ケモノ
ケモノとはサブカルチャー・同人用語でいういわゆる萌え属性の一つで獣人、猫耳(ネコミミ)等、人間とそれ以外の動物の特性を合わせ持ったキャラクターが持つ属性とされている。ケモノと呼ばれているがそのキャラクターのモティーフは必ず哺乳類(獣)であるとは限らない。
ただし人間以外の動物の特徴(ケモノ属性)を持つキャラクターが全てケモノキャラと呼ばれる事はなく、大抵は全身の獣毛または動物の顔を持つキャラクターだけがケモノと呼ばれる事が多いため、具体的な定義はやや曖昧である。 大抵の場合、人間に耳や尻尾を付けただけのキャラクターはケモノに分類されることは少ない。寧ろケモナーの間ではあまり好まれないことが多い。
この属性に萌えを見出す人々の中にはケモナー(カプコンの格闘ゲーム、ヴァンパイアハンターシリーズのキャラ選択の好みに由来すると彼らは言う。)と自称する者が多い。この言葉はケモノ系作品で知られるサイバーコネクトツーのスタッフの間でも知られ、2006年5月発売の『.hack//G.U.』によって「ケモノをこよなく愛する者」という意味でのケモナーが、ウェブ上のコミュニティーや同人関係の集団語の範疇を越えて一般に認知されるようになった。
英語のスラングのファーバートは、furvertと綴り、"furry"と、性欲が倒錯した変質者を意味する"pervert"をくっつけたかばん語である。ファーバートは、擬人化された動物のキャラクターの着ぐるみを着て性行為を行なうことを楽しむ一部のファーリー・ファン達を変質者とみなして呼ぶ言葉である。[1]
目次
同人用語における獣人属性[編集]
類似した用語に「獣人属性」というものがあり、萌えややおいの対象になる。 耳と尻尾だけの猫耳は人間の要素が非常に強いため獣人属性には該当しないと主張する人も少なくないが、最近の漫画・アニメ・ゲーム・ライトノベルなどではそれを含む場合が多々ある。 また、「耳キャラ専用同人即売会」であるみみけっとでは獣人が獣耳キャラと違うものであるとしながら、参加を認めている。 すなわち包摂関係を逆に獣人を耳キャラ(亜人、ヒューマノイド)の一つとして設定しているのである。
ケモノの英語訳[編集]
英語圏のサブカルチャーでは、英語の"Kemono"は日本のサブカルチャーのケモノを指す言葉であり、日本語のサブカルチャーのケモノを語源としている。日本のアニメ・漫画が英語圏で人気が出ると、それにともなってYaoiやMoeといった日本のサブカルチャーの日本語の言葉も英語圏のサブカルチャーの人々に知られるようになった。日本のサブカルチャーにおけるケモノの意味の"Kemono"という言葉が英語圏のサブカルチャーの人々に知られるようになったのも、同じ経緯である。獣(けもの)という日本語の単語は哺乳類の動物を意味する一般的な言葉であり、日本のサブカルチャーにおけるケモノの意味とは全く違う。外国で日本語を学ぶ人々がKemonoという単語を知っていても日本のアニメ・漫画などのサブカルチャーとは無縁の人である場合もありえる。また、日本のアニメ・漫画とは無縁の日本人が、サブカルチャーにおけるKemonoの意味を知らずに、獣(けもの)を表現するつもりで英語圏でKemonoという言葉を使うと、外国人に性的な表現だと誤解される危険がある。英語には、萌え属性という言葉が存在しないため、英語圏ではKemonoは萌え属性の一つとしては理解されていない。
英語の"furry"は擬人化された動物のキャラクターを意味する形容詞である。furryについて詳しくはファーリー・ファンダムを参照。furryとケモノの定義はほぼ同じであり、キャラクターが毛皮で覆われているとは限らない点も同じである。しかし、欧米人がfurryの典型的なキャラクターとしてまっさきに頭に思い浮かべる絵は、ディズニー作品に登場するディズニーキャラクターや映画『ロジャー・ラビット』に登場するキャラクターのような絵であり、これは日本のサブカルチャーのケモノの典型的な絵とは見た目が異質である。欧米では、日本のアニメのファンのグループとファーリー・ファンダムのファンのグループは別々に組織されることが多い。また欧米では、ファーリー・ファンダムの大会は、日本のアニメを扱う大会とは別に開催される。なおこのfurryと言う語はゲイの隠語で毛深い男を意味する場合(ただしbearつまりクマと呼ばれる事の方が多い)もあるので注意されたい。
英語で獣人を意味するtherianthropyという言葉は英語圏のサブカルチャーではあまり使用されない。英語圏のサブカルチャーでは「擬人化した動物のキャラクター」を意味する言葉としてよく"anthropomorphic animal character"という言い方がされる。
著名なケモノ系漫画家・イラストレーター・デザイナー他著名人一覧[編集]
- 浅美裕子 - 『WILD HALF』他。
- 安藤正浩 - 『メイプルタウン物語』シリーズ、『ウルトラニャン』他。
- いーだ俊嗣(旧名:すんぢ) - 『TRANSIT』、『Humanize Sequel』他。
- いくたたかのん - 『闇鍋Aries ~明日への挑戦状~』の原画他。
- 伊藤霊一 - 『ブレイブ・ストーリー』のキャラクター・ミーナのフィギュアの原型他。漫画家でもあるが、最近は造形作家としての仕事が主。
- 岩原裕二 - 『地球美紗樹』、『いばらの王』、『学園創世 猫天!』他。
- えびふらい - 『ねこだま SPIRIT OF TAILS』他。猫としての女性の場合猫耳のみだが、男性はぬいぐるみのような生猫として描画されている。
- 小笠原智史 - 『魔界屋リリー』でのイラスト、雑誌「ニュータイプ」での連載イラスト他。
- 小野敏洋 - 『電撃!ピカチュウ』、『ネコの王』、『ROOTねこねこ』他。
- 樫本学ヴ - 『超番ワニオ!』『コロッケ!』他。作中に人外キャラクターは多い。
- 亀岡慎一 - 『聖剣伝説』シリーズ等で多数の人外キャラクターのデザインを手がける。
- 池田奈緒 前述の亀岡の弟子であり、彼の画風を継承した人外キャラクターをデザインする。
- 鈴木典孝 - 『キャッ党忍伝てやんでえ』、『十二戦支 爆烈エトレンジャー』、『進め!怪人くらぶ』他。
- 関修一 - 『ワンワン三銃士』、『ふぉうちゅんドッグす』、『ワンワンセレプー それゆけ!徹之進』他、多くの犬系のキャラクターデザイン。
- 竜山さゆり - 『ぷくぷく天然かいらんばん』、『はぴはぴクローバー』他。
- たみ - 『猛獣戦隊ネコれんじゃあ』、『W若君珍道中』他。
- 手塚治虫 - 『ジャングル大帝』、『大地の顔役バギ』、『バンパイヤ』、『火の鳥』、『W3(ワンダー・スリー)』、『大自然の魔獣バギ』他、数多くの動物に妖艶さを追い求めたキャラクターデザインをし、ケモノ萌えの原点と言われる。
- 豊島ゆーさく(豊島ゆ~さく) - 『キャプテンハーレイ』、『BREEDER』他。
- 柊あおい -『耳をすませば』、『バロン 猫の男爵』(『猫の恩返し』の原作)他。
- 姫川明 - 『ユアナと銀の月 ~狼の森のユアナ』、『ブレイブ・ストーリー』(原作:宮部みゆき)他。無類の動物好きとして知られる。
- 堀越耕平-『 逢魔ヶ刻動物園 』で一躍有名になった若手漫画家。
- 姫野かげまる - 『ポケットモンスターカードゲーム』のイラスト他。
- 舞井武依 - 『魔王の子供達』他。
- ますむらひろし - 宮沢賢治作品のコミカライズで知られる。登場人物を猫で表現することを広くした。
- 真鍋譲治 - 『カプリコン』『銀河戦国群雄伝ライ』『くろぼね』他。
- 村枝賢一 - 『ウルフガン(短編作品)』他。
- 森やすじ - 故人。『シートン動物記 りすのバナー』などのキャラクターデザインを担当。動物カット集の著書もある。
- 結城信輝 - 『テイルコンチェルト』、『Solatorobo それからCODAへ』のキャラクターデザイン他。
- 岡部寛正 - 『Solatorobo それからCODAへ』、『.hack//G.U.』の世界観設定・イメージボード他
- 夕雅紅葉(宮田まさたか) - 『電動玩具店』他。
- 濱元隆輔 - 『ひよこぼっち』他。
ケモノ系作品一覧[編集]
- 主人公がケモノであったりと、主に作品の随所にケモノが見られる作品を挙げている。
- 足洗邸の住人達
- アニマル横町
- アニメ80日間世界一周
- あにゃまる探偵キルミンずぅ
- あらしのよるに
- アリス探偵局
- 戦神
- いばらの王
- 宇宙船サジタリウス
- 逢魔ヶ刻動物園
- 大神シリーズ
- 狼と香辛料
- おざなりダンジョンシリーズ
- おとぎ銃士 赤ずきん
- 陰陽大戦記(陰陽闘神機)
- おねがいマイメロディシリーズ
- かいけつゾロリシリーズ
- 怪盗スライクーパーシリーズ
- 学園創世 猫天!
- 風のクロノアシリーズ
- ガンバの冒険
- Cat Shit One
- 機甲盤古
- キャッ党忍伝てやんでえ
- キョロちゃん
- 銀牙 -流れ星 銀-
- 銀牙伝説WEED
- 銀牙伝説WEEDオリオン
- ぎんぎつね
- クライムクラッカーズ
- 黒猫エース
- 結界師
- ケロロ軍曹
- 幻想水滸伝シリーズ
- ごんぎつね
- Solatorobo それからCODAへ
- サイボーグクロちゃん
- サマーウォーズ - メインキャラのキングカズマをはじめ、ケモノをモチーフとしたデザインのアバターが登場している。
- サモンナイトシリーズ
- しあわせソウのオコジョさん(ぼくらはみんな高血圧!)
- しましまとらのしまじろう
- シャイニング・フォースシリーズ
- ジャングル大帝
- 獣戦士ガルキーバ
- 十二戦支 爆烈エトレンジャー
- 十二国記
- ジュエルペットシリーズ
- 新説!?日本ミステリー
- スターフォックスシリーズ
- スレイヤーズシリーズ
- 聖剣伝説シリーズ
- 全力ウサギ
- ソニックシリーズ
- ソラトロボ
- 大貝獣物語シリーズ
- 大自然の魔獣バギ(原作:大地の顔役バギ)
- 楽しいウイロータウン
- たまごっち
- チーズスイートホーム
- テイルコンチェルト
- テイルズ オブ リバース
- ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズシリーズ
- デジタルモンスターシリーズ
- 天空のエスカフローネ
- 鉄腕バーディー
- 天体戦士サンレッド
- 電動玩具店
- 天地無用! GXP
- どうぶつの森シリーズ
- とっとこハム太郎
- ドラゴンドライブ
- ドラゴンリーグ
- 長靴をはいた猫シリーズ
- 忍ペンまん丸
- ネオスチーム
- ネオペット
- 猫絵十兵衛 御伽草子
- 猫侍
- ネコの王
- 猫mix幻奇譚とらじ
- ねこめ~わく
- 猫ラーメン
- ねこわっぱ!
- のらくろシリーズ
- バーチャル3部作シリーズ
- はいぱーぽりす
- バケツでごはん
- はたらキッズ マイハム組
- はたらくねこ
- はぴはぴクローバー
- バンパイヤ
- 火の鳥
- ファイナルファンタジーシリーズ
- フィリックスシリーズ
- ブレスオブファイアシリーズ
- ふぉうちゅんドッグす
- フォルツァ!ひでまる
- ぷくぷく天然かいらんばん
- ふしぎ星の☆ふたご姫 - 作品公式サイトではいろいろな動物の種族が登場する。
- タイムスリップ10000年プライム・ローズ - 漫画版にセクシーな馬娘が登場する
- プリキュアシリーズ
- ブレーメン4地獄の天使たち
- 冒険遊記プラスターワールド
- ホーリービースト
- ポケットモンスターシリーズ
- ポコポッテイト
- ポップンミュージック
- ぼのぼの
- ボンバーマンジェッターズ
- まっすぐにいこう。
- まもるくん
- みかん絵日記
- 名探偵ホームズ
- メイプルタウン物語シリーズ
- 女神転生シリーズ
- モリゾーとキッコロ
- モンスターハンターシリーズ
- モンスターファームシリーズ
- モンタナ・ジョーンズ
- YAIBA
- YAT安心!宇宙旅行 - 多種の宇宙人が登場する他、第二期ではリスのような少女が登場する。
- 闇鍋Aries ~明日への挑戦状~ 内収録 「Tail tale(テイル・テイル)」 - 商業用18禁ゲームでは極めて珍しい(もしくは唯一無二?)、ケモノ系のゲーム。
- 幽遊白書
- ライブオン CARDLIVER 翔
- リトル・チャロ
- ルーニー・テューンズシリーズ
- 流狼の旅
- レジェンズシリーズ
- ロボとうさ吉
- RPG伝説ヘポイ
- 銀河鉄道の夜
- 我が家のお稲荷さま。
- ワギャンランドシリーズ
- W3/ワンダースリー
- WILD HALF
- ワンワンセレプー それゆけ!徹之進
ケモノ系作品製作企業一覧[編集]
- 1作品程度しか製作(または制作)していない企業は除く。
- ウィズ
- ぎゃろっぷ
- サイバーコネクトツー
- サンライズ
- サンリオ
- サンエックス
- スクウェア・エニックス(旧スクウェア、エニックス)
- セガ
- TDKコア
- 東映アニメーション
- 任天堂
- バンダイナムコグループ(旧バンダイ、ナムコ)
脚注[編集]
- ↑ Deviant Desires: Furverts Katharine Gates 2006-08-26