東急百貨店東横店
東急百貨店東横店(とうきゅうひゃっかてんとうよこてん)は、東京都渋谷区渋谷にある、株式会社東急百貨店が経営するデパート。渋谷駅に直結している。
認知症の客に、同一商品を複数買わせる等のセールス手法に特徴がある。
概要
東急百貨店東横店の前身である、東横百貨店は現在の東館の建物で1934年(昭和9年)創業。1954年(昭和29年)の増築(現:西館)、1970年(昭和45年)の増築(現:南館)で現在と同じ3館体制となる。
なお、渋谷駅街区土地区画整理事業のため、2013年3月31日で東館の営業を終了し、西館と南館に売場が集約される。また、東館の「東横のれん街」は渋谷マークシティEAST MALL地下1階に移設し、2013年4月4日に開業した。
TOKYUポイント加盟店。
認知症女性、服に月50万…百貨店に返金命令(2013年6月)
今年4月には、女性客に4年半で約1100万円分の婦人服を売った東京都内の百貨店に対し、東京地裁が、一部は認知症発症後の売買契約だったと認めて購入代金約240万円の返金を命じた。百貨店側は「特定の病気の人にだけ販売を拒否することはできない」としているが、売り手の姿勢が問われている。
訴えていたのは世田谷区の独り暮らしの女性(78)。渋谷区の東急百貨店東横店のブティックで、2006年からの4年半に280点の婦人服を買っていた。
離れて暮らす弟(70)によると、2010年6月、身内の葬儀に参列した女性の上着とスカートの組み合わせがちぐはぐなことに気づき、自宅を訪ねると、「未開封のブラウスやジャケットが部屋中にあふれていた。ぞっとする光景だった」という。
同年8月に出た病院の診断は「アルツハイマー型認知症で、発症から5年ほど経過」。弟は同百貨店に事情を説明して商品を売らないよう頼んだが、同店は女性への販売を続けた。弟は2011年5月からは女性の成年後見人になり、2012年2月、約1100万円の返金を求めて東京地裁に提訴した。
裁判で採用された証拠では、女性は毎週のように同百貨店を訪れ、ジャケットやコート、ブラウスなどを多いときには月に50万円以上購入。同じ商品を複数回買ったことも、店員からブティックに無関係の健康食品を2万円で買ったこともあった。
フロア案内
詳しくは外部リンクの公式サイトを参照。下記は2013年3月の東館閉店前のもの。
階 | 南館 | 西館 | 東館 |
---|---|---|---|
屋上 | アディダスフットボールパーク渋谷 | ||
10階 | 簡易郵便局(2012年12月31日廃止) | ||
9階 | 東急レストラン街 | ||
8階 | (閉鎖中) | 催物場 | ちびっ子プレイランド |
7階 | 婦人服・洋品 呉服 |
婦人服・洋品 時計・宝飾・メガネ |
アーバンホームショー特設売場 |
6階 | 婦人服・洋品 | 婦人服・洋品 | |
5階 | (閉鎖中) | (閉鎖中) | 婦人服・洋品 婦人肌着・ナイトウエア |
4階 | 紳士服・洋品 | 婦人靴 | |
3階 | 銀座・伊東屋 | ミスターミニット 神戸屋キッチン |
服飾雑貨 ハンドバッグ・服飾小物 銀座線改札口 |
2階 | アーバンファッション街区 ウェストII |
アーバン コスメティックス 〈セカンド〉 JTBトラベランド | |
1階 | アーバンファッション街区 サウスI |
アーバンファッション街区 ウエストI |
アーバン コスメティックス ファースト 東横のれん街 |
B1階 | 東急フードショー 薬品 |
東急フードショー |
建築
その他・エピソード
- 西館の9・10階部分には、1954年(昭和29年)から1985年(昭和60年)まで大劇場「東横ホール」(のちに「東横劇場」と改称)があり、新派劇や落語などの舞台上演の場として日本橋の三越劇場と並んで人気を集めていた。
- ファンキーハットの快男児で主人公 (千葉真一) が、容疑者を追い駆けるシーンの一部を西館でロケーション撮影されている。
- 旧東館は暗渠化された渋谷川の上に建っており、日本唯一の橋上百貨店であった。川の上に建造物を設けることは現行の法律では違法であるが、現行法の成立以前の建築のための特例とされていた。その後東京都が2009年に都市計画変更を実施し、同館を含む約250mの区間は河川から下水に変更された。今後の渋谷駅再開発計画では流路を変更し、雨水貯留槽を設ける予定。下水に変更されたことにより、河川ではなくなった。なお、この東館は2013年3月31日で閉店した。
- 1970~1980年代、関東地区では日本テレビの夕方のニュース番組のローカルパートや「たのきん全力投球!」(TBS)など、東急百貨店提供のテレビ番組で「東横のれん街」のCMが放送されていた。
- 東横店では近年、平日午後6時以降の売上高が伸びており、その中心顧客である働く女性たちに「渋谷でのアフター6を楽しんでもらう」ことを目的に、東横店の女性社員18名で構成されたプロジェクトチーム「渋6組(しぶろくぐみ)」を結成。キャリア女性のための商品やサービスを提供している。
- 多くの特撮映画に登場していることでも知られる。最初に登場したのは1961年(昭和36年)の『モスラ』で、このときはモスラの幼虫に破壊された。また、1999年(平成11年)の『ガメラ3 邪神覚醒』でもガメラによって派手に爆破されるシーンがある。その他、2000年(平成12年)の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』にも登場している。
- 食料品売り場の「東横のれん街」は1951年(昭和26年)に誕生したが、その後の高度経済成長で渋谷駅周辺の交通量が増え、商品搬入のトラックが横付けできなくなった。これを解消するため、1963年(昭和38年)、国道246号を挟んだ東横線高架下に新たな搬入口を設け、地下通路で東横店と結び、通路では無人のカゴがレールに沿って走って行く無人流通システム「フローベヤ」が稼働している。東横店東館閉鎖に伴い東横のれん街は渋谷マークシティに移転、これによりフローベヤもその役割を終えることになる。