大学院生
大学院生(だいがくいんせい、英:graduate student、graduate fellow)は、大学院に在籍している学生のことである。院生(いんせい)とも呼ばれ、学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)に在籍する「学部生」の語と対比して用いられることも多い。
概要[編集]
大学における教育研究組織においては、助手や研究員未満であって、学部の学生以上の存在として位置付けられる。大学や所属組織によっては、教授・助教授・講師などの授業の補助をする場合がある。日本では特に1990年代後半から、賃金を支払って正式にチューター(学士課程の学生への学習助言者)としての職を与える制度が各大学において整備されてきており、この職はティーチングアシスタント(teaching assistant、TA、教育補助者)とも呼ばれ、医薬系・理工系だけでなく人文科学系・社会科学系の大学院においても浸透して来ている。また、日本国外の大学院においてはティーチングアシスタントより上級的位置づけになるリサーチアシスタント(research assistant、RA、研究補助者)と呼称されるティーチングアシスタントに比べさらに研究者に近い職域を担う役職もある。
日本におけるティーチングアシスタントとしての職種たる待遇(地位)の確立は、諸外国の実運用制度とはまだ距離があり、日本の大学風土の醸成が待たれる。
大学院生の英語表記graduate studentには、graduate(卒業した)という形容詞は付くものの、student(学ぶ者)である。ただし、学士課程(学部)の学生は「教えられて学ぶ者」であるが、大学院生は「自ら学ぶ者」と考えられている。学ぶという意味では、大学院生は、自ら自覚したstudent(学ぶ者)とも考えられている。また、国際公務員の応募資格は、応募するポストと関連する分野での修士号以上の学位があることが求められる。大学院生の自殺率が職業別では最も高い。
近年、クロス学歴といい、学士課程(学部)の時代に専攻したものと異なる分野を大学院で専攻する学生も少なくなく、また、学問を大学卒業後に相当の年数を経てから改めて深く学ぼうとする人々も出てきている。
専門職大学院のように、現場の社会人の再教育という意味合いを持つ大学院では、かなり年齢の高い大学院生も多い。