ポケットモンスター (ゲーム)

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ポケットモンスター (Pocket Monsters, Pokémon) は、株式会社ポケモン(ポケモン社設立以前は任天堂)より発売されているロールプレイングゲーム (RPG) のシリーズである。第1作目の『ポケットモンスター 赤・緑』は、ゲームボーイ用ソフトとして1996年2月27日に発売された。

本項目では、第1作目に連なり、俗に「本編」とも呼ばれる携帯型ゲーム機用のRPGシリーズ及び、それらと通信プレイで連動するテレビゲーム用のゲームソフトについて扱う。具体的には以下の作品群である。

それ以外のゲームについてはポケットモンスター#関連ゲームを、その他の「ポケモン」についてはポケモン (曖昧さ回避)を参照のこと。

注意以降に核心部分が記述されています。

特徴

ポケットモンスターシリーズは、「ポケットモンスター」(通称ポケモン)と呼ばれる架空の生き物が登場する世界を舞台としている。プレイヤーはこのポケモンを、採集(ゲーム内では「つかまえる」と表現)して育成し、他のポケモンと戦わせる(ポケモンバトル)。他のコンピュータRPGのように主人公自らが成長するのではなく、ポケモンが成長する点に大きな特徴がある。

ポケモンを自らのパートナーとして育成し、ポケモン同士のバトルを行う人を「ポケモントレーナー」と呼ぶ。プレイヤーは、このポケモントレーナーの一人(ゲームの主人公)となって旅立ち、ポケモンを育て上げながら、物語の謎や、他のポケモントレーナーとの勝負、そして友達との無数のバトルに挑む。最終的に、ポケモンを強く育ててポケモンリーグのチャンピオンを倒すことが物語上の目的であるが、この他にも全種類のポケモンを集めてポケモン図鑑を完成させることが大きな目標となっている。

戦いや勝敗(ひいては生死)がある意味必然であったRPGにおいて

  • 死の存在しないバトル(瀕死や墓地、「殺す」、幽霊といった表現はある)
  • 自分ではなくポケモンを戦わせるというスタンス(初期の説明書にはその旨の注記がある)
  • 敵であったポケモンを仲間として収集し、また育て鍛えることができる要素
  • スポーツマンシップに通じる健全さ
  • ポケモン自体の多彩さと戦術的に奥の深い属性や能力や「わざ」
  • プレイヤー同士が育てたポケモンで対戦したり、交換したりできる通信要素

などが、新鮮なゲーム要素としてユーザーに迎えられ、幅広い層に大ヒットした。

また、同時に二つ(後にそれ以上)のバージョンをリリースし、それぞれのプログラム側パラメータを違うものにしておくことでどちらかのバージョンでしか手に入らないポケモンを作る(それによってユーザー間のポケモン交換を促進する狙いがあった)など、ゲーム的にも商品としても新しい試みに挑戦して話題を呼んだ。また、一部作品を除いて基本的にセリフなどには漢字が使われていない。「円」は例外だが、これは通貨単位としての記号的な扱いである(ルビー・サファイア以降、「人」「回」も数量表示で使われるがセリフやメッセージには登場しない、またポケモンコロシアムシリーズや北米等海外版はポケドル(Pの字に横線が2本)という単位である)。おそらく初代で容量の問題から漢字の使用が制限されたのが原因であろうが、今日ではポケモンのほのぼのとして包容力のある世界観に漢字は似合わず、また低年層のユーザーには読めないからであろうとも解釈できる。ポケモンコロシアム以降の据え置き型ゲーム機での作品では漢字が使われているが、漢字にルビが振ってある。なお、「ポケモンマスター」や「(ポケモンを捕まえるという意味での)ゲット」等の単語はアニメが初出であり、ゲーム本編では使用されていない(ただしピカチュウ版にはピカチュウの「ゲットだぜ」アクションが存在する)。特に『ダイヤモンド・パール』中のセリフでは、不自然なまでに「ほかく」という単語に置き換えられている。

シリーズ一覧

俗に「本編」と呼ばれるシリーズは、日本では以下の各バージョンが発売・発表されている。括弧内は発売日と対応機種を表している。多くのマイナーチェンジ版が存在するが、基本的なストーリー等から現時点では大きく4作品に分けられる。

赤・緑系バージョン

  • ポケットモンスター 赤・緑(1996年2月27日、ゲームボーイ用ソフト)
  • ポケットモンスター 青(1996年10月15日、ゲームボーイ用ソフト)
  • ポケットモンスター ピカチュウ(1998年9月12日、ゲームボーイ用ソフト)
  • ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン(2004年1月29日、ゲームボーイアドバンス用ソフト)

金・銀系バージョン

  • ポケットモンスター 金・銀(1999年11月21日、ゲームボーイ・カラー用ソフト)
  • ポケットモンスター クリスタル(2000年12月14日、ゲームボーイカラー専用ソフト)
  • ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー(2009年9月12日、ニンテンドーDS用ソフト)

ルビー・サファイア系バージョン

  • ポケットモンスター ルビー・サファイア(2002年11月21日、ゲームボーイアドバンス用ソフト)
  • ポケットモンスター エメラルド(2004年9月16日、ゲームボーイアドバンス用ソフト)

ダイヤモンド・パール系バージョン

  • ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(2006年9月28日、ニンテンドーDS用ソフト)

これら4系統は、いずれも同じ世界の異なる地方を舞台にしている。『金・銀』が『赤・緑』の3年後の世界であるということを除いて時系列上の繋がりは明かされていないが、複数の作品に同じ人物が登場することから大きな時差は無いと推測できる。

ゲームシステム

本シリーズに共通しているゲームシステムを述べる。特に本シリーズを代表する要素である、育成・対戦・通信といったものを中心に解説する。

作品ごとの差違がある場合は、その都度詳しく説明する。なお、本項目において使用しているバージョンの総称は以下の通りである。

「GB版」
赤・緑・青・ピカチュウ・金・銀・クリスタル・ポケモンスタジアム・ポケモンスタジアム2・ポケモンスタジアム金銀
この中のうち特に「赤・緑・青・ピカチュウ・ポケモンスタジアム・ポケモンスタジアム2」については「初代」と称する。
「GBA版」
ルビー・サファイア・エメラルド・ファイアレッド・リーフグリーン・ポケモンコロシアム・ポケモンXD
「DS版」
ダイヤモンド・パール・ハートゴールド・ソウルシルバー・ポケモンコロシアム2、ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊。
GBA版とDS版はシステムが類似しているので、総括して「GBA版以降」する。

育成システム

基本的には経験値の蓄積によるレベルアップという、多くのRPGと同じシステムとなっている。レベルの最大値はいずれのポケモン、シリーズにおいても100である。レベルアップに伴って能力値も上昇する。

ポケモンの能力

HP」「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう(特殊攻撃)」「とくぼう(特殊防御)」「すばやさ」の6つから成る。

初代においては、「とくこう」「とくぼう」が「とくしゅ」という1つのステータスであった。『金・銀』でこれらの値が設定された際、多くのポケモンはいずれか片方にのみ旧「とくしゅ」の値が採用された。もう一方が大幅に上下することによって強化あるいは弱化されたポケモンもいる。

この他、戦闘時のみ上下する「めいちゅうりつ(命中率)」「かいひりつ(回避率)」というパラメータもあるが、これは基本的に全ポケモンで共通の値を持っている(個別の能力が設定されているわけではない)。

能力成長の詳細

各々の能力ごとに隠しパラメータが3つ設定されている。ゲーム内はもちろん、攻略本でも基本的には公開されていない(存在をほのめかす程度)が、小学館から発売された赤・緑の公式ガイドブックには150体全てのポケモンの種族値が掲載されていた。これらのパラメータが、一見単純な成長システムに奥行きを与えている。なお、GB版とGBA版以降ではシステムが大きく異なるので注意が必要である。

以下、隠しパラメータについて簡単に説明する。これらの呼称はファンの間で一般的に使われているが公式なものではない。詳細は個人の攻略サイトなどで知ることができる。

種族値
ポケモンの種族ごとに設定されている。ピカチュウが素早かったり、ラッキーの体力が高かったりするのはこの値によるものである。『金・銀』から「とくこう」「とくぼう」が分割された他は、シリーズ通して共通の値となっている。「チーターはヒトよりも足が速い」などに近い概念。
個体値
同条件で育成した同種のポケモンでも、個体ごとに能力は異なる。その差は個体値に依るものである。先天的に決定され、決して変化することはない。レベルが高くなるほどステータスの差が広がる。「同じヒトでもAさんよりBさんのほうが走りの才能がある」などに近い概念。
各ステータスごとの個体値は、GB版では16通りで、GBA版以降では32通り。いずれも最大と最小では、レベル100の時点で能力値に30程度の差が現れる。
野生のポケモンの場合すべてランダムだが、育て屋にポケモンを預けることで生まれたタマゴから孵ったポケモンの場合、預けたポケモンの個体値をランダムで受け継ぐ。このため、個体値の高いもの同士のタマゴを孵し続けることで良い個体値のポケモンが生まれる可能性が高まる。
努力値
戦闘やアイテムによって蓄積する値である。育て方によって能力が変わると言われるのはこの値の影響である。ゲーム内や公式の資料で用いられるきそポイントという用語はこれを意味していると思われる。(「なつくが○○のきそポイントがさがる。」と説明されるきのみなど。)「AさんはBさんより走りこみをして足腰が鍛えられたので足が速い」などに近い概念。これについて詳しく知ることが本格的な育成の第一歩と言える。
いずれのシリーズでも、最大と最小ではレベル100の時点で能力値に60以上の差が現れる。
GB版では各ステータスごとに上限まで溜めることができるが、GBA版以降のシリーズにおいては各ステータスごとの上限と同時に全ステータス合計で上限があり、レベル100時点の能力に換算して120程度の値を振り分けることになる。これはプレイヤーの判断にゆだねられており、より個性的な育成が可能である。
具体的には、「どのポケモンと戦うか」で「どのステータスが強くなるか」が決定される。大まかなことは攻略本等で触れられているが、合計値の上限や具体的な値などは未発表である。
「ポケモンが強く育つ」と説明される強制ギプスというアイテムやポケルス状態という状態が存在するが、これは獲得できる努力値が増えるという意味である。

