ファイナルファンタジーXII
ファイナルファンタジーXII | |
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ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発メーカー | スクウェア・エニックス |
運営メーカー | |
発売メーカー | スクウェア・エニックス |
バージョン | |
プレイ人数 | 1人 |
ソフト媒体 | DVD-ROM 1枚 |
稼動時期 | |
運営開始日 | |
発売日 | テンプレート:border 2006年3月16日 テンプレート:border 2006年10月31日 テンプレート:border 2007年2月23日 テンプレート:border 2007年8月9日(インターナショナル) |
販売価格 | テンプレート:border 8,990円(税込み) テンプレート:border 6,800円(税込み・インターナショナル) |
利用料金 | |
使用ブロック数 | |
対象年齢 | CERO:A CERO:B(インターナショナル版) ESRB:Teen PEGI:16+ |
コンテンツアイコン | |
使用可能デバイス | |
必要環境 | |
使用ゲームエンジン | |
使用基板 | |
販売本数 | 出荷510万本(スクウェア・エニックス公式) テンプレート:border約238万本 北米:168万本 欧州:110万本 |
その他の情報 |
『ファイナルファンタジーXII』(ファイナルファンタジートゥエルブ、FINAL FANTASY XII、略:FFXII, FF12) は、スクウェア・エニックスより日本国内で2006年3月16日に発売されたゲームソフト。
ジャンルはロールプレイングゲーム。ファイナルファンタジーシリーズの本編の12作目。プレイステーション2専用。2007年4月26日には派生作品ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイングが発売された。またガンガンパワードに天羽銀による漫画版が連載されている。
目次
概要
戦争を背景に強大な力を秘めた石を巡り、イヴァリースを駆け抜けた人々の物語。当初はPlayOnline用の小規模シミュレーションゲームであり、コマンドを入力すれば自動で進行する手軽なゲームだったが、会社から「FFを作ってほしい」との依頼を受け、『FFXII』のプロジェクトとして動き出した。MMORPGである前作『FFXI』の流れを汲むシステムになっており、意欲的なシステムを多く取り入れている。『PlayOnline』や『FFTA』にスタッフが並行して関わっていた事による製作の遅れ、より良くしようとする意思、シナリオがまとまらなかった為、複数回の延期を経て完成したと後任の河津秋敏は発言。プロジェクト開始当時からプロデューサー、ディレクター、シナリオを担当していた松野泰己は、開発中に病気を患い退社、療養のため原案、シナリオプロット、監修に回っている。発売後に本作のPS2用開発ツールが企業向けに一般公開された。
本作品は当初はファイナルファンタジーシリーズとして制作されていたわけではない背景からもあるように、従来のシステムとは一線を画した奇抜ともいえるシステムが最大のウリである。それゆえゲーム雑誌などでは高評価を得るものの、一方として通販ショップなどのユーザーのレビューでは低評価を下されることも多く、好き嫌いが分かれる作品になっている。
開発年表
開発年表 | 主な事象 |
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2001.1 | プロジェクト始動。 |
2001.7 | 『FFX』発売。 |
2001.12 | 『FFXII』の開発が本格化。 |
2002.1 | クエストがゲーム事業譲渡。 |
2002.3 | 発売予定は2002年-2003年度中。 |
2002.4 | 『FFXII』の特定のキャラに焦点を当てた派生作品の展開について語られる。 |
2002.5 | 『FFXI』、「PlayOnline」のオンラインサービス開始。 |
2002.6 | スタッフ募集。 |
2003.2 | 『FFXII』と世界観がリンクする『FFTA』発売。 |
2003.10 | 発売予定は来年度以降に延期。 |
2003.11 | 六本木ヒルズで『FFXII』製作発表。 |
2004.5 | E3にプレイアブル出展。発売予定は2004年冬-2005年春に延期。 |
2004.11 | スタッフ増員。 |
2005.5 | 発売予定は2005年度に延期。 |
2005.7 | スクウェアエニックスパーティーで発売日が2006年3月16日に決定したと発表。 |
2005.8 | 松野泰己病気降板、退社。河津秋敏がエグゼクティブプロデューサーに就任。 |
2005.11 | 『FFXII体験版』同梱の『DQVIII』北米版発売。 |
2006.3 | サントリーからファイナルファンタジーXII ポーション発売。 |
2006.3 | 『FFXII』発売。 |
2006.5 | 攻略本『FFXIIシナリオアルティマニア』と『FFXIIバトルアルティマニア』発売。 |
2006.6 | プレイステーションアワード2006、ダブルプラチナプライズ賞受賞。 |
2006.9 | 『FFXIIRW』発表。日本ゲーム大賞2006、最優秀賞受賞。 |
2006.10 | 『FFXII』北米版発売。攻略本『FFXIIのあるきかた』発売。 |
ニューヨーク市で、10月11日が「ファイナルファンタジーXII記念日」に制定される。 | |
新日本様式協議会(民営)より、『FFXII』が品位のある日本文化に認定。 | |
2006.11 | 攻略本『FFXIIアルティマニアオメガ』発売。 |
2007.4 | ファミ通アワード2006、大賞"ゲーム・オブ・ザ・イヤー"を受賞。 |
『FFXIIRW』発売。 | |
2007.8 | 『FFXII INTERNATIONAL ZODIAC JOB SYSTEM』発売。 |
主なスタッフ
- 和田洋一 エグゼクティブプロデューサー
- 河津秋敏 エグゼクティブプロデューサー - 降板した松野に代わり就任。
- 松野泰己 原案・シナリオプロット・監修(元プロデューサー・ディレクター・シナリオ) - 開発中にプロデューサー等の役職を降板、同月スクウェア・エニックスを退社。
- 伊藤裕之 ゲームデザインディレクター
- 皆川裕史 ディレクター・ビジュアルデザイン・キャラクターモデル統括 - 降板した松野に代わり担当。
- 村田琢 スーパーバイザー
- 崎元仁 メインコンポーザー - ベイシスケイプ所属。岩田匡治・松尾早人も数曲の作曲を担当している。
- 植松伸夫 挿入歌・作曲・一部BGM原曲 - 開発中に退社し現在スマイルプリーズ所属。
- 吉田明彦 メインキャラクターデザイン
- 片野尚志 チーフプログラマー
- 前廣和豊 バトルデザイン
- 皆葉英夫 アートディレクション - 開発中に退社し現在デザイネイション所属。
- 上国料勇 背景アート・アートディレクション
- 秋山淳 イベントディレクション
- 藤井栄治 ムービーディレクション
- 生田美和 シナリオ
- 渡辺大祐 シナリオ
- 葉加瀬太郎 メインタイトル曲の作曲、演奏。エイペックス所属。
- アンジェラ・アキ 挿入歌・作詞・演奏・歌唱 - ソニー・ミュージックエンタテインメント所属。
- 天野喜孝 イメージイラストレーション・タイトルロゴデザイン
- 坂口博信 スペシャルサンクス・プロジェクト立ち上げ - ミストウォーカー所属。
ゲームシステム
フィールド
『FFXI』と同様の360度フル3Dフィールド。
ゾーン方式を採用しているが、巨大な3Dエリアを分割する形式を採用しているため、リージョン内のマップは景色が繋がっているように見える。また、従来のRPGのエンカウント制を廃止し、フィールド上をモンスターが徘徊し、戦闘が画面の切り替えなしで行われるシームレス制を採用した(ミストナックや一部の敵の技、召喚魔法などの演出で画面が切り替わることもある。今回はリアルタイム処理でなく、ムービーが再生される形式になっている)。
前作以前でのシームレスバトルでは抜刀した際にフィールド音楽と戦闘音楽が切り替わったが、今回はアクションゲームのように移動時も戦闘時も一定の曲が流れ続ける。戦闘音楽があるのはボス戦のみで、勝利のファンファーレもこの戦いに勝利した時のみ流れる。
右アナログスティックでカメラアングルを前後・左右の自由な方向に動かすことが可能。ズーム機能や主観視点などはない。
