GIANT KILLING

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GIANT KILLING』(ジャイアントキリング)は、ツジトモによる日本漫画作品。原案・取材協力は綱本将也。『モーニング』(講談社)にて、2007年6号より連載されているサッカー漫画。単行本は2011年4月現在、19巻まで刊行されている。2010年テレビアニメ化された。略称は「ジャイキリ」。

概要[編集]

前作『U-31』において、ベテラン選手の苦悩と葛藤、復活を描いた原作者の綱本将也が、今度は若手漫画家のツジトモ監督をテーマに描く。タイトルの「ジャイアント・キリング」とは、「番狂わせ」「大物食い」を意味する言葉であり、スポーツ競技において、実力差がある格上の相手に対し、格下が勝利を挙げた場合に使う。

なお、ETU(East Tokyo United)以外で、この作品に出てくるクラブ名は、全て実在するクラブ名をもじったものである(例:東京ヴェルディ→東京ヴィクトリー、ガンバ大阪→大阪ガンナーズなど)。ただし、海外(プレミアリーグ)のクラブ名は、そのまま使用されている。

第2回とらのあなコミック&ノベル大賞受賞。宝島社このマンガがすごい!2008」オトコ編6位、「このマンガがすごい!2009」オトコ編3位作品。第34回(平成22年度)講談社漫画賞一般部門受賞。

ストーリー[編集]

低迷を続けるETU(East Tokyo United)に、一人の男が監督として迎えられた。男の名は達海猛。かつてのETUのスター選手であり、引退後はイングランド5部のアマチュアクラブの監督として、FAカップでベスト32に導き、プレミアリーグのクラブをギリギリまで追い詰めた人物である。そんな彼に、古巣のクラブが白羽の矢を立てた訳だが、チーム内は開幕前から騒動ばかり、果たしてこの起用は吉と出るか凶と出るか。

登場人物[編集]

※キャラクター名の下、“ - (人物名)”は、#テレビアニメ版における声の出演者。

ETU(East Tokyo United)[編集]

監督[編集]

達海 猛(たつみ たけし)
声 - 関智一
年齢:35歳。身長:175cm。通称:「タッツミー」。
本作の主人公で、ETUの監督。
信条は「弱いチームが強い奴らをやっつける」こと。 飄々としており、一見いい加減で破天荒な言動の裏で、サッカーに関しては非常に研究熱心で、ETUの監督となってからは、クラブハウスの用具室に住み込み、夜遅くまで次節の対戦相手の分析、研究に力を入れている。膨大な資料から得た情報から、相手の弱点を見抜く洞察力を持ち、試合では徹底的に突く知略家である。FAカップのポーツマスFC戦では、相手の強固なディフェンスの中心であるイングランド代表DFのパス精度の低さを見抜き、選手交代からそこを突いて得点を挙げている。また、チャンスやピンチの場面では、感情を露にする。この硬軟入り混じった人柄が、人を惹きつける魅力ともなっている。ETUの低迷の最大の要因は、「チームに根付いている負けグセ」「監督が変わったからって選手が変わる訳じゃない」、「1試合ごとに切り替えが出来なければシーズンはとても戦えない」とも評している。(メンタル)であることを見抜き、個々の選手との対話や練習の中で改善を促している。
ETUでの現役時の背番号は7。ゲームメイクのセンスと得点能力を兼ね備え、幾度も逆転劇を巻き起こしたETUの主力選手で、日本代表の中心選手候補だった。しかし、巨大になり過ぎた自分の存在により生まれた様々な軋轢を憂い、笠野と相談し、ETUをあるべき姿に戻すため、あえて「チームを見捨てた裏切り者」の汚名を着ながらETUをチームを離れる決断をした。その後はプレミアリーグのクラブへ移籍するが、直後の試合にてかねてから抱えていた足の故障で引退。引退後は、イングランド5部リーグのアマチュアクラブ「FCイーストハム」で監督を務め、FAカップではプレミアリーグのクラブから勝利を狙えるほどにチームを育てた。現地に赴いた後藤に懇願され、イーストハム首脳陣の後押しもあり、監督としてETUへ復帰した。

選手[編集]

