紀藤正樹

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紀藤 正樹(きとう まさき、1960年11月21日 - )は日本弁護士。弁護士登録番号は21759。第二東京弁護士会に所属し、リンク総合法律事務所の所長である。インターネットカルト宗教の事件、消費者問題や被害者人権問題などに取り組んでいる。

人物

山口県宇部市出身。山口県立宇部高等学校を経て、1985年大阪大学法学部卒業、1988年大阪大学大学院法学研究科博士前期課程修了。1990年弁護士登録。

全国霊感商法対策弁護士連絡会や各種被害者の会のメンバー・幹事を務める。ワールドメイト被害救済ネット事務局長。法の華被害対策弁護団副団長。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長(2007年6月まで)。インターネット消費者被害対策弁護団長。TBCプライバシー被害弁護団長。ライブドア株主被害弁護団員。近未來通信被害対策弁護団長。L&G被害対策弁護団副団長。

2007年3月27日まで毎週火曜日スーパーモーニングテレビ朝日)に出演。また、毎週金曜日にはズバリ快答!テレフォン身の上相談TBSラジオ)に出演している他、宗教や詐欺の大きい事件が問題化した時などにワイド!スクランブルテレビ朝日)やJam the WORLDJ-WAVE)など多くのテレビラジオに出演している。

日本でインターネットが普及し始めた初期からの利用者であり、その経験と弁護士としての経験から、1997年サイバースペースの市民のための7つのルールと3つの前提を提案している。

また、様々な弁護団に参加している。前世占いや開運商法などスピリチュアルヒーリングのブームに乗じた悪質商法の被害相談を受ける「スピリチュアル・霊感被害110番」にも参加。

現行法が認める著作権に関して批判的・否定的であり、「市民資本家」という対立軸で著作権の地位関係を例えている。「著作権は、一種の知的財産権の囲み込み運動」であり、かつての労働者による資本家との闘争のように市民は戦うべきであるとしている。自身のブログにおいてもニュース記事を転載することがある。 [1] [2]

現在関係する主な事件

エル・アンド・ジー事件

詳細は エル・アンド・ジー を参照

近未来通信事件

詳細は 近未来通信 を参照

グロービートジャパン・日本平和神軍事件

大手ラーメンチェーン「ラーメン花月」を運営するグロービートジャパンが、右翼系カルト宗教団体「日本平和神軍」やディプロマミルイオンド大学」との一体性を有するとの記述を巡って争われている刑事事件の、弁護人を務めている[3]

主要な争点はWEBサイトにおける表現の自由に関するものであるが、グロービートジャパンの一方的な主張を鵜呑みにした検察の不当起訴(と、弁護人らは主張している)も問題としている。また、事件に絡み、弁護人らは平和神軍から殺人予告をされるなどしており、2007年5月25日の公判で紀藤が「弁護人のみならず、傍聴人に対しても脅迫行為が行われている。警備は厳重に行って欲しい」と裁判官に申し立てたところ、裁判長は「危険性については、裁判所は弁護人と意識を共有するものであります」と述べた。これは、2007年4月18日に開かれた刑事事件の公判後、被告人の支援者が裁判官に襲いかかり、法服を破るなどしていた事件を受けてのこと[4]。2007年4月18日の事件も、被告は「カルトまがいの集団を主宰(朝日新聞)」している事件であり、カルト集団に関する事件の弁護を行う大変さを示している。

2008年2月29日、東京地裁により無罪判決が出された。判決では、グロービートジャパン社とカルト宗教団体「日本平和神軍」との一体性について、弁護人らの主張していた以下のような事実が裁判所によって認められた。しかし、グロービートジャパン社と日本平和神軍は「一定の関係性がある」が、「社員全員が平和神軍の信者というわけでは無い」ことから「人・物・金という判断基準において、実質的な一体性があるとまでは言えない」とされた。

  • グロービートジャパンの社長夫人は、高校生の頃より催眠神秘会(日本平和神軍の関連団体)に入会し、子供(教祖の孫)とともに平和神軍のイベントに参加していた
  • 黒須英治(教祖)がグロービートジャパン会長を自称し、積極的に対外的な交渉を行っていたことを同社は組織的に黙認していた
  • 教祖がグロービートジャパン社株式の51%を所有し、設立時にはそれ以上の資本関係にあった
  • グロービートジャパン社の役員は、教祖の息子および娘婿で固められ、監査役は教祖が連れてきた人物である
  • グロービートジャパンから計数億円といった多額の資金が、教祖に支払われている

聖神中央教会事件

聖神中央教会(京都)の、横浜支部であった「聖神横浜教会」の元牧師が、当時信者であった小学6年の男児に対し暴力をふるい、男児は「心的外傷を受けた」として損害賠償を求めた裁判の、男児側代理人を務めている[5]

2007年3月20日の横浜地裁の判決で、足立正佳裁判官は「牧師を絶対視させる説教などで信者を従属的地位に置く中で暴力が行われた。男児の肉体的精神的苦痛は大きい」として、元牧師に慰謝料など70万円の支払いを命じた。判決によると、元牧師は2004年4月2日、男児が携帯ゲーム機を持っていることを知り、「ゲームは悪魔の手先がやるもの」と言って、デッキブラシで全身を殴ったとされる[6]

関係した主な人権事件

郵政過労死予防訴訟

およそ夜22時~朝9時にかけて行う「深夜勤」の廃止を求め、郵政公社を提訴した裁判の原告側(労働者側)代理人を務めている[7]

館長雇止め・バックラッシュ裁判

とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」の初代館長だった三井マリ子さんに対し、男女平等に反対する勢力に屈した大阪府豊中市が「雇止め(契約更新拒否)」を行った事に対する損害賠償請求を求めた裁判の原告側代理人を務めている[8]

ネットワーク関係の経歴

  • 1991年05月 第二東京弁護士会(以下二弁)消費者問題対策委員会ダイヤルQ2部会部会長
  • 1991年10月 ニ弁「ダイヤルQ2」110番実施
  • 1992年01月 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会ダイヤルQ2小委員会幹事
  • 1992年03月 日弁連「ダイヤルQ2サービスの改善に関する意見書」を作成し、NTTに提出
  • 1992年05月 全国ダイヤQ2問題連絡会の結成と同時に事務局長に就任。
  • 1992年09月 日弁連啓発パンフレット「ダイヤルQ2って何」発行
  • 1992年12月 ダイヤルQ2の被害者らを代理して、東京地方裁判所に対し、NTTを提訴
  • 1994年05月 二弁消費者問題対策委員会副委員長(ダイヤルQ2部会担当)
  • 1995年05月 同ダイヤルQ2部会がマルチメディア部会と改称
  • 1996年04月 二弁インターネット・マルチメディア110番(第1回)
  • 1996年09月 日弁連消費者問題対策委員会電子商取引部会幹事
  • 1996年12月 ニ弁シンポジウム開催「インターネット社会と消費者」
  • 1997年05月 日弁連シンポジウム開催「電子取引と消費者」
  • 1998年03月 二弁インターネット・マルチメディア110番(第2回)
  • 1998年10月 二弁インターネット・マルチメディア110番(第3回)
  • 1998年11月 インターネット消費者被害対策弁護団(LICP)弁護団長
  • 1999年01月 LICPホームページを開設
  • 1999年04月 東京三会インターネット・マルチメディア110番(第4回)
  • 2000年03月 二弁インターネット・マルチメディア110番(第5回)
  • 2001年01月 インターネット博覧会消費者パビリオン・プロデューサー
  • 2001年03月 ダイヤルQ2最高裁判決が出される。
  • 2001年07月 二弁インターネット・ダイヤルQ2110番(第6回)

著書

関連項目

脚注

  1. 僕の考える著作権というもの
  2. 以下、asahi.com記事の転載があるブログ記事 続報です。-「がん絶対治る」と人参売った容疑 会社社長ら逮捕 「週刊ヤンサン」が休刊!?
  3. グロービートジャパン(らあめん花月)・日本平和神軍事件の期日について
  4. 「傍聴後、裁判官の服破る 東京地裁告発 被告を支援の男」2007年5月8日 朝日新聞朝刊
  5. 元聖神教会牧師に支払い命令=男児への暴行認定-横浜地裁
  6. 『聖神横浜教会:男児暴行の元牧師に賠償命令 横浜地裁』 2007年3月20日 毎日新聞
  7. 過労死予防訴訟を支援する会
  8. 館長雇止め・バックラッシュ裁判

外部リンク