飛空艇はワールドマップに点在するポイントを選択する事によって移動する。
アクティブディメンションバトル (ADB)
アクティブディメンションシステムは従来のファイナルファンタジーシリーズやクロノトリガーに採用されていたアクティブタイムバトルシステムの派生版である。アクティブタイムバトルとは異なり、フィールドと戦闘が一体化したシームレスバトルを採用、戦況がリアルタイムに変化する。
従来のアクティブタイムバトルではゲージが満タンまで蓄積した順にコマンド入力が可能となっていたが、アクティブディメンジョンバトルではコマンドを選択してからゲージが初めて溜まりはじめ、満タンになると選択したコマンドが発動する。言い換えれば、コマンドを入力しなければキャラクターはただ呆然と立ち尽くすだけである。ゲージが満タンに溜まりきっていない状態で他のコマンドを入力すれば以前に入力したコマンドはキャンセルされ、また最初から新しいコマンドのゲージを最初から蓄積する。
『X』以前の敵前逃亡には運の要素が絡んでいたが、今回は一定の追尾範囲から一歩でも離れればそこで敵が引き返すようになった。ただし逃げる進路によっては、より多くの敵を呼ぶリスクもあり、遠距離攻撃を仕掛けてくる敵などの追従を受ければ無傷で逃げきるのは難しい。
バトルメンバーは魔法や攻撃の対象になっていなければ自由に変更可能。最大でメインメンバー3人+ゲストNPCの計4人。プレイヤーはメインメンバー3人のうち1人をリーダーとして操作でき、いつでも自由にリーダーを変更できる。また、リーダーを先頭に仲間は自動的に陣形を作って追従する。
「コンフィグ」でコマンド選択中に戦闘が止まる「ウェイト」と、コマンド選択中にも戦闘が続く「アクティブ」の2種類のバトルモードを選択できる。また「バトルスピード」で戦闘の進行速度(ゲージの蓄積する速度)を6段階から選択できる。
ガンビットシステム
プレイヤーは戦闘メンバーの操作をガンビット(簡易スクリプト)でオートにさせる事ができる。キャラの役割分担を明確化させ、今までのRPGにありがちだった同じキー入力を手作業で繰り返す必要性は無くなった。また、ガンビットによる行動中でもプレイヤーがコマンドを直接指示した場合は、まずはそちらを優先する。組み合わせによってはプレイヤー自身がまったく操作することなく戦闘を展開させることも可能である。
ガンビットは従来のRPGにもよく搭載されていたAIを自ら手軽に編集できるという点で特筆すべき機能である。
「対象となる条件」と「動作」の二つの文章を組み合わせることで1つの文章を作り、キャラクターにその動作を行わせるのが特徴。例えば「HP10%以下の仲間」「ポーション」を組み合わせると、HP10%以下の仲間にポーションを使ってくれるようになる。一方で別パターンとして「HP10%以下の仲間」「たたかう」を組み合わせてしまうと瀕死の仲間に対してとどめをさしてしまう事になる。ただし一見してプレイヤーに不利になりそうな組み合わせであっても、状況や戦略によっては有益な入力となる場合もあり、奥深い。
1キャラ毎に12個までの動作を設定でき、番号の若い順から行動の優先度が高くなる。
例えば回復行動の下に戦闘行動をセットすれば戦闘中でも体力が消耗すれば回復する。逆に戦闘行動の下に回復行動がセットされていれば、戦闘が一通り終わって安全な状態になってから回復を開始するようになる。場合によっては戦闘中に回復行為を行うのはゲームのテンポを悪くする場合もあり、状況に応じてセットしなおすのが好ましい。
また、いつでもガンビットのON/OFFを切り替える事が出来る。
初期の構想では「駆け出しの盗賊」や「ポーションの使い所」といった完成品のガンビット・プログラムをアイテム感覚で装備し、ガンビットの装備のセットの仕方も成長にも関わる予定だったが、全てのプレイヤーが満足のいく行動が実現できない事から『FF4』のモンスタープログラムを参考に現在の形式になった。
因みに、ガンビットとはチェス用語である。チェスではギャンビット (Gambit)と言われる。
成長システム・ライセンス
基本能力値はレベルおよび一部ライセンスによって変化する。キャラクター毎の個人差は若干はあるものの、戦闘に大きく影響するほどではない。経験値によるレベルアップではHP・MPが主に上昇し、その他の能力の上昇は僅か。
武器・防具・アクセサリ・魔法・技は店で購入するだけでは装備できず、ライセンスボード上に存在する各装備ライセンスを習得することで装備できるようになる。習得にはそれぞれ必要なポイント(ライセンスポイント:LP)が設定されており、必要ポイントを消費することで習得する。
ライセンスにはキャラクターを強化するライセンスもあり、能力値上昇やガンビット枠増加、召喚、ミストナック習得などがある。やり込めば最終的に召喚魔法(1つにつき1キャラしか習得できない)以外全てのライセンス習得が可能になる。
装備品
「武器」「盾/矢/弾」「頭」「体」「アクセサリ」の5つの部位に、ライセンスで習得した装備アイテムを装備させることができる(一部の装備アイテムはライセンスが不要)。
武器は片手用の「片手剣」「斧」「ハンマー」「ダガー」「メイス」「計算尺」と、両手用の「両手剣」「刀」「忍刀」「槍」「棒」「弓」「ボウガン」「銃」「ロッド」「杖」「ハンディボム」の計17種類に分けられ、種類によって射程距離やダメージ計算に適用されるパラメータなどが異なる。この内、弓、ボウガン、銃、ハンディボムは一緒に「矢」や「弾」を装備しなければならない。
防具には魔法防御力を上げる頭用のものと、物理防御力を上げる体用のものがあり、それぞれHPを増加する「軽装備」、力を増加する「重装備」、魔力を増加する「魔装備」の3種類がある(「頭用の軽装備」は魔法防御力とHPを上げる)。また、片手用の武器を装備している場合に限り、回避率を上昇させる「盾」を装備できる。
アクセサリは特定の状態異常を防ぐ、常時魔法効果を付与する、特定の「技」の成功率が上がるなど、装備することで様々な効果を得られる。
技
MPを必要としない特殊な行動。その代わりに自分の全HPと引き換えに行動するなどリスクの大きい技が多く、使い方が難しい。魔法と同様の形で使用できるようになる。
ミストナック
ミストナックはいわゆる必殺技である。ライセンスボードで1キャラクターにつき3種類習得できる。
ミストナックにはレベル(1-3)が存在する。ミストナックの発動にはレベルに見合った「ミストカートリッジ」を消費する。ミストカートリッジとはMPの最大値分を表すが、レベル2のミストナックを習得するとMP最大値が2倍(=ミストカートリッジが2つ)、レベル3のミストナックを習得すると3倍(=ミストカートリッジが3つ)に増える。
ミストナック使用中に、画面上に表示されているボタンを押す事で他のキャラクターのミストナックに繋ぐ事ができる。連携回数には上限があるものの、ルーレットで回数を増やす事が出来るため、運次第で制限時間の続く限り無限に繋ぐ事もできる。低レベルなミストナックほど連続して繋がりやすい。
召喚獣
ボスモンスターとして登場する召喚獣を倒すとライセンスボードに召喚ライセンスが現れ、それを習得すると召喚可能になる。ただし習得できるのは召喚獣1体につき1人のキャラクターだけである。召喚するためには上記ミストカートリッジを消費せねばならず、強力な召喚獣ほど消費数が多い。
召喚するとフィールド上は召喚者と召喚獣だけになり、召喚獣は独自のガンビットによって行動する(プレイヤーによるガンビット設定もOFFも不可)。プレイヤーが指定できるのは「召喚帰れ」のみで、召喚獣は勝手に戦って勝手に帰って行く。
各召喚獣は必殺技とも言える独自の召喚技を持っている。ほとんどの召喚獣は使用制限時間に達すると発動するが、中には召喚者が石化中など、特殊な条件で発動する者もいる。使用制限時間は2分。
召喚獣の名称(ベリアス・マティウスなど)は、『FFT』のボスだったものが多い。従来のシリーズに登場したラスボスと同じ名称の召喚獣も登場する。また、FFTAに「神獣」として登場する召喚獣のすべてが本作に召喚獣として登場するが、これは本作の召喚獣が先に開発され、その一部がFFTAに流用されたためである。一方シヴァやリヴァイアサンなど、従来シリーズの召喚獣はアルケイディア帝国軍の戦艦の名称として登場する。
ストーリーを進める上で倒す必要はないが、各地に封印されている隠し召喚獣も存在する。隠し召喚獣に会うための条件が一種のミニゲームとなっている。
召喚魔法の威力は普通に戦うより弱く、むしろ召喚ライセンス獲得毎にラスボスが強化される裏やり込み要素の方が意味が大きい。
モブ関連
- モブ
- 迷惑すぎて討伐依頼が出されたモンスターをモブという。
- モブはシナリオの進行によって増えるほか、特定のモブを倒したりクランランクが上昇することによっても増えていく。
