化し、地上約320メートルで円となる。概観は「起り」(むくり)や日本刀の緩やかな「反り」(そり)の曲線を生かした日本の伝統建築の発想を駆使し、反りの美的要素も盛り込まれている。このため、タワーを見る方角によっては傾いているようにも裾が非対称になっているようにも見える。
2009年2月26日にカラーデザインが公表され、「スカイツリーホワイト」と決定された。これは日本伝統の「藍白」(あいじろ)をベースにした独自の命名のオリジナルカラーで、青みがかった白である。なおエレベーターシャフトはグレー、展望台はメタリック色、頂部は鮮やかな白である。
2009年10月16日にライティングデザインが公表された。江戸で育まれてきた心意気の「粋」と、美意識の「雅」という2つの異なるライティングを1日毎に交互に替えるライティングである。このライティング機材や調光コントロール全般は東京スカイツリーのオフィシャルパートナーのパナソニック(当時・パナソニック電工)が請負い、ライトアップの全てをLED照明とした。
なお「雅」はピンクすぎず青すぎない上品な紫色(複数の色のLEDを混ぜたものでなく単体で表現する)を目指しており、このような色のLEDは従来にはないため「オリジナルのLEDを新たに開発する」としている。また2010年10月13日にはLED実験のため、51台の照明器具で数時間だけライトアップされた。完成時には1995台の照明器具が使用されている。
「粋」「雅」以外にも、特定日にはスペシャルライトアップが行われる。以下は、過去に行われたライトアップ。中には通例化しているものもある。
- 防災の日、東京大空襲・東日本大震災追悼(毎年3月10日 - 11日、9月1日) - 完全な白色、2014年3月11日は明花。
- 七夕・夜空(毎年7月1日 - 7月7日) - 青色だが「粋」とは違う。
- 冬粋・冬雅(毎年冬) - 白色の違いのみ。
- オリンピック・パラリンピック招致(2013年9月9日 - 9月16日) - 五輪カラーのイルミネーション。
- ピンクリボン(毎年10月1日) - 東京都庁舎、東京タワーもピンク色にライトアップされる。
- シャンパンツリー(クリスマス) - 緑
- ホワイトツリー(クリスマス) - 緑
- キャンドルツリー(クリスマス) - 赤色で、12月24日と25日にしか見られない。
- ブラウンショコラ・ラブリーショコラ・ホワイトショコラ(毎年バレンタインデーからホワイトデーまでの期間)
- 桜特別ライティング(毎年3月16日 - 4月10日) - 桜の木をイメージしたライティング。「咲」と「舞」のふたつからなり、15分ごとに演出に変わる。
名称[編集]
正式名称決定までの仮称は「新東京タワー」。正式名称は一般公募によって寄せられた1万8,606件の命名案の中から、まずは有識者10人で構成される「新タワー名称検討委員会」によって6つに候補が絞り込まれた。言葉の美しさや親しみやすさなどを基準に「東京スカイツリー」「東京EDOタワー」「ライジングタワー」「みらいタワー」「ゆめみやぐら」「ライジングイーストタワー」の6つが名称候補として選ばれ、2008年春にインターネットを通じて一般投票を行った。その結果、最多得票の「東京スカイツリー」に決定した。
なお公募で最も多く寄せられた「大江戸タワー」はタワー建設予定地近くにある和菓子屋(株式会社森八本舗)がタワーの名称決定を見越してすでに商標を取得しており、3位の「さくらタワー」も以前から高輪プリンスホテルには「さくらタワー」がありすでに商標登録も行っていたために使えなかった。仮称として使用されていた「新東京タワー」も既存の東京タワーに似ており、東京スカイツリーは東京タワーを管理する日本電波塔社とはまったく関係が無いためそれぞれ候補から外された。一候補地だった時期はプロジェクトホームページで「すみだタワー」という名称が用いられていたが、台東地区と連携した2007年夏頃からは見られなくなった。
「東京スカイツリー」は東武鉄道と東武タワースカイツリーの登録商標である(第5143175号ほか)。
注目度[編集]
日本一の建造物、さらには世界一の電波塔という大きな話題性から、完成前から各種マスメディアで大きく取り上げられた。テレビでは建設中のスカイツリーを取材した特番が時折放送されるようになったこともあって建設期間中から"東京の新名所"となっており、休日ともなればタワーを撮影する者や見物人で周辺は混雑している。
また、全体の冷暖房には再生エネルギーである地中熱を利用した国内初の「地域冷暖房システム」が採用されており、その点からも注目されている。
電波塔としての東京スカイツリー[編集]
送信アンテナはゲイン塔の頂上部に1局分80基の地上デジタルテレビ放送用アンテナが8局分(NHK及び在京広域民放5社(以下在京テレビ6社)用、うち1局分は予備アンテナ)が設置され、その下にTOKYO MX用の放送アンテナが設置されている。550メートル付近にFMラジオ用アンテナ、その下にマルチメディア放送用アンテナが設置されている。送信室は天望デッキのフロア350の上にある地上360メートルのフロアに設けられている。
地上デジタルテレビジョン放送送信設備[編集]
計画案では従前の東京タワーとほぼ同等のエリアを確保するとしていたため、空中線電力は全局東京タワーで送信していた出力と同一である。埼玉県、千葉県、神奈川県ではスカイツリー移転後も独立局用に、茨城県ではNHK水戸放送局用にUHFアンテナを複数設置する必要があることによる混合器の追加措置が必要になるケースもあった。
TOKYO MX以外の在京テレビ6社は後述の試験放送を経て2013年5月31日から本放送を開始した。
一方、TOKYO MXについてはNHK水戸放送局の地上デジタル放送の物理チャンネルと重複し、それに伴うスピルオーバーによる混信の対策を行うため物理チャンネルの変更が決定。その切り替えを行うため、2012年10月1日から東京タワー(20チャンネル)とのサイマル放送を開始し、同年11月12日から東京タワーからの電波を段階的に弱めていき2013年5月12日正午に東京タワーからの送信を終了、スカイツリーからの送信に一本化した。
なお、放送大学のテレビ放送(JOUD-DTV)は従来どおり東京タワーから送信され、スカイツリーからは送信されない。また、災害時の放送バックアップ体制として災害などにより東京スカイツリーから放送電波を送信できない場合に備えて東京タワーを予備の電波塔として利用する契約が2010年9月27日に日本電波塔株式会社と在京テレビ6社との間で結ばれている。
FMラジオ放送送信設備[編集]