椿 大介(つばき だいすけ)
声 - 水島大宙
ポジション:MF(センターハーフ、守備的MF)。年齢:20歳。身長:174cm。体重:65kg。血液型:O。利き足:右。背番号:7番。通称:「バッキー」。
昨季までサテライト所属であったが、達海に素質を見い出され、スタメンとして起用される。傑出した俊足とスタミナを生かした前線への飛び出しが最大の武器であり、ミドルシュートも身に付け、ETUの新たな攻撃の核として定着しつつある。心優しい性格であるが、重度のチキンで好不調の波が激しい。本人も精神面の弱さによって安定感に欠けることを長年コンプレックスに感じ「自分を変えたい」と考えており、この想いが同時にパワーの源となっている。かつて同じ7番を付けた達海のように、大舞台で才能を爆発させ、見る者を惹き付ける何かを持つ。
サッカーを始めたきっかけは、小学校が廃校になったときに、最後に生徒と教職員全員でやれることを探したことからで、当時から不思議な求心力を持っていた。無名の中学校から、関東にあるサッカー強豪高校へ進学。高校ではレギュラーではなかったものの、途中出場で活躍した試合が偶然スカウトの目に留まり、卒業後はニッポン・フットボール・リーグ(プロであるリーグジャパンの下位のリーグカテゴリ)のFC武蔵野(このチームのモチーフは、JFL所属の横河武蔵野FCと言われている)へ入団。更に、そこで笠野に見出されて、ETUへ移籍する。
村越 茂幸(むらこし しげゆき)
声 - 置鮎龍太郎
ポジション:MF守備的MF)。年齢:32歳。身長:180cm。体重:74kg。血液型:A。利き足:右。背番号:6番。通称:「コッシー」。
他クラブからのオファーを断り、達海を慕い、ETUに入団、1年間だけながら、達海と共にプレイした。達海の移籍後・2部降格後も他クラブへの移籍のオファーを断り、10年間一貫してETUに所属し、「ミスターETU」と呼ばれる大黒柱として、チームを1部へ復帰させる活躍をした。生真面目で堅実なプレーを信条とし、選手のみならず、サポーターからの信頼も厚い。過去には日本代表候補に選出された経験もある。
キャプテンとして自分がETUを支えてきたという自負から、達海と対立していたが、チームの全てを背負い過ぎと指摘され、後に和解(この指摘は、同時に現役時代の達海自身の反省点でもある)。現在はリーダーシップは封印し、自分のプレーに専念するが、チーム全体に気を配るリーダー的な位置は変わっていない。
入団当時の背番号は16。
ルイジ 吉田(ルイジ よしだ)
声 - 小野大輔
ポジション:MF(攻撃的MF)。年齢:26歳。身長:176cm。体重:64kg。血液型:B。利き足:左。背番号:10番。通称:「ジーノ」または「王子」本人は日本姓の吉田で呼ばれることを嫌がり、周囲には自分を「ジーノ」か「王子」と呼ぶように強制している。またユニホームのバックネームも愛称の「GINO」を使用。
自由気ままな性格の攻撃的MF。イタリア人と日本人のハーフ。ETUの攻撃の要で、広い視野と左足から繰り出す多彩で精度の高いパスで選手を自在に動かし、またフリーキックを始めとして自らも得点出来る決定力も持っている。試合中に頻繁に集中が切れる点や、守備意識の低い点(戦術上必要ならばある程度はする)が改善されれば、すぐにでも日本代表に選出される才能を持つ、天才肌の選手である。
キザなナルシストぶりや、若手選手を「犬」呼ばわりするなど、本人に悪意はないが性格にやや難がある。過去のシーズンには、「試合に飽きた」という理由で途中交代を要求したり、「めんどくさい」という理由でオールスター戦出場を辞退したこともあった。反面、その性格からプレッシャーには無縁のようで、勝負所や悪天候の中でも自滅することはない。達海もある程度のプレースタイル・戦術はジーノの個人の判断に委ねており、達海との相性は良いと評される。ファン層は幅広く多国籍に及ぶが、本人はファンに笑顔で手を振ることしかしないため、彼のサインはレア物となっている。愛車はマセラティ。以前、有里が「ETUのプリンスプリン」という彼のグッズ(プリン)を考案したが、ボツになった。理由は、本人の背番号の10にちなんで甘さを10倍にしたがために、甘すぎてマズくなってしまったから。キャッチフレーズは”王子の笑顔は甘すぎる!”。ちなみに、ブロマイド付きである。(※単行本17巻p2参照)
黒田 一樹(くろだ かずき)
声 - 伊藤健太郎
ポジション:DFセンターバック)。年齢:28歳。身長:170cm。体重:67kg。血液型:A。利き足:右。背番号:2番。通称:「クロ」または「クロエ」。
スキンヘッドがトレードマーク。センターバックとしては小柄ながら、闘志を前面に出した厳しいディフェンスで、杉江と共にETUの守備陣を支えている。かつては村越と同様に「一度ETUを捨てた」達海と対立していたが、達海の情熱を感じ、吹っ切れた様子。
村越のことを心底慕っており、村越の言うことには何でも素直に従う。反面、何かにつけて赤崎とは口論になる。
非常に声が大きく、言葉遣いも荒いが、熱い性格で、チームのムードメーカー的存在となっている。達海曰く、「黒田には人をイラつかせる才能がある」らしい。一部に熱烈なファン(なぜか強面ばかりである)を持つ。ちなみに、ルーキーの頃は髪があった。「黒田こけし」という、全く売れていないオフィシャルグッズがある。
杉江 勇作(すぎえ ゆうさく)
声 - 桐井大介
ポジション:DF(センターバック)。年齢:28歳。身長:182cm。体重:76kg。血液型:B。利き足:右。背番号:3番。通称:「スギ」。
相手を冷静に分析するタイプで、守備能力が高く、相手のエースをマークすることも多い。同じDFの黒田と仲が良く、プライベートも共に行動することが多い。黒田とは対照的に寡黙で、なだめ役になることが多く、黒田も杉江の助言には耳を傾ける。日本代表候補に選出された経験もある。コーナーキックなど、セットプレー時には長身を活かして積極的に参加する。
他チームからは、「ETUで一番良いDF」と思われている模様。
赤崎 遼(あかさき りょう)
声 - 武藤正史
ポジション:MF(右サイドハーフ、攻撃的MF、代表時は右サイドバック)。年齢:21歳。身長:175cm。体重:68kg。血液型:AB。利き足:右。背番号:15番。通称:「ザッキー」ただし、名前の読みは上述の通り「あかき」。
若手選手の中心的存在で、五輪代表候補にも選出されている。後藤のGM就任後初の世代別代表選手。ドリブルでの突破を得意とする。登場人物紹介欄で「生意気盛り」と評されたように、相手が年上であろうがハッキリと物を言うタイプで、冷淡とも思える態度を取ることがあるせいか、黒田と仲が悪い。
ETUのユース出身。
世良 恭平(せら きょうへい)
声 - 川野剛稔
ポジション:FW。年齢:22歳。身長:166cm。体重:60kg。血液型:O。利き足:左。背番号20番。通称:「セリー」。
常に明るく元気で、声が大きい。高さは無いが、スピードと運動量を生かし、今季は開幕から1トップのレギュラーとして起用されているが、得点が少ないことを本人も気にしている。
夏木の復帰によってポジションを脅かされ、不安に駆られるが、FWとして真っ向から挑んでいくことを決意する。
自分には才能がないことを自覚している。しかしその分、限られたスキルを最大限発揮する術を覚えている為、プレーに迷いがないという強みを持つ。
夏木 陽太郎(なつき ようたろう)
声 - 楠大典
ポジション:FW。年齢:26歳。身長:175cm。体重:69kg。血液型:B。利き足:右。背番号:11番。通称:「ナツ」または「ナッツ」。
高い身体能力と得点センスを持つ、ETUのエース。昨季は怪我の為、約半分の試合を欠場したが、それでもチーム得点王として、ETUの一部残留に貢献した。簡単なシュートを外してしまうことが多いが、バイシクルなど派手なゴールを決めることが多く、ここ一番で決める勝負強さを持つ。
