宇都宮実弟殺害事件
宇都宮実弟殺害事件（うつのみやじっていさつがいじけん）とは、2005年（平成17年）5月8日に栃木県宇都宮市で発生した実兄が知人に依頼して実弟を殺させた事件である。
事件の概要[編集]
埼玉県上福岡市（現ふじみ野市）に住む職業不詳の長谷川静央（当時62歳）は、栃木県宇都宮市で父親から相続したアパートを経営する弟（当時60歳）に、家賃収入のうち約1000万円の支払いを再三要求したが断られ続けたため、財産を全て手に入れようと殺害を決意。長谷川は2005年3月ごろから、当時勤めていたホストクラブのホスト数人に報酬1000万円を示して殺害を依頼した。断られ続けたが、同店のホストだった鈴木克己（当時33歳）を「報酬を上げるかもしれない」と説得し、殺害を引き受けさせた。
鈴木は2005年5月8日、無施錠の二階から侵入。午後10時ごろ、帰宅した男性の胸や背中をナイフで約10回刺して失血死させた。さらに男性宅にあった現金約30000円と乗用車1台（55万円相当）を盗んだ。長谷川は事件前に、面識のないBを連れて弟宅周辺を下見させていたといい、犯行の計画を立てた上で、指示していた。
長谷川は事件の第一発見者で、5月10日に弟宅を訪れ、遺体を見つけたとして警察に通報。「8日から弟と連絡が取れなくなり、不審に思って訪れた」と話していた。また殺害日当日は、上福岡市（現ふじみ野市）の居酒屋に行ってアリバイを作っていた。
鈴木は報酬を要求したが、長谷川はまだ150万円程度しか払っていなかった。
長谷川は2005年8月12日夜、横浜市内の洋品店で、経営者に「ピストルと爆薬を持っている」などと書いた文書を手渡して脅迫するなどして、神奈川県警に脅迫などの容疑で逮捕され、横浜地検が同罪で起訴していた。
2005年9月21日、鈴木が殺人容疑で逮捕。犯行を自供し、30日に長谷川が逮捕された。鈴木は2005年春の時点で、勤め先の会社に約650万円の債務があった。
長谷川は「ギャンブルなどの遊興費で金がなく、借金もあった」などと供述している。
また長谷川は1976年12月、殺人事件を起こし、無期懲役の判決を受け服役。2004年5月に仮出所していた。
長谷川の母は、1992年に事故死。死亡保険金や不動産を分割し、計約3000万円分がAに与えられた。お金を預かった親類男性は、長谷川の依頼で前の殺人事件の被害者側に見舞金を渡したほか、仮出獄後の2003年6月に約1700万円分の通帳や実印を手渡した。
裁判[編集]
2007年（平成19年）2月13日、鈴木に懲役30年が確定した。 2008年（平成20年）3月17日、長谷川に死刑が確定した。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 漂泊旦那の漂流世界 事件の概要の引用元