在京FM局のうちJ-WAVEとNHK東京FMの2局が東京タワーからの送信所移転を申請、2011年2月3日に変更許可が下り、2012年4月23日より本放送を開始した。同時にNHK-FM放送を使用したVICSの文字多重放送についても道路交通情報通信システムセンターが申請を行い、前2局と共に変更許可を得ている。
東京タワーでの放送時の空中線電力は10キロワットだったが高所設置に伴うスピルオーバーを防ぐため、東京スカイツリーでの空中線電力は3割減の7キロワットに減力されている。ただし送信点高が東京タワーよりも遥かに高くなった事(地上高540メートル)とERPが逆に約3割増の57キロワットで送信されている為、実質的な受信可能エリアは広くなっている。
一方、InterFMならびに放送大学ラジオ(JOUD-FM)、TOKYO FMは従来どおり東京タワーから送信され、東京スカイツリーからは送信されない。TOKYO FMは2013年2月11日に送信用アンテナをアナログテレビ放送終了で空いた地上高333メートルの東京タワー頂上部に移転しており、これによりスカイツリーから送信している2局と同等以上の出力(空中線電力10キロワット、ERP125キロワット)で送信が可能となっている。また、東京タワーのNHK-FMの送信設備は予備用として残されている(J-WAVEは本社のある六本木ヒルズ森タワーの予備送信設備を継続して使用するため、東京タワーからの送信は完全に廃止された。
移転初日には、J-WAVEとNHK-FMが天望デッキから移転記念特番を放送した。またスカイツリー開業初日には、J-WAVEとニッポン放送が共同で東京ソラマチにあるサテライトスタジオ、TOKYO SKYTREE TOWN STUDIOから放送した。なおニッポン放送は同日朝に同スタジオから放送しており、オンエア自体はニッポン放送が先となる。
2014年9月3日にはTBSラジオ&コミュニケーションズ、文化放送、ニッポン放送の関東広域AMラジオ3社に対し、FM補完中継局の予備免許が付与された。全国としては3番目、関東では初となるAM放送のFM補完中継局で、3社共同でスカイツリーにアンテナを設置し、2015年春以降に本放送の開始を予定しており、災害発生時にAM親局送信所での放送継続が困難となった場合の対策や、都心部の難聴取・雑音等の解消を目的としてAMとのサイマル放送が行われる。
マルチメディア放送送信設備[編集]
mmbi及びジャパン・モバイルキャスティングによる携帯端末向けマルチメディア放送(VHF-HIGH帯)「モバキャス」はスカイツリーに4段16面のアンテナを設置、スカイツリーからの送信で関東全域約1600万世帯をカバーできるとしている。2011年9月14日に電波監理審議会から予備免許を交付することが適当であると答申を受け、翌15日に予備免許の交付を行った。2012年4月1日にmmbiが運営するNOTTVが放送を開始、スカイツリー初の本放送送信局となった。
なおVHF-LOW帯のマルチメディア放送は関東甲信越地区の企画会社・ブロック別ソフト事業者である東京マルチメディア放送にTOKYO FMやJFN系列各局とともに東京タワーの運営会社である日本電波塔が出資しているが、送信所が東京タワーとスカイツリーどちらになるのか正式な決定はなされていない。
タクシー無線集中基地局[編集]
特別区・武三交通圏(特別区・武蔵野市・三鷹市)を営業エリアに持つタクシー各社は港区赤坂の国際新赤坂ビルに集中基地局を設置していたが、都内各地で高層ビルが相次いで建設されたことで不感地帯が増加していた。そのため、東京スカイツリーへの移転が行われることとなった。地上300メートルの位置にアンテナを設置し2011年10月から1か月間、昼間の時間帯に試験電波を発信、2012年3月より業務無線の運用を開始、4月23日から本運用を開始している。
その他の用途[編集]
落雷の仕組みを解明するため地上497メートル地点のゲイン塔根元部分に落雷の発生を常時監視し電流の大きさや波形の変化などを記録する計測装置のロゴスキーコイルが六角形状に囲んだ形で設置され、東武タワースカイツリー、東京大学生産技術研究所、電力中央研究所の3者共同による研究が2012年3月より行われている。ゲイン塔が延びる高さ500メートル付近では年間20回から30回の落雷が見こまれており、地上よりもデータが多く蓄積できる。500メートルを超える超高層建築物への計測装置の設置例ではカナダのCNタワーだけで今後世界的に珍しい研究成果が期待でき、この成果を元に雷被害防止や雷に強い電子機器の開発につなげたいとしている。
観光・商業施設としての東京スカイツリー[編集]
東京スカイツリータウンの各施設(東京スカイツリーのほか、東京ソラマチ、東京スカイツリーイーストタワー、コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウン、すみだ水族館)の中核として東東京エリアの観光・産業拠点の形成と地域社会の活性化、国際観光都市東京実現への貢献が期待されている。
東西目玉観光施設に明暗鮮明。USJ好調、ハルカス大苦戦、スカイツリー伸び悩み(2014年10月)[編集]
「東の観光スポット」に目を転じてみると、東京の新名所、東京スカイツリーを運営する東武鉄道は外国人観光客を増やすことに力を入れている。
開業3年目を迎え、来場者数は伸び悩んでいる。2014年4~6月期の来場者数は前年同期比15万人減の141万人。商業施設や水族館などを含むスカイツリータウン全体では同200万人減の845万人だった。新規来場者が一巡したことが大きいとみられている。
旅行サイトのトリップアドバイザーが調査した「行ってよかった日本の展望スポット2014」によると、スカイツリーは前年の2位から8位に順位を落とし、6位から3位に順位を上げた東京タワーと明暗を分けた。スカイツリーはリピーターの確保に苦戦している様子がうかがえる。
運営する東武鉄道は、手をこまねいているわけではない。昨年、スカイツリーを訪れる外国人観光客の国別調査を行い、外国人客は6.8%だった。内訳は台湾が19%で最も多く、台北市の超高層ビル、台北101(508メートル)とスカイツリー(634メートル)の両方に登ると記念品をもらえるようにするなど、台湾での営業活動に力を入れ始めた。今後は、2020年の東京五輪をにらみ、台湾、香港などアジア圏からの観光客の取り込みに力を入れる。
東西の目玉観光施設は、早くも明暗が鮮明になりつつある。
ネット反応
- せめて2000円にしろ。家族で行って上に登るだけでいくらかかるんだよw
- いま混んでないの?
