在日特権
在日特権(ざいにちとっけん)とは、在日外国人が生活する上での便宜を図るなどのために整備された諸制度(それが「特別な権利(特権)」でないものも含む)に対し、これを「過度の処置」であると批判する際に、便宜上一まとめに括るための呼称。主に「在日コリアンへの過度な優遇措置への批判」として用いられる言辞。
目次
在日特権であると主張される事例[編集]
- 日本国公文書への通名使用可(外国人登録を行っている全ての外国人が可能)
- 犯罪防止指紋捺印廃止(現在では全ての外国人が指紋押捺廃止)
- 減免税・所得税・資産税等税制優遇・相続税(下記参照)
- 永住資格所有者の帰化優遇(帰化認定基準の緩和)
- 朝鮮学校・インターナショナルスクール卒業者に対する大学入試での高等学校卒業程度認定試験免除(国際バカロレア資格、アビトゥーア資格は世界共通)
- 外国籍のまま公務員就職(全ての国籍の外国人が対象)
- 公務員就職の一般職制限撤廃(全ての国籍の外国人が対象)
- 大学センター試験で英語・フランス語・ドイツ語・中国語・韓国語を外国語試験科目として選択可能へ
- 外国において、学校教育における十六年の課程(高等教育まで)を修了した者の司法試験一次試験免除(これには朝鮮大学校卒業者も含まれる)
- 外国人無年金高齢者・障害者の自治体特別給付
不当とされている事柄[編集]
在日韓国・朝鮮人民族団体を通じた税減免[編集]
以下に、自営業者や開業医など税を窓口などで納付する普通徴収の在日韓国・朝鮮人を対象に在日韓国・朝鮮人の民族団体である在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)や在日本大韓民国民団(民団)を通じて行われてきた事例を挙げる。
所得税・法人税[編集]
佐藤勝巳は、朝鮮総連傘下の商工人たちが1976年(昭和51年)から所得税をほとんど払っていないことを、付き合いの長い朝鮮総連関係者から聞いていた。佐藤によると、これは1967年(昭和42年)12月13日、関東国税局が東京の在日本朝鮮人商工連合会(朝鮮商工会)所属の貸金業・具滋龍氏の脱税容疑に関連して、取引先の同和信用組合(後の朝銀信用組合)を強制捜査したことに端を発し、後に朝鮮総連はこれを「不当弾圧」として、全国の在日朝鮮人多住地域の税務署に日常業務に支障をきたすところもあったと言われるほど激しい抗議行動を数年に渡り行った。その後、当時社会党高沢寅男副委員長の議員会館の部屋で行われた国税当局と朝鮮商工会幹部との会談で「税金問題解決に関する五項目の合意事項」(通称「五箇条の御誓文」)が交わされたとされる。
この裏づけとして、朝鮮商工会の発行する「商工新聞」の主張で朝鮮商工会と国税当局との間で税金に関する「合意」があるとしており、また、1991年2月に朝鮮総連が発行した朝鮮語冊子「朝鮮総聯」の中で「総聯は日本当局の不当な税務攻勢を是正させ、税金問題を公正に解決するためにねばり強く闘争した。この努力の結果として、1976年に在日朝鮮人商工連合会と日本国税庁の間で税金問題解決に関する5項目の<合意>が成立した。その基本内容は、在日朝鮮商工人の税金問題はすべて朝鮮商工会と日本税務当局との合意によって公正に処理するというものである」と記されていることが見出されている。
1999年(平成11年)2月22日、鴻池祥肇参議院議員は参議院予算委員会の総括質問で、この「五項目の合意事項」の存在について質問し、これに対して大竹賢一郎国税庁次長は、「いわゆる合意事項というものはありません。……今般合意事項なるものは存在しないということについて、改めて国税職員に周知徹底をはかる旨の指示をしたところです」と否定した。この質問を行った鴻池議員には質問を行わないよう様々な圧力が加えられた。
なお、2007年ごろから朝鮮総連関係者がたびたび税理士法違反で逮捕されている。在日朝鮮兵庫県商工会職員の税理士法違反事件では、弁護人側証人は「今までに、商工会の活動が違法と言われたことはありませんでした」と述べている。
住民税[編集]
三重県旧上野市(現伊賀市)、桑名市、四日市市に合併前の旧楠町では条例などを制定しないまま一部の在日韓国・朝鮮人の住民税を半額程度に減額する特例措置を長年続けていた。伊賀市は市民税と合わせて徴収する県民税も半額にしていた。遅くとも1960年代後半には始まっていたとみられ、伊賀市は税の公平性に反するとして2006年度でこの措置をやめた。桑名市も2008年度から是正する方針が示された。民団と朝鮮総連に所属する在日韓国・朝鮮人のうち、税を窓口などで納付する普通徴収の人たちが対象になっていた。市が該当者分の納付書を民団と総連にまとめて送付し、それぞれの団体が取りまとめて納税していた。2006年度の対象者は伊賀市で約400人の在住者のうち個人事業主を中心に在日韓国人35人と在日朝鮮人18人、桑名市では減額率は民団が6割、朝鮮総連が5割で、約990人の在住者のうち約250人を対象とし年間数千万円であったとされる。
伊賀市の減額措置は、昭和30年代から40年代にかけ、市と地元の民団や朝鮮総聯との交渉で開始、1980年代以前は、両団体支部を通じた在日韓国人らが窓口に来た際、一般職員ではなく係長級職員が直接受け付け、減額を行っていた。当時は納付しない人も多く、半額でも徴収したいとの上野市側の思惑もあったとされる。桑名市では民団と朝鮮総連の桑名支部代表者らと話し合い、昭和45年ごろから市県民税を減税していた。桑名市税務課では「減額の経緯は資料がなくわからないが、昭和四十年代に全国的に減税の動きがあったのでは」とコメントしている。このような問題は他の自治体でも明らかになる可能性があると指摘されている。
伊賀市内の元在日韓国人が日本に帰化するのに伴い住民税が本来の額に上がるため相談を持ち掛け、これに応じた伊賀市の元総務部長がこれを利用して半分のままでいいから自分に渡すよう促し、2002年以降計約1800万円を受け取ったまま納付せずに着服していた疑いが発覚した。受け渡しの際、元総務部長は自作の預かり証を渡し、帰化した元在日韓国人は滞納状態だったが、数年間にわたり「督促しなくてよい」と職員に指示していた。この事件に対し、「他国籍の在住外国人も大勢いるなか、不適切な優遇」といった批判が市民の間から出た。伊賀市側は在日韓国・朝鮮人に対する戦争補償の一環や戦後期の所得格差の解消などを理由に容認していたと述べた。
また他町村との合併協議の中で減免措置に対する疑問が提示され、民団、朝鮮総聯との協議の結果、2005年11月に翌2006年度で全廃することで合意した。民団三重県伊賀支部支団長によると、この減額措置を2004年に支団長になって知り、「参政権などを求めるうえで日本人と違うのは不公平である」と改善に応じ、一方、総聯伊賀支部委員長は、「過去の経緯は話せない」とコメントを避けた。
三重県市町行財政室は「地方税上、条例の定めのない減免はできず、条例がないなら問題」、総務省自治税務局市町村税課は「減免は各市町村が判断し条例で定めるが、このような例は初耳」、桑名市税務課では「条例の裏付けもなく続けてきたことは遺憾」とそれぞれ述べた。
伊賀市では過去の資料が無いため詳細については定かではないが、減免措置は地方税法第323条に基づいて旧上野市が制定した市税条例第51条第1項第5号の「特別の理由があるもの」との規定により市長が必要であると認めたものについて、市が歴史的経過、社会的背景、経済的状況などを総合的に考慮し、減免することが妥当と判断したものであろうと思われる、とし、また在日韓国人・朝鮮人の人たちだけを優遇して減免していたということではないと釈明している。一方、この減免措置は本来、副市長(旧助役)の決裁が必要だが、税務課内部の判断で長年続いていたことも明らかになった。
また桑名市は日本国政府に報告する「課税状況調べ」に、減免対象者の住民税を記載してなかったことが判明し、2008年3月、国に税収の訂正を提出した。この結果、地方交付税を多く受給していたとして2008年度の交付税は約2億8000万円減額される見通しとなった。
犯罪事件の通名報道[編集]
犯罪報道においても通名が用いられる場合が数多くあるが、その場合は本名が報道されないままとなる。通名のみの報道を行うか否かは報道機関の判断に任されているが、報道機関では編集や校閲についての社内規程で通名を優先して掲載する場合が多いために、主に通名を名乗っている在日韓国・朝鮮人などが容疑者として挙げられた事件では、本名を出さず通名のみを用いる報道機関も存在する。例えば、朝日新聞は容疑者名の報道で通名と本名のどちらを使用するかは事件ごとに選択している。
朝鮮総連関連施設[編集]
在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総連」)施設および関連施設に対し、固定資産税の全額免除もしくは一部免除などが行われている(朝鮮総連関連施設地方税減免措置問題)。しかし、「公益性がない」という裁判結果と合わせ問題となっている。
朝鮮総連を「在外公館に準ずる存在」としたため、他国の在外公館同様、日本の警察権行使が抑制されてきた。これによって北朝鮮による日本人拉致問題や覚醒剤などの密輸に朝鮮総連や在日朝鮮人(朝鮮籍、韓国籍)が関与していたにも関わらず、これを捜査・立件できなかったとする批判がある。
朝鮮学校の用地使用について[編集]
- 兵庫県の尼崎朝鮮初中級学校を運営する「学校法人兵庫朝鮮学園」が、尼崎市の市有地約7850平方メートルを同校用地として、年間約28万円の格安賃料で使用し続けていた。2011年、市が算出した標準賃料は年間約2900万円になり、学園は相場の約100分の1の賃料で借りていた。終戦直後、在日朝鮮人が通う尼崎市立小学校の分校として設立され、その後在日朝鮮人らが自主運営を要望し、1966年、県認可を受けた兵庫朝鮮学園が分校を引き継ぐ形で運営を始めた。その際、坪当たり1カ月10円で市が学園に土地を賃貸することで合意。しかしその後、40年以上も見直されないまま継続し、2011年になって「他の市有地賃料と均衡が取れない」と指摘を受けた同市は、同市公有財産課は「(過去の経緯などから)安い賃料を継続してきたが、値上げや用地買い取りも含めて交渉を進めたい」とした。値上げを前提に賃料改定を検討していると報じられた。40年以上も賃料改定をしなかった尼崎市の関係者は「(在日朝鮮人に対する)補助金的な意味合いもあったのかもしれない」としているが、明確な理由はないと述べている。拉致被害家族の支援団体「救う会兵庫」の代表者は「理由もなく格安の賃料で貸し続けていることは『優遇』といわれても仕方がない」と批判した。
- 伊丹市が「兵庫朝鮮学園」に対し、伊丹朝鮮初級学校の用地として市有地約4150平方メートルを相場の約20分の1の月額約4万円で貸していたことが判明した。また、伊丹朝鮮初級学校創設の際には木造平屋建て約400平方メートルの校舎や机等の備品などを無償譲渡をしていた。市有地の標準賃料によれば月額74万5600円になる。
- 大阪市が、中大阪朝鮮初級学校を運営する学校法人「学校法人大阪朝鮮学園」に対し、1961年以降、約50年にわたり市有地である同校用地4957平方メートルを無償で貸していることが2011年、判明し、これについて市契約管財局は「歴史的な経緯もあり、無償貸与が続いてきた。現在は有償化や用地の買い取りを求めて協議している」とした。大阪市は2013年、学校敷地上の工作物一切を収去と土地の返却、そして2014年4月1日から明け渡しまでの間、1ヶ月あたり124万4000円を支払い求めて大阪地裁に提訴した。
社会保障[編集]
国民年金[編集]
日本では、国民年金法の国籍条項(20歳以上60歳未満の日本国民)の規定により、在日外国人の国民年金への加入を認めていなかったが、日本が難民条約へ加入した際に国籍条項は撤廃(1982年)され、在日外国人にも国民年金への加入が認められることになった。
さらに、国民年金を受給するには60歳までに最低25年間の加入期間が必要であったが、1986年の制度改正により平和条約国籍離脱者は20歳以上60歳未満のうち1961年4月から1981年12月まで在日していた期間も遡って老齢基礎年金の加入期間(通称「カラ期間」)として追加されることになった。
ただし、この措置によっても1986年に60歳を超えていた人(1926年(大正15年)以前に出生した者)は加入資格を満たすことができず、また告知も不十分であったとして、一部の在日韓国人により訴訟がおこされたが、在日側の敗訴が続いている(「在日無年金訴訟」、2010年9月の福岡地裁の原告は当時54~64歳)。無年金者の救済に関する裁判所の判断は、在日韓国人の帰属先である韓国が責任を負うべきとしている。
在日外国人高齢者(障害者)福祉給付金[編集]
在日障害者無年金訴訟において最高裁で在日側の敗訴が確定した後、各地方自治体に福祉給付金(呼び名は各地で異なる)を要求した。これは国民年金が発足した1961年(昭和36年)当時、既に高齢等であったため加入要件を満たすことのできなかった日本人高齢者に対して支給された老齢福祉年金や障害基礎年金に相当する措置を、国民年金の国籍条項撤廃(1982年)後、経過措置が認められた1986年に既に60歳を越えており加入要件を満たせなかった特別永住者(元日本人で第二次大戦後そのまま日本で生活していた平和条約国籍離脱者)に対しても採るよう各自治体に求めたものである。2010年時点、この要求に対して全国800以上の自治体(民団発表)が日本人の老齢福祉年金のケースとほぼ同額の月額5000円~3万数千円(兵庫県神戸市の場合)の支給額を決定し、要件を満たす申請者に対して支給している。
この福祉給付金は老齢福祉年金同様、国民年金に加入することができなかった特別永住者が対象である。加入可能であった外国籍貧困高齢者には生活保護が支給されている例が多い(#生活保護受給参照)。
支給対象者は主に以下の要件を全て満たす者である(細かくは自治体によって異なる)。
- 特別永住者である。
- 大正15年(1926年)4月1日以前に生まれている。
- 昭和57年(1982年)1月1日前から日本国内で外国人登録を行っている。
- 昭和57年1月1日以前から重度心身障害者であった者(障害者福祉給付金の場合)。
- 生活保護を受けていない。
- 公的年金を受給していない。
- 前年中の所得が基準額(自治体によって額は異なる)以下である。
(なお高齢者福祉給付金と障害者福祉給付金の同時支給は出来ない。)
生活保護受給[編集]
2009年(平成21年)7月1日時点における日本の被保護外国人世帯数35,035のうち、韓国・朝鮮人は約70%の24,827世帯。その内、13,073世帯が高齢者であり、無年金者の多さとも関係している(#国民年金も参照)。
これは日本在留外国人としては最多勢力であり受給者数では2位となっている在日中国人の3,354人の7倍以上であり、他の外国人に比べて特別に高い割合を占めている。生活保護率も、全体(外国人も含む)の平均が1000世帯のうち17世帯であるのに対し、在日韓国朝鮮人は1000世帯のうち142世帯という突出した数値となっている。
しかし、在日韓国人は、生活保護受給者の97%は日本人であるため在日特権ではないと主張している。また、2008年に埼玉県深谷市で在日韓国人が深谷市役所を恫喝して約2000万円の生活保護を受けていた事件や、兵庫県でポルシェを所有し、万引きを繰り返していた在日韓国人が生活保護も不正受給していた事件など高額な不正受給がたびたび発生していることから、在日韓国人による生活保護の不正受給も批判の対象となっている。(生活保護の不正受給も参照。)
通名の公的使用[編集]
通名とは、本名以外の名前である。芸能人、作家などが用いるペンネームや芸名、既婚者の旧姓使用も通名に含まれる。一方在日特権としての通名は、自治体が発行する外国人登録証には通名を記載することが可能であり、在日外国人は通名の“公的使用”が容易であるが、これは中国系・朝鮮系以外の外国人名はカタカナ表記になる事が多く、印章作成が困難であるため(帰化し創作しない限り漢字表記にはならない)。
日本で生まれ、日本語や日本の文化、社会的慣習を身につけた外国人が、日本語の通名を名乗っている場合、(同じモンゴロイドである場合は特に)外国籍であることがわかりにくい。
金融口座などでの通名使用[編集]
金融口座を通名で開設できることによって架空口座・仮名口座などが開設され、脱税やマネーロンダリングなどの犯罪行為に使われるなど、犯罪の温床となっているとの批判がある。
犯罪事件の通名報道[編集]
犯罪報道においても通名が用いられる場合があるが、その場合は本名が報道されないままとなる。在日外国人の場合、警察が通名を主として記者クラブに発表する場合が多く、報道機関では編集や校閲についての社内規程で(字数制限もあって)通名を優先して掲載する場合が多いために、主に通名を名乗っている在日コリアンなどが犯罪を犯したとして警察発表が行われた事件では記事内で通名を用いる報道機関も存在する。例えば朝日新聞などは、通名か本名で容疑者名を報道するかは事件ごと選択している。そのため、朝日新聞の購読者には在日コリアンの犯罪というものが日本に存在していることが分かるが、多くは日本人の犯罪であるように受け止められる。そのため、「事実を報道するメディアの姿勢として問題」、「知る権利を軽視している」といった非難を受けることもある。
韓国籍の男が「通称(通名)」悪用して携帯電話など160台を不正売買、逮捕(2013年11月)[編集]
外国人が日本で名乗る通称を悪用して携帯電話を不正売買したとして、埼玉県警組織犯罪対策課と大宮西署は1日、組織犯罪処罰法違反(隠匿)と詐欺容疑で、韓国籍の無職、文炳洙(ぶんへいしゅ)(通称・青山星心(しょうご))=別の同容疑で処分保留、さいたま市西区清河寺=を再逮捕した。
通称を悪用した犯行を組織犯罪処罰法で立件するのは全国初。
文は区役所で短期間に通称登録を何度も変更。新旧の通称を使い分け、平成22年10月以降、約160台のスマートフォンやタブレットなどの端末を購入、古物商へ転売した。再逮捕容疑は8月7日、「青山星心」の通称で、さいたま市の家電量販店でスマートフォン2台を詐取。過去の通称だった「清永泰斗」を名乗り東京都内の古物商で転売し、約7万2千円を得た。
文は端末代を分割して月々の料金に上乗せする制度で端末を購入したが、支払いは一切せずそのまま転売。同課の調べに「料金を踏み倒す気はなかった」と犯意を否認する一方、売却で得た金は競馬などのギャンブルに使った。
頻繁に通称変更することを不審に思った区役所の届け出を受けて捜査したところ、犯行が発覚した。文は通称の違う複数の身分証を使い分け、売買を重ねていた。
特別永住者[編集]
詳細は特別永住者参照
特別永住者の国籍には以上のような特徴がある。
- 元々、平和条約国籍離脱者が韓国・朝鮮人、台湾人のみであったため、「平和条約国籍離脱者」及び「平和条約国籍離脱者の子孫」である特別永住者にも、その3つの国籍が非常に多い。両親の国籍が日本以外の別々の国である場合、成人した子供が韓国・朝鮮、台湾以外の方の国籍を選択することがある。そのことにかかわらず、両親の一方が特別永住者であった場合、特別永住許可を申請できる。
- 2007年末時点では、特別永住者の国籍のうち、韓国・朝鮮は426207人(99%)、中国は2986人(0.7%)、その他は1036人(0.24%)である。
2008年末現在の特別永住者数は42万305人、日本国に存在する約222万人の外国人の中で約19%となり、初めて2割を切った。。
特別永住者には、以下のような他の在留資格にはない権利がある。
- ここで、一般永住者と特別永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者を「定住外国人」と呼ぶ。
- 在留期限がなく、在留期間を更新する必要がない(一般永住者、永住者の配偶者等も同じ)。
- 一部公務員を除き、職業の制限がない(他の定住外国人も同じ)。
- 生活保護の受給資格がある(他の定住外国人も同じ)。
- 「平和条約国籍離脱者の子孫」、すなわち特別永住者の子孫は特別永住許可を申請できる。
- 再入国許可の期限が、3年の場合は4年、4年の場合は5年に延長される。
特別永住者が退去強制されるのは、以下の場合のみである。
- 内乱に関する罪、外患に関する罪、国交に関する罪、外国の元首、外交使節又はその公館に対しての犯罪により禁錮以上の刑に処せられた者。
- 外交使節又はその公館に対する犯罪行為により禁錮以上の刑に処せられた者で、法務大臣においてその犯罪行為により日本国の外交上の重大な利益が害されたと認定したもの。
- それ以外の罪で無期又は7年を超える懲役又は禁錮に処せられた者で、法務大臣においてその犯罪行為により日本国の重大な利益が害されたと認定したもの。
就職[編集]
外国人が日本で就職する場合は雇用対策法により外国人登録証を企業へ提出しなければならず、企業はそれをハローワークへ届け出なければならない。しかし特別永住者(99%が在日韓国・朝鮮人)だけは提出義務がなく除外されている。
外国人参政権[編集]
在日韓国人の団体により、外国人参政権を要求する運動が行われている。また、いくつかの政党、ないし国会議員が外国人参政権に前向きとされる(多くは地方参政権)。
2009年総選挙で、民主党は、マニフェスト(政権公約)から、「永住外国人への地方参政権付与の方針」を削除し、外国人参政権を公約から外す決定を行った。また、これとは別に、連立を組む国民新党が、「国家の存在を侵しかねないということで反対だ」と、(日本記者クラブでの党首討論会で)明確に反対を表明し、連立協議でも地方参政権の付与は盛り込まれなかった。