- クラン
- モブを狩る組織。
- 王都ラバナスタの「セントリオ」、空中都市ビュエルバの「ディアトリマ」、港町バーフォンハイムの「ブッカブー」など、各地に存在している。この内、所属する事が出来るのはセントリオクランのみである。
- モブ討伐は、セントリオや街の掲示板で確認し、依頼主と手続き(契約)をする事で可能になる。報酬は装備品やアイテム及びギル。
- モブと依頼主には物語があり、モブ討伐がきっかけで探索可能なエリアが広がったり、サブシナリオが進行したりする事もある。
- クランにはランクがあり、モブやモンスターを倒すことでクランポイントが貯まり、討伐モブ数とポイントでランクが上がっていく。
- ハントループ
- モブとは違った、モンスターの突然変異をレアモンスターといい、遭遇することをエンゲージと呼ぶ。
- 各地方でそれぞれ出現条件が違うレアモンスターを討伐し、手に入れたエンゲージアイテムをフォーン海岸のハントループ本部の売店へトレードする事で店の品数が増えていく。
- 基本的にレアモンスターの出現条件はノーヒントであるため、『FFXI』のようにリアルでの情報交換や解析も必要になる。
- クランレポート
- モブリスト・ハントカタログの2種類がある。
- モブリストは依頼状況や依頼人の居場所、討伐状況、経緯などが確認できる。
- ハントカタログは、それまでに倒したモンスターの情報が確認できる。モンスターを倒した数が、それぞれ設定された値に達すると追加情報が載る。
金銭システム・交易品
本作では基本的に、モンスターを倒してもお金(ギル)が手に入らない(ただし、フィールドにいる、シーク族やバグナムス族などの亜人類は除く)。
モンスターから手に入れた「おたから」を売買する事で生計を立てるシステムとなっている。売った「おたから」の内容、組み合わせ、個数によって「交易品」が増え、強力な物から役に立たない物まで手に入る。下部に大まかな商品説明があるが、購入するまで詳しい内容、個数はわからない(「ポーションパック」など推測しやすい物もある)。
ゲーム進行
PS以降のFFシリーズらしく、シナリオを進めるとリアルタイム・プリレンダ両方のムービーで物語が説明される。開発中はフィールドのままイベントに画面の暗転なく進むという説明だったが、製品版ではハイポリゴンキャラクターのムービーイベントに切り替わるようになっている。メインシナリオはすべてムービー形式に統一されたためFFX以前にあったようなセリフ分岐によるイベントの変化はない。
フィールドマップは、通常のプレイでは発見できないエリアやダンジョンも多数あり、ストーリーに関わる場所以外は、基本的に自由に移動できる。
ミニゲーム
実質モブ討伐がミニゲームと言えるが、その他にもミニゲームが存在する。「太陽石」「倉庫番」「スピーチ」「伝言」以外は物語の本筋とは関係がない。
- 太陽石
- 乾季の草原に点在する石から、太陽のエネルギーを採取するというミニゲーム。
- 倉庫番
- ダルマスカ宮殿で、ヴァンが警備兵の場所を操作しつつ移動するという内容。
- スピーチ(俺が、バッシュだ!)
- 空中都市ビュエルバで、ヴァンがバッシュに成りすましスピーチをする事で、市民の中に潜んだ解放軍の反応をさぐるという内容。フルボイス。
- ビュエルバ魂
- 都市ビュエルバの各所に置いてある(落ちている?)、「ビュエルバ魂」という酒を集める。売店で売ることもできるが、近くにいる市民に高額で売却できる。市民に売った場合はその場で酒を飲み、独自のリアクションをする。
- ピリカの腕章
- 空中都市ビュエルバの某所にいるピリカから腕章を預かり、某所にあるピリカの日記を取ってくる。ピリカとの約束を破って日記を覗くと、ある現象が発生する。
- 伝言
- 帝都アルケイディスで伝言を伝えるゲームができ、一定数以上伝える事で上級階級エリアに行けるようになる。
- かけっこ
- 港町バーフォンハイムのリッキーと話しかける事でかけっこの競争ができ、勝つことで難易度と貰える景品の価値が上がっていく。ルールは○と×のボタンを交互に連打。ボタンがそれぞれ左足、右足に対応しており、どちらかを若干多く入力するとその方向へ進むようになっている。『FFIX』におけるミニゲーム『かけっこ』のアレンジであると思われる。(相手のレベルが100まであることや、ボタンの連打方式から推測することが可能。)
- 釣り
- 東ダルマスカ砂漠の集落で条件を満たすとプレイできるミニゲーム。『FFIX』のミニゲームである『ちゃんばら』をアレンジした反射神経ゲームで、あるアイテム入手に必要な交易アイテムが手に入る。
インターナショナル
『ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアックジョブシステム』 (INTERNATIONAL ZODIAC JOB SYSTEM)は、海外版に新たな要素を追加した英語音声版。キングダムハーツシリーズとは違い英語へのリップシンクは行われていないが、回顧録のナレーション・各地方の訛りが追加されている。オリジナル版のスタッフは既に別のプロジェクトで動いているためストーリーやモンスターの追加はなく、インターナショナル版のディレクターである伊藤裕之と海外版スタッフが、システム面の追加・調整を中心に開発している。 PS4 版はこれがベースになっている
ゾディアックジョブシステム
「ライセンスボード」が12種類に増え、それぞれのボードにジョブの特性が盛り込まれている。各ジョブは黄道十二宮に関係したものとなっており、キャラクターはその中から1つだけジョブを選ぶことができる。ただし選択以降のジョブ変更は出来ない。しかし、全員同じ職業を選んだとしてもエンディングを見られるよう、一部の敵キャラクターについてはかなりのステータス変更が成されている。尚、「蛇使い座」などの名目で13番目の隠しジョブが出ることもない。
ライセンスボードを設定した後は成長する方向には強い制限がかかり、自由にライセンスボードから成長できたオリジナル『FF12』とは正反対の方向性で、『FF11』のジョブレベル開放制をアレンジしたようなシステムである。しかしこれにはFF11同様の欠陥も存在し、ライセンスに装備やステータスの成長要素まで同梱(むしろアビリティが控えめな本作ではこちらがメイン)したために未成長だったジョブに転職すると極端に弱くなりPT間のパワーバランスが取れない問題点がある。ジョブ専用とキャラクター固有ライセンスを別ければいいだけなのだが、作り直すには人員不足なうえこれ以上煩雑にしたくないという理由からジョブチェンジの廃止によって調整した。
なお発売前の広告(インターナショナルアルティマニアに収録)で吉田明彦が主人公達が転職したジョブの姿に変化しているイラストを書き下ろしているが、製品版でキャラクターの衣装がジョブに準じた物に変わる事はない。
ジョブは以下のものがある。
- 白羊宮 - 白魔道士
- 武器:ロッド、防具:魔装備、魔法/わざ:白魔法
- 金牛宮 - ウーラン
- 武器:槍、防具:重装備、魔法/わざ:蘇生(自分のHPと引き換えに戦闘不能の味方を回復)など
- 双子宮 - 機工士
- 武器:銃など、防具:軽装備、魔法/わざ:勧誘(敵を短時間「混乱」させ、味方にする)など
- 巨蟹宮 - 赤魔戦士
- 武器:メイス、防具:魔装備・盾、魔法/わざ:いくつかの白魔法と黒魔法など
- 獅子宮 - ナイト
- 武器:剣、防具:重装備・盾、魔法/わざ:暗黒(自分のHPを消費して敵を攻撃)など
- 処女宮 - モンク
- 武器:棒など、防具:軽装備、魔法/わざ:アキレス(敵に弱点をつくる)など
- 天秤宮 - 時空魔戦士
- 武器:ボウガン、防具:重装備、魔法/わざ:時空魔法
- 天蝎宮 - ブレイカー
- 武器:斧・ハンマーなど、防具:重装備・盾、魔法/わざ:破壊(敵のパラメータを減少させる)など
- 人馬宮 - 弓使い
- 武器:弓、防具:軽装備、魔法/わざ:密猟(瀕死の敵をアイテムに変化させる)など
- 磨羯宮 - 黒魔道士
- 武器:杖、防具:魔装備、魔法/わざ:黒魔法
- 宝瓶宮 - もののふ
- 武器:刀、防具:魔装備、魔法/わざ:暗闇殺法(「暗闇」のときのみ出せる必殺技)など
- 双魚宮 - シカリ
- 武器:ダガーなど、防具:軽装備・盾、魔法/わざ:応急手当(瀕死の味方のHPを回復)など
トライアルモード
セーブデータを読み込み、様々なモンスターと連戦できるモード。1ステージにモンスターと数個のトレジャーがあり、10ステージ毎にアイテムやギルが獲得できる。またこの時にセーブも可能。全部で100ステージある。
その他変更要素
- 全編英語音声、日本語字幕。
- 主にダルマスカはアメリカ(ヴァン・パンネロ:NYの若者、アーシェ・バッシュ:フォーマルな英語、バンガ:南部訛り)、アルケイディスはイギリス(ヴェイン・ラーサー:上流階級、バルフレア・シド:演劇調、帝国兵:下町訛り)の方言を採用している。その他、ヴィエラ族の古英語調・ダランのアラビア訛り・アルシドのイタリア訛りがある。
- ゲームクリア後の「強くてニューゲーム」モードの追加。
- トライアルモードクリア特典の「弱くてニューゲーム」(初期レベル固定)モードの追加。
- 各種モンスターの調整(基本的に最大HPを下げ、攻撃力が上がっている)
- 特定の装備が入手しやすくなっている。(宝箱の設定の変更等)
- 敵に与えられるダメージの上限が9999で固定だったものを、それを超えるようになった。
- グラフィックは使いまわしだが、いくつかの新アイテム・新武具が追加。
- ケアルやファイアなどが単体から範囲魔法になり、効果(威力)も上がる。
- ゲストキャラクターや召喚獣を操作することができる。ゲストについてはガンビットも変更可能。
- L1ボタンで、イベントシーン以外が約4倍に高速化するモードに切り替えられる。
- 新たなガンビットの追加及び入手手段の緩和(初期からほとんど購入できる)。
- ワイド画面(16:9)に対応。(4:3と選択可能)
- 拉致監禁シーンが収録されているため、レーティングが引き上げられる(A→Bへ引き上げ)。
世界設定
イヴァリース
『FFXII』におけるイヴァリース (Ivalice)は、世界の名前ではなく、あくまで一部の地域の名称である。イヴァリースは『FFT』、『FFTA』でも物語の舞台になっており、前2作と『FFXII』は世界観と時間軸を共有しているようにも解釈できる。年代としては『FFXII』の時代が最も古いとみられている。また、一部『ベイグラントストーリー』の世界とも時間軸を共有しているとされる。
『FFTA』で主人公達が創造したイヴァリースは、一部のキャラクターが同じで世界観が似通っているものの、彼等が直前までプレイしていた劇中劇「ファイナルファンタジー(『FFXII』であると考えられる)」をイメージして創造したという設定になっている。これは、歴史的にはほとんど関わりのないパラレルワールドと見られる。ただし、『FFTA』の主人公達が住む「現実世界」の街、「St.イヴァリース」は『FFT』、『FFXII』、『ベイグラントストーリー』と歴史がつながっていると解釈できる。
また『FFXIIRW』は、イヴァリース地域外に存在する「プルヴァマ(浮遊大陸)」群が主な舞台となっている。
世界観
ファイナルファンタジーシリーズの中では、『FFX』、『FFXI』に引き続き全世界が描かれない形の世界描写となった。様々な種族が共存しており身分制なども存在する。
宇宙こそ出てこないが、砂漠に拓かれた文明や空を飛び交う乗物、人間以外に知能を持つ様々な種族の存在など、スター・ウォーズを彷彿とさせる世界観である。
ミスト
『FFXII』のミストは、空気中を流れる微量の魔法エネルギーを指す。普段は不可視だが、濃度が高くなると色味がつく。生活エネルギーとして重要な役割を果たしている。「霧じゃないわ、ミストよ」という台詞が示すとおり、英語の「MIST」とは別の意味で、ゲームオリジナルの造語である。
圧縮されるミストのエネルギーを利用したグロセア機関で飛空艇を飛ばすことが出来るが、ミストが異様に高濃度である場所、ヤクトでは、普通の飛空艇は飛行することができない。
本作では、MPはミストと密接な関係がある。歩くだけでMPが回復するのはミストの力によるものであり、ミストの濃い場所ほど速くMPが回復する。パーティメンバーが使うミストカート(ミストナック・召喚獣)も、ミストの力を発揮させたものである。
魔石・破魔石
- 魔石
- ミストを含む鉱石で、クリスタルと呼ばれる事もある。ミストを放出することによって効果を発揮する。
- 多岐に渡る用途で媒介として利用される「魔法石」、物を浮かせる力を持つ「飛空石」、ミストの動きを察知して物事を記録することが出来る「記憶石」、などがある。
- 破魔石
- 膨大なミストの力を秘めた石。「暁の断片」「黄昏の破片」「夜光の砕片」の3つが存在する。魔石と違ってミストを放出するだけではなく、吸収もできる。人の手によって製造された「人造破魔石」を研究する者もいる。また、破魔石は断片にすぎず、その元となる巨大な破魔石「天陽の繭」も存在している。
飛空艇
機体に搭載した飛空石より発生した浮力を使い、船体を浮かせ、プロペラ、グロセアエンジンで飛行する。イヴァリースに満ちたミストが動力である為、ミストが異常な地域・ヤクトでは飛行はできない。飛空艇以外にも大型空母アレキサンダー、空中要塞バハムートが存在する。
地上では人体には影響が無いが地上で使用する機械類を侵食する「ミミック菌」と呼ばれる細菌が蔓延しているため、地上での交通機関は成長せず、飛空挺が大きく発達することになった。また、戦争においては空中では近代的な飛空挺戦が繰り広げられる一方、地上では歩兵やチョコボ騎兵などを使った中世的な陸戦が繰り広げられているというある種異様な光景が見られる。
飛空艇の名称は、シュトラール以外はいずれも過去のFF作品に登場した召喚獣や人名が由来となっている。
- シュトラール (Strahl)
- バルフレアの愛機。開発元は本社をアルケイディスに構えるYPA社であり、元の名は「YPA-GB試作戦闘機」。
- リヴァイアサン (Leviathan)
- リヴァイアサン級戦艦1番艦で、アルケイディア帝国軍第8艦隊の旗艦である。西方総軍ガルテア機動軍に属する第8艦隊は対ロザリアの最前線に配備されている精鋭の部隊であり、当艦隊以外も強力な艦隊が名を連ねる。ここからヴァルファーレまでの名称の由来は、いずれも過去の作品の召喚獣の名前である。
- イフリート (Ifrit)
- 第8艦隊に属するイフリート級巡洋戦艦の1番艦。攻撃力に優れる。帝国軍の主軸としても活躍する。
- シヴァ (Shiva)
- 比較的新型の軽巡洋艦。最前線の部隊である第8艦隊と第12艦隊に配備される。
- カーバンクル (Carbuncle)
- 第8艦隊に属するカーバンクル級軽巡洋戦艦の1番艦。ルビーのような赤い装甲版が特徴的。
- カトブレパス (Catoblepas)
- 大型空母アレキサンダーが旗艦である第12艦隊に属する駆逐艦。飛空挺艦隊では配備数も多く、スタンダードな艦艇。
- アトモス (Atomos)
- アルケイディア飛空挺艦隊に標準配備された揚陸艇。物資・兵士の輸送が主な任務。
- パンデモニウム (Pandaemonium)
- アトモスと同型だが、ジャッジ専用の揚陸艇。
- ヴァルファーレ (Valefor)
- アルケイディア軍が採り入れた戦闘艇。
- ゼザ・サーゲイト (Xezat Surgate)
- 解放軍軍艦隊に属する航空空艦。ゼザ・サーゲイト級航空母艦は解放軍の主力である。「ゼザ」および下の「ガラフ」は、いずれもFFVに登場する「暁の四戦士」の名前であり、「サーゲイト」および下の「バル」は、それぞれが治めていた国の名前。
- ガラフ・バル (Galaf Bal)
- ゼザ・サーゲイトと並ぶ解放軍軍艦隊の空母。ガラフはFFVのパーティーメンバー四人のうちの一人の名前。
- レギナ・ヒルダ (Queen Hilda)
- 解放軍軍艦隊に属する巡洋艦。レギナ・ヒルダ級巡洋艦はゼザ・サーゲイト級に足りない火力を補う為の支援を行う。ヒルダはFFIIのフィン王国の王女の名前である。
ジャッジ・ジャッジマスター
前バレンディア暦486年、帝政に移行したアルケイディアは、皇帝が軍部出身とのこともあり、軍が政治を私物化するという問題を抱えていた。前バレンディア暦615年、その状況を打破すべく法務庁(司法局の前身)を総括していたソリドールが立ち上がり、軍部との権力闘争に勝利する。皇帝に就いたソリドールは、軍部の粛清と法改革を決行し、軍が政治に関与できない制度にした。その新制度の中でも強力な権限を与えられたのが「公安総局」である。
公安総局は全部で18局あり、18人の局長を「ジャッジマスター」、総勢2500人の局員を「ジャッジ」と呼ぶ。特殊騎士のジャッジは、軍の監査・指揮権限を持ち、「法の番人」として警察機構、検事、裁判官、処刑人の役割も持つ。またソリドール家の武装親衛隊でもあり、実質ソリドール家が軍に関与する為の仲介役にもなっている。それぞれの局が役割を分担しているのではなく、その時の必要に応じてあらゆる役割を担う。
国家
戦争をテーマにしたRPGらしく、劇中には様々な国家が登場する。
- ラバナスタ・旧ダルマスカ王国 (Kingdom of Dalmasca)
- 主人公の母国。ゲーム進行の上で活動の拠点であると同時に、ヒロイン・アーシェの王権復権が目的となる。
- アルケイディア帝国 (Archadian Empire)
- 主人公達とゲーム上の「敵」となる国。イヴァリース全土を侵略する事が国家目的であり、破魔石の力も狙っている。
- ちなみに「アルケイディア」とは「理想郷」の意味。
- ナブラディア王国 (Kingdom of Nabradia)
- 帝国の侵攻と謎の爆発で滅亡した国。プレイヤーにとっては任意探索形式のダンジョンでしかなく、過去の回想や資料でのみ語られる。
- ロザリア帝国 (Rozarrian Empire)
- ワールドマップの行動範囲内には登場しない国家。主にNPCが外交面で登場。
- ランディス共和国
- ワールドマップの行動範囲内には登場しない国家。ある人物達の祖国として語られる。
自治都市・集落
- 空中都市ビュエルバ (The Skycity of Bhujerba)
- 市街エリアとダンジョンを持つ空中浮遊都市。ストーリー以外でもサブイベントで度々訪れる。
- ガリフの地ジャハラ (Jahara.Land of the Garif)
- ガリフ族の集落。召喚ライセンスを一定数集めるとヘネ魔石鉱・最深部への扉を開放してくれる。
- エルトの里 (Eruyt Village)
- ヴィエラ族の集落。露店では金のアミュレットが購入できるため、ライセンスシステムのバランスが倍に一変する。ダンジョン内の町のためか、陸地(集落除く)では唯一チョコボ屋がない。
- 神都ブルオミシェイス (Mt.Bur-Omisace)
- イヴァリース全土に伝わっている宗教、キルティア教の聖地。
- 港町バーフォンハイム (The Port at Balfonheim)
- プレイヤーが訪れる順番では最後の街。武器も防具も普通に買える物はここが最上となる。ミニゲームの「かけっこ」が楽しめる。
宗教
- キルティア教
- イヴァリース全土で信仰されている宗教。一神教であるか多神教であるかは不明。教会は政治的権力を持たず、総本山である神都ブルオミシェイスはいかなる国家にも属していない。
種族
- ヒュム族 (Hume)
- いわゆる「人間」。種族の中で圧倒的に多くイヴァリースの知的生命体の40%はヒュムという説もある。平均寿命は70歳前後で他の種族に比べ、短命である。身体能力も知能も特別高くは無い。だがヒュム族は強い繁殖能力と探究心を持ち、世界中に活動範囲を広げていった。
- 他の種族と比べて、加齢による外見の変化が激しい、暮らす地域によって衣装も大きく異なる。
- ヴィエラ族 (Viera)
- 深い森に住んでいることから「森の民」と呼ばれる種族。森の精霊の声を聞き、天候や森の生き物の動きを感じ取れる。
- 長い手足と兎のような長い耳、銀髪を持つ。寿命はヒュムの3倍程度で子供のうちはヒュムと同じ成長速度だが、成人になると以降は容姿が変わらない。ヒッピー思想に酷似した考えを持っている。
- モーグリ族 (Moogle)
- 全身をふわふわの毛で覆われた、ぬいぐるみのような種族。自分のことを「モグ」と呼び、語尾に「クポ」とつけるため、愛らしい印象があるが、性格は現実的且つクール。手先が器用で、複雑な機械の設計や開発を得意とする。
- 従来のFFシリーズに登場した同名の種族とは外見が異なる。
- バンガ族 (Bangaa)
- 爬虫類から進化した種族。寿命はヒュム族の1.5倍-2倍ほどあるが、繁殖能力は低い。乱暴者と見られがちだが、種族としてのバンガ族は生活水準、知能はヒュムと変わらない。
- 耳が長く垂れ下がり、全身が鱗に覆われ、蜥蜴のような顔立ちだが、トカゲ呼ばわりを嫌う。体色も赤・青・黄・緑・灰と多彩で体色によって気性、身体能力がおおよそ決定する。フィールド上を徘徊し、襲ってくる者もいる。
- シーク族 (Seeq)
- にぶそうな外見と裏腹に、動作が俊敏で腕力、体力が高い。一方知能が低く種族全体の中では喧嘩っぱやく良識が弱い。
- 足が短く、豚のような外見をしている。身長はヒュムと同程度だが、横幅は倍以上ある。
- ン・モゥ族 (Nu Mou)
- 学問と音楽を愛し、ヒュムの3倍以上の寿命を持つ少数種族。
- 痩せて骨ばった身体に獣のような手足と長く太い尾を持ち、毛で覆われている。
- 幼少時から白髪で老人のような顔つきをしている。身長は130-150cm程度で背筋が丸まっているため小柄な印象を受ける。先端が輪のようになっている長く垂れた耳が特徴でここに装飾品をつるす者もいる。
- 繁殖能力が低いが知能が発達しており、ミストへの感応力の高さから高度な魔法をあやつる。知性と思慮深さと穏やかさから多くがキルティア教の長老として信徒達を導く立場にある。
- 召喚獣の伝承などを今に伝える。
- ガリフ族 (Garif)
- 巨体で仮面を被った種族。成人の身長は2m以上あり、筋肉質で褐色の体毛に覆われている。戦士として能力が高い。しかし性格は温厚且つ慈悲深く、殺しは好まない。その能力は殆どが集落の守備や、狩猟に使われる。ガリフ族は集落ごとに質素に暮らし族長や長老が権限を持つ。独自の知識や伝承を語り継いでいる。集落付近のフィールドを散策しているが、プレイヤーが殺害しても特にペナルティはない。
- ウルタン・エンサ族 (Urutan Yensa)
- 甲殻類から徐々に進化した二足歩行を行う亜人種。
- 外皮は非常に硬く、表面は針のように硬い剛毛でおおわれている。容姿が極めて醜く恐ろしいため、普段は全身を布でおおっている。性格は極めて好戦的であり、動物の鳴き声のような言語を用いることから決して人間社会に馴染むことはない。知能は低く指があまり発達していない為、複雑な道具や機械は使用することができない。
- 女王を頂点として部族ごとにまとまり、国土をもつ風習はないが縄張り意識が非常に強く、同族間の争いが今も後を絶たない。
- 大砂海を縄張りとしており、砂魚を手なづけて砂海を駆ける。ウルタン・エンサは古代ガルテア人がつけた呼び名でエンサ大砂海の王を意味する。
- ウルタンエンサ族の中でも特に凶暴な者Urutan Exileは仲間達から追い出され、レアモンスターと化している。
- バクナムス族 (Baknamus)
- 頭頂部に小さな角をもつ人間によく似た亜人種。神話に登場するゴブリンに例えられることも多い。
- 体は比較的小柄で、成体でも150cm程度にしかならず、人間の子供程度の大きさしかない。
- 彼らにとって大気中の酸素は猛毒であるため、常にガスマスクをつけて生活している。
- 知能はそれなりに高く、武器や魔法を使いこなし、ガスマスクを作り上げるなど手先も器用。
- 現在彼らの大半が低所得者層に分類され、凶暴・強欲で多くの犯罪に荷担していることから、人々は彼らを差別し、忌み嫌っている。
- 前バレンディア暦704年にナブラディア王国滅亡後、死都と化したナブディスを根城としている。
- マインドフレア族 (Mindflayer)
- 軟体生物から進化した亜人種。
- 他の種族に比べて知性に優れ、精神波を操る攻撃で相手を苦しませる。性格は邪悪で、他の種よりも進化した高等種としてのプライドが高い。そのため、知能生物の苦しむ姿を何よりも好んでいる。
- イヴァリース中世でもその姿を見ることができる数少ない亜人種。
- オキューリア族 (The Occuria)
- 伝承では神とされているが一種族に過ぎない。創生以来数万年を生きており、不滅なる者The Undyingと自分達を呼んでいる。精神と肉体を分離することができ、精神を離脱させて世界を見渡すことができる。生きとし生ける者は不滅なる者の下で皆平等と考えており、傲慢で多種族を見下す傾向が強い。
- 前バレンディア暦700年代より数千年の昔は神の時代と呼ばれ、この地に破魔石という絶対的な力を以って君臨。イヴァリースの地上に存在する万物を支配し意のままに使役していた。
- かつて人間たちが知恵を得る前に栄えていたという伝説の古代文明の遺跡を作ったのは彼等と考えられ、リドルアナ大灯台や古代都市ギルヴェガンがその遺跡と思われる。
- イヴァリースを支配していた彼等だがある日を境に彼らが作った古代都市ギルヴェガンにこもり、歴史の表舞台から完全に消える。支配者を失ったイヴァリースはしばし混乱の時代を迎え新たな力の時代へと歩みを進める。しかしオキューリアは代行者としてギルヴェガンへ呼び寄せた者に契約の証として天陽の繭から破魔石を切り出す剣を授けることで神のように人間の歴史を動かしてきた。
- かつてガリフ族に契約の剣を与え破魔石を手に入れさせるが使いこなせなかった為取り上げ、その後魔人ベリアスを従えたレイスウォール王を認め覇者の剣を授けた。3つの破魔石を手に入れたレイスウォールはイヴァリースを平定している。
- 前バレンディア暦706年、天陽の繭を破壊され破魔石が力を失ったその後については不明。
- レベ族
- 運動能力に優れた少数種族。
- 教養が深く、武人として優れており、オンドール侯爵の相談役兼護衛役として登場している。
- ヘルガス族
- 知能の高い長命な獣系の少数種族。細身長身で毛並みが白く、手指が長いのが特徴。
- FF12ではアナスタシスのみが登場している。
- リザードマン
- 詳細は不明で種族に分類されるかどうかも不明だが、バンガ族に近い種であるという。知性は低く、野蛮であるためバンガ族から敵対種として嫌われている。
キャラクター
メインキャラクター
プレイヤーが操作できるメインキャラクター達。ゲームデザイン上、ユニット性能は平坦な設計になっている。全員、右利き。
- ヴァン (Vaan) 声:武田航平
- 本作の主人公。17歳 男性 身長170cm ダルマスカ王国出身。
- ダウンタウンに住む明るい少年。過去に流行り病や戦争などで家族を失うも、ミゲロの元で前向きに生きている。普段はスリなどの軽犯罪で生計を立てている。そして将来、空賊になることを夢みている。過去の経緯からダルマスカの人間でも一際強くアルケイディアに嫌悪感を抱いていた。
- 名前はフランス語で「風」を意味するventを由来とし、ミストナックでも竜巻を起こしている。FFシリーズでサブキャラを題材にした外伝を除き、唯一プレーヤーが名前をつけられない主人公でもある。
- 開発初期の頃は、アクアという名前の癒し系キャラクターだった。
- 物語の主人公ではないため、ストーリー中盤から台詞が減り、FFシリーズの主人公の中でも存在感は薄め。
- アーシェ・バナルガン・ダルマスカ (Ashe B'Nargin Dalmasca) 声:園崎未恵
- 19歳 女性 身長165cm ダルマスカ王国出身。
- ダルマスカ王国唯一の王位継承者。アルケイディアとの戦争で兄達を全て失い、更にその後のアルケイディア侵攻により父ラミナスと夫ラスラを失う。祖国解放、そして復讐を誓い「アマリア」と名乗り、ラバナスタ解放軍の要として行動する。
- 開発中に顔デザインが変更され、発表済みの全イラストに修正が入った。
- アマリアはゲストメンバーとして最初に加入した時の名で、アーシェとは設計上別ユニットである。
- バルフレア (Balflear, Balthier) 声:平田広明
- 22歳 男性 身長183cm アルケイディア帝国出身。
- 近頃頭角を現してきた空賊。何物にも束縛されず、飛空艇シュトラールに乗って自由に世界を駆け巡る、「物語の主人公」を自称する。普段はやる気のないそぶりだが、アルケイディアに関することになると真剣な表情を見せる。
- フラン (Fran) 声:深見梨加
- 年齢不詳 女性 身長187cm(耳含め216cm) エルトの里出身。
- バルフレアの相棒。空賊で、更にヒュムと行動を共にするという、ヴィエラ族としては珍しい存在である。一族特有のミストへの敏感さに加え、魔法・武芸全般に通じ、機械にも強く、シュトラールの副操縦士も務める。
- パンネロ (Penelo) 声:三国由奈
- 16歳 女性 身長160cm ダルマスカ王国出身。
- ヴァンの幼馴染。2年前の戦争で家族全員を失うも、両親の商売仲間だったミゲロの手伝いをしながら前向きに暮らしている。危なっかしいことに首を突っ込み、犯罪にも手を染めているヴァンのことを常に心配している。ダルマスカ騎士団に所属していた兄達に武術を教わり、ある程度戦闘もこなせる。設定では踊りを得意と発表されていたが、製品版にその描写はなくミストナックにその片鱗が僅かに見える。
- 序盤で育てても、再加入した際にレベルがリセットされるため育てるには注意が必要。
- バッシュ・フォン・ローゼンバーグ (Basch Fon Ronsenberg) 声:小山力也
- 36歳 男性 身長180cm ランディス共和国出身。
- ダルマスカ王国の将軍で、その正義感や、誠実さと優しさから広く国民に慕われていた。表向きでは2年前のダルマスカ国王暗殺事件の首謀者として処刑されたと公表されていたが、実際はナルビナ城塞の地下独房に幽閉されている。
- 当初はバッシュの前身となるキャラクターが主人公として企画が進行していた。
ダルマスカ軍、解放軍軍属
- レックス (Reks) 声:田坂秀樹
- 享年18 男性 ダルマスカ王国出身。
- ヴァンの2つ年上の兄。ダルマスカ国王暗殺を阻止すべくナルビナ城塞に向かい、バッシュが国王を殺害する現場を目撃してしまう。彼自身も傷を負わされ、バッシュと共に暗殺者の一味として捕らえられた。その後、薬や魔法で自白を強要されたせいで廃人同然の身となり、1年後にこの世を去った。
- チュートリアルキャラクターとして、バッシュに歩き方やセーブの仕方を教わった。
- ウォースラ・ヨーク・アズラス (Vossler York Azelas) 声:寺杣昌紀
- 38歳 男性 ダルマスカ王国出身。
- ダルマスカ王国の元将軍。和平調印式で国王が暗殺されたのを知り、アーシェを保護する。後にラバナスタ解放軍の一員として行動する。
- ラスラ・ヘイオス・ナブラディア (Rasler Heios Nabradia) 声:加瀬康之
- 享年18 男性 ナブラディア王国出身。
- ナブラディア王国の第二王子にして、アーシェの夫。結婚式典を執り行った数日後にアルケイディアの侵攻を受け、祖国ナブディスが消滅する。父と一族の無念を晴らすべくバッシュと共にナルビア城塞に赴いたが、敵の放った矢によって致命傷を負い、戦死する。
- ハルム・オンドール4世 (Halim Ondore IV) 声:野島昭生
- 61歳 男性 空中都市ビュエルバ出身。
- イヴァリースにおける戦争について綴った回顧録の著者。ガルテア連邦から続く名門、オンドール家の当主で、空中都市ビュエルバの侯爵。2年前の国王暗殺の件で、アルケイディア拠りの発表をし、帝国に服従を示したが、裏では解放軍への資金援助を行っている。
- レダス (Reddas) 声:菅生隆之
- 33歳 男性 出身地不明。
- バーフォンハイムを取り仕切る空賊。二刀を操る豪腕剣士であり、ドラクロア研究所に潜入した際にヴァン達と意気投合する。
- ガンビットの設計に癖があり、敵を手当たりしだい攻撃してしまう独走型ユニット。
アルケイディア帝国・ジャッジマスター
- ヴェイン・カルダス・ソリドール (Vayne Carudas Solidor) 声:飛田展男
- 27歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- グラミス皇帝の三男であり、次期皇帝の最有力候補。頭が切れ、人身掌握術に長けており、更に軍事に関しては驚異的手腕をもち「戦争の天才」と称される。かつて帝国軍を率いてナブラディア、ダルマスカを攻略し、その2年後に陥落させたラバナスタの執政官へ就任する。
- ラーサー・ファルナス・ソリドール (Larsa Ferrinas Solidor) 声:今井由香
- 12歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- グラミス皇帝の四男で王位第二継承者、ヴェインに次ぐ次期皇帝候補。幼少より帝王学を学び、わずか12歳だが政治・軍事に通ずる天才少年。
- パーティーにもゲスト加入し、ポーション系アイテムを無限に使用してくれる優秀なユニットだが、インター版ではラーサー専用ポーションが廃止され実質弱体された。
- グラミス・ガンナ・ソリドール (Gramis Gana Solidor) 声:柴田秀勝
- 63歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国第11代皇帝。ソリドール家の皇帝としては4代目となる。31歳で即位し、侵略的政策を採り続けるが、病魔に冒され、老いていくに従い穏健派へと転向している。息子・ヴェインに不信感を抱いている。
- ジャッジ・ガブラス (Judge Gabranth) 声:大塚明夫
- 36歳 男性 ランディス共和国出身。
- アルケイディア帝国のジャッジマスター。第9局を治める。敵国の撹乱のための情報操作、情報収集を主に担当している。バッシュとは過去に深い因縁をもつ。
- 本作のタイトルロゴにもなっている。
- ジャッジ・ギース (Judge Ghis) 声:大林隆介
- 41歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国のジャッジマスター。2年前に行方不明になったジャッジ・ゼクトに代わり、第13局を治める。戦艦リヴァイアサンの指揮官で、帝国軍最強と言われる第8艦隊を率いている。