- 追加の1000円が萎えるんだよね
- くっそ混んでる。くっそしぬほど混んでるから、くっそ混んでるになっただけ。この前少なくなったってデマ信じて行ったら待ち時間だけで三時間だったぞ。後三年は行くつもりはない。
- 家族4人(夫婦と中学生小学生の兄弟)で高いところに上るだけで一万円越えwおばあちゃんを連れて行くと13,400円と大変リーズナブルな金額設定になっておりますw
- そりゃ一回行けば十分だわw
- 高いからだよ。せめて平日は半額にしろ。
- 高い。混んでるイメージ。風ごときで止まるエレベーター。
- 曇りの日に行っても何も見えない展望台w
- 前売り券買っててその日が天候の関係で昇れなくてもチケット払い戻ししないとか聞いたが、それで遠方からの客が来るのだろうか
- 開業当初の大混雑と入場料の高さ、悪天候で止まるといったマイナスイメージが根付いてる
- 調べたら展望デッキまででネット予約で2570円、当日券で2060円か。そこから天望回廊まで1030円。
- 行った人に聞いたら「1回いけば十分、混むしメシは高いし」って言ってたな
- タワー混雑していたので水族館に。値段は高いのに展示はしょぼい、ペンギンは動物園だけで十分
下層フロア[編集]
1F東京スカイツリー団体フロア[編集]
- THE SKYTREE SHOP
- 和洋菓子、雑貨、ステーショナリー、ファッションアイテムなどの東京スカイツリー限定グッズを販売する。
- 団体チケットカウンター
4F東京スカイツリー入口フロア[編集]
- チケットカウンター
- インフォメーション
5F東京スカイツリー出口フロア[編集]
- THE SKYTREE SHOP
- 日本のブランドと東京スカイツリーとがコラボレーションした限定商品を販売する。
- インフォメーション
展望台[編集]
展望台については、大規模な地震が発生した場合、あるいは台風や強風などによる天候悪化が懸念される場合は安全を優先するため営業を停止する場合があり、営業停止となる場合はホームページにて告知がなされる(この場合でも下層部は特に営業に支障をきたさない範囲であれば通常通り営業される)。
東京スカイツリー天望デッキ(第1展望台)[編集]
- フロア340
- 「SKYTREE CAFE」
- 「ガラス床」
- フロア345
- 「Sky Restaurant 634(MUSASHI)」
- 「THE SKYTREE SHOP」
- フロア350
- 「SKYTREE CAFE」
- 「パノラマスクリーン」
- 「東京時空ナビ」
- 「江戸一目図屏風」
東京スカイツリー天望回廊(第2展望台)[編集]
天望回廊へは、フロア350のチケットカウンターにて別途チケットを購入し、専用エレベーターでの入場となる。
- フロア445
- 「天望回廊」
- フロア450
- 「天望回廊」
- 「ソラカラポイント」
天望シャトル(エレベーター)[編集]
入口、出口フロアと天望デッキ、天望回廊をつなぐエレベーター。シャトル内には地元墨田区のデザイナー高橋正実による桜や隅田川などをテーマにしたパネルが設置される。1-6号機(業務用2基も含む)は東芝製、7-13号機(タワーの足元4基も含む)は日立製である。2013年4月から東芝・日立のアナウンスで乗降促進自動放送が付加され、「ドアが開きます、指などを挟まれないようにご注意ください」「足元の段差にご注意ください」と3回アナウンスが流れるようになった。
- 停止フロア ※()内は通過階
- 3号機(春・桜の空)
- (1-3階)・4階・5階・340メートル・(345メートル)・350メートル・(370メートル)
- 4号機(夏・隅田川の花火)
- (1-3階)・4階・5階・340メートル・350メートル
- 5、6号機(秋・祭の鳳凰、冬・スカイツリーと都鳥の空)
- 4階・5階・340メートル・350メートル
- 7、8号機
- 345メートル・350メートル・445メートル・450メートル
スタッフ・ユニフォーム[編集]
スタッフは以下7職種があり、ユニフォームはミナ・ペルホネン(デザイナー:皆川明)によりデザインされている。
- ディレクター(男女)
- 誘導(男女)
- インフォメーション
- チケットカウンター
- ショップ
- 清掃
- 駐車場誘導
歴史[編集]
2003年[編集]
2004年[編集]
- 10月25日 押上・業平橋駅周辺地区内の地権者が「押上・業平橋駅周辺地区まちづくり協議会」を設立。
- 12月5日 墨田区・地元関係者が東武鉄道及び押上業平橋駅周辺地区まちづくり協議会に対し、新タワー誘致の協力要請。
2005年[編集]
- 1月27日 町会等関係団体や関係企業等、地元組織で構成された「新タワー誘致推進協議会」設立。
- 2月7日 東武鉄道として新タワー事業に取組む事を放送事業者・墨田区に表明。
- 2月10日 「新タワー誘致推進協議会」が決起大会を開催。
- 3月7日 押上・業平橋駅周辺地区に関する都市計画決定(土地区画整理事業区域・都市計画道路)。
- 3月28日 放送事業者が墨田区押上地区を第1候補地に選定。
- 7月22日 墨田・台東両区の地元誘致組織が提携し、「墨田・台東新タワー誘致推進連絡会」を結成。
- 12月15日 土地区画整理組合設立認可(事業認可)。
2006年[編集]
- 3月31日 新タワー建設地として最終決定。
- 5月1日 事業会社「新東京タワー株式会社」を本社所在地・東京都墨田区押上一丁目1番2号に資本金4億円(東武鉄道全額出資)で設立。
- 6月19日 地元関係者が「新タワー建設推進協議会」を発会。
- 7月4日 - 24日 様々な人からの「届け! 私が想う新タワー」と題したアンケートやアイデアや意見を募集。応募数5,079名。
- 7月4日 新タワーデザインの監修者を安藤忠雄(建築家・東京大学名誉教授)・澄川喜一(彫刻家・元東京藝術大学学長)に決定。
- 10月10日 次の3点の「新タワーを核とした複合開発事業のコンセプト「Rising East Project〜やさしい未来が、ここからはじまる」」を公表。
- 11月24日 デザイン公表。基本設計は日建設計が担う。概算建設費約500億円。
- 12月4日 環境影響評価調査計画書提出。
2007年[編集]
- 8月30日 新タワーライティングデザイナーを戸恒浩人に決定。
- 9月28日 「新東京タワー」の本体施工者を数社による競争入札のうえ、大林組に決定して請負契約を締結した。大林組の請負金額は非公表。着工は2008年夏で、工期は3年6か月を見込む。
- 10月6日 建設予定地でサーチライト9台を使い、新タワーの脚に見立てた光の束を上空に向けて放出された。最初に東京タワー(約333メートル)の高さで光を交差し、その後光を伸ばして610メートルの上空で交差させ「新東京タワー」の高さを表現した。これは前年秋に地元住民らが企画、住民や団体から寄付を募って実現したもの。
- 10月26日 - 11月25日 「新東京タワー」の名称案を公募。応募数17,429件。2008年4月に名称検討委員会により数案に絞り込まれたうえ、一般投票を経て6月に決定。
- 11月29日 建設地周辺町会を中心とした「押上・業平橋地区新タワー関連まちづくり連絡会」を結成。