異様にテンションが高い情熱家で、時には空回りし、イージーミスを連発するなど、それを弄られたり煙たがられたりするが、復帰戦では久しぶりに立ったピッチとスタジアムの雰囲気に感動し、涙ぐむなど、サッカーに対する情熱は誰にも負けない。ただし、情熱ゆえに、怪我が完治する前にボールを蹴って怪我を長引かせてしまったという経緯もある。妻子持ち。
堺 良則(さかい よしのり)
声 - 川田紳司
ポジション:FW。年齢:31歳。身長:174cm。体重:69kg。血液型:A。利き足:右。背番号:9番。通称:「サック」。
闘争心あふれる選手で、非常に怒りっぽい性格だが、ピッチ上では冷静に好機を窺うクレバーなFW。開幕時点では控えに甘んじている。年齢的にベテランの域に差し掛かっており、心身のケアを怠らない。FWのスタメン争いの中、負傷し意気消沈する世良に、同ポジションのライバルながら、FWとしての哲学を説いた。
緑川 宏(みどりかわ ひろし)
声 - 藤真秀
ポジション:GK。年齢:33歳。身長:184cm。体重:77kg。血液型:AB。利き足:右。背番号:1番。通称「ドリさん」。
チーム最年長で、元日本代表選手(清水インパルス在籍時)。冷静沈着、的確なコーチングで、ゴールを死守する。他の選手から助言を求められるなど、選手達からの人望は厚く、村越と並んでETUの精神的支柱。ベテランらしく、達海の真意にいち早く気付いたり、核心を突く発言やアドバイスをする。
清川 和巳(きよかわ かずみ)
声 - 中川慶一
ポジション:DF(左サイドバック)。年齢:23歳。身長:174cm。体重:66kg。血液型:O。利き足:右。背番号:16番。通称:「キヨ」
染めた長い髪が特徴。達海が監督に就任してから、レギュラーポジションを獲得。
俊足を活かした攻撃参加が得意だが、「守備には不安がある」と自らも自覚している。
チームのメンバー(主に黒田やジーノ)に脳内ツッコミをすることが多い。試合のハーフタイム中に、赤崎の不躾な発言に食って掛かったこともある。同い年で同期入団の石浜と仲が良い。
石浜 修(いしはま おさむ)
声 - 深津智義
ポジション:DF(右サイドバック)。年齢:23歳。身長:176cm。体重:76kg。血液型:B。利き足:右。背番号:22番。
パイナップルのような不思議な髪形をしている。同期入団の清川とコンビで居ることが多かった。そのフィジカルとスタミナは、達海からの評価も高い。清川と同様に、達海の監督就任以降レギュラーに定着したが、石神がレギュラーに返り咲いてからは、ベンチを暖める日々が続いたこともあり、葛藤の末に、中断期間にオファーのあったヴァンガード甲府へ移籍した。
入団当時、周囲から「田舎っぽい」と言われたことを気にして、タトゥーを入れようとしたことがある。
石神 達雄(いしがみ たつお)
声 - 中田隼人
ポジション:DF。年齢:30歳。身長:176cm。体重:72kg。血液型:O。利き足:右。背番号:5番。通称:「ガミさん」。
達海が監督になる前のレギュラー選手。開幕当初は先発メンバーの一人で、一時は石浜にポジションを取られてしまったが、再びレギュラーの座を取り戻した。マイペースでノリの軽い性格だが、ベテランらしく試合の嗅覚を読み、相手選手の癖を見抜くなど、観察眼は鋭く、的確なアドバイスも多い。
堀田 健二(ほった けんじ)
声 - 岡哲也
ポジション:MF。年齢:29歳。身長:178cm。体重:73kg。血液型:A。利き足:右。背番号:8番。
ボランチからトップ下まで、中盤のポジションならどこでもこなせる、テクニックに長けたポリバレントな選手。達海が就任した後、椿にレギュラーを奪われ、引退を視野に入れようか悩んでいたが、川崎戦の石神の一言で、新たなプレースタイルを身につける。チーム随一のキックの精度の持ち主で、荒れたピッチのコンディションでも正確なロングフィードを見せる。
ガブリエル・ペレイラ
ポジション:FW。年齢:19歳。身長:170cm。体重:63kg。利き足:右。背番号:17番。
笠野がスカウティングし、リーグ後半戦より加入したブラジル人。高速ドリブラーであり、練習試合ではスピードが武器の椿でさえ翻弄した。サイドから中央へ切り込むプレーが得意。南米出身らしい陽気な性格であり、同時にマリーシアの気質も持っている。
殿山 充(とのやま みつる)
ポジション:MF。年齢:24歳。身長:174cm。体重:62kg。利き足:右。背番号:30番。通称:「トニー」。
ガブリエルと同時期にJ2の福岡から移籍してきた選手。ボールタッチ、ゲームメイクの能力は一級品。控えめな性格であり、圧倒的な存在感の無さが弱点。
佐野 正(さの ただし)
ポジション:GK。年齢:27歳。身長:188cm。体重:89kg。血液型:O。利き足:右。背番号:23番。
2番手キーパー。ややぽっちゃりとした体型で、いがぐり頭が特徴。ベンチでは、しばしば個性の強い選手達に振り回されている。
小林 実(こばやし みのる)
ポジション:DF(センターバック)。年齢:25歳。身長:178cm。体重:76kg。利き足:右。背番号:26番。
控えのDF。規律違反を犯して黒田と杉江が出場停止となったリーグカップの清水戦で、2人の代わりに出場。
亀井 武士(かめい たけし)
声 - 川島得愛
ポジション:DF(センターバック)。年齢:22歳。身長:178cm。体重:78kg。血液型:B。利き足:右。背番号:27番。
控えのDF。小林と同じく、規律違反を犯して黒田と杉江が出場停止となったリーグカップの清水戦で、2人の代わりに出場。
「攻撃的なセンターバック」というプレースタイルを自覚しており、「目標は点を取ること」と発言し、黒田に怒られたこともある。
丹波 聡(たんば さとし)
声 - 真仲恵吾
ポジション:MF(左サイドハーフ)。年齢:31歳。身長:173cm。体重:66kg。血液型:AB。利き足:右。背番号:14番。通称「タン(さん)」または「タンビー」。
堀田同様、どこでもこなせるポリバレントな選手。三十路でありながら若手と一緒になって騒げる陽気な性格だが、試合においては、ベテランらしい落ち着きと、仲間を熱く叱咤する闘志を同時に発揮するムードメーカー。登場人物紹介欄においては「何かと頼りにされる人柄」とされている。
宮野 剛(みやの つよし)
声 - 佐藤健輔
ポジション:FW。年齢:20歳。身長:175cm。体重:70kg。血液型:A。利き足:右。背番号:18番。
スピードを活かした突破が武器。本職はFWだが、チームの戦術上、右サイドハーフをやっている。
矢野 真吾(やの しんご)
声 - 島﨑信長
ポジション:MF(左サイドハーフ)。年齢:24歳。身長:170cm。体重:68kg。血液型:A。利き足:右。背番号:21番。
紅白戦では達海組として出場した。主に丹波の控え。
熊田 洋二(くまだ ようじ)
ポジション:MF(ディフェンシブハーフ)、またはDF(左サイドバック)。身長:178cm。体重:68kg。利き足:右。背番号:4番。
本来ボランチのプレーヤーであるが、中断期間明けの札幌戦では、左サイドバックとして先発出場する。
上田 研人(うえだ けんと)
ポジション:FW。年齢:18歳。身長:171cm。体重:60kg。利き足:右。背番号:25番。
高卒ルーキーながら、中断期間明けの札幌戦では先発出場を果たす。
「ゴール前でのふてぶてしさが武器」と達海からも評価されている。
湯沢 洋行(ゆざわ ひろゆき)
ポジション:GK。年齢:21歳。身長:185cm。体重:77kg。利き足:左。背番号:31番。
3番手キーパー。
鈴木 順(すずき じゅん)
ポジション:DF。年齢:28歳。身長:173cm。体重:67kg。利き足:右。背番号:12番。
向井 慎一(むかい しんいち)
ポジション:DF。年齢:25歳。身長:180cm。体重:75kg。利き足:右。背番号:13番。
住田 克樹(すみだ かつき)
ポジション:MF。年齢:27歳。身長:173cm。体重:70kg。利き足:右。背番号:24番。
広井 邦明(ひろい くにあき)
ポジション:MF。年齢:26歳。身長:172cm。体重:70kg。利き足:右。背番号:28番。

コーチ陣[編集]

松原(まつばら)
声 - 魚建
ETUのヘッドコーチ。通称「松ちゃん」。年齢:45歳。太った体形と髭が特徴。達海とは古くからの付き合いで、スタッフとしても古株だが、達海には振り回されっぱなしで苦労が絶えない。酒好き。元ストライカー。5人の子持ち。
金田(かねだ)
声 - 斉藤次郎
ETUコーチ。通称「金(かね)やん」。
徳井(とくい)
声 - 黒沢剛史
ETUコーチ。通称「徳さん」。怪我をして、隔離してリハビリを行なっていた夏木の管理をしていた。

チーム関係者[編集]

後藤 恒生(ごとう こうせい)
声 - 川島得愛
ETUのGM。年齢:39歳。独身。
首脳陣としては若く、かつて達海と共にプレーした経験がある元選手。低迷するETUを再建出来るのは彼しかいないと、イングランドへ渡り、達海を探し出した。達海には大きな信頼を寄せており、サポーターの監督批判にも矢面に立って対話し、チームを支えている。しかし、開幕から連敗を続けるうちに心労がつのり、初勝利までに5kgも体重を落としていた。現役時代、笠野の勧めでETUから京都へ移籍した経験がある。
永田 有里(ながた ゆり)
声 - 浅野真澄
永田会長の娘でETUの広報。通称「有里ちゃん」。サッカーの魅力に心酔し、クラブの広報として精力的に仕事をこなす。外部の人間にはスキあらば仕事の話を突っ込むワーカーホリック。がんばり屋の性格だが、シーズン開幕前には働きすぎて貧血で倒れた。子供の頃は現役時代の達海の大ファンだった。イングランドでの10年ぶりの再会時に、当時の自分のことを覚えていなかったことに対して多少憤慨している。1巻では達海を監督にするために「FCイーストハム」の会長と交渉した時は後藤の通訳を担当。尚、作中で彼女の年齢は明かされていないが、22歳の世良が有里には敬語で話しかけていることから22~23歳くらいだと思われる。
永田会長(ながたかいちょう)
声 - ふくまつ進紗
ETUの会長で、有里の実父。昔ながらの頑固親父といった風情で、ETUの他に居酒屋「東東京」の経営もしている。弟である副会長とは犬猿の仲。
永田副会長(ながたふくかいちょう)
声 - 後藤哲夫
ETUの副会長で、会長の実弟。達海の就任に対して快く思っていない。小柄で小太り。会長とは犬猿の仲。ヅラをかぶっていて、達海によくからかわれている。
笠野(かさの)
ETUの元GM、現スカウティングスタッフ。選手の潜在能力を見抜く目を持つ名伯楽で、達海や、椿・村越をはじめ現在のレギュラーメンバーをETUにスカウトした人物。達海の現役時代にETUのGMを務めており、達海も全幅の信頼を寄せていた。選手第一のスタンスで、選手(特に達海)を守るため、経営陣にも堂々と持論を展開する気概を持っていた。達海とETUが壊れかねないと慮り移籍を促したが、空しくも達海は怪我で引退し、チームの崩壊も止めることが出来なかった。
現在はスカウトの身分を利用して日本各地を飛び回り、ETUの事務所にも全く顔を出さない。しかし時々送られて来る、彼が目をつけた新人選手のリストには有望な選手が揃っている。達海を守りきれなかった後悔の念をずっと胸に抱えていた。達海には「旅人」と呼ばれる。
パッカくん
ETUのオフィシャルマスコット。モチーフはカッパ。顔に似合わず厚かましく男とは握手はしない。オールスターゲーム恒例のチームマスコット達によるミニゲームでは持ち前のハードワークを見せ、「マスコット界の潰し屋」の異名を取る。河童だけあり雨の日は元気。単行本のカバーの見返しのカットには毎回必ず登場している。
また、実際にパッカくんの着ぐるみが作られ、2010年3月21日には柏レイソルのホームスタジアムの日立柏サッカー場に登場し、Jリーグデビューを飾った。このパッカくんの着ぐるみは、イベント等への貸し出し用としてモーニングの公式サイト上で応募を募っている。

スポンサー[編集]

浅倉社長
大江戸通運の社長。年配の老人で、永田会長らとも付き合いが長い。人柄が良く、ETUの活躍を嬉しく思っている。
浅倉 秀和(あさくら ひでかず)
大江戸通運の副社長で、浅倉社長の息子。あくまで利益優先の厳しい考え方をしており、社長の意向とはいえ、ETUに出資することを快く思っていない。

かつてETUの関係者だった人物[編集]

津川(つがわ)
永田が就任する前のETUの会長(達海が現役だった時代)。資金面で決して裕福ではなかったETUを、自らのコネを存分に生かし、ETUの地位向上に貢献するなど、経営者としての手腕は高かった。サッカーそのものに対してもある程度情熱はあったものの、チームの看板選手だった達海に過大な期待を寄せた上に、客寄せパンダとして扱っていた面があったため、GMの笠野とは終始対立していた。達海がイングランドのクラブへ移籍した後、ETUに価値を見出せなくなり、会長を退任した。
フェルナンド
ポジション:FW。元アルゼンチン代表。
達海が監督に就任する前年に、ETUに所属。達海が背負った背番号7を与えられるなど、大いに期待されるが、チームにフィットせず、ほとんど活躍が出来ず、1年で退団した。それでも夏木の働きがあって残留は果たしたものの、フェルナンド獲得に多額な資金を使ってしまったため、翌年のETUは更に資金不足となった。
深作(ふかさく)
ポジション:MF。
達海が現役時代に控えだった選手。負傷のため欠場した達海の代わりとして攻撃的MFを務めるが、その間の成績が1勝4敗と奮わず、戦犯扱いされた。サポーターの野次に怒り、乱闘になりかけたこともあった。

サポーター[編集]

サポーター集団「United Skulls(ユナイテッド・スカルズ)」が応援の中心となっている。達海のチーム復帰で、ゴローら数少ない古参のサポーターも「江戸前応援団」を立ち上げているが、応援に対する考え方の違いから、両者は対立し合っている。そんな大人たちを見かねて、コータら子供たちも独自の応援団を立ち上げている。

