名護市
名護市(なごし)は、沖縄本島北部に位置する市。沖縄県最北端の市である。2000年に行われたG8首脳サミットの開催地としても話題を集めた。中心市街は名護湾に臨み、背後は古生層の山地。沖縄本島北部地域の中心都市で国や県の出先機関も多く、商業が活発。ラン、キクなど花卉のほか果樹・野菜栽培が盛ん。漁港があり、カツオの水揚が多く、タイ・クルマエビ養殖も行われる。沖縄自動車道が通じ、海岸は景勝地で海水浴場もある。市街地東方にある名護城址はカンヒザクラの名所で、近くには樹齢300年のヒンプンガジュマルがある。
目次
地理[編集]
沖縄本島北部に位置し、総面積210.21km2で沖縄県の総面積(2,266.04km2) の約9.3%を占め、竹富町(333.97km2) 、石垣市(228.85km2) に次いで広大な面積を有している。
主な丘陵[編集]
- 八重岳(453m)
- 嘉津宇岳(451m)
- 安部岳(416m)
- 多野岳(396m)
- 名護岳(345m)
- 久志岳(335m)
- 宇橋山(299m)
- 一ツ岳(259m)
- 石岳(262m)
隣接する自治体[編集]
人口[編集]
600px | |
名護市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 名護市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 名護市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
名護市(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/47 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史[編集]
- 1673年 名護間切の東部が久志間切として分離される。
- 1908年 島嶼町村制により名護・羽地・久志の3間切がそれぞれ村となる(名護村・羽地村・久志村)。
- 1923年 久志村北部が東村として分離される。
- 1924年 名護村が町制施行し、名護町となる。
- 1946年5月 名護町北西部が屋部村、羽地村の屋我地島が屋我地村としてそれぞれ分離される。
- 1953年 羽地村奥武島と屋我地村(屋我地島)とを結ぶ屋我地大橋(初代)が完成。
- (初代の橋は1960年のチリ地震津波で流失、1963年に2代目が完成、1993年に現在の3代目が完成した)
- 1958年 大浦崎収容所跡にキャンプシュワブ米軍基地の建設が始まる。
- 1960年 チリ地震による津波で羽地村の真喜屋小学校と屋我地大橋が大きな被害を受けた
- 1970年8月1日 名護町・羽地村・久志村・屋部村・屋我地村の5町村が合併を行い、沖縄県下9番目の市として名護市が発足した。
- 1975年 沖縄自動車道が許田~石川間で開通(本部町で開催される海洋博覧会輸送確保のため、会場につながる主要道路が大幅改良された)
- 1979年 名護下水処理場完成。
- 同年 プロ野球日本ハムファイターズ(現北海道日本ハムファイターズ)が春季キャンプ開始。
- 1981年 現在の名護市役所が完成(旧庁舎は名護博物館となる)。
- 1982年 字源河のオーシッタイ区に電気が通る。(沖縄県の人の居住地で電気が通るのが最も遅れた場所)
- 1985年 人口5万人達成。
- 1986年 国道58号名護バイパスが全線開通(これにより翌年1987年に同国道の市街地付近のルートが大幅に変更された)
- 1987年 沖縄自動車道が那覇まで全線開通し、那覇まで従来の半分以下の約1時間余で結ばれることに(翌1988年からは那覇空港とを結ぶ高速バスも運行開始)
- 1989年 字名護地域の大規模な住居表示実施スタート(~2000年)
- 1994年 名桜大学開学
- 2000年7月 九州沖縄サミット首脳会合が市内の万国津梁館(ザ・ブセナテラス敷地内)で開かれる
- 2004年 沖縄工業高等専門学校開校
行政[編集]
- 市長 - 島袋吉和(しまぶくろ・よしかず)
