高知県
高知県(こうちけん)は、日本の県の一つで、四国の太平洋側に位置する。県庁所在地は高知市。
目次
概要
令制国では土佐国にあたり、県庁所在地の高知市は土佐国の土佐郡に属していた。日本最後の清流といわれる四万十川(しまんとがわ)のほか、水辺利用率全国一の仁淀川、物部川、安田川など四国山地に源を発する清流が多く流れる。室戸岬・足摺岬・龍河洞・四国カルストなど多くの天然の観光資源を有する。
近年は輸入野菜や徳島県や宮崎県などに押されがちであるが、ピーマンやなすやトマト(高知市南部の「徳谷トマト」が有名で、東京など大都市の高級レストランに出荷している)をはじめとする野菜類の促成栽培でも有名で、県中央部の沿岸部(土佐市~芸西村付近)は、ビニールハウスが多く並んでいる。
地理
東西に長い四国の南部、太平洋から四国山地の尾根までの範囲。「海の国」としてのイメージが強いが、高知市から香南市・香美市土佐山田町南部に至る香長平野と南西部の四万十市周辺がやや広い平野となっているほかは、そのほとんどが海の近くまで山が迫る典型的な山国である。
山地率は89%にも及び、全国平均の54%と比べてもその険しさがよく分かる。最高峰は三嶺(山頂が高知県単独の場合は手箱山)。地質的には四万十帯と呼ばれる堆積岩が多い地域で、土砂災害がきわめて多い。その一方、県西部を流れる四万十川、石鎚山から土佐湾に南下する仁淀川、県北部から徳島県へと流れる吉野川など水量豊富な河川が多くあり、近年はカヌーでの川下りをする人が増えてきている。
水不足に悩まされることはほとんどないが、治水は古くからの課題となっており、江戸時代初期の土佐藩奉行野中兼山による大規模な河川改修は県下主要河川のほとんどで実施されている。
高知県沖の太平洋を黒潮が流れており、冬の朝などは海面から湯気が立っているのが見える。気候は温暖多雨で台風の襲来も多く、1951年(昭和26年)以降の台風上陸数は鹿児島県に次いで2番目に多い。太平洋に突き出た足摺岬、室戸岬は強風で知られる。
高知県南西部の山間は大きく開発されることが無く、豊かな山林とダムの無い大きな川が残されている。四万十川は最後の清流として有名である。
主な海
主な河川
主な平野
主な山岳
主な島
隣接している自治体
自然公園
- 手結住吉県立自然公園、奥物部県立自然公園、白髪山県立自然公園、横倉山県立自然公園、横浪県立自然公園、入野県立自然公園、宿毛県立自然公園、龍河洞県立自然公園、中津渓谷県立自然公園、須崎湾県立自然公園、興津県立自然公園、安居渓谷県立自然公園、四国カルスト県立自然公園、北山県立自然公園、魚梁瀬県立自然公園、梶ヶ森県立自然公園、鷲尾山県立自然公園、工石山陣ヶ森県立自然公園
気候
年間日照時間は2000時間を越え、全国1-2位が定位置となっている一方、年間降水量も平野部で2500ミリ前後、山間部では3000ミリを超え、東部山間部の魚梁瀬は4100ミリ程度と日本有数である[1]。よく晴れるが降る時には一気に降る気候であり、このことはあっけらかんとした土佐人の気質に影響を与えているとする説もある。
平野部での積雪はまれであるが、山間部や豊後水道側に開けた県西部の幡多地域平野部では大雪に見舞われることもある。冬は晴れ間が多いため放射冷却が強まった朝などは高知市でも氷点下になることも多いが、日中は暖かい。厳冬期の剣山系、石鎚山系の高い山は雪に埋まる。春は宇和島と並びソメイヨシノの開花前線が全国でも早く訪れることで知られる。夏から秋は頻繁に台風の直撃を受けることがあるほか、台風本体が東シナ海から日本海側を通過する際も南からの温かい湿った風が四国山地に遮られて大雨になることがある。冬は、温暖な気候を求め、スポーツチームが多数キャンプを設置する。
平年値 (月単位) |
西部沿岸部 | 中部沿岸部 | 東部沿岸部 | 内陸部 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
宿毛 | 土佐清水市 清水 |
四万十市 中村 |
黒潮町 佐賀 |
四万十町 窪川 |
須崎 | 高知 | 南国市 後免 |
南国市 南国日章 |
安芸 | 室戸市 室戸岬 |
四万十市 江川崎 |
梼原 | いの町 本川 |
本山 | 香美市 大栃 | ||
平均 気温 (℃) |
最暖月 | 26.7 (8月) |
27.2 (8月) |
26.6 (8月) |
26.3 (8月) |
25.5 (8月) |
26.7 (8月) |
27.2 (8月) |
26.5 (8月) |
26.9 (8月) |
25.8 (8月) |
26.2 (8月) |
23.9 (8月) |
22.8 (8月) |
24.8 (8月) |
25.4 (8月) | |
最寒月 | 6.9 (1月) |
8.6 (1月) |
5.6 (1月) |
6.1 (1月) |
3.9 (1月) |
6.5 (1月) |
6.1 (1月) |
5.5 (1月) |
7.3 (1月) |
7.5 (1,2月) |
4.6 (1月) |
2.4 (1月) |
1.3 (1月) |
3.1 (1月) |
4.2 (1月) | ||
降水量 (mm) |
最多月 | 321.2 (6月) |
346.8 (9月) |
434.9 (9月) |
386.9 (6月) |
479.4 (9月) |
379.5 (9月) |
404.3 (9月) |
335.0 (9月) |
280.5 (6月) |
331.0 (9月) |
343.0 (7月) |
420.3 (8月) |
534.2 (8月) |
407.1 (9月) |
408.8 (6月) | |
最少月 | 55.3 (12月) |
70.3 (12月) |
61.5 (12月) |
54.5 (12月) |
59.0 (12月) |
47.9 (12月) |
52.0 (12月) |
48.6 (12月) |
47.3 (12月) |
70.2 (12月) |
54.8 (12月) |
69.5 (12月) |
62.8 (12月) |
54.9 (12月) |
65.7 (12月) |
人口
600px | |
高知県と全国の年齢別人口分布(2005年) | 高知県の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 高知県
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
高知県(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/39 | |
総務省統計局 国勢調査より |
政治
国政
高知県選挙区参照
県政
歴代公選知事
- 初代 川村和嘉治:1947年(昭和22年)4月21日 - 1947年11月11日・1期
- 2代 桃井直美:1948年(昭和23年)1月10日 - 1951年(昭和26年)11月12日・1期
- 3代 川村和嘉治:1951年(昭和26年)12月16日 - 1955年(昭和30年)12月11日・1期
- 4代 溝渕増巳:1955年(昭和30年)12月12日 - 1975年(昭和50年)12月6日・5期
- 5代 中内力:1975年(昭和50年)12月7日 - 1991年(平成3年)12月6日・4期
- 6代 橋本大二郎:1991年(平成3年)12月7日 - 2004年(平成16年)10月12日、2004年(平成16年)12月1日 - 2007年(平成19年)12月6日・4期
- 7代 尾﨑正直:2007年(平成19年)12月7日 -
市町村合併
- 2004年(平成16年)10月1日: 本川村+伊野町+吾北村=いの町(新設)
- 2005年(平成17年)1月1日: 高知市+鏡村+土佐山村=高知市(編入)
- 2005年(平成17年)2月1日: 東津野村+葉山村=津野町(新設)
- 2005年(平成17年)4月10日: 中村市+西土佐村=四万十市(新設)
- 2005年(平成17年)8月1日: 池川町+吾川村+仁淀村=仁淀川町(新設)
- 2006年(平成18年)1月1日: 中土佐町+大野見村=中土佐町(新設)
- 2006年(平成18年)3月1日: 赤岡町+香我美町+野市町+夜須町+吉川村=香南市(新設)
- 2006年(平成18年)3月1日: 土佐山田町+香北町+物部村=香美市(新設)
- 2006年(平成18年)3月20日: 窪川町+大正町+十和村=四万十町(新設)
- 2006年(平成18年)3月20日: 佐賀町+大方町=黒潮町(新設)
- 2008年(平成20年)1月1日: 高知市+春野町=高知市(編入)
財政
平成19年度
- 財政力指数 0.24
- IVグループ(財政力指数0.3未満)6自治体中5位
平成18年度
- 標準財政規模 2398億9600万円
- 財政力指数 0.23
- IVグループ(財政力指数0.3未満)10自治体中9位
- 経常収支比率 97.4%(都道府県平均 92.6%)
- 実質収支比率 1.3
- 実質公債費比率 16.9%(都道府県平均14.7%)注:平成16年度から平成18年度の3ヵ年平均値
- 人口一人当たり人件費・物件費 18万3023円(都道府県平均 12万4759円)
- 人口100,000人当たり職員数 1,788.88人(都道府県平均 1,173.11人)
- ラスパイレス指数 95.6 (都道府県平均 99.6%)
- 財政力指数が0.300未満のIVグループ(10自治体)に分類されている。
地方債残高
- 普通会計分の地方債残高 7889億2800万円
- 上記普通会計以外の特別会計分の企業債(地方債残高) 547億4000万円
- 一部事務組合分の地方債 208億9700万円
- 第3セクター等の地方債(債務保証等にかかわる債務残高等) 214億3200万円
- 地方債等の合計 8859億9700万円 (連結会計)
- 高知県民一人あたり地方債等残高 113万0666円
平成17年度
- 財政力指数 0.22
- IVグループ(財政力指数0.3未満)14自治体中13位
平成16年度
- 財政力指数 0.21
- IVグループ(財政力指数0.3未満)15自治体中14位
産業
県内総生産額は2兆3223億円(全国第46位)、1人当たり県民所得は約237万円(全国第45位)と経済規模の小さな自治体であり、財政力指数も全国最下位である。
第一次産業
農業
温暖な気候を利用した早場米の産地で、大半の田が8月には刈り入れを終わる。特に早いのはとさぴか、南国そだちなどの品種で7月20日ごろには収穫できる。ビニールハウスによる野菜や花き(花卉)の栽培も盛んで「園芸王国」と称された時代があったが、近年では宮崎県や徳島県、北関東勢に押され気味である。しかし、昭和後期に栽培され始めた花きの「グロリオサ」は世界最大の花き品評会で金賞に輝くなど、園芸業界におけるブランドの価値が高まっている。近年では土佐赤牛や土佐ジローなどのブランドで知られる畜産もみられる。古くから愛玩鶏の産地として知られ、長尾鶏・東天紅・土佐矮鶏などがあげられる。
- なす 全国1位
- きゅうり 全国7位
- ピーマン 全国3位
- ししとう 全国1位
- にら 全国2位
- しょうが 全国1位
- みょうが 全国1位
- らっきょう 全国6位
- 大葉 全国3位
- ゆず 全国1位
- 文旦類 全国1位
- ポンカン 全国4位
- ゆり 全国2位
- スターチス 全国6位
- 宿根かすみ草 全国4位