羽田(はた)
声 - 宮内敦士
ETUのサポーター集団・スカルズのリーダー。「チームを強くするのはサポーター」を信条に、コールリーダーとしてゴール裏のサポーターを統率している。
ETUから国外移籍した達海の監督就任を歓迎しておらず、開幕後の連敗から采配に不満を募らせ、札幌戦後に達海の解任を求め、スカルズの仲間達と選手バスを囲い込むなど、トラブルを起こすこともあるが、ETUを愛する心は人一倍。サポートする情熱と、スタンドから正確に状況を観察できる冷静さを持つ。
かつて、ゴール裏のリーダー格でありながら、チームの低迷期に応援に来なかった吾郎たちを「俺達とあんたらとは応援する意味が違う」と軽蔑しており、スタジアムに戻ってきた彼らがゴール裏に溶け込まず、独自に応援を行なうことに対しては(コールリーダーとしての立場もあってか)特に不快感を露にしている。
田沼 吾郎(たぬま ごろう)
声 - 多田野曜平
八百屋を営んでいるETUの古参サポーター。昔はゴール裏を仕切るほどの熱狂的なサポーターだったが、結婚して息子が生まれ、達海が移籍しETUが凋落してからは、すっかり熱が冷めてサッカーに対する興味を失っていた。
達海が監督としてETUに復帰したことで情熱を取り戻し、昔の仲間たちを連れて再びスタジアムに通い始めるも、低迷を経て緊張感のある空気の現在のゴール裏に馴染むことができず。スカルズに疎まれ、乱暴者のシゲに頭を痛め、息子のコータからは見放され、肩身の狭い思いをしつつも、江戸前応援団として独自の応援をしている。
椿に現役時代の達海と同じ何かを感じ気に入っており、横断幕まで作って熱を入れた応援している。
田沼 幸太(たぬま こうた)
声 - 儀武ゆう子
吾郎の息子で、愛称「コータ」。友人のヨシオ、テッタとともにETUのサッカースクールに通っている。父の吾郎同様に熱心なETUサポーター。子供ながら冷静に物事を見られる性格で、時々的を射た発言をすることがある。東京ヴィクトリー戦での事件をきっかけに吾郎やシゲを見限って、友人や山さん親子たちと新しいグループを結成した。
シゲ
声 - 広田みのる
吾郎と同じ古参サポーター。小太りでスキンヘッドの見た目通りに柄が悪く、喧嘩っ早い性格。その性格ゆえ江戸前応援団とスカルズとの対立関係を生むきっかけを作った。かつての牧歌的なスタンドへの愛着から、スカルズを「チンピラ」呼ばわりして毛嫌いしており、彼らからゴール裏を取り返すと息巻く。時々正論を吐くこともあるが、もっぱらトラブルメーカーの側面が強い。東京ヴィクトリー戦での事件でも持ち前の喧嘩っ早さを発揮して率先して状況を悪化させていた。
山さん
カメラ屋を経営している大人しそうな男性。吾郎らに誘われてアウェイでの東京ヴィクトリー戦からETUの応援に加わる。自分とそっくりな顔の息子がいるが、その息子がきっかけとなってスカルズと江戸前応援団との新たな火種を作ってしまった。

東京ヴィクトリー[編集]

平泉(ひらいずみ)
声 - 有本欽隆
監督。達海によってETUが変わり始めた事を見抜く、百戦錬磨の知将。達海曰く「ダンディー」。
東京ヴィクトリーの黄金時代が既に終わったことを悟りながらも、チームを更なる王者に至らせようとする。一方でオールスター戦など、真剣勝負ではないゲームの采配には気が乗らない模様。ブラン監督就任前には、日本代表監督候補に挙げられていた。そのことに関しては少し腹に一物がある。
持田(もちだ)
声 - 神奈延年
MF。背番号10番。チーム内での通称は「モチさん」。東京ヴィクトリーの心臓の異名を持つ、日本を代表する攻撃的MFで、日本代表でも中心選手。居るだけでフィールド全てを支配するほど存在感を放つ。日本サッカー界の頂点に立ってなお、勝利を渇望しており、ボールテクニックは勿論、狡猾ほどの勝利への執念も持ち合わせ、また激しいタックルも厭わない。チームメイトにも試合に全てを賭ける覚悟を異様なほどに求めるが、全員が持田の勝利を望む姿勢を認め同調している。慢性的な足の故障が心配材料。新進気鋭の椿に興味を持つが、椿曰く「笑顔が怖い」。
三雲(みくも)
MF。背番号24番。ボランチ。守備専門で、いわゆる「潰し屋」の役割を担う。層の厚いヴィクトリーでレギュラーを勝ち取ったが、プライドの高さが災いし、プレシーズンマッチではジーノに「ミック」と呼ばれ、良いように翻弄される。公式戦では王者のプライドを再認識し、落ち着きを取り戻した。
シャリッチ
MF。背番号13番。ボランチ。クロアチア人。攻撃と守備とをつなぐリンクマンの役割を担う。
城西(しろにし)
声 - 三上哲
MF。背番号8番。通称「シロさん」。東京ヴィクトリーのキャプテンらしく思慮深い人物で、日本代表。典型的な優等生タイプで、模範解答的な良いセリフを言うのが好き。ジーノからは「シロニー」と呼ばれている。
レオナルド
FW。背番号9番でヴィクトリーの得点源。屈強な体格のブラジル人。ブラジル人なのにサンバが踊れないのとシーズン前の調整の遅さが弱点
秋森(あきもり)
DF。背番号4番。センターバック。日本代表。東京Vのチーム内では、ETUにおける清川のような脳内ツッコミ役。
堀(ほり)
声 - 黒澤剛史
MF。背番号7番。左サイド。薄顔で、プライドが高い。
成田 誠(なりた まこと)
MF。10年前の背番号10番。日本代表の司令塔だったが、自分が不調の時に代表に招集されていた達海にポジションを奪われた。

名古屋グランパレス[編集]

不破(ふわ)
声 - 小室正幸
監督。過去、達海移籍後にETUの監督を務めたものの、フロントや選手との確執から2部降格という結果を招き、「ETUの暗黒時代」と呼ばれる時期へ導いた人物。その為、両者間には現在も遺恨が残っている。名古屋ではブラジル人トリオを補強し、好成績を収めている。
選手、フロントと、全てにおいて高いレベルでのプロフェッショナルなチームを作ることを信条としているが、ETUの永田会長からは、「現実を直視せず、理想ばかり追う男」と手厳しい評価を受けている。ボブカットが特徴だが、達海に「変な髪型の不破さん」と言われてしまう。
ペペ
FW。背番号20番。名古屋ブラジルトリオの1人。いわゆる天然な性格で、ハーフタイム中に菓子パンを頬張る等の突拍子の無い行動をゼウベルトに注意されたり、ゴールを決めたあとに自分の似顔絵を見せたりとするが、ストライカーとしての技術は高い。作中でまったく台詞を喋らない。
ゼウベルト
声 - ギボ・アギナルド / 志村知幸
MF。背番号8番。名古屋ブラジルトリオの1人。視野が広く、パスセンスに優れる。天然なペペやカルロスに比べると常識人で、ブラジルトリオのまとめ役だが、他の2人の天然ぶりにツッコミつつも、結局その場の空気に流されてしまうのがお決まりとなっている、ペペに似顔絵を描いてもらったところ、全く似ていなかった。
カルロス
声 - ノザキ・オジエル / 荻野晴朗
MF。背番号17番。ペペ同様、危うくレプリカのユニフォームで入場しかけるなど、少々天然気味。間延びした口調で非常にゆっくりしゃべる。守備的MFとして、名古屋の攻守の要となっている。
板垣(いたがき)
声 - 斉藤次郎
FW。背番号11番。「名古屋のエースは俺だ」との自負があり、ブラジルトリオ(特にペペ)に対抗心を燃やしている。かつて名古屋に在籍していたFWのドミンゴを尊敬しており、プレースタイルを模倣している。
上原(うえはら)
GK。背番号1番。
ドミンゴ
かつて名古屋にいたFW。背番号11番。コロンビア人。黒田が新人の時に対戦して、当時の黒田を翻弄した。現在は帰国して、コーヒー店を経営している。
シャッチー
名古屋のマスコット。モデルとなったクラブとは異なり、名古屋城の金のシャチホコがモチーフ。オールスター戦でパッカ君に倒される。着ぐるみはシャチホコから生身の人間の脚が生えた異様なビジュアルとなっている。