- 名護市役所市庁舎 - 1981年第33回日本建築学会賞作品賞。設計は、象設計集団、アトリエ・モビル。新築当初、外気を建物内部に取り込む「冷房無し」が話題となり、沖縄各地で同じような発想に基づいて自然換気を生かした住宅が建てられた。市によれば「庁舎に来訪する市民からの要望」もあって、現在では冷房を使用している。
姉妹都市・友好都市[編集]
国内[編集]
国外[編集]
地域[編集]
市役所本庁のほかに旧村ごとに支所(旧村役所)が置かれており、旧町村ごとに地域を分けている。しかし、もともと戦前まで屋部村が名護町、屋我地村が羽地村のそれぞれ一部だったため、郵便局の集配エリアなどで名護・屋部、羽地・屋我地をそれぞれ一つの地域として見る場合もある。逆に東海岸の久志地域では市街地との交通事情から南側にあたる国道329号側の久辺三区と北側にあたる国道331号側の二見以北十区に分けることもあり、地域振興等で格差が生じている(二見は国道329号・331号の両方通っているが、329号沿いにはほとんど居住していない)。
住居表示は市街地を中心に1989年~2000年にかけて実施され、かつて市街地の大半を占めていた「字名護」の住所は大幅に少なくなった。詳細は名護市街地周辺の大規模な住居表示を参照。
(★印は市役所所在地、☆印は支所所在地)
本庁(旧名護町)管内[編集]
- 住居表示実施地区
- 東江(あがりえ)1~5丁目(1989年実施)
- 大北(おおきた)1~5丁目(2000年実施)
- 大中(おおなか)1~5丁目(1999年実施)
- 大西(おおにし)1~5丁目(1998年実施)
- 大東(おおひがし)1~4丁目(1996年実施)
- 大南(おおみなみ)1~4丁目(1996年実施)
- 城(ぐすく)1~3丁目(1991年実施) 3丁目は名護漁港敷地内であるため無住地域
- 港(みなと)1・2丁目★(1991年実施) 町名が「港」にもかかわらず、港が城3丁目にあるため港はない。
- 宮里(みやざと)1~7丁目(1~6丁目・1993年実施、7丁目・2000年実施) 2丁目は21世紀の森公園内であるため無住地域
(宮里の大半と大南と大北の各一部を除き、住居表示実施前の住所は「字名護」だった)
- 住居表示未実施地区
- 喜瀬(きせ)
- 許田(きょだ)
- 幸喜(こうき)
- 数久田(すくた)
- 名護(なご) もともとは市街地の大半がこの字だったが、大半が住居表示実施で別の町名に変わったため、現在はごく一部の地域しかない
- 為又(びいまた) 2000年の住居表示実施で一部が大北5丁目に編入された
- 宮里(みやざと) 大半が住居表示実施済(同じ宮里のまま)なため、未実施は国道58号より外側のみ。1996年には一部が大南2丁目に編入された
- 世冨慶(よふけ)
屋部支所管内[編集]
久志支所管内[編集]
- 久辺三区
- 二見以北十区
- 安部(あぶ)
- 大浦(おおうら)
- 大川(おおかわ)
- 嘉陽(かよう)
- 瀬嵩(せだけ)☆
- 汀間(ていま)
- 天仁屋(てにや)
- 底仁屋(そこにや)区
- 二見(ふたみ)
- 三原(みはら)
(実際は9つの集落しかないが天仁屋が天仁屋と底仁屋の2つの区に分けているため「10区」となっている)
羽地支所管内[編集]
- 伊差川(いさがわ)
- 稲嶺(いなみね)
- 親川(おやかわ)
- 我部祖河(がぶそか)
- 川上(かわかみ)
- 源河(げんか)
- 呉我(ごが)
- 古我知(こがち)
- 田井等(たいら)
- 仲尾(なかお)
- 仲尾次(なかおし)☆
- 振慶名(ぶりきな)
- 真喜屋(まきや)
屋我地島(屋我地支所管内)[編集]
教育[編集]
- 大学・大学校
- 高等専門学校
- 高等学校
- 沖縄県立名護高等学校 [8]
- 沖縄県立名護商工高等学校 [9](2007年に以下の2校を統合)
- 沖縄県立名護商業高等学校 [10](2009年3月まで校名のみ存続)
- 沖縄県立北部工業高等学校 [11](同上)
- 沖縄県立北部農林高等学校 [12]
- 中学校
- 小学校
- 名護市立東江小学校
- 名護市立安和小学校
- 名護市立稲田小学校
- 名護市立大北小学校
- 名護市立大宮小学校
- 名護市立嘉陽小学校
- 名護市立久志小学校
- 名護市立久辺小学校
- 名護市立源河小学校
- 名護市立瀬喜田小学校
- 名護市立天仁屋小学校
- 名護市立名護小学校
- 名護市立羽地小学校
- 名護市立真喜屋小学校
- 名護市立三原小学校
- 名護市立屋我地小学校
- 名護市立屋部小学校
- 名護市立屋部小学校中山分校
- 養護学校
- 看護学校
健康[編集]
医療[編集]
- 沖縄県立北部病院(大中2-12-3)
- 社団法人北部地区医師会 北部地区医師会病院(字宇茂佐1712-3)
- 医療法人琉心会 勝山病院(字屋部468-1)
福祉[編集]
- 国立療養所沖縄愛楽園(字済井出1192)
交通[編集]
バス[編集]
路線バスは名護バスターミナルが沖縄本島北部のターミナルとして那覇・本島中部方面と北部各方面に運行されており、沖縄自動車道を経由する高速バスも運行されている。また高校の登下校時間に合わせて名護市内の高校を経由するルートも一部の路線を除き設定している。なお北部支線全路線と国道58号を経由する名護西系統(20番・120番)は琉球バス交通と沖縄バスの共同運行、高速バスは2社に加え那覇バスと東陽バスの4社による共同運行となっている。
かつては久志バスターミナルが辺野古にあり、名護市街地や那覇とを結ぶ路線、またそこから東海岸の久志地域や東村とを結ぶ路線があったが1995年に廃止され、現在は西海岸と同じく名護バスターミナルに集約された。
- 那覇・中部方面の路線バス
- 20番・名護西線 (琉球バス交通・沖縄バスの共同運行)
- 77番・名護東(辺野古)線(沖縄バスのみ)
- 那覇バスターミナル~国際通り・久茂地~伊佐~普天間~コザ~安慶名~国道329号(石川~宜野座~辺野古~二見入口)~世富慶~名護バスターミナル
- 111番・高速バス(琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バスの4社共同運行)
- 那覇空港~那覇バスターミナル~国場~沖縄自動車道~名護バスターミナル
- 120番・名護西空港線(琉球バス交通・沖縄バスの共同運行)
- 那覇空港~那覇バスターミナル~国際通り・久茂地~20番と同じルート(国道58号経由)~名護バスターミナル
- 北部支線(全路線琉球バス交通と沖縄バスの共同運行)
- 65番・本部半島(渡久地)線
- 66番・本部半島(今帰仁)線(65番と逆ルートで運行)
- 名護バスターミナル→伊差川→国道505号(仲宗根→今帰仁城址入口)→(記念公園前)→渡久地→本部港→国道449号(屋部)→名護バスターミナル
- 67番・辺土名線
- 名護バスターミナル~伊差川~国道58号(真喜屋→大宜味)~辺土名バスターミナル
- 70番・備瀬線
- 名護バスターミナル~県道84号(伊豆味~渡久地)~本部博物館前~浦崎~記念公園前~新里入口
- 72番・屋我地線
- 名護バスターミナル~伊差川~真喜屋~屋我地島(運天原)
- 73番・川田線
- 名護バスターミナル~伊差川~国道58号(真喜屋~塩屋)~国道331号~平良~県道70号~高江
- 76番・瀬底線
- 名護バスターミナル~県道84号(伊豆味~渡久地)~瀬底島
- 78番・名護東部線
- 名護バスターミナル~世富慶~国道329号~国道331号(二見~瀬嵩~嘉陽~平良)~東村役場前
路線バスのほかに空港リムジンバスが夏の観光シーズンには那覇空港から市内の主なリゾートホテルにも乗り入れている。
道路[編集]
- 高速道路
- 一般国道
- 沖縄県道71号名護宜野座線(もとは本部循環線で、大半の区間はこの路線名だった)
- 沖縄県道72号名護運天港線
- 沖縄県道84号名護本部線
- 沖縄県道(91号)本部循環線(現在の国道449号の全線と505号の大半も通称"本部循環線")
- 一般県道
- 沖縄県道13号線
- 沖縄県道14号線
- 沖縄県道18号線
- 沖縄県道110号線
- 屋我地大橋(奥武島と屋我地島と結ぶ)
- 沖縄県道118号線
- 沖縄県道125号線
- 沖縄県道244号渡久地山入端線
- 沖縄県道247号古宇利屋我地線(屋我地島と今帰仁村の古宇利島を結んでいる)
- 沖縄県道248号屋我地仲宗根線(屋我地島と沖縄本島部の今帰仁村仲宗根とは未開通)
出身著名人[編集]
その他[編集]
- 北海道日本ハムファイターズの春季キャンプが名護市営球場で行われている。
- オリオンビールの工場が市内にある。
- ヘリオス酒造の本社工場がある。