千葉都市モノレール1号線
1号線(いちごうせん)は、千葉みなと駅から県庁前駅までを結ぶ千葉都市モノレールの路線である。全線が千葉県千葉市中央区内を走行する。
路線概要[編集]
路線データ[編集]
- 路線距離(営業キロ):3.2km
- 方式:懸垂式(三菱サフェージュ式)
- 駅数:6駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線
- 電気方式:直流1500V
- 閉塞方式:車内信号閉塞式
- 信号保安装置:CS-ATC
- 営業最高速度:65km/h
千葉みなと - 千葉間[編集]
千葉みなと駅でのJR京葉線、千葉駅でのJR総武本線・房総各線・京成千葉線との橋渡し的な機能を持つ。また中間駅である市役所前駅は、名称の通り千葉市役所へのアクセスとなるため利用者は多く、この区間は千葉都市モノレールの中で最も輸送密度が高い区間である。
1号線のうち最初に開業した区間は千葉みなと - 千葉間で、当時は千葉みなと - 千葉 - 千城台間で1つの運転系統となっていた。その後1号線の千葉 - 県庁前間が開通すると、1号線・2号線と路線ごとに運行系統が分けられた。一時期、千葉みなと - 千葉間は1号線(県庁前方面)の列車のみが乗り入れ、2号線(千城台方面)は千葉発着とした上で、朝晩のごく一部列車のみが千葉みなと - 千葉間に乗り入れていた。
京葉線の快速が千葉みなと駅に終日停車するのを機に、2号線のすべての列車(早朝・深夜の一部を除く)が千葉みなと - 千葉間に乗り入れるようになり、2号線沿線から京葉線へ乗り換えなしでのアクセスが図られた。1号線・2号線の両列車が乗り入れるために、この区間は日中でも1時間に10本近くの運転となる。
千葉 - 県庁前間[編集]
千葉市最大の繁華街を経由して、千葉県庁のある県庁前駅を終点とする。JR外房線・京成千葉線と200mほどの距離を置きながら並走する。沿線はオフィスビル・商業店舗・雑居ビルなどに囲まれている割には利用者が少ない。
当初は毎時6本(10分間隔)運行されていたが、後に減らされた(現在は日中15分間隔で毎時4本運行)。特に朝の通勤時間帯の本数設定については変化が激しく、2000年時点では平日朝の7時台は10本ほどの運行であったが、現在は日中と同じく15分間隔(4本)である。
この区間の利用者が少ない背景には以下のように本路線を利用しなければならない必要性の低さが挙げられる。
- 栄町・葭川公園の各駅は千葉駅から1km(徒歩約13分)ほどの徒歩圏内である。
- 運賃が高い
- 参考:PARCOバス無料/路線バス100円/京成線130円/JR線140円/モノレール190円
- 広域アクセス利便性に勝る他の鉄道線が近接している。
- 葭川公園駅は京成の千葉中央駅から、県庁前駅はJRの本千葉駅から、それぞれ200m(徒歩約3分)ほどしか離れていない。
- ほぼ同じルートを走行する路線バスの系統が多数、日中でも多い時で毎時20 - 30本(平均2 - 3分間隔)運行されている。
- また「千葉PARCO」の利用客向けに「PARCOバス」が千葉駅とPARCOの間を無料で走っている(バスの運行ルートは千葉駅から栄町駅方面を経由してPARCOに向かい、PARCOからは駅前の大通りを千葉駅方面に向かう)。
- 高架を走行するモノレールがゆえに、階段の動作が多く身体的負担が多い。特に千葉駅は高架駅であり、階段・エスカレーターの昇降に時間がかかる。
- 4と関連し、地平の道路を走る路線バスに流れやすい。
車両[編集]
歴史[編集]
駅一覧[編集]
- 駅員
- ○:終日配置
- ×:終日無配置
駅名 | ローマ字表記 | 駅間キロ (km) |
累計キロ (km) |
駅員 | 接続路線 | 駅周辺 |
---|---|---|---|---|---|---|
千葉みなと駅 | Chibaminato | - | 0.0 | ○ | JR:京葉線 | 千葉ポートパーク 千葉中央警察署 |
市役所前駅 | Shiyakushomae | 0.7 | 0.7 | × | 市役所 市中央コミュニティセンター | |
千葉駅 | Chiba | 0.8 | 1.5 | ○ | 千葉都市モノレール:2号線(千城台まで直通運転) JR:総武本線・外房線 京成:千葉線(京成千葉駅) |
そごう千葉店 千葉三越 |
栄町駅 | Sakaechō | 0.5 | 2.0 | × | 京葉銀行文化プラザ 市民会館 | |
葭川公園駅 | Yoshikawa-kōen | 0.5 | 2.5 | × | 千葉パルコ 市文化センター 市中央区役所 京成 千葉中央駅 | |
県庁前駅 | Kenchōmae | 0.7 | 3.2 | × | 県庁舎 県警察本部 亥鼻公園 JR 本千葉駅 |
延伸計画[編集]
本路線を県庁前からさらに市立青葉病院前方面まで延伸する計画がある。千葉市はかねてから市立青葉病院への足の確保が必要だとしているが、県は財政難を理由に出費を渋っており、さらに2004年3月に評価・助言委員会が「延伸は認められない。」との結論を下した。並行して、営業区間の千葉 - 県庁前間の存廃も問われている。
市と県との協議の結果、県庁前駅から先の延伸ルートを、当初の京成千原線千葉寺駅を経由する約3.6kmのルートから距離が約2kmと短い千葉大学亥鼻キャンパスを経由するルートに変更して延伸する方針を固めつつあった。また、延伸については県庁前 - 市立青葉病院前駅(仮称)までとし、それ以上延伸は行わないことが決定された[1]。当初は2008年度に軌道事業特許取得、2009年度に着工し、2013年度の開業を目指すという予定だった。だが、延伸に反対の意見が以前から強く、2009年6月には公共事業の見直しを公約に掲げた熊谷俊人が千葉市長に当選した後、現地を視察して現地字自治会等関係者と懇談した結果、延伸計画の地質調査の予算執行を中止し、財政や都市計画等の有識者による検討会を立ち上げる方針を示して事実上延伸計画を凍結した。
県庁前駅からの東進は、当初は都川上空に軌道を造る予定だった。しかし当時の建設省が、インフラ補助できないとして難色を示したらしく、千葉大学ルートに変更して星久喜方面への延伸に変更するも千葉大学が反対し、また道幅が狭いこともあり延伸予定地は二転三転した。千葉大学ルートについては、計画されていた当時、市販されていた地図に予定ルートが書き込まれていたものもあり、当初は県庁前駅が大和橋上空になることを予定していた。
一方、千葉みなとから幕張本郷駅までの延伸も設立当時は予定されていた。ルートは海浜大通りを経由、幕張新都心を通るものであったが、利用客数が予想以上に下回ったこと、京葉線の開業、当時の幕張新都心は当初構想通りの施設立地が進んでいなかったことにより、計画は白紙となった。
脚注[編集]
- ↑ 読売新聞 2007年9月17日