- 12月11日 東武鉄道と子会社の新東京タワー株式会社は、日本放送協会(NHK)および在京民放5社の放送事業者6者と同日付で新タワーの"利用予約契約"を結んだと発表した。完成後、改めて各放送事業者と"正式な利用契約"を結ぶという。
2008年[編集]
- 3月12日 押上・業平橋駅周辺地区に関する都市計画決定(用途地域変更、地区計画等)。
- 3月19日 「新東京タワー」の名称案を、一般公募から「東京EDOタワー」「東京スカイツリー」「みらいタワー」「ゆめみやぐら」「ライジングイーストタワー」「ライジングタワー」の6通りに識者等からなる「新タワー名称検討委員会」によって絞り込んだことを発表。一般投票で正式名称を決定する。投票期間は4月1日から5月31日まで。
- 5月14日 現在の資本金4億円を放送会社などから出資を募り300億円規模とする方針を明らかにした[1]。
- 5月30日 環境影響評価書提出。
- 6月10日 環境影響評価事後調査計画書提出。
- 6月10日 正式名称を「東京スカイツリー」に決定。それに伴い、新東京タワー株式会社は会社名を「東武タワースカイツリー株式会社」に変更。
- 7月14日 安全祈願祭と起工式典を行い着工。タワー部分の総事業費は約650億円を見込む。
- 9月2日 Webカメラで建設中の様子の中継開始。
- 12月1日 東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)と新タワーの利用予約契約を締結。
- 12月6日 基礎工事(地中50メートルのコンクリート壁の杭工事)が完了。
- 12月26日 エレベーターシャフトの工事が開始され、地上に鉄骨が立ち上がり始めた。
2009年[編集]
- 2月5日 タワー塔体地下基礎部の鉄骨建て方を開始し、3箇所の鼎(かなえ)で安全祈願を執り行った。
- 2月26日 カラーデザインが公表され、「スカイツリーホワイト」と決定された。
- 4月6日 本体の鉄骨(重さ約29トン、高さ約4メートル、直径2.3メートル、厚さ10センチメートル)を地中の基礎に据え付ける作業と金・銀のボルトで締結する「鋲打(びょううち)の儀」を行い、地上部分の本体の鉄骨を組み上げる工事が開始された[2]。
- 5月1日 建設中の高さ33.4メートルから公式サイトで順次公表開始。
- 6月8日 本体鉄骨組み上げ工事の最初の山場である塔本体を支える3本の脚を地上50メートルで組み合わせる工事が行われた。
- 8月7日 高さ100メートルを超え105メートルに到達。
- 10月16日 完成時の高さを634メートルに変更すること及びライティングデザインを発表。
- 11月10日 高さ200メートルに到達(プレス発表)。
- 11月22日 スカイツリー内部を公開(#外部リンク参照)。
- 12月15日 併設する商業施設に、水族館とプラネタリウム(コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン)を開設することを発表。
- 12月20日 タワー地上部を囲む足場が撤去されタワー支柱が全容を見せる。
- 12月21日 - 26日 クリスマス時期として工事用の全照明を夜9時まで点灯しライトアップ。
2010年[編集]
- 2月16日 高さ300メートルに到達(プレス発表)。
- 3月1日 ライティング機器のパートナー企業をパナソニック電工に決定。ライティングデザインのオールLED化を目指すことが発表された。
- 3月29日 10時17分、上部に高さ約10メートルのエレベータシャフトが設置されたことで東京タワーの332.6メートルを超えて338メートルとなり日本一の高さの建設物となった。
- 4月24日 東武ワールドスクウェア(栃木県日光市)で、25分の1サイズの東京スカイツリーの展示始まる。高さ約26メートル、鋼管柱とFRP製、総工事費約2億円。
- 5月5日 最下部斜め支柱に始まる第1展望台の鉄骨建方工事開始。
- 6月5日 タワー中心軸の空洞内でアンテナゲイン塔の組み立て開始。
- 7月2日 タワークレーンが塔先端(398メートル)脇3基から第1展望台屋上に1基増設、計4基体制となる。
- 7月4日 空調設備などを置く機械室(150メートル)部分を報道陣に初公開。第1展望台の鉄骨建方工事終了とされた。
- 7月26日 7月2日のタワークレーン4基体制後、分解・設置位置変更・組上を繰返し第1展望台上ヤード外周位置での4基体制を確立。北をアナログ時計の12時に例えればクレーン4基の設置位置は目算で3時15分、5時30分、8時45分、11時45分。
- 7月30日 高さ400メートルを超え408メートルに到達。5月29日時点の398mから2か月ぶりに10m延伸。
- 9月11日 高さ461メートルに到達。過去の建造物を含めても高さ日本一だった対馬オメガ局(455メートルの支線式鉄塔。1998年に解体)を超えた。
- 9月13日 エレベータ等を収容するシャフト鉄骨の建て方が完了。
- 9月29日 スカイツリーの商業業務施設運営会社として「東武タウンソラマチ株式会社」を設立。
- 10月13日 当日限りとしてライティングに使用するLED照明の性能試験のため、18時30分から21時10分までの160分間に点灯・消灯をほぼ20回ほど経たライトアップが行われた。
- 10月23日 支柱建方による最終高さ497メートルとなる。その後はアンテナゲイン塔を突き上げ最終高さとする。
- 10月27日 第2展望台の支柱建方開始。
- 10月28日 公式キャラクター「ソラカラちゃん」決定。
- 11月17日 東京スカイツリー並びに周辺大規模複合施設の施設警備業務を、綜合警備保障と東武ビルマネジメントが受注。
- 12月1日 高さ500メートルに到達。塔体最上部に11月20日から仮置きを始めた制振装置と塔体内からリフトアップされたゲイン塔がドッキングし高さ511メートルとなる。
- 12月16日 NHK及び在京民放5社に対しスカイツリーへの放送局の無線設備の設置に向けた変更許可が認められる。
- 12月18日 地上デジタルテレビ放送のアンテナ取付開始。
- 12月24日 - 25日 クリスマス時期として工事用の照明を夜8時まで点灯。
- 12月27日 スカイツリーを中心とした開発街区全体の名称を東京スカイツリータウン、低層階及びオフィスビル最上階の商業施設の名称を東京ソラマチ、押上側に建設されるオフィスビルの名称を東京スカイツリーイーストタワーとしたと発表。また開業に合わせて東武伊勢崎線業平橋駅の駅名を「とうきょうスカイツリー駅」に変更し、駅施設のリニューアルも行うと発表。
- 12月31日23時45分 - 2011年1月1日0時30分 大晦日から新年を迎えた45分間、クリスマス時期と同じ工事用の照明を点灯。
2011年[編集]
- 1月28日 TOKYO MXに対しスカイツリーへの放送局の無線設備の設置に向けた変更許可が認められる。
- 2月3日 NHK東京FM、J-WAVE及び道路交通情報通信システムセンターに対しスカイツリーへの放送局の無線設備の設置に向けた変更許可が認められる。
- 2月17日 北十間川越しに見えたタワー正面の地上から立ち上がる支柱部分が鉄骨で遮られ始める。
- 2月28日 高さ600mを超える予定であったが降雨と軽風ないし軟風の天気で翌日以降に持ち越した[3]。
- 3月1日 ゲイン塔のリフトアップが行われ、13時7分に600メートルに到達。さらに13時29分には高さ601メートルに到達し、広州塔を抜いて自立式電波塔として世界一の高さとなる。同日中に、604メートルまで到達した。
- 3月12日 625メートルに到達。3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって東京タワーのアンテナが曲がる被害が発生したため、急遽スカイツリーも損傷を受けていないか点検。3月14日に作業員全員の無事と塔構造体への被害がなかったことを確認したと発表した。後日内部に亀裂があったことが判明という報道があったものの誤報であることがわかり、これを報じた日刊ゲンダイは4月22日の紙面で「取り消し」と「謝罪」をした。一方で地震発生の影響で資材納入に遅れが生じたため年末の竣工予定が2か月延びる形となった。
- 3月18日 13時34分、完成時の高さ634メートルに到達。
- 5月23日 2010年7月2日以来4基体制となっていた建て方専用クレーンの順次撤去開始。
- 6月7日 東京スカイツリータウンの開業日と展望台入場料金などを発表。
- 9月15日 ジャパン・モバイルキャスティングに対し、携帯端末向けマルチメディア放送墨田局の予備免許が交付される。
- 10月上旬 NHKと在京民放5局の実験試験局が本放送の700分の1程度の弱い電波で試験電波を発信開始。関東自動車無線協会の実験試験局もタクシー無線の電波発射試験を実施。
- 10月31日 建て方専用クレーン4基、その後設けた順次小型とした解体用クレーン3基すべての撤去完了。
- 11月4日 スタッフ着用のユニフォーム7種類を発表。デザインは皆川明のミナ・ペルホネンによるもの。
- 11月17日 ギネス世界記録に「世界一の高さのタワー」の認定を受け、『ギネス世界記録2012』に掲載。
- 12月 この頃までに放送事業者による無線設備の取り付け工事が完了し、1年間の試験電波期間に入る。FM放送も同時に試験電波期間に入るが、テレビ放送よりは短くなる。
- 12月5日 この日の未明(3時)からNHKおよび在京キー5局が東京タワーからの放送休止時間帯に試験電波を40分程度、地上デジタル本放送と同じレベルのフルパワー(10キロワット)を初めて発射。
- 12月23日 634メートルに到達してから初めてライトアップが灯される。
2012年[編集]
- 2月9日 高さ350メートルの第1展望台が「天望デッキ」、450メートルの第2展望台が「天望回廊」と命名される。
- 2月下旬 夜間ライトアップの部分試験点灯開始。
- 2月29日 竣工。東日本大震災の影響で建築材料などの資材調達が滞り当初の計画から2か月遅れた。綜合警備保障が国内最大規模の常駐警備を開始。
- 3月2日 竣工式。東武タワースカイツリー、工事、放送など関係者約70人は神事を伴い執り行った。
- 3月 ゲイン塔根元部分に設置されたセンサーによる落雷観測を開始。
- 3月8日 地上240メートル地点と第1展望台の上部分(地上375メートル)に設置したテレビ各局のお天気カメラの運用開始。
- 3月10日・11日 東京大空襲から67年、東日本大震災から1年になる両日の夜間(18時から22時)に追悼のライトアップを実施。
- 3月17日 東武伊勢崎線業平橋駅を「とうきょうスカイツリー駅」に改称。同時にダイヤ改正で同駅が特急停車駅となるほか、東武伊勢崎線浅草・押上 - 東武動物公園間の愛称として「東武スカイツリーライン」が付けられる。
- 3月23日 関東自動車無線協会のタクシー無線の一部運用を開始。
- 3月下旬 荒天時に実施する展望台付近の雲のライトアップの実験を開始。
- 4月1日 携帯端末向けマルチメディア放送「モバキャス」及び同放送を使用したスマートフォン向け放送局「NOTTV」の本放送開始。
- 4月17日
- 第2展望台「天望回廊」が報道関係者向けに初めて公開。
- 栃木県から来た兄弟2人が東京スカイツリーに登ろうと隣接施設に不法侵入し、現行犯逮捕される事件が発生。
- 4月19日 「雅」と「粋」のライトアップが初めて行われる。
- 4月23日 NHK東京FM(82.5メガヘルツ)とJ-WAVE(81.3メガヘルツ)の送信所を東京タワーより移転しスカイツリーから本放送を開始。同時にNHK-FM放送を使用したVICSの文字多重放送、および関東自動車無線協会のタクシー無線の本運用も開始。
- 4月26日 天皇・皇后が天望回廊を視察。
- 5月3日 - 5日 墨田区民を対象とした内覧会を実施。著名人や報道関係者以外に初めて公開。
- 5月14日 午前、「天望デッキ」で関係者約100人が出席し開業記念式典を開く。
- 5月22日 開業。同時に押上駅の副駅名として「スカイツリー前」を導入。10時オープン予定だったが、人が多く集まり混雑したため30分繰り上げて9時30分オープンとなった。また、夕方ごろに強風のためエレベーターが停止し天望回廊への入場が打ち切られた。開業日の特別演出として30分ごとに「粋」と「雅」のライティングが交互に行われた。
- 7月7日 七夕ライトアップを実施。「粋」「雅」以外のライトアップを実施するのは初。
- 7月11日 それまで予約のみ受け付けていた天望デッキの当日券販売を開始。
- 7月28日 開業してから初めて隅田川花火大会の日を迎え、特別営業体制となる。また、映画『東京スカイツリー 世界一のひみつ』を公開。
- 8月1日 8時54分、来場者(「天望デッキ」への累計入場者)数通算100万人を達成。
- 8月27日 この日からTOKYO MXが物理16チャンネルで試験電波を毎日、地上デジタル本放送と同じレベルのフルパワー(3キロワット)で発射。9月27日までは映像・音声信号のない状態で電波を発射していたが、9月28日以降は東京タワーと同じ内容の電波(いわゆるサービス放送)を発射。
- 9月7日 2020年夏季オリンピックの開催地決定1年前にあたるこの日、特別ライトアップを実施。
- 10月1日 5時、TOKYO MXの物理チャンネル切り替え措置のため東京タワーとのサイマル放送を開始。また、ピンクリボンの一環としてレインボーブリッジや東京タワー、東京都庁舎と同じくピンク色にライトアップ。
- 11月1日 NHK会長松本正之が深夜の試験電波送出によるモニター調査で受信障害が判明したと記者会見で発表。
- 12月22日 一般視聴者向けにスカイツリーからのテレビ放送電波の受信確認を促す『東京スカイツリー受信確認テスト』の放送をNHKとキー局で開始。
2013年[編集]
- 2月28日 開業283日目に展望台への来場者が500万人に到達。
- 5月12日 正午、TOKYO MXが東京タワーからの送信を停止し、東京スカイツリーからの送信に全面移行。
- 5月13日 台湾の高層ビル、台北101と友好関係を締結。
- 5月20日 開業363日目に展望台への来場者が634万人に到達。
- 5月22日 開業1周年。これを記念し、歴代特別ライトアップを全て行った。
- 5月31日 9時、NHK・在京民放キー局7局のテレビ放送のスカイツリーからの本放送開始。
- 12月6日 開業1年半あまりで展望台への来場者が1000万人を突破。
2014年[編集]
- 4月1日 消費税率の引き上げに伴い、展望台入場料金を改定。
