「初音ミク」の版間の差分
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2007年10月24日 (水) 17:14時点における版
初音ミク(はつね みく)とは2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェアおよび同ソフトのイメージキャラクターの名称である。
目次
概要
ソフト「初音ミク」
初音ミクは歌声ソフトウェアシンセサイザの一つである。ヤマハの開発した音声合成エンジン『VOCALOID 2』を採用し、日頃DTMと馴染みのない客層にもアピールする「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」の第1弾として発売された。
本ソフトは声優・藤田咲の声をベースに作成された音声ライブラリを基に音階と歌詞を入力することで人間に極めて近い発音を伴った歌声が合成できる。基本的にはボーカル部のみで伴奏を伴った楽曲を制作するためには別途伴奏パートを用意する必要がある(ただし、演奏パートまで本ソフトで作成された曲も存在する)。
従来の同系統のソフトより人間の声に近く、本格派シンガーでは「あまりに生々しくなってしまうのでは」[1]との考えから、「未来のアイドル」をコンセプトに設定している。
本ソフトは年間1,000本売れれば大ヒットというDTMソフトウェアのジャンルにおいて、発売後2週間で3,000本以上という異例の売れ行きを見せ[2]、発売から3週間でサウンド関連ソフトのシェアの30%を占めるようになった[1][3]。2007年10月10日現在では15,000本を売り上げている[2]。体験版を収録した『DTMマガジン』2007年11月号は通常より相当数を発行したにもかかわらず3日で完売したうえ、ネットオークションで高騰する事態になっている[2]。
キャラクター「初音ミク」
声に身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から[1]、『初音ミク』にはバーチャルアイドルのキャラクターが設定されている。デザインはイラストレーターのKEIによる。
髪は青緑色でくるぶしまで届く長さのツインテール。衣装はヤマハのシンセサイザー・DX7をモチーフとしており[4]、黒を基調として所々に青緑色の電光表示をあしらっている。1983年に発売されたDX7はデジタルシンセサイザーの普及に貢献したヒット商品でありこれにちなんで初音ミクを広く認知して欲しい・一時代を築いて欲しいとの願いを込め、ヤマハの担当者を説得した上でデザインに採用したという[4][5]。左上腕部には赤色で「01」のサインが入るが、これはVocaloid2シリーズで最初に発売された製品であることを表す。
名前の由来は『VOCALOID2』シリーズの「初めての音」から「初音」、将来の音楽の可能性から「未来」(ミク)とされた[6]。
プロフィール
公式プロフィールのページによるキャラクターの設定は以下の通り。
なお、得意なテンポ・音域に関してはあくまで目安で実際は非常に広い範囲で歌えるとしている[7]。また、得意なジャンルに関してもユーザーが様々なジャンルの楽曲を投稿するうちに歌謡曲や童謡など多くのジャンルに使い方次第では十分対応できることも実証されている。
デモソング
公式プロフィールのページでデモソングの試聴ができるようになっている。
- 名称不明:バラード(0:51)
- かくれんぼ:ポップス(1:53)/作詞・作曲・編曲:クロキヨースケ
- 名称不明:ポップス(0:53)
外部の反応
ニコニコ動画で話題を呼ぶ
本ソフトの普及・話題作りには動画投稿サイト「ニコニコ動画」が大きな役目を果たしている。
発売間もない2007年9月上旬頃は既存の楽曲を『初音ミク』に歌わせたカバー曲が多くを占めていた[8]が徐々にオリジナル曲が増え始める。9月20日に投稿された『みくみくにしてあげる♪』は8日間で50万回以上再生され[8]、秋葉原で販促用の店頭デモにも使用されるなど話題を呼んだ[9]。これに前後し先述の「描いてみた」イラストやキャラクターの3Dモデルが投稿され、これらと投稿済みのオリジナル曲をさらに組み合わせて第三者が投稿するなど「ニコニコ動画」上での動きは大きな広がりを見せている[10]。
初音ミクによる楽曲のみならずキャラクターそのものも人気を博しており、例えばペイントソフトで初音ミクのイラストを描く過程を収録した動画『初音ミクが可愛すぎるので描いてみた』は約11日間で28万回再生されている[8]。また、Flashアニメーション『ロイツマ・ガール』のパロディとしてネギを振り回す姿も描かれている。初音ミクを2頭身にデフォルメした「はちゅねミク」というキャラクターも二次創作物として現れている。
「ニコニコ動画」では『初音ミク』以前から既にクリプトン社のVOCALOID『MEIKO』を使用した動画が投稿されており、制作側も「ニコニコ動画」のユーザに支持されることへの期待があったという[1]。発売後爆発的な売れ行きとなったことについてクリプトン社はコアユーザが積極的に「ニコニコ動画」に投稿したこと、その動画を見たユーザの反響が大きかったことを要因と考えている[5]。
TBS『アッコにおまかせ!』内での特集について
