ロボやおい
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ロボやおいは、1980年代から発生したやおいの新ジャンルの一つ。
目次
概要
人間を対象としたストーリーではなく、自我をもつロボットの中で、男性的人格を持つロボット同士の恋愛物語を書いた二次創作(同人)を意味する。自我=心を持つロボットとして有名なのは、タカラのトランスフォーマー、サンライズの勇者シリーズ、セガの電脳戦機バーチャロンなどが挙げられる。
通常、やおい発生前には、男女同士の性行為に対する文献が先にあり、その後からやおい文化が出来上がったのである(その経緯については、やおい#なぜやおいになるのかを参照の事)。その発生期限は定かではないが、ロボやおいは、ロボットの男と生身の女、生身の男とロボットの女での性行為(仮称としてロボプレイとしておく)という、成人指定作品で見られる技法の段階を踏んでから出来上がったのではないかと推測はされる。(人間のノーマルカップリングとやおいの差と同じ事)ロボやおいの対義語は、ロボットの男女で行為を行う事である(仮称としてロボエロとしておく[1][2]。この行為については今だ明確な基準は定まっていないが、行動そのものは大差ないとは思われる)
通常のやおいと違う点は、ボーイズラブなどと言った青少年同士の純愛や、少年愛、ショタコン、萌え、オヤジ、鬼畜、果てはコスプレまで全て対象がロボットに網羅されている為、その幅は広い(例・ショタロボ)。
ジャンルも漫画・小説・CM・キャラクターとこれもまた幅広く、「ロボやおいはこのジャンルだ」という定義が存在しない。移り変わりの激しい一般のやおいの中において、一度はまると長く続ける傾向が高く、一部の腐女子、腐男子は10年以上も活動・ファンを続ける者も存在する。
個人の趣向により、各分野でもカップリングは多種多様。しかし、人間と違いロボットの数は全体的に少数である事。ある一定の基本を持つ人間と違い、デザインが個々に異なるので全身像など細かな資料が必要不可欠なため作品によっては時代の経過と共に資料入手の困難[3]同種ファンが地元・近辺にいる割合が人間よりもかなり低く、近年までは一部の大手イベントが開催される地区以外はマイナー中のマイナーとして認知されずにいた。しかし、1990年代後半からのインターネットの普及により、チャット・メールによる他地方同士の交流が容易となり、着々とその人口を増やしている。
なお、擬人化の歴史については擬人観を参照のこと。
来歴
それまではごく一部の少数派のみで行っていたロボやおいが、パロディ作品として表面化され一般化しだしたのは、無論今まで水面下ではあったファンの交流もさることながら、1980年代中ごろに放送された、変形ロボット玩具シリーズトランスフォーマーのアメリカ版アニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」が大きく影響を与えた。
それ以前は、特撮ロボットの家元である東映戦隊シリーズのバイオロボなど、一部人格を持つロボットなどは存在したが、その大半が巨大ロボット、または「いかにも私はロボットです」といったものばかりであった(ロボットの存在自体がただの道具であったり兵器であった)。
だが、トランスフォーマーはその頭身が従来のロボットよりも低く、かつ人間以上に人間くさい感情。そして戦争や友人関係、恋人、世界平和、宇宙征服、下克上、友情、野望、使命感などそれまで人間にのみ当てはまっていた数々の要素が織り込まれ、時のファンは衝撃的な内容にカルチャーショックを覚える。その後、アメリカから日本に作画が変わった事でロボット達の容姿がアメリカ風のごつい体型から、日本風のすっきりとしたスタイルに大まかな路線が変わった為、初の日本作画「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」以降、彼らをやおい的にみる風潮が表面化しだした。