『金・銀』における「とくこう」と「とくぼう」の個体値と努力値は共用である。初代ではこれらは「とくしゅ」という1つの値であった。2作間を移動させるたびに種族値から換算され矛盾は生じない。

ポケモンの性格

GBA版から追加された要素。能力値への影響(いずれかが本来より1割程高くなり、いずれかが1割程低くなる。能力変化しない性格もある)を始めとして、ポロックやポフィンの好みや(好きな味だとコンディションが少し多めに上がる)、エメラルド版のバトルパレスでの行動パターンに影響する。生まれつき決まっており、変化することはない。

からい味を好むのなら「こうげき」が伸び易く、逆にからい味が嫌いならば「こうげき」は伸び難いという具合である。同じ様に「とくこう」に関係するのはしぶい味、「すばやさ」はあまい味、「とくぼう」はにがい味、「ぼうぎょ」はすっぱい味である。

  • 能力値や味の好みに変化がない性格は「がんばりや」「てれや」「まじめ」「きまぐれ」「すなお」
  • 「こうげき」が
    • 伸び易い性格は「いじっぱり」「ゆうかん」「やんちゃ」「さみしがり」
    • 伸び難い性格は「ひかえめ」「おくびょう」「おだやか」「ずぶとい」
  • 「とくこう」が
    • 伸び易い性格は「ひかえめ」「れいせい」「うっかりや」「おっとり」
    • 伸び難い性格は「いじっぱり」「ようき」「しんちょう」「わんぱく」
  • 「すばやさ」が
    • 伸び易い性格は「おくびょう」「ようき」「むじゃき」「せっかち」
    • 伸び難い性格は「ゆうかん」「れいせい」「なまいき」「のんき」
  • 「とくぼう」が
    • 伸び易い性格は「おだやか」「しんちょう」「なまいき」「おとなしい」
    • 伸び難い性格は「やんちゃ」「うっかりや」「むじゃき」「のうてんき」
  • 「ぼうぎょ」が
    • 伸び易い性格は「ずぶとい」「わんぱく」「のんき」「のうてんき」
    • 伸び難い性格は「さみしがり」「おっとり」「せっかち」「おとなしい」

ポケモンの進化

ポケモンの中には一定の条件がそろうと別のポケモンに「しんか」(進化)するものがある。ここでいう「進化」とは現実世界においてダーウィンが示した進化とは異なり、「成長」や「変態」に近い概念である。1つのポケモンにつき最大2段階まで進化が行われる。

例えば、アチャモは進化するとワカシャモになり、さらにバシャーモへと進化していく。進化することで大幅な能力上昇を図ることができるので戦力の強化につながるが、ポリゴン2からポリゴンZの進化のような一部の能力が下がるものや、ハクリューからカイリューに進化することによるタイプの変化、ヤルキモノからケッキングの進化のとくせいの変化などが存在し、一概に「進化したほうが強い」とも言い切れない。一方で進化するとレベルアップで覚える「わざ」を覚えるレベルが遅くなる傾向もあるうえに、「わざ」そのものが変わることもある。後者のパターンはルビー・サファイアになってから多くなっている(たとえば、ワカシャモは「スカイアッパー」をレベル50で覚えるが、バシャーモになるとレベル59にならなければ覚えられなかったり、アチャモのままなら「かえんほうしゃ」を覚えられるが、ワカシャモになると覚えられない、など)。そのため、進化させる際にはそのポケモンが覚える「わざ」を把握しておくことが望ましい。

上で述べた成長システムとも関連するが、進化させるタイミングによって最終的にステータスに差が出ることは無い。

進化していない状態で、なおかつ「ベイビィポケモン」(生まれたばかりでタマゴを「持ってくる」能力が無いポケモン。多くは後発作品で「進化前」として追加された)でも無いポケモンは「たねポケモン」と呼ばれるが、ベイビィ共々ポケモンカードゲームの用語でありゲーム中では用いられない。

進化のバリエーション

ポケモンの進化は一定のレベルに達すると行われる「レベル進化」が基本だが、以下のような特殊進化が存在し、ポケモンの世界に深みを与えている。また、レベル進化、なつき進化の場合は、進化中にBボタンを押すことによって進化を止めること(進化キャンセル)ができる。『金・銀』以降では、ポケモンに「かわらずのいし」というアイテムを持たせることで進化を止められるようになっている。なお、本来進化するレベルよりも低いポケモンが出現する事もある。 例えば金・銀・クリスタルでは、特定の場所でレベル7のピジョンが出現する。また、チャンピオンのワタルがレベル50のカイリューを持っていたが、本来カイリューはレベル55でハクリューから進化する。同様に、ダイヤモンド・パールでは、特定の場所において、「ポケトレ」を使えばレベル6のキルリアの出現が、GBA版のダブルスロットではレベル4のムクバードの出現が確認されている.

