ガシャポン
ガシャポン(GASHAPON)は、カプセルトイ(カプセル自動販売機とそのカプセルに入った玩具)のうちのバンダイ社製商品であり、同社の玩具名ないしその販売方式を指す[1]。
カプセルトイは他にも様々な会社が販売しており、バンダイの商品も含めて「ガチャガチャ」「ガチャポン」などの通称でも呼ばれているが、バンダイは「ガシャポン」という名称を商標登録しており(1982年出願・1985年登録・登録番号第1756991号)、バンダイ製のカプセルトイの固有名称として使用している。ちなみに、「ガチャンコステーション」(2003年出願・2004年登録・登録番号第4763676号)は株式会社タカラトミーアーツが登録している。
駄菓子屋やコンビニエンスストア、スーパーマーケット、レンタルビデオ店、アミューズメント施設、地下鉄の一部路線内通路などに設置されており、場所によっては一箇所に複数台の販売機器が置かれている場合が多く、2000年代以降になると(他社製も含め)数十台以上並べたカプセルトイ専門店も登場している。また、バンダイは多くのキャラクター版権を持っており、映画館で上映される作品と連動する発売タイトルをリリースし、劇場に置かれたカプセル筐体で先行販売されることもある。グッズショップ専売タイトルなども存在する。
また、コンビニエンスストアセブン-イレブンの店頭でベンダー機を使用せず”中の見えない色つきカプセル”に商品を封入し手売り販売をする方法として「ガチャボックス」を2001年に開始(なお、ガチャボックス自体は玩具メーカー5社が共同で行っている販売方法で、バンダイ特有の販売形式ではない)。その後バンダイはガチャボックスリリースを2007年で終了し、2013年から「カプセルポン!」という擬似ベンダー機の様な厚紙製の専用の箱を使い、カプセルベンダーと同じ商品タイトルをコンビニエンスストアで手売り販売する形式を開始。カプセルベンダー筐体数の制限があり人気商品タイトルが行き渡らない地方への商品提供を、コンビニ流通に乗せるという方法を開始している。
歴史
カプセルトイ自体の発祥は1907年アメリカ合衆国で、トーマス・アダムスGum社のガムボールマシーンである。ガムボールから同サイズのカプセルに玩具を入れる形となり、人気を博した。今だ球型のカプセルに入っているのはその時のなごりである。日本では1965年に輸入され1970年代に普及した。
バンダイがカプセルトイ市場へ参入したのは1977年である。
同様の販売形態を持つ物として、バンダイが1988年に投入したトレーディングカード用の「カードダス」カード自動販売機も存在する。
2006年にはバンダイがエポック社のカプセル及びカード自動販売機について、特許権侵害で提訴した。その後2007年に特許の侵害が認められて、製造・販売の禁止と損害額の支払いが命じられている。2008年5月8日にエポック社の上告が棄却されて、バンダイ側の勝訴が確定している。
2008年には、カプセル誤飲事件を受け、カプセル自体に「穴を複数あける」「注意を促す刻印をカプセルに施す」「直径31.8mm以下のカプセルを使用しない」などの基準見直しと共に、環境資源も考慮した「50Φカラーカプセル」を多用しはじめた。 上記の様に環境的配慮を含めたカプセル自体の開発にも以後取り組むようになり、カプセルの上下がつながって構成されているものなどを2012年頃から各サイズ導入し始める。
そして2014年、烈車戦隊トッキュウジャーの「トッキュウレッシャー」発売に合わせ、長さ約10㎝の筒型カプセル「ガシャポンカン」を新規格として採用。ジュース缶を連想させる特殊な形状は、烈車のみならずデータカードダスやなりきりグッズ、人型のフィギュアなども分解せずに梱包できることも想定しているという。そのカプセルの形状ゆえにカプセルベンダー以外の運用も可能なため、コンビニ店頭での販売もでき販路の拡大に寄与している。
封入されている玩具の変遷
封入されている玩具は、かつては日商貿易やコスモスなどの製品にみられたような幼稚園から小学校の子供を対象とした物が主であり、バンダイの製品もキン肉マン消しゴム(キン消し)、SDガンダム消しゴム(ガン消し)などが作られていた。主として使われる素材はダイキャスト → プラスチック → 塩ビ / PVC(同じ”塩ビ”でも最低3度の素材変更が確認出来る)の推移で変わっているが、その時代の低コスト素材を使っているという台所事情も現している。
ガシャポン自体を現在の知名度に上げた代表的な商品にガシャポンHGシリーズがある。1994年のウルトラマンを皮切りに販売が開始され、200円とは思えない造形・彩色で話題となり、子供のみならず大人も巻き込みヒットした。その後、ガンダムや仮面ライダーシリーズをはじめ、ドラゴンボール(無印・Z・GT・改)、スーパーロボット、ゴジラ、(正確にはHGシリーズではないが)セーラームーン、ポケットモンスターなど数々のシリーズを展開する大ヒット商品となった。また、俗にいうオタク向け商品なども増えていく。後にブランド名をHGIFやHGCORE、DGシリーズなどに変更し継続されていったが、その後はほぼリアルフィギュアシリーズのリリースが止まっている。理由としては、原料価格高騰により品質管理とコスト面の折り合いがつかなくなってしまったなどが考えられる。近年では全体価格帯が200円から300円に価格設定が拡大。著しくなったキャラクターごとのニーズの細分化=販売数の減少を考えれば、回避できないことだといえよう。
現在の主なシリーズ商品