また、1985年6月にバンダイの横井孝二氏がデザインした、ガンダムシリーズを二頭身化したSDガンダムの登場により、人物と同様に人格のある存在として描かれるきぐるみ効果のような手法(ロボットや動物系キャラクター等の着ぐるみを人間が装着する。コスプレの項目参照)が作画の手法として広められ、以降のテレビや漫画業界で、ロボット=人間のような人格を持つ という、登場物ではなく登場キャラクターとしてのロボットの存在が一般化した。
以降、トランスフォーマーの事実的後継作であり、1980年代トランスフォーマー最終作である「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV」の後にはじまった勇者シリーズの「勇者エクスカイザー」にトランスフォーマーからのロボやおいファンは移り、時期は被ったものの、1990年代後半まで続いた勇者シリーズの地上波最終作「勇者王ガオガイガー」と入れ替わる形で1990年代トランスフォーマー最新作、「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」が始まり、2005年「トランスフォーマー ギャラクシーフォース」まで、ロボやおいファンを引き連れるカリスマ的作品となった(一部ケーブルテレビなどでは、ギャラクシーフォースより前だが地上波未発表の「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ」も存在する)。
(勇者シリーズも、地上波終了後は「勇者王ガオガイガー」の続編であるOVA「勇者王ガオガイガーFINAL」と、勇者エクスカイザーから勇者王ガオガイガー、そしてゲーム版オリジナル勇者を追加した「新世代ロボット戦記ブレイブサーガ」シリーズと「新世紀勇者大戦」が存在する)
アニメの黄金期と呼ばれ、今なおDVD化などで絶賛される1990年代には、それまで軍事面ばかりであったロボットデッサンの種類が増え、当時考えられる限りのロボット作品のバリエーションが多く展開され、今日のロボやおいの土台となるジャンル設立へと繋がった。
近年では、今まで男子向けアニメ風な設定とは無縁であった少女漫画にもロボットは浸透し、「魔法騎士レイアース」を皮切りに(少女誌初のロボット漫画と、原作CLAMPのスタッフは公式に述べている)近年の少女漫画でも、意思のあるロボットの存在は作品の大きなポイントとなる傾向が高い。
人間ジャンルと比例するロボット作品一覧
1980年代~2006年代 一部抜粋 ここにあるのは一部です
- 熱血スポコン物 例・あしたのジョー 巨人の星 エースをねらえ!
- 刑事ドラマ物 例・あぶない刑事 スケバン刑事 太陽にほえろ
- 探偵物 例・名探偵ホームズ 名探偵コナン
- レスキュー物 例・め組の大吾 バックドラフト
- 格闘技物 例・らんま1/2
- 鉄道物 例・車窓の窓から
- ヒカリアンシリーズ
- 神話・童話・民話物 例・聖闘士星矢 アリオン ラグナロクオンライン
- 冒険ドラマ物 例・インディージョーンズ
- 学園ドラマ物 例・三年B組金パチ先生 教師びんびん物語
- 音楽番組物 例・うたばん ミュージックステーション
- アイドル・美少女ゲーム物 例・サクラ大戦 シスタープリンセス
- 時代劇物 例・水戸黄門 大賀越前 大河ドラマ各種 銀魂
- 騎士物語物 例・指輪物語(ロードオブザリング) 円卓の騎士
- ファンタジー物 例・ハリーポッターシリーズ ナルニア国物語
- 家族物 例・家なき子 渡る世間は鬼ばかり
- 恋愛ドラマ物 例・月9各種 冬のソナタ
大前提・そして声という魅力
ロボやおいが成立するにあたり、大まかに以下の点を前提とする場合が多数。
- 同性同士の恋愛を描くに当たり、必要な『パーツ』は既にあるものとする
- 特に問題がなければ身長は問わない
とくに1は、人間なら無条件で存在する為苦なく進むものにたいし、どうしてもロボットには『パーツ』があるとは思えない、という見解である。大半はこれを、既に存在しているという暗黙の了解をもって話を進めるのが一般の風潮である。しかし、大前提があるにしろ、どう見たって装備していないだろうと言わざるをえないロボットが確実に存在する。その為、ファン達は仲間同士の交流などで、日々そのあたりの問題を解決するという、進化するやおいを自然と身につける。これは同時に、疑問を現実的に整理するという事にもつながり、よりいっそうなジャンル拡大へとも繋がった。
しかし、同性愛とは批判的なファンからみれば、これは偏見や批判が大きく、ロボットジャンルにとっては冷戦に近い状態にまで今なお追い込まれる物も少なくないことを述べさせてもらう。
また、声優は人間キャラの人気のポイントの一つだが、ロボットの声優は、ある意味人間よりも大きな役割を持つ。
これは、人間キャラはアニメ市場では圧倒的多数を占め、視聴者は好きなキャラを自分の好みで選ぶ事が出来る。しかし、前にも述べたがロボットキャラの数は人間よりも少ないため、ロボット声優はある程度の実力者が演じた方がキャラとしてのインパクトが出るためだと思われる。東映の戦隊シリーズで古くから活躍する役者(特に有名なのは超新星フラッシュマン以降、サー・カウラーや大教授ビアスなどを演じた中田譲治、レー・ワンダーやドクターケンプなどを演じた広瀬和久(現・広瀬裕))が声優に移転したり(元が役者なので声優演技が独特)も銀河声優伝説として今なお生きた伝説となっている銀河英雄伝説・略して銀英の超豪華声優陣がのきなみロボット声優を演じ(銀英で採用した声優は若手含め実力者ばかりである)、究極は色気があるロボット声として主役だろうが脇役だろうがロボ作品・シリーズにこの人が出ない筈がないと言われる速水奨が参戦(その実力は、トランスフォーマー ギャラクシーフォースでナレーター兼用主要キャラとして全話登場など、ますますロボ声優としての不動の地位を確定している)。
世間一般の有名声優の代名詞である池田秀一も、SDガンダムフォースでコマンダーサザビーと赤ザコ(語尾に『~をするのだザコ』と付けるのがかなりの衝撃だった)という二キャラを演じわけ、ロボット声優イコール有名声優という傾向が高く、現在の実力派声優のその大多数がロボット経験者であると見て可笑しくは無い。
これら、ロボット経験声優が出演する作品群の中で有名な物の一つは、コーエーの女性向けゲーム『アンジェリーク』である。『アンジェリーク』は主人公の少女と守護聖と呼ばれる9人の(2006年時点では守護聖は在位含め19人。それ以外は6人)美形男性キャラクター達が恋愛を繰り広げるゲームである。元々はスーパーファミコン発の恋愛ゲームなのだが、現在のゲーム業界ではキャラクターに声優を起用するのが常識化した為、同ゲームでも起用したと思われる。色気があるロボット声の速水奨演じる光の守護聖ジュリアスを筆頭に、実に13人が主役級のロボット声優経験者(アンジェリークシリーズ全体だと攻略可能全キャラ25人中19人)である。その他ストーリー上攻略ができないキャラクターもロボット経験者が多く、声優が三度も変わった闇の守護聖クラヴィスを演じた声優は全員が有名経験者である。
アンジェリークはネオロマンスシリーズと呼ばれるコーエーの女性向け恋愛ゲーム群の一つであり、残りの遙かなる時空の中でシリーズ・金色のコルダでは置鮎龍太郎以外目だったロボット声優はいない(勇者シリーズは小西克幸と中原茂が出ている)。
ロボット間の同性愛の定義
同性愛の項目を参照としてもらうが、ロボットは人間と違い妊娠といった工程が殆どない(一部では妊娠・出産というプロセスを持つものもある)ので、人間世界よりは同性愛については気薄またはノープロブレムのどちらかか、思考自体が人間を基準としているものの何れかしかないと考えられる。ロボットも人も、基本性行為は同一だと思われる。しかし、ここにロボットとしての特色を出すのが、ロボットにおける同性愛の醍醐味であるのもまた真実であるのは間違いない。
ロボットが性的行為を行うか否かという疑問も浮上する。しかし、その事に関しては何も問題はない。なぜなら、この同性愛を行うか否かという葛藤そのものが、すでにロボやおいの醍醐味のひとつであり基本である。
ロボやおいに影響を与えた作品群
サンライズ・タツノコプロなどによって、ロボットによる様々なバリエーションが発表されて以降、ロボやおいが普及するにあたり大きく役割を与えた作品が幾つかある。その内に、バンダイから発表された疾風!アイアンリーガーがある。これは、偶然の確立ではあるが、織田信長のような『歴史が大きく変動する時代』に『歴史を大きく変動する位置』に存在した作品であるという見方が強い。
アイアンリーガーは、それまでの『子供の友達』や『家庭の仲間』『戦いのロボット』というのではなく、生活の為に自分で働いて家族と暮らす『普通に生活する一般市民(一般ロボット)』という見方を覚える作品になったのは間違いない。
多少失礼な言い方だが、当時、まだ手探り状態であったロボやおい界において、アイアンリーガーは実に書きやすい作品であった。
シチューションにしろ、同じサッカーチームのパートナー同士が、試合の後に何時書に酒を飲みにいきホテルに一泊するだとか、兄弟が自宅でテレビを見ながら寛いでだとか、とにかく、予測される様々な事態が、人間の設定と殆ど大差ないのが最大のポイントであると見受けられる。デザインはスポーツ選手、等身は当時放映していた魔神英雄伝ワタルのような三頭身。等身が低い・外見が人間に近いという事で、人間でつちかった、やおい画法技術をほぼそのまま流用する事が出来たのである。
アイアンリーガー以前にも、等身が同じ位のロボット(人間サイズ)は他にもあったが、アイアンリーガーは、ロボやおいが発生し始めた年代の、ロボット作品が各アニメ製作会社で作られ始めた時期に、ロボやおいとしての基本的画法が出来上がろうと画策していたロボやおいファンにとって、丁度いいタイミングで登場した作品であるのは、間違いない。
また、アイアンリーガーがロボやおいの書き手に画法技術の下地を作ったのに対し、映像面でロボやおいに影響を与えるのが東映のロボット番組である。自由度の高いきぐるみ技術などの他に、演出方法として、ロボやおいに順ずる描写が多くある。
現在ではスーパーヒーロータイムと呼ばれる朝の時間帯で、テツワン探偵ロボタックでは番組内で野球拳はするわロボット版の女体盛りをするわ主人公の武器の保管場所が妖しい、特捜ロボジャンパーソンではある意味禁止事項であった主人公(ロボット)とヒロイン(人間)のキスシーンがあり、近年の轟轟戦隊ボウケンジャーではとうとう巨大ロボットと巨大化怪人のキスシーンが公表される。
無論、ロボやおいに限らず東映ロボット作品として、特捜ロボジャンパーソンで描かれた恋人の復讐の為に戦うガンギブソンや、鳥人戦隊ジェットマンの異名である「戦うトレンディドラマ」という優秀な作品が多くある事を忘れてはならない。
ロボット特有の方法の一部
注意 正式な名称は無く、読み手・書き手などにより名称が違うので注意。ここで使用しているのは、その中でも名が通っている物の一例である
- コネクター / コードレス