条件付きレベルアップ
特定の条件を満たした状態でレベルを上げることで進化する。以下のような例がある。レベルの数値自体は関係ない。
  • ポケモンが一定以上なついている。例えばゴルバットからクロバットの進化はなつき進化である。なつかせるためには、ずっと手持ちに入れて歩いたり、レベルを上げたり、特定の道具を使用したりする必要がある。さらにエーフィのようにレベルを上げる時間帯が関係するものもある。
  • ポロックやポフィンによって美しさが一定値以上に上がっている。唯一ヒンバスからミロカロスへの進化がこのパターン。予備知識が無いと進化させることは難しい。
  • 特定の「わざ」を覚えている。例えば「げんしのちから」を覚えたヤンヤンマメガヤンマに進化する。
  • 特定の場所で戦闘をする。例えばイーブイをハクタイのもりや凍った岩の周辺でレベルを上げると、それぞれリーフィアグレイシアに進化する。
  • 特定のポケモンが手持ちに入っている。例えばテッポウオが手持ちに入っている状態でタマンタのレベルを上げると、マンタインに進化する。
  • 特定の持ち物を持っている。例えばニューラは「するどいツメ」を持った状態で夜にレベルを上げるとマニューラに進化する。
“いし”進化
「ほのおのいし」「みずのいし」など特殊なアイテムを使うことにより進化する。例えば、ピカチュウからライチュウへの進化は「かみなりのいし」を必要とする。なお『ピカチュウ』バージョンで、主人公のパートナーとなるピカチュウは「かみなりのいし」による進化を拒否する(アニメの「サトシのピカチュウ」も、進化を拒否する描写がある)。ただし、このような方法による進化をするポケモンは進化後に自然に覚える技の種類が極端に少なくなる傾向にあるため、進化のタイミングを見極める必要がある。ただし、ウインディの「しんそく」など、進化後にのみ覚える技もある。しかし、例外はあり、イーブイ等は進化後のほうが多彩な技を覚えることができる。
通信進化
ポケモンの通信交換を行った際に進化する。例えばユンゲラーからフーディンの進化は通信進化である。
特定のアイテムを持たせた状態で交換したときのみ進化するポケモンもいる。例えばポリゴンは「アップグレード」を持った状態で交換されるとポリゴン2に進化する。
この方法での進化の場合、進化前と後で覚える技の種類が減ったり技を覚えるペースが遅くなったりすることはあまりない。これは事実を知らずに交換に出してしまい、その後の育成に支障をきたさない為ではないかと思われる。
分岐進化
一種のポケモンが異なる進化条件の下で複数のポケモンに進化するものがある。例えば、イーブイは、「かみなりのいし」でサンダースに、「みずのいし」でシャワーズに進化するほか、なつき進化もする(さらになつき進化の場合、時間帯や場所によって進化するポケモンが異なる)。その他、レベル進化と通信進化を併せ持つポケモンや、ステータスの状態によって異なった進化をするポケモン、性別によって進化形態が異なるポケモンもいる。
分岐後に何に進化するかはプレイヤーにはほとんどの場合予測できるが、現時点でケムッソだけは進化させるまでどちらに分岐するかがわからない。
分裂
ツチニンのみが起こす特殊な進化形態であり、ツチニンがテッカニンに進化する時、手持ちに空きがあるとヌケニンが手持ちに加わる。なお、この時モンスターボールを1つ以上持っていなければならないとする誤った情報がプレイヤーの間で流れている。情報の出所は攻略本の誤記と思われる。ダイヤモンド・パールでは誤記通りになってしまった。

ポケモンのタマゴ

『金・銀』から追加された要素。オスとメスと同時に「そだてや」に預けると「タマゴ」が手に入り、やがてポケモンが孵る。オスとメスは別の種類のポケモンでも構わない。この場合、孵るのはメスの(進化形の場合は一番進化前の)種類のポケモンとなる。(ただし片方がメタモンである場合はメタモンでない側となる。)孵化したばかりのポケモンのレベルは全て同じ(GBA版まではレベル5、DS版ではレベル1)であり、前述の個体値や「わざ」を預けたポケモンから受け継ぐことができる。

全てのポケモンのペアからタマゴが得られる訳ではない。「陸上」「鉱物」「妖精」「水中」等の「タマゴグループ」と呼ばれる分類が一致している必要がある。これは後述の「タイプ」とは別物であり、生物的な雰囲気の似ているポケモンが同じグループに属している。2つのグループを掛け持ちしているポケモンもおり、この場合は片方だけでも一致していれば良い。

タマゴグループ
新バージョンで進化前のポケモンが追加された場合

ルビー・サファイア以降で新たに追加された進化前ポケモンのタマゴを得るためには、預けるポケモン(オス・メスどちらでもよい)に特定のアイテムを持たせる事が必要となる(例:タマンタの場合、マンタインに「さざなみのおこう」を持たせて預ける等)。

わざの継承

タマゴから孵るポケモンは、条件次第で預けたポケモンのわざを引き継ぐことができ、俗に「遺伝」と呼ばれる。通常は孵った時点でのレベル(GBA版までではレベル5、DS版ではレベル1)まで覚えるわざを覚えた状態で孵るが、以下の条件を満たしていればそのわざを優先的に覚えた状態で生まれる。