大阪ガンナーズ[編集]

ダルファー
声 - アントン・ルベル / 楠見尚己
オランダ人監督。攻撃的サッカーを志向し、昨シーズンは大阪をリーグ2位に導いた。プレスカンファレンスの際に、達海を一目見ただけで何かを感じた人物。陽気な性格で、通訳の園田とは名(迷?)コンビ。我が強い一面があり、自身の構築した戦術に絶対的な自信を持つ。
園田(そのだ)
声 - 中田隼人
ダルファーの通訳。監督とは息もピッタリでラブラブ。ダルファー曰く「世界一の通訳」。メガネがトレードマーク。小学生時代はサッカー少年である。
窪田(くぼた)
声 - 山中真尋
FW。20歳。背番号7。大阪の誇る4トップの一人で、ポジショニングが上手く、セカンドボールの扱いに長けており、ガンナーズ波状攻撃の核となる選手。元々は守備的MFで、各年代代表にも選ばれている(ただしほとんど出番はなし)。性格はおとなしく謙虚で、椿に親近感を抱かせた。会話は押しなべて面白く無い。興奮すると、「わはっわはっ」と笑い、ダルファーや畑に「変な笑い声」と言われる。スタミナにやや難がある。山形の古内が憧れらしく、オールスター戦で古内に褒められると鼻血を出してしまった。五輪代表選手。
ハウアー
声 - マイク・ジバーグ / 三宅健太
FW。背番号18。長身で、ポスト役もこなす、頼れる外国人選手。その反面、足元のボールはややルーズになる傾向があるが、ボールのキープ力においてはチームメイトに信頼されている。ゴツイ顔にミスマッチな美しいヘアースタイルが自慢であり、独自の美学を持っているが、周囲には理解されていない。
片山(かたやま)
声 - 田中一成
右のFW。背番号13。関西弁を喋り、チームメイトの畑とは漫才的なノリ。畑以上の得点を取ることに執着するが、ゲーム中は臨機応変に対応する。正確なクロスは脅威。
畑(はたけ)
声 - 福田賢二
左のFW。背番号11。関西弁を喋り、チームメイトの片山とは漫才的なノリ。片山同様、相方の片山以上の得点を取ることに執着するが、ゲーム中は臨機応変に対応。今シーズンは片山以上の得点を上げている。
志村(しむら)
声 - 高瀬右光
MF。背番号10。愛称「シムさん」。大阪の司令塔。パスセンスに優れ、4人のFW陣を自在に操る。性格は温和だが、天然気味でどこかずれており、片山・畑らとは会話が噛み合わない。しかし、村越に「フルタイム冷静でいられる優れた選手」と評されるように、戦術眼は鋭い。日本代表選手。
平賀(ひらが)
声 - 井田国男
MF。背番号5。愛称「ヒラガン」。大阪のキャプテン。ハードワークを信条とするボランチで、ガンナーズの大黒柱と言える選手。日本代表選手。長髪を後ろで結んでいる。
寺内(てらうち)
声 - 黒澤剛史
DF。背番号6。CB。日本代表選手。
小室(こむろ)
声 - 島﨑信長
DF。背番号8。左SB。日本代表選手であり、五輪代表選手。
リマ
DF。背番号2。CB。
坂元(さかもと)
声 - 三上哲
DF。背番号20。愛称「サカ」。右SB。
今井(いまい)
声 - 斉藤次郎
GK。背番号1。愛称「イマさん」。
大友(おおとも)
MF。背番号4。ボランチ。
葛城(かつらぎ)
声 - 真仲恵吾
MF。背番号26。
南(みなみ)
MF。背番号19。

ジャベリン磐田[編集]

倉茂(くらしげ)
声 - 小島敏彦
ジャベリン磐田監督。
監督としてもベテランで、老獪な采配を振る。
開幕戦で磐田と対戦した達海は、「倉茂のジジイとは、もう少し後で当たりたかった」とつぶやき、倉茂は「ワシは平泉くんよりよっぽどひねくれている」と不敵に笑う。その自信そのままに、ETUに大勝する。

清水インパルス[編集]

大谷(おおたに)
五輪代表選手。香港代表とのオリンピックアジア予選では、赤崎のシュート性のクロスに合わせてゴールを奪う。
井端(いばた)
声 - 井田国男
背番号18。
ムナカタ
背番号25。

ジェムユナイテッド千葉[編集]

浦和レッドスター[編集]

イトイ
背番号5。
イマダ
背番号14。
ハマダ
背番号24。

川崎フロンティア[編集]

ネルソン
ブラジル人監督。選手の伸び代を見る能力に長ける、「育成・発見型」の監督。若く勢いのあるチームを率いる。よく人差し指を立て、くるくると回している。
八谷 渡(はちや わたる)
MF。背番号13。川崎の攻守の要、ポジションはボランチ(レジスタ)。広島や神戸に所属していた経歴があり、移籍前は前目のポジションでプレーしていた。川崎移籍後に、ネルソン監督により、ボランチにコンバートされた結果、広い視野・戦術眼や優れた個人技などの卓越した才能を開花させた。うるさいくらいの熱血漢で、監督への思いは人一倍である。
姜 昌洙(カン・チャンス)
FW。背番号18。スピード豊かな選手で、韓国代表選手。声が大きく騒がしいが、日本語もさほど上手くは無い。日本語に関しては通訳も付けず、勉強する努力家でもある「チャンスに強いよカン・チャンスー」など、ダジャレも独学で覚える22歳。
星野(ほしの)
GK。背番号1。日本代表選手。日本代表でも正GKを務める実力者で、まだまだ伸び盛りの25歳。笑いながら怒鳴り散らす独特のコーチングで、他チームからは恐れられている。
ロドリゴ
FW。背番号10。スピードに優れる選手。20歳ながら、その年とは思えぬ老け顔。
浅香(あさか)
MF。背番号7。主なポジションはトップ下。23歳。
近藤(こんどう)
MF。背番号8。右サイドのMF。川崎のキャプテン。
草野(くさの)
MF。背番号11。左サイドのMF。22歳。
吉崎(よしざき)
DF。背番号6。
レアンドロ
DF。背番号21。

モンテビア山形[編集]