- 5月 NOTTVのお天気カメラの運用開始。
- 9月3日 TBSラジオ&コミュニケーションズ、文化放送、ニッポン放送に対し、FM補完中継局の予備免許が付与される。
2015年[編集]
- 春以降 TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送のFM補完中継局の本放送開始予定。
建設地決定までの誘致活動とその経過[編集]
「在京6社新タワー推進プロジェクト」は新タワーの建設地を第1候補地は「墨田・台東エリア」、第2候補地は「さいたま新都心」としていたが2006年3月31日に「墨田・台東エリア」に決定した。決定までには東京の各地でいくつもの誘致活動が行われた。
墨田区[編集]
第1候補地になっていた東京都墨田区「業平橋・押上地区」は、東武伊勢崎線の業平橋駅構内の一部と押上駅(東武伊勢崎線・東京メトロ半蔵門線・京成押上線・都営浅草線)との間にあった貨物駅跡地を中心とした地域である。跡地所有者は東武鉄道であり、同社は事業主体として建設費約500億円を負担するとしている。
2005年8月25日、同社がNHK・在京6社と墨田区との間で建設決定を協議するための「三者間確認書」を交わし12月末に最終決定することで合意したため墨田区を候補地として決定することが有力となった。しかし現在の東京タワーを改修して使う案も消えていないことと放送事業者側と東武鉄道の間で新東京タワーにおける賃貸料を巡る交渉が難航していたため、12月26日に年内の決定を断念して翌2006年3月末までの決定に変更した。決定時期が延期となった理由について墨田区と東武鉄道は、協議時間が不十分だったためと説明した。2006年3月25日にNHKと在京6社は墨田区に建設することを正式に決定し、同月31日に報道発表がなされた。
さいたま市[編集]
埼玉県とさいたま市は第2候補地として、大宮台地上に位置する埼玉県さいたま市中央区のさいたま新都心の8-1A街区に「さいたまタワー」を建設する構想を提唱していた。「さいたまタワー」は在京6社新タワー推進プロジェクトにより東京の震災時のバックアップ機能が優れているとして、「墨田・台東エリア」に次ぐ候補地となっていた。埼玉県ならびにさいたま市の関係者は「さいたま」に対するイメージアップ等を企図して懸命に「さいたまタワー」の誘致活動を実施したものの電波の混信世帯が約14万世帯に及ぶと想定され、これは「墨田・台東エリア」との比較で約7倍の規模に達し、その対策費用もより巨額になるという理由から落選した。
「さいたまタワー」の建設予定地だったさいたま新都心の8-1A街区は暫定的に駐車場として使用されており2008年3月に高さ186メートルのオフィスビルを建設することで正式に決まったが不況の影響で開発担当企業が規模縮小を要望、埼玉県とさいたま市がこれを拒否し2010年に再び白紙となった。2011年にはさいたま赤十字病院や埼玉県立小児医療センターなど老朽化している県内既存医療施設の移転案が浮上している。
港区[編集]
東京タワーの運営会社である日本電波塔は2004年夏に放送事業者に対し東京タワーの高さを現在より30メートル程高くしてアナログテレビ放送終了後にアナログテレビ用アンテナを撤去しデジタルテレビ用アンテナに取り替え、送信アンテナ位置を現在より約90メートル高い地上350メートルに設置するとの案を示した。この案の場合、新東京タワーの建設費約500億円に比べて改修費用約40億円と割安であり各局の新タワーに比べて放送施設賃貸料に大きく差が付くと言われている。同社は収入の約6割を放送関連設備などの賃貸料から得ており新東京タワーが完成した場合、放送事業者の設備がすべて東京スカイツリーへ移ってしまうなど大幅な収入減となる。
これらの動きはさほど報道されなかったが同社は2007年9月21日にアンテナを80メートルから100メートル高くし地上デジタル放送への完全移行に対応することを発表し、報道された。
練馬区[編集]
高さ1,008メートルの「東京ワールドタワー」を、新東京タワーとは別に練馬区の誘致団体「東京ワールドタワー推進協議会」(奥田則男会長)が西武鉄道系列の遊園地・としまえんの敷地約2万平方メートルに建設を目指して活動していた。なお、漫画家の松本零士がタワーをデザインした。
新宿区[編集]
東日本旅客鉄道(JR東日本)新宿駅南口の山手線や中央線の線路上空に基盤を整備し、600メートル級タワーの建設をJR東日本が構想していたもの。建設費は約500億円と試算。
各放送局との距離の近さ等を売りにしていたが当時の運輸省(現・国土交通省)が航空法の改正により将来的に羽田空港離着陸の航空機に対して新宿上空経路を解禁する事を計画していたため、同省からその運行上の支障になるとの指摘を受けて計画は立ち消えとなった。
豊島区[編集]
サンシャインシティの隣接地にある独立行政法人造幣局東京支局の敷地に、高さ600メートル級のタワーを誘致する活動を特定非営利活動法人東京アーバンクリエイト21が行っていた。また、サンシャインの広場と併せて防災用の広場ともなっていた。
台東区[編集]
商店街や観光連盟など民間主導による「台東ワールドタワー」の誘致活動もあった。場所は台東区立隅田公園や区民会館の周辺地区で、高さ600メートルのタワーを建設する計画だった。
足立区[編集]
東六月町のニッポン放送アンテナ跡地か舎人公園敷地内の2か所にタワーを誘致する計画もあり、共に高さ600メートルのタワーを建設する計画だった。
千代田区[編集]
秋葉原駅前の駐車場(後の秋葉原クロスフィールド付近)に高さ800メートルのタワー(秋葉原タワー・アキバタワー)を建設する計画もあり、オフィスやアミューズメント施設も入居する複合施設として計画されていた。なお当初は現在ロータリーや秋葉原クロスフィールド等が立地する山手線沿いの東西(神田青果市場跡)が再開発前であり、高架を跨いだ600メートル級のタワーを構想中という報道がされていた。同駅前には800メートル級を想定したタワー模型が設置されていたことがあった。
新タワー建設自体の是非と立地を巡る議論[編集]
関東圏に新しく電波塔を建設することの利点と問題点が議論されていた。
北関東では地理的条件で宇都宮・榛名波が受信できず、タワー波の受信レベルでさえ低い地域でも地上デジタル放送を受信することができる様になる。県域局のTOKYO MXが茨城県などで混信の少ない16チャンネルへ変更となり、さらにスカイツリーへ今のままの送信出力・指向性なしで移転することで実質的にエリアが拡大することが期待されていた。一方でTOKYO MXは親局を東京スカイツリーに移し高い位置から送信することで都内全域に放送を届けられるようになるが、その分スピルオーバーが大規模に発生するとして近隣県の独立放送局から反発を受けていた。
過去に秋葉原地区でテレビ塔建設の検討を行った際に、「電波塔直下において、高感度の受信機ではノイズ等が発生するおそれがある」が建設中止の理由の一つであった。このため、東京スカイツリーでも同様の懸念がある。