- いわゆる無線LANやデータの送信によってなりたつ行為。人間では薬といった神経・精神汚染による方法に酷使する。ロボットの認識する外部情報(痛みなど)を快感として認識するように信号を切り替えたり、機体に触れずに快感を与えるなどといった事。専門パーツが存在しないという定義で話を進める設定によく使われる。
- 打撃 / 攻撃
- ロボットのもつ痛みという認識を快感に変えて行う行為または痛みそのものを快感としてうけ取る行為。痛みも快感も『信号』である為、ロボット個人がどう受け止めるかは自由といった行為。人間ではマゾにあたる。
- 合体愛
- ロボットの兄弟特に双子に多く見られる。大半は合体する事を前提とした兄弟であり、兄弟という認識も、元々は合体をよりスムーズに行うためのプログラムの一環である。だが、このプログラムが極度に成果を上げた場合、ナルシズム的状況、近親愛に発展するという事。やおいかどうかは置いておき、疾風アイアンリーガーのキラー兄弟、勇者エクスカイザーのレイカーブラザーズ、微妙な所で勇者王ガオガイガーの氷・炎・風・雷・光・闇の6兄妹(注・双子が三組)、さらに微妙なトランスフォーマー カーロボットのファイアーコンボイとゴッドマグナス、NG騎士ラムネ&40の守護騎士ブルマン&キリマンなどが当てはまる。
- 電脳世界/仮想現実
- コンピュータ上(=サイバースペース)で作られた人工世界。コンピューター内部の擬似空間に各自ロボットの人格データを一時的にダイブインする事ではいり、活動する事ができる。(某インターネットロープレゲームと似たようなもの)そこでは、自身のプログラム解析精度によって、現実世界ではできない『ありとあらゆる状況』を行うことができる。
- 人間も入る事が可能であり、シミュレーテッドリアリティ(Simulated reality)と呼ばれる場合もある。
- テレビ・ゲームなどの実作品では、漫画・ツインシグナル、テレビアニメ・電脳冒険記ウェブダイバー、ゲーム・ロックマンシリーズ、特撮テレビ・電磁戦隊メガレンジャー、洋画・マトリックス・トータル・リコールなど、機械工学又は近未来科学を主設定とした作品で実際に使用されている。
- 超巨大身長差
- 身長1メートル一頭身ロボと、40メートル級八頭身ロボといった、体格が明らかに違うが恋愛をする事。この場合は通常の性行為は不可能だが、先ほど述べた電脳世界やコネクターを使えば、電脳空間内で実際は差がある身長を同身長になるようグラフィックを調整したり、中継機械を使用して神経回路を共有する事などで解決できる。極端な例だが、惑星から変形するトランスフォーマーのユニクロンと、片手・手の平サイズのミクロマン・マグネパワーズのロボットマンといった身長差でも可。
- 体格の違いから起きる、データ処理能力さもまた、電脳空間上では誤差調整処理によって解決できる。
ロボやおい用語
注意 正式な名称は無く、読み手・書き手などにより名称が違うので注意。ここで使用しているのは、その中でも名が通っている物の一例である
- 専門パーツ
- 人間の男性器にあたる。別名アタッチメントツール。後付タイプであったり、用途は色々。
- ダイブイン
- ネットを中継し人格データを電脳空間に接続する事。本体との接続を保ったまま行うものと、パーソナルデータ全てを電脳世界に入れるのと二種類ある。
- テレビ・ゲームなどの実作品では、漫画・ツインシグナル、テレビアニメ・電脳冒険記ウェブダイバー、ゲーム・ロックマンシリーズ、特撮テレビ・電磁戦隊メガレンジャー、洋画・マトリックス・トータル・リコールなど、機械工学又は近未来科学を主設定とした作品で実際に使用されている。(電脳冒険記ウェブダイバーのウェブ(泳ぐ)とダイバー(泳ぐ人)はインターネットウェブの世界に潜る人という意味)ダイブ(潜る)とイン(入る)を組み合わせた言葉。ネットイン、ログインとも言う。
- 有機物 / 無機物