2007年10月14日放送のTBS『アッコにおまかせ!』内で『初音ミク』が特集されたが、3分弱のVTRのうち後半部分がまるで『初音ミク』とは直接関係のない、いわゆる「オタク」の奇妙さを面白おかしく取り上げるような構成となっていたことでインターネット上で激しい批判が飛び交った[11]。またブログに書き込まれたコメントによると、特集内の販売元担当者のコメントは番組側が用意した原稿だったという。一方で一般的にはさほど騒ぎになっていないのはTBS側の認識と一般の認識にそれほどの差異がないからだとする指摘もある[12]。本件に関しクリプトン社代表取締役の伊藤博之は番組制作サイドに問題があったとしつつも、ユーザを不快にさせたことへの謝罪コメントを発表している[13]。
画像検索でヒットしない現象
TBS騒動とほぼ時を同じくしてGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで「初音ミク」を画像検索すると、見つからないか無関係な結果が表示されるという現象が指摘された。この件に対しGoogleとYahoo! JAPANはそれぞれ調査中であるとしている(現在は復帰している)[14][15]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 ITmedia News (2007年10月10日) ITmedia News 異例の売れ行き「初音ミク」 「ニコ動」で広がる音楽作りのすそ野 2007年10月10日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 J-CAST (2007年10月10日) J-CAST 「初音ミク」特集雑誌3日で完売 ヤフオク、アマゾンで3倍の価格も 2007年10月10日 [ arch. ] 10 月19日
- ↑ BCNランキング (2007年9月27日) BCNランキング 大ブレイクの「初音ミク」、売り上げもぶっちぎりのトップを爆走中! 2007年9月27日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ 4.0 4.1 ITmedia News (2007年9月28日) ITmedia News DTMブーム再来!? 「初音ミク」が掘り起こす“名なしの才能”(2/2) 2007年9月28日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ 5.0 5.1 声優ニュース.com (2007年9月7日) 声優ニュース.com 話題沸騰の「VOCALOID2 初音ミク」の開発元クリプトンに質問してみた 2007年9月7日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ メディアファージ事業部 ブログ (2007年7月12日) メディアファージ事業部 ブログ [Vocaloid2情報]今日が最後の夜・・・ 2007年7月12日 [ arch. ] 10月20日
- ↑ クリプトン・VOCALOID特集
- ↑ 8.0 8.1 8.2 ITmedia News (2007年9月28日) ITmedia News DTMブーム再来!? 「初音ミク」が掘り起こす“名なしの才能”(1/2) 2007年9月28日 [ arch. ] 10月20日
- ↑ アキバBlog (2007年10月2日) アキバBlog 初音ミク 「みくみくにしてあげる♪」を店頭デモするお店 2007年10月2日 [ arch. ] 10月21日
- ↑ ITpro (2007年10月19日) ITpro 第1回:「初音ミク」に注目すべき理由を考えてみた 2007年10月19日 [ arch. ] 10月22日
- ↑ ITmedia News (2007年10月15日) ITmedia News TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ 2007年10月15日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ IT-PLUS (2007年10月18日) IT-PLUS 「アッコにおまかせ」批判を理解してないテレビ関係者 2007年10月18日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ メディアファージ事業部 ブログ (2007年10月15日) メディアファージ事業部 ブログ 10月14日のテレビ放映に関しましてご報告とお詫び 2007年10月15日 [ arch. ] 10月19日
- ↑ 「初音ミク」画像がネットから“消えた”?2007年10月18日
- ↑ ITmedia“消えた初音ミク”問題 ヤフーとGoogle「原因を調査中」2007年10月18日
関連項目
- 音声合成
- デスクトップミュージック
- バーチャルアイドル
- 制作関係
- ヤマハ/VOCALOID
- クリプトン・フューチャー・メディア - 開発・発売元
- 藤田咲 - 初音ミクの声優を担当
- キャラクター・ボーカル・シリーズ
外部リンク
- クリプトン・フューチャー・メディア(株)ホームページ
- 公式プロフィールページ - デモソングのダウンロードもここで可能
- 製品紹介ページ
- KEI画廊 - ケイガロウ - キャラクターデザインを手掛けたKEIの公式ページ
- 藤田咲の電子庭園☆~さっきぃのおはなばたけ~
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