東京タワーと異なる場所になるためテレビアンテナの向きを変える必要があるのではないかという質問が多数寄せられたが、総務省・日本放送協会技術部などの見解は「問題なし」である。2009年までのシミュレーションによると、スカイツリーに対して一番受信しづらい90度の向きであっても十分な電界強度が得られる。ただ、ごく近隣での受信では減衰させるアッテネータを使用したほうが安定する場合もある。アンテナの向きに関して総務省は情報通信審議会情報通信政策部会「第42回地上デジタル放送推進に関する検討委員会」(2009年1月16日開催)において、「関東広域圏の地上デジタル放送の親局が東京タワーから東京スカイツリーに移行することによる視聴者への影響はほとんど無いであろう」との見解を示した。東京23区内は電波の強度が強くアンテナが東京スカイツリーに向いていなくても地上デジタル放送の番組を視聴できる可能性が高く、また東京タワーや東京スカイツリーから離れている地域については位置関係が相対的に変わらないため視聴者に与える影響はほぼ無いだろうとの見方が示されていた。しかし、実際には後述のような電波障害が発生し、移行スケジュールに大きな遅れが生じた。
東京スカイツリーの問題点[編集]
経済面[編集]
東京スカイツリーができることにより多くの観光客が当地を訪れ、地元の商業が活性化することが期待できる。しかし、テナントを募集する際は地元の商店を優先したものの家賃が高いことから(墨田区の坪単価は1万円前後だが、スカイツリーは3 - 5万円)1軒も入らないことに決まった。結果、東京スカイツリーには大規模な商業施設が併設され、短期的に見ると地元商店街を圧迫するおそれが大きい。長期的に見ると、日本において過去に建設された多くの観光タワーや観光施設としてのテーマパークはその価値の低下・陳腐化によりオープンから時間が経つにつれ入場客が減少している。入場者の安定的な確保には東京ディズニーランドのような巨額の再投資が必要であるがその費用が十分確保されていないことから、タワー自身の観光的価値に多くを依存することは大きな経営的リスクを伴うと指摘されている。
環境・安全面[編集]
スカイツリーの周囲は低層の住宅地であり、下町の雰囲気が色濃く残っている。ここに巨大な構造物が突如現れることにより町の景観が破壊され周囲に対する圧迫感を与えている。景観だけでなく、周辺地域では東京スカイツリーを訪れた多数の観光客・見物客による違法駐車、ゴミのポイ捨て、立ち小便、深夜・早朝の騒音、交通渋滞、歩きタバコなども問題となっている。
タワー本体に風があたり風切り音が騒音となるともいわれる。
電磁波による人体への影響についての医学的研究は途上であるが、電磁波により周辺住民が電磁波過敏症を発症するリスクが高まる可能性が指摘されている。また電磁波によって電磁障害が起き、コンピュータ等に影響を与える懸念も指摘されている。
天候問題[編集]
2010年2月から3月にかけて300メートル前後まで、4月17日には約350メートルの高さとなったが、この時東京に降雪があり、タワー上部に積もったり付着した雪の片または塊の落下が見られた。このため、降雪時には事務所内に対策本部を設けている。2012年1月下旬にも落雪が原因と思われる被害が半径200メートル以内に出た。
同塔は構造上は円筒状の柱が上下斜めになっていて雪が積もりにくいが、その材質が金属のため外気温の変化を受けやすい。更に展望台は雪が積もりやすく、高い位置に長時間積もった雪は氷のように硬くなりやすい事から大きな塊が落ちた場合に備えて、2012年2月11日と12日には東武タワーと大林組は通行人に落雪の注意を呼び掛けた。また、東武タワーは同被害に対し修理に応じている。2012年末までに地上150メートル以上から最頂部634メートルの間に計45台へとカメラを増設し、積雪状況を監視して地上の約60人の警備員が歩行者や住民に落雪の注意喚起を行う。2013年1月15日には直径20センチメートル以上の雪塊が何度も落下し、一部では規制線が張られ、また民家の屋根に穴が開くなどの被害が4件発生した。
このように、スカイツリーは開業前から降雪問題がしばしば指摘されてきたが、開業以降は強風問題も浮上している。開業初日には、早くも暴風雨によりエレベーターの運行が一時停止され、さらに第2展望台の営業を2時間以上早く打ち切った。この日を含め、2012年度は展望台の営業を25日休止した。
2013年度は展望台の営業を40日休止したことが響き、スカイツリーの年間来場者実績は約619万人と、想定より25万人下回った。
電波障害[編集]
茨城県かすみがうら市では東京タワーからの電波を受信してテレビを見ていたが、東京スカイツリーが東京タワーからの電波の障害物となってしまって電波が受信しづらくなってしまう地域があるため東京スカイツリーによる電波障害を市民に注意喚起していた。
前述の通り、東京タワーから東京スカイツリーへの移転により電波障害は発生しにくいと考えられており在京テレビ6社の切り替えは2013年1月頃を予定していたが2012年7月から10月の間に深夜東京タワーからの送信を止め東京スカイツリーから送信する試験電波による視聴者参加のモニター調査を行った結果、集合住宅で10.5パーセント、戸建住宅で11パーセントの世帯が電波を正しく受信できない事がわかった。原因としてアンテナの向きの問題や室内アンテナの使用、強電界エリアにおいて設置されている受信ブースターによって電波が増幅され強すぎることで正しく受信できない問題等があげられた。受信障害は地域的な偏在ではなく設置状況に応じて点状に散在しており、試算では関東1都6県約1500万世帯・事業所のうち約16万件に影響すると判明し予想以上の受信障害への対策のために機能移転が遅れる見通しであるとNHK会長松本正之は2012年11月1日の記者会見で明らかにした。
このため2012年12月22日から東京スカイツリーからの電波の受信確認を促す『東京スカイツリー受信確認テスト』の放送を在京テレビ6社で開始、問題がある場合には東京スカイツリー移行推進センターに相談するよう呼びかけ、計100億円を負担して各家庭のアンテナ調整や交換など受信障害回避の対策を行うこととなった。また、当該在京テレビ6社以外の放送局(テレ玉、チバテレ、tvk、放送大学等)の受信に影響が出た場合にも移行推進センターで対応している。この問題により機能移転は2013年5月1日に変更するとし、その後同年5月末頃へと変更された。
その後、受信確認テストを繰り返した結果、視聴者からの相談件数が減少し対応工事のめどがついたことから総務省と協議を行い、2013年5月24日に総務大臣新藤義孝が今後の試験放送で受信障害が急増しないことや各局が移転後も受信対策に万全を期すことを条件として同年5月31日にスカイツリーへの移転を容認すると表明し在京テレビ6社も正式に同日の移転を行うと発表した。そして、同年5月31日9時にスカイツリーからの放送に移行した。なお、同年3月31日時点で16万4251件の相談があり7万1516件に対策が必要な事が判明し、同年5月28日までの要対策件数は12万5400世帯であった。さらに、同年5月31日9時の完全移行後、スカイツリーの地元である墨田・台東・江戸川3区のケーブルテレビを受信している約2200世帯で古くなった端子やケーブルにスカイツリーからの強い電波が干渉したことが原因で画面が乱れたり何も映らないなどの受信障害が発生した。また、同日9時から22時までに受信相談コールセンターに1万7792件の相談(うち対策工事が必要な相談が7664件)があり、同年5月31日から同年6月4日までの間で新たに2万7647件の受信障害が判明したことが発表されている。