- ジャッジ・ベルガ (Judge Bergan) 声:秋元羊介
- 33歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国ジャッジマスター。第2局を治める。武力行使や他国の侵攻を主な任務としている。「力こそが正義」を信条とする武力主義者で、ヴェインに深く心酔する。
- ジャッジ・ドレイス (Judge Drace) 声:沢海陽子
- 33歳 女性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国ジャッジマスター。第4局を治める。グラミス派であり、ガブラス同様に皇帝の意思で動く。
- ジャッジ・ザルガバース (Judge Zargabaath) 声:大友龍三郎
- 39歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国ジャッジマスター。第10局を治める。己の使命に忠実なる寡黙且つ、滅私奉公を信条とする。
- ジャッジ・ゼクト (Judge Zecht)
- 33歳 男性 出身地不明。
- アルケイディア帝国ジャッジマスター。第13局を治める(現在はギースが引き継いでいる)。2年前、アルケイディアがナブラディアに侵攻した折に帝国軍の指揮を取っており、ドクター・シドの命令で破魔石を使用し、ナブディスを消滅させ、自身も消息を絶つ。
- シドルファス・デム・ブナンザ (Cidolfus Demen Bunansa) 声:大塚周夫
- 58歳 男性 アルケイディア帝国出身。
- アルケイディア帝国の秘密機関、ドラクロア研究所の所長。通称ドクター・シド。アルケイディア帝国の名門であるブナンザ家の当主で機工士の中で最高の称号の「エトーリア」をもつ。ヴェインとは歳を越えた親友かつ同志。敵では召喚魔法を使用できる唯一の人間。バルフレアの父。
- 元老院 (Senator) 声:糸博、仲木隆司
- 現最高責任者はグレゴロス議長。
- アルケイディア帝国の特権階級「政民」の中でも名門出の者達が集まった議会。帝国が共和国だった時代から存在する組織。国政に直接携わりはしないが、皇帝の決定を審査・承認・退位する権限を持つため、政治において強大な発言権を持っている。
ロザリア帝国
- アルシド・マルガラス (Al-Cid Margrace) 声:若本規夫
- 27歳 男性 ロザリア帝国出身。
- ロザリアを支配するマルガラス家の一人。軍を動かす力は無いが諜報員達を総括しており、情報力は高い。アルケイディアとの戦争は祖国と一族の利益にはならないという判断から戦争回避の手段を模索する。プレイボーイで常に美人秘書を従わせている。
不滅なる神=オキューリア
- ゲルン王 (Gerun King) 声:巴菁子
- 年齢不詳 性別不明 出身地不明。
- 古代都市ギルヴェガンに存在するオキューリアの一人。生物学上は一種族であり、神は自称に過ぎないが、破魔石の力で人間に歴史を導かせてきた。
- ヴェーネス (Venas) 声:津野田なるみ
- 年齢不詳 性別不明 出身地不明。
- オキューリアの一人だが、オキューリアが導く歴史を快く思わない異端者。帝国に協力する見返りに、破魔石の破壊を企む。
サブキャラクター
- ミゲロ (Migelo) 声:斎藤志郎
- ヒュム換算で40-50歳 男性 ダルマスカ王国出身。
- 貿易で成功したバンガ族の有力商人。帝国軍部にも顔がきき、出入り業者として色々な品を取引している。戦争で家族を失ったヴァン、パンネロを引取り、実の子のように育ててきた。面倒見がよく、孤児たちに仕事を世話することもある。
- カイツ (Kytes) 声:石村知子
- 9歳 男性 ダルマスカ王国出身。
- ラバナスタのダウンタウンで暮らす戦災孤児の少年。元気でヴァンを兄、パンネロを姉のように慕っている。
- モンブラン (Montblanc)
- 年齢不詳 男性 出身地不明。
- セントリオクランのリーダーを務めるモーグリ。ある強大なモブを倒す目的の為にクランをラバナスタに立ち上げたが、相当熟練したメンバーにしか事情を話さない。入団希望者に自ら厳しい面接をするものの、決断は早い。六人兄弟の長男で、ノノ、ソルベ (Sorbet)、ホルン (Horne)、ハーディ (Hurdy)、ガーディ (Gurdy)という弟妹がいる。
- ノノ (Nono)
- 年齢不詳 男性 出身地不明。
- モーグリの機工士で、バルフレアの飛空艇、シュトラールの整備を担当する。
- ダラン爺 (Old Dalan) 声:小山武宏
- 推定70歳以上 男性 ダルマスカ王国出身。
- 周囲の子供から「ダラン爺」と呼び慕われる一風変わった老人。ラバナスタ以外の情勢にも詳しく、外国の者にも顔が利いたりと、経歴には謎が多い。解放軍とも繋がっている。
- バッガモナン (Ba'Gamnan) 声:石井康嗣
- 年齢不詳 男性 アルケイディア帝国出身。
- バンガ族の悪名高い賞金稼ぎ。高額の賞金首を標的にする。非常に柄がわるく貪欲で手段を選ばないことで知られている。バルフレアを眼の敵にする。
- ギジュー(Gijuk 声:茶風林)、リノ(Rinok 声:氷青)、プワジ(Bwagi 声:桐井大介)という手下のバンガ族を引き連れる。
- ダグザ (Daguza) 声:巻島直樹
- 年齢不詳 男性 アルケイディア帝国出身。
- ナルビナ城塞地下牢の横暴シーク、部下達と共に、囚人に対して非道の限りを尽くしている。
- 覇王レイスウォール
- 年齢不詳 男性 出身地不明(バレンディア大陸のどこか)。
- バレンディア大陸の貴族。七百十数年前、イヴァリース統一に向けて遠征を開始、神々から授かったとされる剣と破魔石を手に、混乱の渦中にあったイヴァリース全土をたった十数年で平定した。前バレンディア暦元年、ガルテア連邦を興し、同暦44年に死去する。
- 最長老ウバル=カ (Chieftain Uball-Ka) 声:坂口芳貞
- 年齢不詳 男性 アルケイディア帝国出身。
- ガリフの里のひとつ、ジャハラの集落を束ねる老人。魔石について深い知識を持つ。
- ヨーテ (Jote) 声:榊原良子
- ヒュム換算で30代なかば 女性 エルトの里出身。
- 数多くあるヴィエラの隠里の中でも排他的なエルトの里の族長で、フランとミュリンの姉。ヴィエラの掟を絶対とし、掟を破るものには厳しい罰を与える。
- ミュリン (Mjrn) 声:ゆかな
- ヒュム換算で10代後半-20代なかば 女性 エルトの里出身。
- エルトの里に住むフランとヨーテの妹。不安定だが高い潜在能力をもつ。若いせいか好奇心旺盛で、他の種族との接触に興味を持つ。
- 大僧正アナスタシス (Gran Kiltias Anastasis) 声:大木民夫
- 184歳(ヒュム換算で120-130歳) 男性 神都ブルオミシェイス出身。
- キルティア教の頂点に立つ聖人。覇王レイスウォールに王家の審判を託された大僧正の現職でダルマスカ、ナブラディアの王国の王位継承を承認する立場にある。発言力は各地に強い影響を持つ。夢を通じ全てを見通すために「夢見の賢者」の異名をもつ。
- ギルガメッシュ (Gilgamesh) 声:郷里大輔
- 年齢不詳 男性 出身地不明。
- お尋ね者のリスキーモブ。最強の剣を集める事を趣味としており、歴代のスクウェア・エニックス作品に登場する主人公たちの持つ剣の偽物を多数所有する。「イヴァリース一のツワモノ」を自称する。
ストーリー
あらすじ
ダルマスカは、ロザリア・アルケイディアの2大帝国の領土の狭間に位置する小国であり、アルケイディアの半統治下にあった。飛空艇で大空を駆け回る義賊・空賊に憧れる少年ヴァンは、帝国の執政官・ヴェインに一泡吹かせようと、王家の宝を盗みに城へと侵入する。そこから、ヴァンは2つの帝国を巡る数奇な運命に巻き込まれていく。
基本的に破魔石を入手するため東西南北の遺跡を巡り、アーシェのダルマスカ復権・打倒帝国に協力する事がストーリーの骨子。主人公・ヴァンは護衛的役割でモンスター達を倒していく。ストーリーの中心的存在である従来のFF作品の主人公達と比べ、ヴァンは客観的な立場でストーリーに関わっており、オンドール公の回顧録にも歴史の主要人物として触れられない。過去のFF作品と比べると珍しいものといえる。
解説
基本的に明るく進むが、プレイヤーが望めば暗い部分も見えてくるため、FF12の物語には「毒」があると説明されている。ストーリーが分岐するわけではないが幅があり、プレイヤー個人の解釈に委ねられる部分が多く存在する。