佐倉(さくら)
愛称「サックラー」。モンテビア山形監督。眼鏡を掛けていて、達海より少し年上。リーグ前半の対戦時に達海がコーチと間違えたほど地味だが、非常なまでにサッカーに対して研究熱心。オールスター戦では達海とウマが合い、後半戦の指揮を手伝う。心配性でかなりビビりやすい性格。
小学生時代からサッカー少年であったが、ひどい運動音痴で試合に出ることができず、自分に才能がない事実を自覚し高校時代半ばで自ら退部。以後はサッカー観戦が趣味となりフォーメーションや戦術を独自に研究してきた。大学時代に進路を模索していたころ、見に行った試合で当時ルーキーだった達海の視野の広いプレイに衝撃を受け、達海と自らのサッカー観が似ていることに気づき、指導者を目指すことになる。仙台のチームでの事務のアルバイトから育成年代のコーチになり、その実績から山形のユースチームのコーチに招かれ、トップチームのコーチを経て監督に昇格。チームを1部へ引き上げた。
古内 健(ふるうち けん)
通称「ケン様」。達海には「ケンケン」、ジーノには「ケニー」と呼ばれている。日本サッカー界を牽引してきたパイオニア的存在で、40歳を越えてなお現役選手を続けている「生ける伝説」であり「日本の至宝」。常に笑みを浮かべ周りはキラキラ輝いている。身体能力は衰えているが豊富な経験と技術で会場の空気を一変させる絶大な影響力を持つ。オールスター戦ではこぼれ球を押し込むシュートでハットトリックを決めるというとんでもないスター性をみせ、MVPに選ばれた。モンテビアでの背番号は11。
野村(のむら)
背番号1。GK。愛称「ノムさん」。
大倉(おおくら)
背番号22。山形のキャプテン。
メンデス
背番号3。ブラジル人CB。生真面目な性格でロッカールームでは外国人ながらチームをまとめる役割である。オフェンス能力もありロングフィードが得意。
中野(なかの)
背番号4。
小森(こもり)
背番号5。選手経験がない佐倉を全く尊敬しておらず、タメ口で佐倉をけなす等とても口は悪いがその実力は本物。持ち前のパスセンスでモンテビアの選手の中では数少ないゲームを組み立てられる力を持つ。
長谷川(はせがわ)
背番号6。
瀬古(せこ)
背番号8。汗かき役。
村田(むらた)
背番号14。
菅野(かんの)
背番号15。FW。愛称「カンちゃん」。
丸岡(まるおか)
背番号23。FW。愛称「マル」。

横浜マリナーズ[編集]

元木(もとき)
声 - 広田みのる
横浜マリナーズ監督。現役時代はDFで、達海とも対戦経験がある。現役時代から負けず嫌いで、監督になってもその性分は変わらない。
成績不振を理由に、シーズン途中で解任される。ちなみに、達海が率いるETUとの公式戦は、3戦全敗(カップ戦含む)。
細川(ほそかわ)
解任された元木の後任。かつてのマリナーズ黄金期を指揮した監督であり、監督復帰を果たした形。

ヴァンガード甲府[編集]

その他の登場人物[編集]

ブラン
声 - ローラン・テーセル / 仲野裕
日本代表監督。フランス人。禿げ上がった頭と黒縁メガネ、小柄な体格が特徴。イングランドのサッカークラブで監督を務めた経験もあるが、作中では代表監督としての手腕は明らかにされていない。試合の分析力は鋭い。興奮するとしばしば自分の世界に入り、「ブラン語」と呼ばれる意味不明な言葉を用いることがある。
プレスカンファレンスで達海と出会い、意気投合し、その行動や采配に興味を持っている。
フィッシュ・アンド・チップスが好物。単行本第3巻で、和食も好物であることが明らかになった。
藤澤 桂(ふじさわ かつら)
声 - 岡寛恵
フリーランスの女性サッカージャーナリスト。プレスカンファレンスでの達海の「日本のサッカーを面白くしてやる」という発言から興味を持ち、今シーズンからETUの取材を続けている。また、椿のことを評価している。考えていることがすぐに顔に出る気の強い性格で、異様なオーラを発散させては、周囲の記者を震え上がらせている。
山井(やまい)
声 - 岡哲也
トッカンスポーツに在籍する、ETUの番記者。長年低迷しているETUに対してネガティブな物言いが多い。
記者としての資質は悪くないのだが、藤澤に対して「フリーのジャーナリストが人気のあるチームを取材してもネタが貰えないから、人気のないETUにしたのでは?」、「椿なんて地味な選手じゃなくて、赤崎を取材すればよかったのに」などと無遠慮な発言することもあり、藤澤は内心でイライラを募らせていることが多い。
久堂 保(くどう たもつ)
ベテランのスポーツカメラマン。サッカー専門誌「フットボールダイジェスト」に写真を提供している。自分の感覚を大事にしており、いい写真を撮るためには「ゲームに流れてる風を読む」ことが重要だと考えている。

用語[編集]

ETU(East Tokyo United)
東京の隅田川流域をホームタウンとするサッカークラブ。ユニホームはカラーが赤と黒の縦縞(ホーム用)、白(アウェイ用)、また胸スポンサーとして、「OEDO EXPRESS(大江戸通運)」の文字が入る。達海が現役選手として所属していた時代には、同じく東京をホームとする東京ヴィクトリーに引けを取らなかったが、達海移籍後は2部落ちを経験。1部復帰後も下位に低迷、人気、実力共にヴィクトリーにも大きく水を空けられている現状を打破すべく、達海を監督としてチームに呼び戻した。
大江戸通運
ETUの大手のスポンサー。
東京ヴィクトリー
リーグ連覇を成し遂げた屈指の強豪である。モデルは東京ヴェルディ
名古屋グランパレス
モデルは名古屋グランパス
大阪ガンナーズ
モデルはガンバ大阪
ジャベリン磐田
モデルはジュビロ磐田
清水インパルス
モデルは清水エスパルス
ジェムユナイテッド千葉
モデルはジェフユナイテッド市原・千葉
浦和レッドスター
モデルは浦和レッドダイヤモンズ
川崎フロンティア
モデルは川崎フロンターレ
モンテビア山形
モデルはモンテディオ山形
横浜マリナーズ
モデルは横浜F・マリノス
ヴァンガード甲府
モデルはヴァンフォーレ甲府
サンアロー広島
モデルはサンフレッチェ広島
大分トリプレックス
モデルは大分トリニータ

単行本[編集]

テレビアニメ[編集]

2010年4月4日から9月26日まで、NHK BS2BS hiにて放送された。全26話。本編終了後に『Jリーグタイム』MCの山岸舞彩が登場し、その週のNHKが放送するJリーグ中継やJリーグタイムの告知が行われていた(これは他に、ステーションブレイクで地上波・BSで随時放送された)。後述するが、「Jリーグタイム」とのコラボレーションキャンペーンが展開された。

また同年9月25日から、NHK教育(地上波初回放送扱いだが、実質再放映)、2011年4月4日深夜からNHK総合にて放送中(但し、地上波で放送されるようになってからはJリーグタイムとのコラボレーション宣伝は行っていない)。

