ジルコニウム

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ジルコニウム(Zirconium)は原子番号40の元素元素記号Zrチタン族元素の一つ、遷移金属でもある。常温で安定な結晶構造はα型(六方最密充填構造:HCP)。862℃以上でβ型(六方晶)へ転移する。比重は6.5、融点は1852℃。銀白色の金属で、常温でアルカリに対して安定に存在する。耐食性があり、空気中では酸化被膜ができ内部が侵されにくくなる。高温では、酸素窒素水素ハロゲン元素などと反応して、多様な化合物を形成する。

用途[編集]

ジルコニウムは金属の中で熱中性子の吸収断面積が最小のため、ジルカロイと呼ばれるジルコニウム合金が原子炉燃料棒の被覆材料(燃料被覆管)や沸騰水型原子炉燃料集合体のチャンネルボックスの材料として利用される。燃料被覆管を形成する際には、原子炉に入れたときにα相(稠密六方格子)の底面に水素化物が析出しやすく、それが原因で被覆管が破損する可能性があるため、ロールダイスにより管を回転往復させながら圧延するピルガー式圧延法を用いる。沸騰水型軽水炉ではα領域内の高温(580℃)で最終焼鈍した再結晶材を使用し、加圧水型軽水炉では再結晶が生じていない450℃程度で焼鈍を行った歪み取り焼鈍材を使用する。

酸化ジルコニウムは、白色顔料などに使われている他、圧電素子コンデンサーガラス差し歯や歯のブリッジなどに使われている。

歴史[編集]

マルティン・ハインリヒ・クラプロートによって1798年に発見。宝石のジルコンからきているが、それは、アラビア語で金色を表わす"zarqun"が語源。1824年イェンス・ベルセリウスにより、フッ化カリウムジルコニウムをカリウムで還元することによって初めて金属分離された。

ジルコニウムの化合物[編集]

同位体[編集]

詳細は ジルコニウムの同位体 を参照
1 元素周期表 18
1 H 2 13 14 15 16 17 He
2 Li Be B C N O F Ne
3 Na Mg 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Al Si P S Cl Ar
4 K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
5 Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
6 Cs Ba * Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
7 Fr Ra ** Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg ...
* La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
** Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr