西日本旅客鉄道

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西日本旅客鉄道株式会社[1](にしにほんりょかくてつどう、英称:West Japan Railway Company)は、日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業および船舶事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つで東証一部上場企業。1987年4月1日設立。北陸近畿中国地方および信越地方福岡県の一部に路線網を持つ。本社は大阪市。略称はJR西日本(ジェイアールにしにほん)。英語略称はJR West Japanコーポレートカラー色。取締役会長は倉内憲孝(社外より登用)、代表取締役社長は真鍋 精志。管轄税務署は大淀税務署である。Jスルーでカードに印字される符号はJNであった。

またJ-WESTカードの発行を自社で行っているため、貸金業登録を行っている(近畿財務局長(1)00795)。

概況[編集]

中国北陸地方を中心にローカル線を多数抱えているうえ、戦前鉄道省戦後の国鉄時代から、人口の多い京阪神周辺地区では、近畿日本鉄道阪急電鉄阪神電気鉄道山陽電気鉄道南海電気鉄道京阪電気鉄道などの並行する私鉄、山陽新幹線航空機、またほぼ全域でマイカーなどの道路交通との激しい競争もあり黒字経営ではあるが、莫大かつ安定した収入源である首都圏の通勤路線を抱える東日本旅客鉄道(JR東日本)や東海道新幹線を保有する東海旅客鉄道(JR東海)と比べると経営基盤が弱い。

その環境と国鉄時代の実績を踏まえ、JR西日本は、発足直後から京阪神周辺地区については「三都物語」キャンペーンを実施するとともに[2]、「アーバンネットワーク」と名付け、221系電車に始まるデラックス通勤車両の導入、大幅な増発やスピードアップなどに取り組み、競合他社を圧倒。「私鉄王国」の牙城を崩し、収益力の強化に努めてきた。この他には女性乗務員を早くから採用したり山陽新幹線では高速性能を徹底して追求した500系電車を独自に開発し、日本国内初の300km/h営業運転を行うなど、ソフト面と輸送改善に対する積極的な姿勢への評価は非常に高かった。

一方で、そのような他の私鉄との激しい競合を生き抜くため列車増発・スピードアップに対応した安全分野への投資が必ずしも十分なものでなかったとの指摘もあり、1991年信楽高原鐵道列車衝突事故2005年JR福知山線脱線事故など、有責の重大事故を引き起こした原因の一つとも指摘されている。また、異様な労務環境がJR福知山線脱線事故の一因とされ、同社では今後の経営・労使関係のあり方などを再検討している。

さらに現状では山陽新幹線や北陸本線の特急と近畿地区の京阪神近郊の路線を中心に設備投資している。その一方で京阪神地区以外ではかなり差別化しており、まだハード面においては立ち後れている一面もある。中国・北陸地区においては多数の赤字ローカル線を抱えているためにローカル線問題は深刻な課題でもある。特に月一回の保守運休(代替輸送なし)においてはかなりの批判がある。また、莫大な費用を要する山陽新幹線の補修工事問題など、経営課題は依然として多い。


本社・支社等[編集]

本社[編集]

支社[編集]

新幹線管理本部(旧新幹線総局)[編集]

2006年6月22日まで新幹線は、並行在来線と同じ支社に属していたが、2006年6月23日付で広島新幹線運転所の検修部門と岡山新幹線運転所を、福岡支社博多総合車両所所属とする組織変更が実施された。

2007年7月1日付で、新幹線の現業機関を統括する支社組織として新幹線管理本部を新設した。これまで各支社に分散していた車両管理や施設保守など新幹線関係の業務を一元管理するとともに、新幹線固有の技術力の維持向上を図るのが狙い。これに伴い、福岡支社は同管理本部の地方機関と位置付けられ、山陽新幹線小倉、博多の両駅の運転や設備管理、サービスなど駅業務全般を行うほか、九州エリアにおける同社の対外的な窓口としての機能も担う。

建設工事機関[編集]

付属機関[編集]

かつては事業地域外の東京都内や名古屋市内のオフィスビルなどにも、自社の営業窓口「TiS」が存在したが、グループの旅行会社である日本旅行に移管された。

歴史[編集]

今後の予定[編集]

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  • 2015年(平成27年)京阪神直下地震が発生。京阪神は焼け野原となる。大阪府、兵庫県、京都府、奈良県の全ての路線が3年にわたって運転を見合わせる。
  • 2016年(平成28年)北朝鮮の核ミサイルが大阪駅、天王寺駅、三ノ宮駅、京都駅、京橋駅、高槻駅、尼崎駅、芦屋駅、草津駅、宝塚駅、奈良駅など京阪神の50駅に着弾。これにより京阪神の95%の人が死亡する。
  • 2018年(平成30年)京阪神の路線のうち、大阪環状線、東海道線(京都~三ノ宮)、JR東西線(京橋~尼崎)、関西線(JR難波~柏原)、阪和線(天王寺~堺市)が運転を再開、しかしこれら全ての路線で営業係数(100円の利益を出すためにかかる費用)が1000を超える。
  • 2020年(平成32年)阪和線、関西線が廃線に。また、2018年に復旧した路線以外の復旧を断念。
  • 2021年(平成33年)京阪神の利益が無くなったために、北陸・中国各線の赤字を補填できなくなり、岡山・広島近郊各線を除く全路線を廃線。
  • 2023年(平成35年)赤字のため倒産。なお、大阪環状線、東海道線、JR東西線は国が引き取り、細々と運営するも、2026年にはJR東西線が、2030年には東海道線が、2034年には大阪環状線が廃線となる。