- カプセルステーション(100~500円)
- くっつくんですシリーズ
- スイングシリーズ
- ストラップシリーズ
- ダブルストラップシリーズ
- にょっきりストラップシリーズ
- ライトマスコットシリーズ
- なりきりグッズシリーズ
- リアルチェンジシリーズ
- なりきりアクセシリーズ
- キラキラデコラシリーズ
- ヘアアクセコレクションシリーズ
- プレートシリーズ
- ラバープレートキーチェーンシリーズ
- キャラレールシリーズ
- 森の~シリーズ(専用筐体でのみの販売時もあり)
- ふわふわマスコットシリーズ
- くるぺたシールシリーズ
- バラエティグッズシリーズ
- メタルアクセサリーシリーズ
- カプセルステーションミニ専売(100~300円)
- メタルプレートキーチェーンシリーズ
- その他(場所限定)
過去の主なシリーズ商品
- カプセルステーション(100~500円)
- ミニプラシリーズ
- クロスアップタイプシリーズ
- コインダスシリーズ
- ダイキャストシリーズ
- カーリングバトルシリーズ
- ガシャポンキッズシリーズ
- スーパーフィギュアシリーズ
- F・Bコレクションシリーズ
- ガシャポンジグソーシリーズ
- ディスクジャックシリーズ
- ミニミニカードダスシリーズ
- はさむんですシリーズ
- プレートキーチェーンシリーズ
- (ここにタイトルが入る)DXシリーズ
- スクリューズシリーズ
- バウンドボールシリーズ
- フルカラーコレクション
- かみつきシリーズ
- ステーショナリーシリーズ
- ふわっこクラブシリーズ
- くっつくんですDXシリーズ
- ポケットガーデンシリーズ
- ポケットワールドシリーズ
- ポケットアクセサリーシリーズ
- ボタンメイトシリーズ
- スタンプワールドシリーズ
- アクションフィギュアシリーズ
- テープクラブシリーズ
- クリップワールドシリーズ
- フルカラー/SDフルカラーシリーズ
- リアルコレクションシリーズ
- HGイマジネイションシリーズ
- ティンバッヂシリーズ
- ちびぐるみ/~ぐるみシリーズ
- ふわっこパペットシリーズ
- フラッシュスイングシリーズ
- ガシャポンフォーミュラシリーズ
- ちまこれシリーズ
- キューブメイトシリーズ
- マグカップクラブシリーズ
- タイムショットシリーズ
- キャラトレインシリーズ
- ズンチャッチャスイングシリーズ
- フレーバーマスコットシリーズ
- おでかけシリーズ
- おきがえシリーズ
- 特撮メカコレクションマシンクロニクル
- キャラッピンバスシリーズ
- カプセルトントンシリーズ
- 萌あ・ら・もーどシリーズ
- エアーフレンズシリーズ
- くたっぴーずシリーズ
- トーテムドームシリーズ
- つなげてシリーズ
- なりきり~ギアシリーズ
- トリコレ!シリーズ
- シャカシャカスイングシリーズ
- サウンドロップシリーズ
- プロジェクターライトシリーズ
- アルティメットソリッドシリーズ
- H.G.C.O.R.E.シリーズ
- フルカラーヒーローシリーズ
- HGシリーズ
- HGIFシリーズ
- アクションポーズシリーズ
- G.G.シリーズ
- miniature maniaシリーズ
- PAKUPAKUシリーズ
- ソフビコレクションシリーズ
- ブラブラスイング
- リンリンスイング
- スタンプメイトシリーズ
- ヘッドマンシリーズ
- チキチキシリーズ
- ふにゅふにゅシリーズ
- キーカバーシリーズ
- ヒーロータイムシリーズ
- DGシリーズ
- カプセル合体シリーズ
- Tag Swingシリーズ
- ハイブリッドグレードシリーズ
- HGヒーローズシリーズ
- カプションどーるシリーズ
- デコラバースイング
- (ケータイ)クリーナーシリーズ
- サウンドロップコンパクトシリーズ
- 根付シリーズ
- カプセルステーションmini(100~400円)
- プチライン/プレートプチラインコレクションシリーズ
- SQピンズコレクションシリーズ
- ガシャポンピンズコレクションシリーズ
- DXキャラピンズコレクション
- ラメピンズシリーズ
- リバーシブルプレートシリーズ
- カプセルカンバッジシリーズ
- ZEPPIN series
- アニメイト専売タイトル
- スウィーツステーション(200円)
- miniPEZシリーズ
- mini×mini PEZシリーズ
- おかし缶シリーズ
- くるりんぱっくんシリーズ
- その他
シリーズものではなく、(結果として)単作なものでシリーズ展開予定だったものや、カプセルを使わないもの等、試験的に発売したタイトルが存在する(例:HGワールドなど)。
脚注
- ↑ かつてはバンダイ商品も他のカプセルトイメーカーの商品同様、ガチャガチャやガチャポンなどと呼称していた。「ガシャポン」商標登録以前の短期間に「SDガンダムワールド ガチャポン戦士」等、「ガチャポン」という名称が使われていた時期もあった
- ↑ 数ヶ月期間不定期リリース。近年はアンパンマンのみ
- ↑ 専用ゲーム筐体に併設されたゲーム用データを内蔵した駒。SDガンダムのみが発売。
- ↑ 1000円(500円×2)カプセル。主に東京ガリバー松戸店をメインにバンプレストのアミューズメントスポットに特製大型ベンダー機を設置(地方巡業)させていた。
- ↑ セブン-イレブン専売手売カプセル
- ↑ コンビニセブンイレブンや量販店での販売。価格帯は不規定