評価[編集]
- 開業から1週間の来場者は164万3000人で当初予想(約112万人)の1.5倍の人出となった。
- 歌手のレディー・ガガは、「外は雨ですが、こんなに美しい景色を見たことはありません」と絶賛した。
- 東京都知事(当時)の石原慎太郎は、2004年の記者会見で新タワーについて質問されて「つくる必要はないと思う。インターネット時代でシステムが変わろうとしている時代に、あんなばかでかいタワーが要るかどうか、それはもう基本的な問題だ」と批判した。なお、石原はその後2009年での都議会での答弁でTOKYO MXがスカイツリーに移転することによって「関東一円にまで電波が飛ぶようになり、東京におけるローカル放送の意味合いや価値が変わって、非常に大きなメリットになるのではないか」と述べている。
- 上武大学経営情報学部教授の池田信夫は、「スカイツリーの建設には世界最先端の技術が使われているそうだが、この無用の長物は、技術者は世界一優秀だが経営者は世界最悪といわれる日本の企業を象徴する『21世紀のピラミッド』である」としている。
- 作家の曾野綾子は、「高さ競争は後発国のやることではないですか。もっと大人になってもらいたいですね。どんな高い塔も今に抜かれます」と評した。
東京スカイツリーを扱った作品[編集]
東京スカイツリーは建設中の時点から大変な注目度があり、新たな東京のシンボルとして様々な小説や映像作品に登場している。ただし、直接登場することもあれば単なる背景として登場することもあるなど作品数だけでも大変多いため、割愛している。また、東京タワーとは異なり「東京スカイツリー」は商標名であるため、この名称が使えない場合は「東京スカイタワー」などのように名称を変更して登場させるケースも多い。
東京タワーが多くの特撮映画・特撮テレビドラマで怪獣によって倒されるなどの被害を被っているためか、近年の怪獣などを扱った小説や漫画、アニメなどでは東京タワーに代わる東京のランドマークとして東京スカイツリーが怪獣の攻撃を受けるという作品が多い。
しかし、2013年時点では東京スカイツリーが登場する特撮作品はまだ存在しておらず、使用料が発生するとされている。なお、『ウルトラQ dark fantasy』には高さ666メートルの「第2東京タワー」という電波塔が登場してレキューム人の攻撃を受けているが、作品自体は東京スカイツリーの建造が始まる4年前(2004年)に制作されたものである。
ドラマ[編集]
お菓子な刑事。(2011年。)冒頭のシーンで模型が登場。逮捕しちゃうぞの美幸が高さなど語った 窓際太郎22 。(2011年。)一瞬だけ登場
映画[編集]
- 東京スカイツリー 世界一のひみつ - 建設の記録映像を元にした開業までのドキュメンタリー(2012年7月28日)。
- 名探偵コナン 異次元の狙撃手 - 殺人事件が発生したベルツリータワーのモデルであり、高さが635メートルに改変されている。
音楽[編集]
- 飯塚まもる『建設中のスカイツリー』
- 清水英彰『東京スカイツリーMUSASHI』
- さくらまや『スカイツリーは雲の上』
ゲームアニメ[編集]
妖怪ウォッチ。ゲームでは2に登場する。キュウビの玉ゲット出来る。ロボニャンが駐車場に登場する。アニメではコマ兄弟が行った。2015年1月3日及び11月21日に再放送放送された。名前が桜EXツリーになっている
交通アクセス[編集]
鉄道[編集]
- とうきょうスカイツリー駅
- 東武鉄道東武スカイツリーライン - 駅番号 TS 02
- 押上〈スカイツリー前〉駅
路線バス[編集]
- 東京スカイツリータウン(東京ソラマチ1階)1番のりば
- 東京スカイツリータウン(東京スカイツリー下)
- 京成バス
- 墨田区内循環バス「すみだ百景 すみまるくん・すみりんちゃん」北西部ルート 押上駅・曳舟文化センター・鐘ヶ淵駅方面
- 京成バス
- とうきょうスカイツリー駅前
- とうきょうスカイツリー駅入口
- 春慶寺前・東京スカイツリータウン前
- 押上駅(駅前バスターミナル)
- 押上
高速バス・直行バス[編集]
- 東京スカイツリータウン(東京ソラマチ1階)2番のりば
- スカイツリーシャトル:東武ホテルレバント東京・東京駅(東武バスセントラル、JRバス関東)※一般道経由
- 東武ホテルレバント東京は朝夕の一部便のみ経由
- 東京スカイツリータウン(東京ソラマチ1階)3番のりば
- 東京スカイツリータウン前(春慶寺前バス停)
- 東京スカイツリータウン前(浅草通り「はとバス」バス停)
- 新宿駅西口(28番のりば)/鎌取駅・誉田駅・土気駅(京王バス東、千葉中央バス)
定期観光バス[編集]
その他[編集]
- 東京スカイツリー完成をさかのぼること約180年前の1831年ごろに当時の浮世絵師・歌川国芳が描いた『東都三ツ股の図』には、スカイツリーの立っているのとほぼ同じ場所にスカイツリーに酷似した謎の塔が描かれている(右画像)。回向院で勧進相撲が開かれる際に立てられる相撲櫓であるという説、あるいは井戸掘りの櫓であるという説があるが詳細は不明である[4]。
- 2010年4月24日、栃木県の東武ワールドスクウェアに縮尺25分の1の「東京スカイツリーと周辺複合開発」が新展示物として加わった。実物より一足早く完成したこの展示は全高26メートル、総工費約2億円と発表されている。当日は同施設の開園記念日にあたり入園無料Dayとなったほか東武350系電車による浅草発鬼怒川温泉行きのギャラリー列車、「スカイツリートレイン」の運転初日となった。
- 2010年8月7日、読売新聞社会部江東支局は北十間川を挟む真向かいに取材に特化した「東京スカイツリー前分室」を開設し都民版、江東版、武蔵野版などに界隈の近況など含めて随時掲載した。記者以外にも見物客を受け入れており、展示パネルや関連刊行物の販売も行われ45万人が来訪したが、2012年7月1日をもって閉室された。
- 2011年3月18日、東京スカイツリーの「ゲイン塔」が引き上げられ高さは634メートルとなったが高さを発表する際、最初に625メートルの十の位を変えたため高さが一瞬「635m」と表示され集まった報道陣を騒がせた。
- 開業日を縁起のいい大安と決め2012年5月に大安は5日・11日・17日・22日・28日と5日あるが、スタッフが業務に慣れるまでの習熟期間を作るため週末を避けた22日に決まったという。
脚注[編集]
注釈[編集]
関連項目[編集]
- 東京スカイツリータウン
- 塔の一覧
- 五重塔 - 建築の際、耐震技術(心柱)を応用している。
- 東京タワー
- 超高層ビルの一覧
- 天皇制廃止論 - 天皇制はいかにもアナログな制度で、地デジの時代にふさわしくないので廃止すべきだ。
外部リンク[編集]
- 東京スカイツリー - 公式サイト
- 東京スカイツリーうんちく50 ここから見えるよMAP - ほぼ日刊イトイ新聞
- 「東京スカイツリー®」は私たち大林組が、つくっています - 大林組
- 日建設計 東京スカイツリー設計プロジェクト - 日建設計
- スカイツリーLIVE中継
- 東京スカイツリー移行推進センター - NHK・民放の在京テレビ6局によるスカイツリー移行推進組織
- 東京スカイツリー天望デッキの夜景スポット情報 夜景FAN - 夜景FAN