- 金属生命体ロボットと純粋なロボットという意味。トランスフォーマーなどは金属生命体と呼ばれ、種として確定している。逆に勇者シリーズの勇者特急マイトガイン・勇者警察ジェイデッカーと言った、誕生前後全ての工程を人間が設計・製造するタイプは全て無機質系と呼ばれている。ただし、中にはメダロット・ヒカリアン・東映戦隊シリーズのV-レックス・ターボロボ・ターボラガーなど、人間の手によって作られた有機細胞を持つロボットや、トランスフォーマーのゴッドジンライなどロボットに人間の心が宿った者、機体そのものは純粋なロボットだが色々な事情で生命体が乗り移ったロボット(勇者シリーズのエネルギー生命体など)、金属生命体と有機物生命体(人間)との間に生まれた者などが時代と共に増え、組み分けは微妙である。
- ケモノロボ
- ケモショタ・ケモホモひっくるめて動物型ロボットでの萌え属性。獣耳キャラなどのラブリー系から、変形態が犬・竜・虎など機械動物であるなど。後者の場合は圧倒的に攻めが多い。トランスフォーマービーストウォーズシリーズのキャラクターや、ギャラクシーフォースのフレイムコンボイなど。
ロボットによる、有機物(人間)的血族関係について
ロボやおい項目のロボット特有の方法として、合体愛があると述べている。つまり、近親愛の事だ。
人間ならば妊娠する事で子供が生まれ、その子がまた別の人間と子を作り子孫が出来る。植物ならば、オシベから飛び散った花粉がメシベに受粉する事で種が作られ、大地に埋める事で(水栽培も含む)芽が出て花が咲く。しかし、ロボットにとっては、人間の様な妊娠機能は持たず(まず殆ど無い事だが、サンライズアニメの『黄金勇者ゴルドラン』で、あるタイプの女性型ロボットは体内にミニ工場を持ち、くちづけによる情報伝達で子供を生産=妊娠する、成人向けゲーム『人妻戦隊アイサイガー』では、女性型ロボット間による代理出産という珍しい例もある。ハドソンが発売したコンピュータゲーム『ロボットポンコッツ』にいたっては、ロボポンガーデニングなる、ロボットの種を大地に埋める事で誕生するという、メカニズムの常識を超えた方法も存在する)
通常思考で考えれば、これもまたロボットの男子型・女子型が互いのデータの一部を複合させて作るという考えがまず持ち出されるが、洋画・邦画問わず、『ロボットがロボットを作る』という概念は度々危険視され、この事でおきる事件などが実際に作画されている。
- 洋画例
- 邦画例
同人誌では、ジャンルとして兄弟愛とか、姉妹愛があるものの、両方の設定前提には必ず『親近愛によるタブー』が実在する。だがロボットの場合、近親という感覚は薄い場合が殆どである。これは、ロボット=機械が人に作られた存在であるが所以の事であり、実社会においての企業形態の状態をそのまま移行しているからに他ならない。
現実問題としてまずロボットは人間によって作られる。(ソニーのアイボ、サンライズのハロなど)人間が作る以上、なんらかの実用性が必要である。その為、ただ男子型・女子型という理由だけで新型機を作るという製造方法は余りにも非効率的であり、作られた新型機が企業側の求むスペックを満たすという保証は無い。
ロボットもしくは電子機器は、試作品の後に一般普及の製造品が作られ、そこから改良され新型機が作られる。現在普及しているテレビもまた、一般市販品の初期型であるブラウン管の白黒テレビから、ブラウン管方式のカラーテレビと改良され、現在はデジタルテレビ・プラズマテレビと進化している。
人間で例えれば、
- 親=白黒ブラウン管テレビ
- 子供=カラーテレビ
- 孫・子孫=デジタルテレビ・液晶テレビ等
- 子供=カラーテレビ