亀井静香郵政改革・金融担当大臣(国民新党党首)は、永住外国人への地方参政権付与について、「在日外国人の比率が、非常に高い地域がある」と指摘した上で、「(そのような地域の日本人から)自分たちの意思が地方政治に反映されなくなってしまうという心配が出てきても困る」と述べ、地方参政権の付与が、日本人や多数派以外の外国人への「逆差別」につながる危険性を指摘し、慎重な姿勢を示した。
そもそも韓国では、永住権を取得してから3年以上経過した外国人で、財産要件など種々の条件をクリアーした者にのみ、地方参政権が認められているが、この対象となる在韓日本人は100名に満たない。一方、在日永住韓国・朝鮮人は、約43万人と桁違いに多いため、在日韓国人に無条件に地方参政権を認めた場合は、相互主義に基づく利益が、著しく韓国側に偏重することになる、との指摘がある。
このように韓国では、在韓定住外国人に一律に地方参政権を付与しているわけではなく、犯罪歴の無いことは勿論、職業を持つ永住志向のある外国人で、本人か同居家族が基準以上の財産を所有(約280万円)するという財産資格を課すなど、自国民に認めている普通選挙権とは異なる制限選挙権を、在韓永住外国人に限定的に認めているにすぎない。
一方、朝鮮総連では、地方参政権の付与は、日本人への「同化政策」に繋がる危険性があることから、地方参政権を否定する立場を採ってきた。
日本国籍取得[編集]
特別永住者は帰化要件の一部を既に満たしているため、一般の外国人よりも緩やかな条件で帰化が可能である。特に配偶者が日本人の場合、簡易帰化が適用され通常一日程度で手続きが完了する。
なお、帰化後の姓・氏名について、申請者側と当局側(法務局)との間で対立が生じることもある(例:辛淑玉など)。現在はこの問題はやや緩和されているが、常用漢字、人名漢字以外の漢字を氏名に使用することはできない。
日本の出入国における特権[編集]
入国時の指紋押捺、顔写真提出の免除[編集]
現在16歳以上の外国人を対象として、日本に入国する外国人は一般永住者、日本に生まれ育った人、中国残留日本人、日系南米人も含め全員指紋の押捺と顔写真の提出が義務づけられているが、特別永住者と外国籍生徒に限りこれらの制約を免除されている。
プロスポーツの在日枠[編集]
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)では、1チーム3人までの外国人枠とは別に、通称在日枠がある。これは日本に生まれ育った外国人選手を外国籍扱いにしない救済制度。具体的には1条校で教育を受けた外国人を、各チーム1人までは「外国籍扱いしない選手」とする。2人目以降は外国人枠に加算される。2006年には日本朝鮮人蹴球協会が、日本生まれで朝鮮高級学校などの民族学校卒業生を外国人選手扱いせず、枠をより広げる要請を日本サッカー協会にしていたことが伝えられている。
教育面での優遇[編集]
- 2009年のセンター試験において、韓国語は英語に比べて平均点が51点(200点満点)高くなっているが、得点調整は行われなかった。これをもって、「英語を選択する受験生と比較して単純に51点分の優遇があるのと同義である」との主張が存在する。その一方で、実際に言語の能力に応じて得点が振り分けられるのは当然であり、米国人が英語の試験で満点をとった場合にその点数を引き下げるようでは学力審査として意味を成さないとの反論も存在する。また、多くの大学では国語(日本語)の受験が必要とされるため、結局は日本人と同様に2ヶ国語を学ばねばならず、一方的に在日コリアン(在日ドイツ人、イギリス人等も同様)が有利であるとはいえないとの指摘もある。
- 日本の学校法人の認定を受けていないインターナショナルスクール・民族学校などへの補助金交付。
- 日本育ちでも帰国子女枠を利用できる場合がある。
大学受験面での優遇[編集]
大学入試センター試験における「韓国語の優遇」が指摘されている。『マンガ嫌韓流2』では「センター試験の外国語科目の韓国語の平均点が英語の平均点よりも20点高いにも関わらず得点調整が行われておらず民族学校生に有利」としている。
これについて宮島理は、センター試験では同じ科目間で20点以上の平均点差が生じた場合、得点調整が行われるが、外国語科目は得点調整の対象外となっており、英語以外の選択肢を持つことが困難な多くの日本人生徒がこの事実を知れば複雑な感情を抱くに違いないと述べている。センター試験の本試験において20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には、得点調整を行う教科は、
- 地理歴史の「世界史B」「日本史B」「地理B」の間
- 公民の「現代社会」「倫理」「政治・経済」の間
- 理科の「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」の間
である。
- 中国語が選択科目に加わった1997年度以降の大学入試センター試験の外国語では、英語の平均点と比べて中国語や韓国語(2002年度から)の平均点が10点から30点程度高かった。実際に韓国語では導入された2002年度から2013年度現在まで、平均点1位が5回、2位が6回、3位が1回、4位が2回であり、中国語と並び語学の中で2位という最も高い平均得点の平均順位を出している。なお、ドイツ語の平均順位は3位、フランス語は3.2位、英語は4.8位である。2009年の平均点(200点満点)では韓国語は167.76点で2位のドイツ語(153.54点)と10点以上の差をつけて1位、2010年の平均点(200点満点)では、英語が118.14点、ドイツ語が150.12点、フランス語が134.81点、中国語が138.03点、韓国語が149.97点であり、ドイツ語の平均点が最も高く、0.15点差で韓国語が2位であった。2012年の平均点(200点満点)では、英語119.15点、ドイツ語が144.10点、フランス語が131.68点、中国語が154.08点、韓国語が146.36点であり、中国語の平均点が最も高く、7.72点差で韓国語が2位であった、2013年の平均点(200点満点)では、英語が124.15点、ドイツ語が151.54点、フランス語が150.58点、中国語159.27点、韓国語が140.29点であり、中国語の平均点が最も高く、7.73点差でドイツ語が2位であり、0.96点差でフランス語が3位であり、10.29点差で韓国語は4位であった、2014年の平均点(200点満点)では、英語が118.87点、ドイツ語が155.36点、フランス語が155.71点、中国語が148.09点、韓国語が144.82点であり、フランス語の平均点が最も高く、0.35点差でドイツ語が2位であり、7.62点差で中国語が3位であり、10.89点差で韓国語は4位であった。
減免税特権[編集]
2007年11月11日には三重県伊賀市などで、1960年代後半から在日韓国・朝鮮人の住民税を半額程度に減免していたことが判明し、多くの批判の声があがった。このような措置は市と在日本大韓民国民団や在日本朝鮮人総連合会との交渉で始まっていたとみられ、2006年度いっぱいで廃止されたが、一般にはまったく公表されていなかった。このような問題は他の自治体でも明らかになる可能性があると指摘されている。
伊賀市役所は、「一般の納税者に対して差別してきたのではないか」との批判の声に対し、「過去の資料が無いため詳細については定かではないが、伊賀市市税条例(旧上野市市税条例)第51条の第1項第5号において「特別の理由があるもの」との定めがあり、当時、市が歴史的経過、社会的背景、経済的状況などを総合的に考慮し、減免することが妥当と判断したものであろうと思わる。他の納税者の方においても市税条例第51条の減免規定により市長が必要であると認めるものにつき、市民税を減免できることになっているので、在日韓国人、在日朝鮮人の人たちだけを優遇して減免していたということではない。」と釈明している。
朝鮮総連施設[編集]
在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総連」)施設および関連施設に対し、固定資産税の全額免除もしくは一部免除などが行われており、問題となっている。
朝鮮総連を「在外公館に準ずる存在」としたため、他国の在外公館同様、日本の警察権を行使することが抑制されてきた。これによって北朝鮮による日本人拉致問題や覚醒剤などの密輸に朝鮮総連や在日朝鮮人(朝鮮籍、韓国籍)が関与していたにも関わらず、これを捜査・立件できなかったとする批判がある。
民団関連施設[編集]
在日本大韓民国民団にも、朝鮮総連施設同様、地方自治体から課税免除などが与えられており在日特権を主張する人々からの批判の対象となっている。
参考文献[編集]
- ザ・在日特権(宝島社 2006年) ISBN 978-4796659208
- 正論2004年4月号
- 嫌韓流2