  • 預けたオス・メス共に覚えているわざで孵るポケモンがレベルアップで覚えるわざ。
  • 預けたオスが覚えているわざで孵るポケモンがわざマシンで覚える事ができるわざ。片方がメタモンであればメスが覚えているわざ
  • 預けたオスが覚えているわざで孵るポケモンの「タマゴわざ」として定義されているわざ。
世界観上での設定

『金・銀』の冒頭で「今までポケモンがどこから生まれるのか謎だったが、『ポケモンのタマゴ』がついに発見された」という話が語られるが、直接の前作との間ですら矛盾が見られる。

  • 『赤・緑』のポケモン図鑑内で、他のポケモンの卵を食べたり、産卵のために川を上るポケモンについて触れられている。
  • 『金・銀』より過去の世界であるはずの『ファイアレッド・リーフグリーン』でも「タマゴ」が発見されている。

哺乳類系や無機物系など、卵から産まれることに違和感のあるポケモンもいる。公式ガイドブックなどによると「『タマゴ』は必ずしも『卵』ではなく、保育器のようなもの」との設定が存在するようである。

タマゴはあくまでも「どこからか持ってくる」もので、ゲーム内や(『金・銀』以降の)関連書籍では決して「産んだ」とは明言されていない。設定では、ポケモンが卵を産む瞬間は一切目撃されていないということになっている。多くのプレイヤーは「親」「子」「遺伝」などの用語を慣用的に使用することで感情移入している。

いずれにせよ低年齢層がメインユーザーである作品で性や生命の誕生を表だって扱うには問題があるのか、不自然で煮え切らない設定が多く見られる。また「産む」ものであると明言してしまうと、「親子・きょうだいでの交配」や「1日に数百個のタマゴを産ませる」というような道徳的に問題のある行為も行えることになってしまう。やはり曖昧な表現というオブラートに包む必要があるのだろう。

とはいえ、タマゴの概念は、攻略に必ずしも必要でなく、ストーリーにもあまり絡んでこない。タマゴを攻略の一環として位置づけることは、先述した個体値の概念などをよりよく知り、さらに強いポケモンをチートなしで作り上げようとするフリーク向けの概念であり、上記のような道徳的問題はあるいは杞憂といえるのかもしれない。

戦闘システム

ポケモン同士が戦うシステムである。ポケモントレーナー(ポケモンを扱う人。本シリーズの主人公もトレーナーである)は、ポケモンに対して指示を出す役割を担う。トレーナーは道具を使ってポケモンを援護することもできるが、あくまで補助的なものでありトレーナー自身が直接ポケモンに対して攻撃したり、逆にポケモンを使ってトレーナーを直接攻撃することはできない。ポケモン同士の戦いのみが許される。

戦闘には野生ポケモンとの戦闘と、ポケモントレーナー同士の戦闘がある。野生ポケモンとの戦闘は、歩いていると突然野生のポケモンが出現(エンカウント)し、発生する戦闘である。野生のポケモンが出現する場所は草むら・洞窟・海などの自然地だけで、通常町なかで出現することはない。ポケモントレーナー同士の戦闘は、各地にいるポケモントレーナーに戦いを挑んだり挑まれることによって発生する。

基本的なシステム

トレーナーは6体までのポケモンを持つことができるが、戦いの時は原則として1体のポケモンしか同時に繰り出すことはできない。戦闘に入るとトレーナーはターンごとに「わざ」を1つ選ぶか、そうでなければポケモンを入れ替えたり、道具を使うことになる。

互いのポケモンは技を繰り出し合い、どちらかのHPが0になるまで戦う。HPが0になるとポケモンは「ひんし」(瀕死)状態となる。野生のポケモンとの戦闘であれば、この時点で戦闘終了である。野生のポケモンは「ひんし」にさせる以外に捕獲することもできるが、これは捕獲の節で述べる。

トレーナー同士の対戦であれば、ポケモンが「ひんし」状態になった時点でモンスターボールに戻され、手持ちポケモンがまだ存在する場合は新たなポケモンを繰り出さなければならない。どちらかの手持ちポケモンが無くなった時点で戦闘終了となる。負けたトレーナーは所持金の一部を賞金として支払わなければならない。なお野生のポケモンとの戦闘時には逃げることもできる(逃げられない場合もある)が、トレーナー同士の戦闘の場合は一度戦いを挑まれたら逃げることができない(ゲーム内のトレーナー戦でのこと。通信対戦中ににげると降参したことになる)。

GBA版以降は、1人のトレーナーが同時に2体のポケモンを繰り出す「ダブルバトル」や、2人対2人(各トレーナーが同時に出すポケモンは1体)の「マルチバトル」が、特殊なバトルの形式として加わることとなった。通信対戦は、従来通りの「シングルバトル」かこれらの方式か選ぶことができる。

捕獲

野生ポケモンとの戦闘では、そのポケモンを「モンスターボール」で捕まえることができる。「わざ」を使って相手を弱らせたり、何らかの状態異常(どく、まひ等。ポケモンの状態で後述)に冒せば捕獲率は上昇するが、ヒットポイントを0にしてしまうと倒れて戦闘が終了してしまうので注意が必要である。なお、「みねうち」という「わざ」を使うことで、「ひんし」になるダメージを与えたとしても相手ポケモンのHPを必ず1残すことができる。

トレーナーのポケモンを奪うことは基本的にできないが、ポケモンコロシアムとポケモンXDにおいて、悪の組織に改造されたポケモンを奪い返すという名目においてのみ許される(この行為は「スナッチ」と呼ばれる)。

ポケモンの技

1体のポケモンは、「わざ」(以下「技」と表記)を4つまで覚えることができる。技には相手を攻撃するもの、自分の能力を上げたり相手の能力を下げたりするもの(補助技)、自分のHPを回復するものなどがある。

技には個別に「PP」(パワーポイント。マジックポイントに類似)が設定されており、PPが0になるとその技は使用できなくなる。技以外の攻撃方法、いわゆる「通常攻撃」のようなものは存在しない。全ての技のPPが0になってから技を使おうとすると、「わるあがき」という自分もダメージを受けてしまう技を繰り出すことになる。たいていの場合、威力が大きい攻撃技や1回の戦闘で何度も使用するわけではない補助技はPPが低く、威力が小さい攻撃技やステータスを変化させる補助技はPPが大きい傾向にある。

特定のステータスを上下させる技の効果は1匹のポケモンに対し最大で上下各6段階まで有効である。

技はポケモンごとに指定された特定のレベルで覚えるほか、「わざマシン」「ひでんマシン」といったアイテムや、各地にいる特定の人物から教えてもらうことができる。

個々の技についてはポケットモンスターの技一覧 (前半)(後半)を参照。

ポケモンのタイプ

全てのポケモンには、その性質を表す「タイプ」が1種類ないし2種類設定されている。例えばピカチュウはでんきタイプ、ギャラドスはみず・ひこうタイプとなっている。また、ポケモンが覚える各種の技にもそれぞれ1種類のタイプが設定されており、ポケモンはそれ自体のタイプと同じタイプの技を多く覚える傾向にある。例えばピカチュウならでんきタイプの「でんじは」「10まんボルト」といった技を覚える。

各技のタイプと技を受けるポケモンのタイプには相性が存在し、組み合わせによっては効果が大きくなったり、逆に効果を失ったりもする。でんきタイプの技を例に挙げると、みずタイプやひこうタイプのポケモンには大きな効果を上げるが、くさタイプなどにはあまり効果的でなく、じめんタイプのポケモンには一切通用しない。例外的に、ごく一部の技は相手のタイプに影響を受けずダメージを与える性質を持っている(「みらいよち」、「わるあがき」など)。また本来効果のない相手に対する攻撃を有効にする技もある(「みやぶる」、「ミラクルアイ」など)。

いりょくが設定されている攻撃用のわざの場合、そのわざのタイプとそれを出すポケモンのタイプが同じ場合、技のダメージは元の1.5倍になる。

ダメージを与えない技(DS版では「へんか」の分類)については原則としてタイプの影響を受けない。相手を混乱させるゴーストタイプの技「あやしいひかり」は、ノーマルタイプにもエスパータイプにも等しく有効である。しかしでんきタイプの「でんじは」が地面タイプに効かないなどの例外は存在する。

ジムリーダーならびに四天王の所有するポケモンは、ほとんどの場合、1つのタイプに偏っている。

左が攻撃側、上が防御側。

タイプ相性表
攻撃を受けるポケモンのタイプ
ノ丨マル ほのお みず でんき くさ こおり エスパ丨 かくとう どく じめん ひこう むし いわ ゴ丨スト ドラゴン あく はがね
攻撃するわざのタイプ
ノーマル ×
ほのお
みず
でんき ×
くさ
こおり
エスパー ×
かくとう ×
どく ×
じめん ×
ひこう
むし
いわ
ゴースト ×
ドラゴン
あく
はがね

ダメージにかかる補正は以下の通り。ただし、ポケモン不思議のダンジョンでは相性による補正値が異なる。

本編 不思議のダンジョン
通常の2.0倍 通常の1.5倍
通常のダメージ 通常のダメージ
通常の0.5倍 通常の0.9倍
× 無効 通常の0.5倍
  • 作中では「◎」では「こうかはばつぐんだ!」、「△」では「こうかはいまひとつのようだ」、「×」では「(ポケモン名)にはこうかがないみたいだ…」と表記される。
  • 2つのタイプを持つポケモン相手に技を当てた場合、2つのタイプそれぞれの相性が乗算される。
    • 例1:みず・ひこうタイプのポケモンがでんきタイプの技を受けた場合、みずタイプもひこうタイプもでんきタイプの技には2倍のダメージを受けてしまうので2×2=4となり4倍のダメージ。
    • 例2:みず・こおりタイプのポケモンがでんきタイプの技を受けた場合、みずタイプはでんきタイプの技には2倍のダメージで、こおりタイプはでんきタイプの技には1倍(=通常)のダメージなので2×1=2で2倍のダメージ。
    • 例3:みず・くさタイプのポケモンがでんきタイプの技を受けた場合、みずタイプはでんきタイプの技には2倍のダメージだが、くさタイプはでんきタイプの技には0.5倍のダメージなので2×0.5=1となり1倍(=通常)のダメージ。
      • 初代では、この場合に片方のタイプが優先され「こうかは ばつぐんだ!」または「こうかは いまひとつのようだ」と表示される。『金・銀』以降は何も表示されない。
    • 例4:みず・じめんタイプのポケモンがでんきタイプの技を受けた場合、みずタイプはでんきタイプの技には2倍のダメージだが、じめんタイプはでんきタイプの技には0倍のダメージ(=ダメージを受けない)なので2×0=0となり0倍のダメージ(=効果無し)。
  • はがねタイプとあくタイプは『金・銀』からの登場。初代において優遇されていたタイプ(エスパーなど)の弱体化、および冷遇されていたタイプ(かくとうなど)の強化として出された意味合いが強い。
  • 初代では以下のように相性が一部異なる。
攻撃側 防御側 = 相性
ゴースト エスパー = ×
どく むし =
むし どく =
こおり ほのお =
  • 初代では、大半の攻略本に書かれていた相性表に誤りがあった。相性表のほかに、ポケモンが覚える技や、技の効果についても共通して間違っている場合が多いことから、メーカーから提供された情報が間違っていたものと思われる。ただし、「エスパータイプのポケモンにはゴーストタイプの技が有効」という話がゲーム中でもアニメでも聞けるのに、実際は有効どころか効果が全く無いことから、本来は攻略本に書かれていたデータが正しく、ゲームのデータ設定を間違えた(一種のバグ)と考えることもできる。上述の相性の変更も、根拠の一つである(ただし、「どく→むし=◎」は攻略本の通り)。
    • 『青』対応と謳うようになっても間違ったままであった。
    • 『ポケモンスタジアム』以降の説明書や攻略本では、正しい相性表が書かれている。
    • 相性表の誤りは以下のとおり。
攻撃側 防御側 = 相性
みず でんき = △実際は○
こおり ほのお = △実際は○『金・銀』以降は△
こおり いわ = ◎実際は○
むし どく = ○実際は◎『金・銀』以降は△
ゴースト エスパー = ◎実際は×『金・銀』以降は◎
ゴースト ゴースト = ○実際は◎

アニメや漫画などの関連作品ではタイプによる有利不利があるものの、本編のゲームではダメージになり得ない攻撃が通じることがある。例えば、じめんタイプのポケモンにでんきタイプの攻撃をしても効果がある(イワークにピカチュウの電撃が通用する)といった具合である。ただし、じめん・みずタイプであるヌオーにはでんきタイプの攻撃が効かないなど、同作品内でもポケモンによって相性の適用方法にばらつきがある。ポケモンカードゲームポケモン不思議のダンジョンも、タイプによる無効化が存在しない世界観である。

ダメージ

ポケモンが技によって攻撃したときに受けるダメージは、攻撃側の「こうげき」「とくこう」(特殊攻撃)、防御側の「ぼうぎょ」「とくぼう」(特殊防御)、及び上述のタイプなどに依存する。

ポケモンの技は、「ぶつり」攻撃と「とくしゅ」攻撃の2系統に大別される。「ぶつり」攻撃では、攻撃側の「こうげき」が高ければ高いほどダメージが多く、防御側の「ぼうぎょ」が高ければ高いほどダメージが少なくなる。「とくこう」と「とくぼう」は影響しない。逆に「とくしゅ」攻撃では、「とくこう」と「とくぼう」がダメージに影響し、「こうげき」と「ぼうぎょ」は影響しない(なお、初代では攻撃側と防御側の「とくしゅ」がダメージに影響する)。

「ぶつり」攻撃であるか「とくしゅ」攻撃であるかは、GBA版までは以下のように技のタイプによって決められており、DS版では各技ごとにそれぞれ設定されている(例えば「ほのおのパンチ」「かみくだく」などの打撃を伴って攻撃する直接攻撃技や、「タネマシンガン」「ゆきなだれ」のような実体のある物での攻撃は「ぶつり」で、「ヘドロばくだん」「どろかけ」といった固体ではない物で攻撃する技、「はかいこうせん」や「きあいだま」などのエネルギーをぶつけて攻撃する技は「とくしゅ」といった具合)。

GBA以前における分類
  • 「ぶつり」攻撃
    • ノーマル・かくとう・どく・じめん・ひこう・むし・いわ・ゴースト・はがね
  • 「とくしゅ」攻撃
    • ほのお・みず・でんき・くさ・こおり・エスパー・ドラゴン・あく

ポケモンの状態

ポケモンは戦闘中に技を受けることで、状態が変わることがある。以下ではその状態について解説する。ポケモンの状態は戦闘中、移動中に関わらず、ステータス画面や戦闘画面で確認可能である。状態異常は、特定の道具や技を使うことで回復できる(「ふつう」に戻る)。状態異常は重複せず、既に何らかの状態であれば他の状態異常にはかからない。戦闘終了でも回復しないが、ポケモンセンターを利用することで回復することができる。

ふつう
何も異常が無い状態。通常、ポケモンはこの状態である。問題なく技を繰り出して戦闘を行うことができる。
どく
に侵され、1ターン毎にHPが減っていく状態異常(但しどく、はがねタイプのみ、この状態にならない)。HPの減少量はポケモンの最大HPの12.5%(初代では6.25%。いずれも端数切り捨て)。移動中にも毒の効果は受け、4歩に1度(ただし『ファイアレッド・リーフグリーン』では5歩に1度)HPが1減る。その際、HPが0になると「ひんし」になった旨が表示される。DS版はひんしにならず、HPが1で「どく」が消えた旨が表示される。
もうどく
「どくどく」か「どくどくのキバ」という技を受けた場合にのみかかる状態異常。「どく」と異なる点は、ターン毎のHPの減少量が増えていくことである(最大HPの6.25%×経過ターン数 最大15ターンで93.75%)。ただし、表示自体は「どく」と表記される。(『金・銀』以前では)戦闘が終了したりポケモンを引っ込めると普通の「どく」状態になる。故に上記の技を覚えているポケモンに「くろいまなざし」などの交代させない技も覚えさせる事が多い。
まひ
麻痺し、しびれて動けなくなる状態異常。この状態になると、「すばやさ」が本来のステータスの25%程度に下がる他、25%程度の確率で技を繰り出せなくなる。「きつけ」を受けると通常の2倍のダメージを受けるとともに治る。特性が「はやあし」の場合は行動不能の効果は残るが、素早さは下がらない。
やけど
火傷を負い、「こうげき」が半減する他、1ターン毎にHPが減っていく状態異常。減少量は「どく」と同じだが、移動中は何も起こらない。「ぶつり」攻撃要員にとってはかなり痛手となる。ただし、特性が「こんじょう」の場合は攻撃力減少の効果が無視される。
ねむり
眠ってしまい、一切の行動ができなくなってしまう状態異常。ただし、「いびき」「ねごと」などの技を覚えている場合は、その技の使用が可能である。また「ゆめくい」の様に相手がねむり状態の場合にのみ効果のある技、特性もある。道具を使用する以外に、ターン経過でも回復する。また「めざましビンタ」を受けると通常の2倍のダメージを受けるとともに治る。しかし戦闘が終わっただけでは目を覚まさない。
こおり
凍って(あるいは氷漬けになって)しまい、一切の行動ができなくなってしまう状態異常。「ねむり」と異なる点は、ほのおタイプの技を受けない限り回復せずに半永久的に凍り続ける点であったが、『金・銀』以降の作品では、ターン経過によっても回復する。また「かえんぐるま」「せいなるほのお」など一部の技は使用可能で、使うと「こおり」状態が解除される。
ひんし
所謂戦闘不能のこと。HPが0になると、ポケモンはこの状態になる。他の状態とは異なり、この状態になると強制的にモンスターボールに戻される。道具を使って「ひんし」状態から回復しない限り、戦闘に復帰させることはできない。なお「ひんし」と言っても実際は「戦う元気がない」だけの状態であり、例えば移動中に使用できる技(ひでんわざ等)は使うことができる。手持ちのポケモンがすべて「ひんし」状態になると、所持金の一部を失って最後に利用したポケモンセンターに戻される。失う金額は『ファイアレッド・リーフグリーン』『ダイヤモンド・パール』では「(ゲームの進行に応じた8~120の定数)×(手持ちの最高レベル)」(8≦失う金額≦12000)、それ以外は全所持金の半分である。
ポケルス
厳密には状態異常ではないが、状態異常の欄に表示される。ポケモンに着く良性のウイルスのようなもので、一度でも感染した後は能力の成長が促進される(→能力成長の詳細)。非常に低い確率で発生する他、感染したポケモンから他のメンバーに伝染する事もある。初代および『ファイアレッド・リーフグリーン』では発症しないが、後者は『ルビー・サファイア』などから持ち込むことが可能である。
こんらん
数ターン混乱しつづける状態異常。たまに自分を攻撃してしまうことがある。交代やターン経過によって回復する。状態異常の欄には表示されない。
ひるむ
そのターンのみ、行動できなくなる状態異常。相手の技が先攻でないとひるまない。次のターンには自然回復する。状態異常の欄には表示されない。
わるあがき
所謂PP切れのこと。全てのPPが0になると、ポケモンは自動的にこの状態になる。この状態で「たたかう」コマンドを選んで技を使おうとすると強制的に「わるあがき」という自分もダメージを受けてしまう技が出される。道具を使ってどれか一つでも技のPPを回復しない以外は「わるあがき」状態を止めることは出来ない。状態異常の欄には表示されない。
その他
「かなしばり」(封じられた技は使うことが出来なくなる)、「メロメロ」(異性のポケモンが相手だと50%程度の確率で攻撃できない)、「やどりぎ」(ターンごとにHPを吸収される)、「にげられない」(「にげる」や入れ替えが不可)など。いずれも、状態異常の欄には表示されない。厳密には状態異常ではないので重複することもあり、捕獲率にも影響しない。ポケモンが戦闘から離れるだけで回復する。

続き

外部リンク

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