路線[編集]

総キロ数:5,025.0km(51線区・2008年3月15日現在)

新幹線:644.0km(1線区)
在来線:4,379.5km(50線区)

総駅数:1221駅(2008年3月15日現在)

以下の丸括弧内の線名は愛称(一部区間のみの愛称を含む)。[幹]:幹線系線区、[地]:地方交通線、[特]:特定地方交通線

新幹線[編集]

在来線[編集]

航路[編集]

廃止路線[編集]

JR線の他会社分界駅[編集]

(注)路線名はアーバンネットワーク内に関しては正式名称(愛称)の順で表記。

JR東日本[編集]

JR東海[編集]

  • 新大阪駅(東海道本線(JR京都線)、山陽新幹線)- 東海道新幹線
  • 京都駅(東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)、山陰本線(嵯峨野線)、奈良線)- 東海道新幹線
  • 米原駅(東海道本線・北陸本線(琵琶湖線))- 東海道本線、東海道新幹線
  • 亀山駅(関西本線) - 関西本線、紀勢本線
  • 新宮駅(紀勢本線)- 紀勢本線
  • 猪谷駅(高山本線)- 高山本線

JR四国[編集]

  • 児島駅(本四備讃線)- 本四備讃線

JR九州[編集]

  • 下関駅(山陽本線)- 山陽本線
  • 小倉駅(山陽新幹線)- 鹿児島本線、日豊本線
  • 博多駅(山陽新幹線、博多南線)- 鹿児島本線


列車[編集]

JR西日本発足以降に同社の路線で運行されている(されていた)列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、全列車が他社の車両で運行されているものはその会社名も記載する。

現行列車[編集]

新幹線[編集]


在来線[編集]

廃止列車[編集]

在来線[編集]


車両[編集]

保有車両数:6,567両(2005年4月1日現在)

山陽新幹線や特急列車(北陸本線、紀勢本線、山陰地区)、アーバンネットワーク地区のうち旧・大阪鉄道管理局管内では列車の増発やスピードアップに対応した新型車両を積極的に導入している一方で、それ以外の地域では厳しい経営環境を反映して、国鉄から承継した103系113系419系などの車両[3]に改装やリニューアルなど延命工事を施して使用している例が多い。この傾向は特に瀬戸大橋線を除いた山陽地方や北陸地方において顕著であり、これらの地域では非電化ローカル線の体質改善用に投入されたキハ120形を除けば一般形の新造車がほとんど投入されていない。

また、路線の高速化・電化に対応した新型車両を導入する際には、同社からの公式発表こそないが車両の購入費用を京阪神地区を除いて全額地元に負担させる方針を取っていると推定される。これは地元負担により整備される高速化・電化事業の一環とみなしていると考えられる。

実際、山陰地方(山陰本線・因美線)でキハ126系キハ187系が導入された際は地元の島根県鳥取県中国電力が、北陸地区(北陸本線敦賀以南・小浜線)で125系521系が導入された際は滋賀県福井県が購入費用を全額負担した。管内の自治体の多くは財政的に厳しい状況にあるために購入費用を負担できず、結果として京阪神対地方線区でサービス格差が生じている。この方針には利用者や地方財界からの批判も少なくなく、芸備線の急行「みよし」が老朽化した車両の置き換えができないまま快速列車に格下げされてしまったのは、地元からの快速列車を増発してほしいという要望に加え、地元負担が原因ではないかとの見方もある。

蒸気機関車の保存運転[編集]

JR西日本は、国鉄時代に開館された蒸気機関車 (SL) の動態保存施設である梅小路蒸気機関車館を引き継ぐとともに、山口線をはじめとして、自社内や走行可能なSLを保有していないJR東海・四国での蒸気機関車保存運転や、SLを復活させたJR各社の運転士(機関士)の養成も請け負っている。

車両基地[編集]

詳細は 日本の車両基地一覧#西日本旅客鉄道 を参照

車両工場[編集]

主な関係会社[編集]

連結子会社[編集]

持分法適用関連会社[編集]

関連団体[編集]

  • 財団法人交通文化振興財団

出資会社・サッカーチーム[編集]

CM[編集]

※印のものはテレビでは一度も放映されなかったもの。また、他のJRグループ管内でも放送されているものもある。

一社提供番組[編集]

備考[編集]

  • 2007年3月18日(金沢支社管内では2006年10月21日)のダイヤ改正より、在来線列車内乗務員室に掲出する名札が「JR西日本・運転士(または車掌)・乗務員の名字」の様式に簡素化された。従前の名札は、所属組織と乗務員のフルネームが記載されていた。

脚注[編集]

  1. ロゴの「鉄」の字は、金を失うという意味を避けるため「金偏に矢」という文字「鉃」を使い、『西日本旅客鉃道株式会社』と表記している(ただし、登記上の正式社名は常用漢字の「鉄」の字を用いている。また、四国旅客鉄道以外の各社もロゴタイプで同様の表記を行っている→参考リンク)。
  2. 事業エリアから遠く離れた関東地方でも、谷村新司の『三都物語』のテーマソングに乗った221系電車が走るテレビコマーシャルが流された。
  3. 国鉄から承継された車両は未だに「日本国有鉄道」の銘板が貼付されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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