に、なる。 ロボットにおける親子・兄弟と呼ばれる関係が人間と大差ない状況であるのは、ロボットの存在が一つの種として固定されたという設定である。(タカラのトランスフォーマー、キャッ党忍伝てやんでえのアニマロイド、超特急ヒカリアンのヒカリアンなど)しかし、ロボットアニメ・特撮の主流は人間の手によって作られるロボットである。
では通常における、近親という概念はどうなのか。結論は言って『気がついていない』が大部分。
例題に、『勇者王ガオガイガー』の6人兄妹ロボットを出す。 兄弟の長男・次男は日本で作られた。この長男・次男の製造技術を元に、中国で三男と四男、フランスで長女と次女が作られた。
この場合、三男・四男、長女・次女にとっては、父親とは基本技術を作り上げた日本の開発テクノロジーであり、母親は追加機能を確立した中国・フランス各国の研究機関である。 父親に当たる基本技術を作り上げた日本の開発テクノロジーとは、長男・次男の事であり、この6兄妹は生物学的に見ると、中国の三男・四男とフランスの長女・次女は『母親違いの兄妹』になるが、長男・次男は三男・四男と長女・次女の『父親』になる。
兄弟という概念は無いにしろ、他の例題として『勇者特急マイトガイン』のロボットをあげると、最初に作られたプロトタイプが一体存在し、次に初期ボンバーズと呼ばれる3体が作られた。その後技術の改良を重ね、ガインというリーダー機が誕生。その後に救急ロボットのダイバーズ4体が作られ、最終的に戦闘支援を目的としたマイトガンナーが誕生。
- 親=プロトタイプ・ホーンボンバー
- 子供=初期ボンバーズ三体(三兄弟)
- 孫=リーダー機・ガイン
- ひ孫=救急ロボット・ダイバーズ(四兄弟)
- さらに孫=戦闘支援ロボット・マイトガンナー
- ひ孫=救急ロボット・ダイバーズ(四兄弟)
- 孫=リーダー機・ガイン
- 子供=初期ボンバーズ三体(三兄弟)
マイトガインと同シリーズである、『勇者警察ジェイデッカー』でも、カゲロウという、組織に正規配属されたロボット刑事・シャドウ丸のプロトタイプ(試作機)の存在がある。シャドウ丸は、このカゲロウの機体データを元に改良された存在である事から、カゲロウはシャドウ丸の親機となり上記図式では親子となる。
このように、実際に親兄弟という概念がなくとも、技術的に何らかの関係を持つ場合が多数、もしくは殆どである。(作品中には、ブラックガインと呼ばれる機体があり誕生において兄弟機と記載されるが、ガインの思考を含めた技術をそのまま移行している事で、どちらかというとクローン人間に近い)
しかし、上記の技術的関係をそのまま世界観に持ち込む事は、人間側として管理の混乱を招くものであり、ロボット側としても、誕生する新型という新型が全て自分の兄弟であったり子でもあり、自分の知らない所で勝手に父・母と呼ばれる現象が多発。人間社会におけるロボットの定義とは、あくまで制作側の管理下に存在する。
このあたりの状況を上手くまとめているのが、『製作者が同一であり、基礎技術的関連性のある存在を兄弟とする』というものである。これは、ロボット作品でも広く使われており、現在のロボット兄弟間の常識に近い。
要約すれば、製作者OがSP(護衛)用途目的で女性型の一号機を作り、二号機は一号機の機体を元に男子型に改良、データ管理機能を追加。三号機は二号機の基本的運動機能を元に戦闘型へ。四号機は特殊新素材と新型エネルギー動力炉を搭載した。 などと、一号機から最新型機までの間に存在する技術的関連の流れがあり、設計者が同一人物である場合、これら機体の関係を『兄弟』とする。『鉄腕アトム』や『TWIN SIGNAL』などの作品で広く使われている定義である。
以上の点から、ロボット世界において『近親』という範囲はあらかじめ設定された状態でないかぎり、無いものとする見方が大部分である。
様々なロボットやおい口論について