『タクティクスオウガ』『ベイグラントストーリー』などでシナリオ面でも大きく注目されていたプロジェクトリーダーの松野泰己は製作途中に降板し、残したプロットを元に別のライターが加筆している。(そのためか、召喚獣ザルエラは、ベイグランドストーリーのキャラをモデルとしている。)サブイベントが豊富な一方、本筋のシナリオはほとんど基本枠のみで構成されており、全てのプレイヤーがゲーム中のイベントシーンの本来の意味を十分に理解出来るとは言い難い。これは、ストーリーの意味・意図をあえて限定せずプレイヤー個人の解釈に任せる、という制作者側のスタンスによるものだったが、同時に「ストーリーが薄っぺらい」などの本作に多く見受けられる批判を生む結果にも繋がってしまったと言える。アルティマニアでは、制作者インタビューにおいて制作者側の意図が明かされた。また意図的に必要最低限のイベントを残し本編をカットしたとの発言もある。
降板騒動が既に賛否両論の的になった感もあるが、この点においては松野の「サブイベントは多いが、本編だけを追うとシナリオは短い」と合致しているとも出来る。
国内版では拉致監禁シーンがカットされ、血飛沫等も自粛し、CERO審査ではAとなっている。ただし、インターナショナル版は拉致監禁シーンのみ収録されているためCERO審査ではBとなっている。
音楽
作曲はプロデューサーの松野と縁の深い崎元仁が担当し、正規のFFシリーズでは初めて植松伸夫以外の作曲家が音楽を担当することになった。2003年当時は全楽曲の担当を希望していた植松は降板に近い状態となったが、植松作曲のFFの定番曲であるプレリュード、FFのテーマ、チョコボのテーマ等は崎元の手によりオーケストラ・アレンジされ、ゲーム中で使われている。
基本的に一部を除いてムービーでもプレイステーション2の内蔵音源を使用しているが、最初から内蔵音源に打ち込むのではなく、豊かな音数を用いて内蔵音源を使わずに作曲し、それを内蔵音源に落とし込むという手法が取られた。オリジナルサウンドトラックCDにはこの原曲が収録されている。また戦闘音楽が廃止された理由は、シームレスに音楽を繋げようとすると内蔵音源のチャンネル数に制約を受けてしまうからと語っている。
PS2で増えたチャンネルをシステム側に譲り、少ない音源でメロディ重視の作曲をしていた植松とは対極的だが、オーケストラ的な豪華さ、音の厚みなどは増しているとも言える。
- メインタイトル曲
- メインタイトル曲は葉加瀬太郎による交響詩「希望」。2006年3月1日にシングルCD発売。
- 葉加瀬太郎の「希望」は、第四楽章ロマンスがドラマ『中学生日記』「キャッチボール(2006年9月18日放送)」のエンディングテーマに、第5楽章ロードオブホープがフジテレビ「女子バレーボールワールドグランプリ2006」のオープニングに使用されるなど業界からの人気が高い(いずれもクレジット表記なしの採用)。後付であり、元々は崎元仁による「FINALFANTASY XII」がメインテーマとして扱われており、OSTのCMはこちらが使用されている。
- 挿入歌
- スクウェア・エニックスパーティーで植松伸夫により本作のテーマソングとして「Kiss Me Good-Bye」が発表され、ボーカル・ピアノ・作詞をアンジェラ・アキが担当することが発表された。同曲はアンジェラ・アキの3rdシングルとして2006年3月15日にリリース。
- サウンドトラック
- オリジナルサウンドトラックは4枚組CDで2006年5月31日発売。同サントラ収録の曲はベイシスケイプの崎元仁、岩田匡治に加え、葉加瀬太郎と植松伸夫、松尾早人が参加している。
- iTunes Custom Card(予約特典)
- iTunes Storeでサウンドトラックの中から特定の5曲がダウンロードされる。なお同Storeで扱っている曲はベスト盤と題された11曲のみで、挿入歌「Kiss Me Good-Bye」も所属レコード会社の関係上扱っていない。なお、カードに記載されているインフォメーションセンターの電話番号は間違っているため繋がらない。
ムービー
当初はシームレスの特性を生かし、イベントが移動フィールドのまま繋がる構想だったが、今回も『X-2』同様にゾーン切り替えの際にローポリゴンからイベント用のハイポリゴンに切り替わるようになった。
- リアルタイムポリゴン
- シームレスバトルの負荷軽減のため、ポリゴンは『FFX』の半分にまで減ったが、細部に至るテクスチャの描き込みによって、『FFX』と比べても遜色がないグラフィックになっている。
- プリレンダムービー
- イベントがフィールドとの違和感がないハイポリゴンが中心となっているためか、ADBで表現できない集団戦や広大なフィールドの紹介が中心になっている。開発時期が他の大型プロジェクトと重なったためか、歴代シリーズを手がけたビジュアルワークスの熟練スタッフが殆ど参加せず、今回が初めての新人か『FFX-2』からの若手が中心になっている。そのため今回のプリレンダムービーはビジュアルワークススタッフの『FFVIIAC』に比べて映像や肌の質感がややリアリティを削減した作りとなっている。また、前プロデューサーのリアルさはいらないという趣旨の発言も影響していると思われる。
コラボレーション・商品
- サントリーから回復アイテムの「ポーション」をイメージした「ファイナルファンタジーXII ポーション」が発売。
- SCEよりFFXII同梱のプレイステーション2FFXII限定カラー発売。
- ファイナルファンタジーXII メモリーカード8MB
- スクウェア・エニックス公式ファイナルファンタジーXIIワールドプレビュー
- Vジャンプ緊急増刊シリーズの役割を自社が担当した物。
- ファイナルファンタジーXII First Fligt Guide
- Vジャンプ発行の序盤までを攻略した最速攻略本。
- ファイナルファンタジーXII 公式ガイドブック
- ゲーム中盤までを攻略した公式ガイドブック。
- ファイナルファンタジーXII バトルアルティマニア/シナリオアルティマニア
- スタジオベントスタッフ編集、スクウェア・エニックスより2006年6月16日発売。
- ファイナルファンタジーXII アルティマニアΩ
- 2006年11月24日発売。
- ファイナルファンタジーXIIのあるきかた
- CB'sPROJECT編集、スクウェア・エニックスより2006年10月27日発売予定。旧スクウェア系列作品の「あるきかた」シリーズはこれが初。
- コードレスコンパクトコントローラ FFXIIVer
- ロジクールより発売。
- ファイナルファンタジーXII ピンズコレクション
- Vol.1・2発売。
雑誌等の統計
- クロスレビュー
- ファミ通の編集者4人がゲームの点数を付けるクロスレビューでは史上6作目・プレイステーション2ソフト史上初かつ唯一の40点満点だった。
- 読者調査
- アンケート調査では、10点満点中8点-10点が最も多かった。30歳以上のユーザーの評価が最も高く、18-20歳のユーザーの評価は他の年代に比べて低かった。高い評価を付けたユーザーは『FFX』からプレイした人が多いという結果が出た。
- キャラクターの人気調査では、主人公のヴァンが大筋のストーリーに絡むところが少ないためか、人気ベスト5に入らず、バルフレアやバッシュといった仲間が人気を集めた。また、シリーズの中ではベスト2・3に入る作品という感想が最も多かった。
- レビュー
- 電撃プレイステーション編集者4人がゲームの点数を付けるレビューでは90、90、95、90だった。また、バイヤーによる6段階評価では、一番評価の高いSが付けられた。
- 読者や業界関係者の投票による歴代TVゲーム人気ランキングでは、8位にランク入りした。[1]
コミック版
「ファイナルファンタジー」「悠久の風伝説 ファイナルファンタジーIIIより」「チョコチョコボンボン」「ファイナルファンタジーXI(未完)」に続く公式FFコミックである。ガンガンパワードNo.1(2006年6月、隔月刊として再編された最初の号)から連載開始、作画は天羽銀。物語はゲームでは中盤の、ナムタルエンサ砂漠から始まる。ゲーム本編では見受けられない展開も挿入されているが、監修された公式・公認設定かは現時点ではスクウェア・エニックスからの公式発表はない(海外版の追加描写を描いたという可能性もある)。
関連項目
- ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング
- ファイナルファンタジーXII ポーション
- ファイナルファンタジータクティクス
- ファイナルファンタジータクティクスアドバンス
- ベイグラントストーリー
- ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial
脚注
外部リンク
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