オープニング背景で流れている試合会場は、ETUのホームスタジアム「隅田川スタジアム」であるが、柏レイソルのホームスタジアムである日立柏サッカー場をほぼ忠実に再現している。その他に茨城県立カシマサッカースタジアム埼玉スタジアム2002をモチーフにしたスタジアムの描写がある。

リアルなサッカーシーンを描くために、各試合ごとにフォーメーション表を作成し、全体の動きを綿密に確認している。また、サッカーアドバイザーの意見を参考にする事で、シュートの打ち方などもよりリアルに描かれている。人物が走るシーンを描く場合、既存のアニメでは視覚的に分かりやすくするため手を横に振る場合が多いが、本作では手を縦に振る現実的な走り方を追求しており、その描写方法には高いデッサン力が必要となっている。観客席などのモブシーンや、遠景における選手の動きには、群集アニメーションソフトを導入する事で、一度に多数の人物に違った動きをさせる事が可能となっている。各選手ごとにサッカーシューズのデザインが異なるなど、作画には膨大な設定表を要し、1話につき200枚を超える事もある。外国人のキャラクターには、一人につき日本人声優とそのキャラクターと母語を同じくする声優の二人を当てており、日本語とキャラクターの母語の両方が同時に話されることもある。監督の紅優は「ここまでしないと視聴者がアニメの世界に現実感を持ってくれない」とのこだわりを見せている。

スタッフ[編集]

  • 原作 - ツジトモ
  • 原作・原案 - 綱本将也
  • 監督 - 紅優
  • シリーズ構成 - 川瀬敏文
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 熊谷哲矢
  • コンセプトデザイン - 高橋しんや、南條楊輔、山田マヤ
  • 美術監督 - 東潤一
  • 色彩設計 - 北爪英子
  • 撮影監督 - 近藤慎与
  • 編集 - 松村正宏
  • 音楽 - 森英治
  • 音響監督 - 高橋剛
  • アニメーションプロデューサー - 浦崎宣光
  • 制作統括 - 廣岡篤哉、柴田裕司
  • アニメーション制作 - スタジオディーン
  • 制作 - 総合ビジョン
  • 制作・著作 - NHK

主題歌[編集]

オープニングテーマ「My story 〜まだ見ぬ明日へ〜」
作詞 - KATUO / 作曲 - HIROMITSU HOSOKAWA / 編曲 - THE CHERRY COKE$ / 歌 - THE CHERRY COKE$
エンディングテーマ「Get tough!」(第1話 - 第25話)
作詞・作曲・編曲・歌 - G・P・S

各話リスト[編集]

話数 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 アクション
作画監督
#1 川瀬敏文 紅優 土屋浩幸 浅井昭人
清水勝祐
高岡じゅんいち
#2 臼田美夫 小林浩輔 関野昌弘
飯田宏義
#3 寺東克己 浅見松雄 窪敏
#4 守屋竜史 名村英敏 古田丈司 堀越久美子
浅井昭人
#5 竹下健一 高岡じゅんいち 鈴木孝聡 岩井優器
西山忍
#6 川瀬敏文 江島泰男 清水勝祐
相坂直紀
#7 守屋竜史 - 小林浩輔 須田正己
関野昌弘
#8 川瀬敏文 山本秀世 宮下新平 イ・ミンベ
#9 臼田美夫 平田豊 小田真弓
西山忍
#10 竹下健一 名村英敏 古田丈司 津熊健徳
浅井昭人
#11 守屋竜史 鈴木孝聡 清水勝祐
武本大介
#12 川瀬敏文 東海林真一 小林浩輔 海老原雅夫
さのえり
#13 竹下健一 咲坂守 松田清 いがりたかし
#14 川瀬敏文 江島泰男 岩井優器
西山忍
#15 守屋竜史 名村英敏 古田丈司 津熊健徳
浅井昭人
#16 竹下健一 鈴木孝聡 西山忍
武本大介
#17 守屋竜史 寺東克己 小林浩輔 日下岳史
小田真弓
#18 川瀬敏文 東海林真一 木村寛 ファン・ミジョン
リ・ジョンジョン
#19 竹下健一 名村英敏 江島泰男 岩井優器
小坂知
#20 守屋竜史 古田丈司 津熊健徳
浅井昭人
#21 川瀬敏文 鈴木孝聡 武本大介
西山忍
#22 竹下健一 名村英敏 小林浩輔 日下岳史
小田真弓
#23 守屋竜史 東海林真一 平田豊 松永香苗
堀越久美子
#24 竹下健一 津熊健徳
関野昌弘
#25 川瀬敏文 古田丈司 浅井昭人
武本大介
#26 名村英敏
寺東克己
鈴木孝聡 西山忍
小田真弓

放送局[編集]

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
日本全域 BS hi 2010年4月4日 - 9月26日 日曜 9時25分 - 9時50分
NHK BS2 日曜 23時00分 - 23時25分 衛星アニメ劇場」枠
NHK教育 2010年9月25日 - 2011年4月2日 土曜 18時25分 - 18時50分 (地上波初回扱いだが、実質再放送)
NHK総合 2011年4月4日 - 月曜 25時05分 - 25時30分

コラボレーション[編集]

2008年9月20日に行なわれたJ1第25節、川崎フロンターレFC東京戦は、「第14回多摩川クラシコ」と銘打たれて開催され、ここで本作品とのコラボレーション企画が行なわれた。試合告知のポスターや当日配布されるトレーディングカードに、達海のイラストが用いられている。

2009年5月24日に行なわれたJ1第13節、FC東京対川崎フロンターレ戦(第15回多摩川クラシコ)と、8月1日に行なわれたJ1第20節、川崎フロンターレ対FC東京(第16回多摩川クラシコ)でもコラボレーション企画が行なわれ、それぞれの試合当日に配布されるトレーディングカードを合わせると、両チームのマスコットとジャイアントキリングのマスコットが並ぶ一つの絵になる。

2009年、読者に「本物のスタジアムでの試合観戦を通じて、サッカーの醍醐味を味わってもらいたい」との思いから、『モーニング』編集部がJリーグ4クラブ(柏レイソルFC東京川崎フロンターレヴィッセル神戸)のホームゲーム全80試合に合計80組160名を招待するという「GIANT KILLINGシート」の企画を行なった。

2010年はテレビアニメ化を記念してNHK BS1の「Jリーグタイム」とのコラボレーションキャンペーンが数多く展開された。

これとは別に同年7月25日に行なわれたJ1第14節、川崎フロンターレ対京都サンガF.C.戦(等々力陸上競技場)では、川崎市制記念・マスコット祭りとしてパッカが招待され、試合前はスタジアムの外でサポーターとふれあい、ハーフタイムには西城秀樹と共にスタジアムを盛り上げた。他、2010 FIFAワールドカップの期間中に、スカパー!で放送された「デイリーハイライト」に、パッカがほぼ毎日出演した。

2011年にはアディダス製の「ETUレプリカユニホーム」が限定発売された。