ロボやおいは文学という物が発明・発展したという見方でいけば、小説家カレル・チャペックが1920年にロボットという存在を言葉として確立した以降に誕生した新しいジャンルである(詳しくはロボット項目の語源参照)。
新しいが為、常日頃、色々な口論・講義などが各ジャンルで絶えない。特に有名なのはトランスフォーマー関係である。
いわゆるG1トランスフォーマー等海外シリーズを重視する派の中で、通称平成トランスフォーマーと呼ばれる和製トランスフォーマーに対して『トランスフォーマーと認めない』という一派が、放映時期的にテレビ放送で和製トランスフォーマーしか知らないファンと熾烈な争いをしている。(海外版及び日本作画移動直後の1980年代と、セル作画技術とCG技術が発達した1990年代~2000年代では画風の差が激しい事が最大の相違点)
他のロボやおいジャンルでも、否定的一派にとって気に食わないサイト、もしくは何らかの個人的やり取りなどでトラブルがあったユーザーに対し、匿名性を応用した2ちゃんねるなど第三者的場所でもって、該当サイトを晒し掲示板と証する場所で文字通り晒され、大抵は抗議すればするだけ相手が精神的苦痛を繰り返すため泣き寝入りをするか、ジャンルそのものに愛着を失いサイト閉鎖・ジャンル凝縮に繋がるなど、実に数多くの口論が繰り広げられている。
熾烈な物もあれば、平和的論議のジャンルもある。例としてSDガンダムがあるので、SDガンダムフォースの三体のガンダムを題材とする。
キャプテンガンダムはネオトピアに存在するSDGと呼ばれる組織が作り上げた純粋なロボットである。この場合彼は問題ない。問題なのは次の二体。
爆熱丸という武者頑駄無はおにぎり、つまり有機物を食べ、かつ彼の種族はガンダムの男女が協力して子供を作るという、まごうかたなき立派な『生もの』。
最後のゼロにいたっては、精霊の樹というでかい植物から湧き出た泉から半透明の光る卵が底から管理者の意思次第で延々と湧き出ては桃太郎よろしく川に流れて適当な場所で孵化して幼児期すっ飛ばして大人の状態でいろんな知恵をもって生まれてくるというとても見事な妖怪ないし化け物・魔物など人知を超えた存在である。
このように、ロボやおいとはロボット同士である事から、生身と人外とロボットが入り乱れるSDガンダムが、果たしてロボやおいとして区切るべきか今でも解決していない。
脚注
- ↑ 以前は『メイン視聴者は男の子であって、女の子に親が買い与えるのはロボットなどではなく、女の子向けの人形なので男の子受しない、女性的外見を持つロボット及び玩具は売れない』というマーケティングが存在しており、多くのジャンルにおいて女性型ロボット玩具の発売と登場は少なかった。トランスフォーマーでは、女性型の変形ロボットを実現するための技術的ハードルが高かったことも相俟って、アーシー等旧作のウーマン・サイバトロンがそろって玩具化されなかったり、本来男性型キャラを日本作画で無理矢理女性化した(ミネルバ等)り、エアラザーを吹き替えで男性化した結果、当時の「テレビマガジン」(2000年3月号)で子供達からツッコミを頂くと言う結果にまでなった。現在では購入層の変化と変形ノウハウの蓄積により、メタルスブラックウィドー・エリアル・クロミア・ブラス・セントナース・レイアース・セレス・ウィンダム(原作バージョン)といった女性型ロボットも発売・発表されている
- ↑ 近年では、ごく一部の特異的ジャンルとして受け止められていた男性成人向け作品でも、ロボやおいの発想を逆転してか、人間的外見を持たないロボットを対象とした成人向け作品が発表、明らかに勇者シリーズ系統のロボット画法の流れを持っていると思われる『淫欲特急ゼツリンオー』の輪王や、女性型ロボット+人妻をモチーフにした『人妻戦隊アイサイガー』のアイサイオーとキョウサイオーなど、新ジャンルとして定着しつつある
- ↑ DVD・LD・セルビデオから地方独特のキャラまで幅は広い。