資本金
資本金(しほんきん)とは、株式会社の財産を堅持するうえで基準とする一定の計算上の数額のことをいう。転じて、何か事を行う場合の元手をさす場合もある。
会社法における資本金[編集]
- 会社法は、以下で条数のみ記載する。
物的会社(株式会社・有限会社)に一定額以上の責任財産を保有させること、及び泡沫会社の乱立を防ぐため、1990年(平成2年)に商法・有限会社法の改正が行われ、最低資本金制度が導入された。このことは、大きな企業における株式会社に関する法規制が、実際には有限会社・人的会社あるいは個人企業のような中小の事業者に株式会社の形態をとらせないことも含んでいた。
改正内容[編集]
1990年の改正以前、株式会社について最低資本金の定めがなく、また有限会社については最低資本金は10万円であった。
1990年の改正により、株式会社の資本金は1,000万円以上(商法第168条の4)、有限会社の資本金は300万円以上(有限会社法第9条)でなければならないとされた。この最低資本金に満たない資本をもっての会社の設立は無効とされ、資本減少の結果、最低資本金に満たなくなるような資本減少も無効とされる。
既存の会社についても、1996年(平成8年)3月31日までに最低資本金を満たす増資、もしくは組織変更が行われなかった場合は、翌4月1日付の法務大臣名で、2ヶ月以内に増資の登記がなければ解散したとみなす公告がなされた。そして同年6月1日付で解散したとみなされた会社は登記所の職権で解散登記がされた。
しかし、新会社法が2006年5月1日より施行され、有限会社制度を株式会社に統合し、最低資本金制度も廃止された。これによって手続き上は、資本金1円での会社の設立が可能となった。ただ、業種によっては関連する法令で最低資本金の額が規定されている場合がある。
株式会社[編集]
- 資本金の額(445条)
- 株式会社の資本金の額は、設立又は株式の発行に際して株主となる者が払込み又は給付をした財産の額とされる(1項)。
- 払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額を、資本金として計上しない場合は、その額を資本準備金として計上しなければならない(2項・3項)。
- 資本金の額の減少(447条)
- 決定は、株主総会の決議によらなければならない。
- 準備金の額の減少(448条)
- 資本金の額の増加(450条)
- 決定は、株主総会の決議によらなければならない。
- 無効の訴え(828条5項)
- 株式会社における資本金の額の減少の無効は、効力が生じた日から六箇月以内に、当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者に限り訴えをもってのみ主張することができる。
- 資本金の額の登記(911条)
- 株式会社の設立の際に資本金の額を、登記しなければならない。
会計上の資本金[編集]
株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び付属明細書に関する規則(昭和38年法務省令31号)において、資本の部を資本金、法定準備金、剰余金の3種類に分けて記載することとなっている。
- 財務諸表における資本金
- 自己資本金
- 借入資本金
関連項目[編集]
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・資本金を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |