サニックス
株式会社サニックス(SANIX INCORPORATED)は、福岡県福岡市博多区に本社を構え、太陽光発電設備の設置、総合環境衛生管理、廃棄物のリサイクル等を業とする企業である。
「過酷研修で障害」サニックス提訴(2016年5月)
過酷な新入社員研修で障害が残ったとして、太陽光発電設備施工などを手掛ける「サニックス」(福岡市、宗政伸一社長)を相手取り、元社員の男性(50)=広島県福山市=が約2,200万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁福山支部に起こした。24キロを歩かせ、集団の一人でも脱落すれば連帯責任を問われるなどの内容。
福山支部での弁論で男性側は「無理なプログラムを強制し、安全配慮義務を怠った」と主張し、会社側は「無理な要求はしていない」と争う構えをみせている。
提訴は2016年1月28日付。訴状などによると、男性は2013年8月に入社し、福岡県宗像市の同社研修センターで約10日間の新人研修に参加した。研修は営業などに関する座学のほか、10人ごとの班が一定速度で長距離を歩く「歩行訓練」が繰り返された。終盤には「サニックススピリッツ」と銘打たれ、24キロを4時間で歩く訓練が課された。
男性は2回の歩行訓練で両脚を痛めていたが、会社側から「一人でも脱落すれば班全体が失格」「クリアできない人間はうちに要らない」などと言われ、同僚に迷惑を掛けることや解雇を恐れて訓練を続けた。24キロを完歩したが、症状が悪化。両膝関節挫傷などと診断され、関節可動域が狭まる障害が残ったとしている。男性は障害のため休職し、2014年に退社した。
当時48歳で体重が100キロ近くあり、男性側は「無理な運動をさせれば負傷する可能性が高いことを十分認識していたにもかかわらず、(会社は)無理なプログラムを組んだ」と指摘。研修に医療職を配置せず、男性が訓練の中断を訴えても認められず、安全配慮義務を怠ったと主張している。
サニックス側は弁論で「(男性から)膝と足首が痛いとは聞いたが、捻挫などの負傷の訴えはなかった。サニックススピリッツには参加の意思を確認しており、強制はしていない」などと反論している。同社は取材に対し、「係争中であり、コメントは差し控える」としている。
概要
産業用太陽光発電事業の直販・直施工を行う(西日本ソーラー・エンジニアリング事業本部、東日本ソーラー・エンジニアリング事業本部)、戸建て住宅向けサービス(ホーム・サニテーション事業)、法人・事業主向けサービス(エスタブリッシュメント・サニテーション事業)、産業廃棄物の処理・リサイクル(環境資源開発事業)の4事業を展開している。 創業当時からの事業は建築物のシロアリ駆除などの防虫・防腐であるが、1994年より産業廃棄物の中間処理事業を開始。従来より太陽光を動力とする住宅用床下換気扇を施工していたこともあり、2009年より住宅用太陽光発電システムの販売を開始。2010年には中国上海市にも工場を建設した。2012年には公共・産業用太陽光発電システムの販売等を行う(株)サニックスエンジニアリングを設立。(2014年6月本体に吸収分割)太陽光発電事業はサニックスの売上げの6割を占め、事業の柱となっている。
沿革
- 1975年4月 - 長崎県佐世保市で 建築物等の防虫・防腐に関する管理及び工事を行う会社として創業。
- 1978年9月 - 三洋消毒株式会社として設立。
- 1981年11月 - 本社を移転。(福岡県福岡市南区向野2丁目1番1号)
- 1986年5月 - トータル・サニテーション事業部を新設。
- 1987年3月 - 社名を現在の株式会社サニックスに変更し、事業部名もホーム・サニテーション事業部(一般向け)とエスタブリッシュメント・サニテーション事業部(法人向け)に変更する。
- 1999年9月 - 東京証券取引所および大阪証券取引所の市場第一部に上場。
- 2001年4月 - 本社を現在地に移転。
- 2001年10月 - 廃プラスチックを燃料とする発電事業を行う株式会社サニックスエナジーを設立。2003年4月から北海道苫小牧市に出力7.4万キロワットのサニックスエナジー苫小牧発電所を稼働させた。
- 2004年11月 - 各事業部の本部を東京都港区虎ノ門に移転。
- 2006年7月7日 - 経済産業省から6店舗への7月8日から10月7日までの3ヶ月間の業務停止命令と、同社への業務改善指示を受ける。
- 2009年3月1日 - ES事業部で大規模な統廃合を実施。東京・名古屋・福岡エリアへ業務を集中し、合理化を図る。
- 2009年10月 - 住宅用太陽光発電システムの販売・施工を開始
- 2010年12月 - 太陽電池モジュールの製造・販売を主たる目的として、善日(上海)能源科技有限公司を中国上海市に設立(100%出資子会社)
- 2012年5月 - 住宅用太陽光発電の販売実績が10,000件を突破
- 2012年7月 - 産業用太陽光発電の販売を開始
- 2015年5月 - 九州電力が再生可能エネルギーの買い取り手続きを一時中断したことが響き太陽光発電設備の設置や販売不振で業績悪化、グループ従業員2割弱にあたる600人の希望退職を募る。
その他
- 地域のスポーツ文化への貢献を目指し、「財団法人サニックススポーツ振興財団」を設立し、宗像市にある総合スポーツセンター「グローバルアリーナ」の管理・運営や各種スポーツ大会・事業への協賛を進めている。
- 特に、ラグビーに力を入れており、「宗像サニックスブルース」が、2015年現在、トップキュウシュウAに属している。
- サニックス・ワールド・ラグビー・ユース交流大会は2000年から毎年行われている。
- サニックス杯国際ユースサッカー大会も行われている。
- かつて、コブクロの小渕健太郎が入社していた会社でもある。
- かつては小林亜星やケント・ギルバートがCMに出演していた。