国定公園
国定公園(こくていこうえん)とは、日本において国立公園に準じる景勝地として自然公園法に基づいて環境大臣が指定した公園。国立公園が国の直接管理なのに対し、国定公園は都道府県が管理する。
目次
概要
1950年7月の琵琶湖国定公園(7月24日)佐渡弥彦国定公園(現佐渡弥彦米山国定公園・7月27日)、耶馬日田英彦山国定公園(7月29日)の3箇所の指定をはじめとし、2007年8月までに62箇所の国定公園が指定されてきたが、その後に国立公園に昇格したものもあるため、現在は56箇所の国定公園が存在している。最も新しいものは2007年8月3日に指定された、京都府の丹後天橋立大江山国定公園である。
国定公園の中には、国土軸や都心部の自然を保護するために東海自然歩道設置計画の一環として、便宜上の指定を設けたものがある(例:愛知高原国定公園、揖斐関ヶ原養老国定公園、大和青垣国定公園など)。これらについては複数の都道府県立自然公園を格上げしたものの集合体もあり、決して国立公園に準じる景勝地とは言い難い。また大都市近郊の緑地を保全することを目的として指定された国定公園も存在する。住民、自治体の運動や意識の差違もあるため、指定範囲にばらつきが見られるのが現状となっている。そのため、例えば日本アルプスのうち、中央アルプス(木曽山脈)だけが国立公園にも国定公園にも指定されていない(北アルプス(飛騨山脈)は中部山岳国立公園・南アルプス(赤石山脈)は南アルプス国立公園)ことや、日本三景のうち松島だけが国立公園にも国定公園にも指定されていない(宮島は瀬戸内海国立公園・天橋立は丹後天橋立大江山国定公園)など、著名な景勝地や貴重な自然資源であるにもかかわらず指定範囲外であるものも多数存在する。
国定公園一覧
※1 水郷国定公園として
※2 佐渡弥彦国定公園として
※3 金剛生駒国定公園として
※4 1965年10月1日に琉球政府により沖縄海岸政府立公園及び沖縄戦跡政府立公園に指定。本土復帰とともに国定公園となる。
国立公園に昇格した国定公園
- 白山国定公園(1955年7月1日指定・1962年11月12日白山国立公園に昇格)
- 山陰海岸国定公園(1955年6月20日指定・1963年7月15日山陰海岸国立公園に昇格)
- 足摺国定公園(1955年4月1日指定・1972年11月10日宇和海地域を加えて足摺宇和海国立公園に昇格)
- 利尻礼文国定公園(1965年7月10日指定・1974年9月20日サロベツ原野地域を加えて利尻礼文サロベツ国立公園に昇格)
一部の区域だけが国立公園に昇格した国定公園
既存の国立公園に編入された国定公園
- 伊豆七島国定公園(1955年4月1日指定・1964年7月7日富士箱根伊豆国立公園に編入)
- 錦江湾国定公園(1955年9月1日指定・1964年3月16日霧島屋久国立公園(「霧島国立公園」を同日に改名)に編入。なお、霧島屋久国立公園は、屋久島国立公園の分離に伴い、2012年3月16日に霧島錦江湾国立公園に改名)
既存の国立公園への編入が予定されている国定公園
- 南三陸金華山国定公園(1979年3月30日指定・2014年度中に三陸復興国立公園への編入が検討されている)