皇學館大学
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目次
概観[編集]
大学全体[編集]
1882年に伊勢神宮祭主であった久邇宮朝彦親王の令旨によって林崎文庫に設置された神宮皇學館を母体として1962年に設立された大学である。1903年からは官立の旧制専門学校(内務省所管の宗教系旧制専門学校)、1940年からは旧制の官立大学になった。伊勢神宮の外宮と内宮のほぼ中間の倉田山に所在する本部(伊勢キャンパス、文学部・教育学部)のほかに、名張市の名張キャンパス(社会福祉学部)がある。
令旨[編集]
昭和37年に新制大学として発足した皇學館大學は、その建学の精神を元の神宮皇學館及び神宮皇學館大學より受継いでいる。明治15年(1882年)年に、神宮の鎮座する伊勢に発足した神宮皇學館は、当時の文明開化、旧物破壊の風潮に対して、我が国の歴史と伝統に基づいた学問の維持発展を目指した。明治33年2月18日、当時の神宮祭主・神宮皇學館総裁賀陽宮邦憲王による令旨は、現在においても皇學館大學建学の精神を最もよく示すものとされている。内容は以下の通り。
- 神宮皇學館教育ノ旨趣ハ、皇国ノ道義ヲ講ジ、皇国ノ文学ヲ修メ、之ヲ実際ニ運用セシメ、
- 以テ倫常ヲ厚ウシ、文明ヲ補ハントスルニ在リ。夫レ業勤メザレバ精ナラズ、事習ハザレバ達セズ。
- 況ンヤ本館期スル所ノ学ノ重且大ナルニ於テヲヤ。
- 本館学生深ク此旨ヲ体シ、常ニ師長ヲ敬重シ、館則ヲ遵守シ、黽勉(びんべん)努力、以テ他日ノ成業ヲ期シ、
- 夙夜敢テ怠ルコト勿レ。
教育および研究[編集]
文学部の神道・国史・国文学科では神社本庁の神職の資格が取得できる。大学でこの資格を取得できるのは國學院大學と皇學館大学だけである。
沿革[編集]
年表[編集]
- 1882年4月30日 当時伊勢神宮祭主であった久邇宮朝彦親王の令旨により、林崎文庫に神宮皇學館(この神宮は伊勢神宮の事)が設置される。
- 1883年4月 林崎文庫講堂に於いて、神宮皇學館開館式を挙行する。
- 1887年 宇治浦田町(現在の神宮道場所在地)に校舎を新築し移転する。
- 1896年 宇治館町に新校舎竣工。浦田町時代の校舎はそのまま移築し、寄宿舎として使用する。
- 1900年2月18日 伊勢神宮祭主であり神宮皇學館総裁であった賀陽宮邦憲王が令旨を発する。令旨は現在まで皇學館全体の建学の精神とされている。
- 1902年 神宮皇學館創立記念日を4月30日と定める。服制・帽章(桜花)を制定する。
- 1903年 神宮皇學館官制(勅令第130号)により、神宮司庁内に置かれた内務省所管の官立専門学校となる。
- 1905年 神宮皇學館の学生服制・帽章を改訂する。帽章は桜花を皇学に改める。
- 1919年 度会郡浜郷村神田久志本の倉田山丘陵に移転する。
- 1920年 上田萬年が館長に就任する(東京帝国大学教授と兼任)。
- 1940年 皇紀2600年を記念し、文部省所管の官立大学へ昇格、神宮皇學館大學と改名(予科3年、学部3年)。学長に山田孝雄(よしお)(前東北帝国大学教授)就任。
- 1941年 附属専門部開設。
- 1942年 学部(祭祈・政教・国史・古典の4専攻)開設。
- 1946年 連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が出したいわゆる神道指令(1945年12月発令)により神宮皇學館大學は廃学処分となる。
- 1951年 復活運動が繰り広げられ、財団法人五十鈴会設立される。
- 1952年 神宮皇學館大學再興期成会が結成される。
- 1959年 財団法人神宮皇學館後援会(会長:吉田茂、副会長:池田勇人)設立される。10月、「皇學館後援会」に名称変更。
- 1962年 吉田茂を総長として、4月25日皇學館大學校舎竣工祭並びに開学式が挙行され、私立の新制大学として、皇學館大学が開学する。文学部国文学科・国史学科が設置される。
- 1966年 皇學館大學大学院開設。(文学研究科修士課程、国文学専攻・国史学専攻)
- 1966年 皇學館女子短期大學開設。(国文科)
- 1967年 大学に出版部設置。図書の刊行を始める。
- 1970年 短期大学に神職課程を設置し、男女共学とする。「皇學館女子短期大學」を「皇學館短期大學」と改称。
- 1973年 附属図書館新築竣工。大学院文学研究科博士課程(国文学専攻・国史学専攻)を設置する。
- 1975年 文学部に教育学科を設置する。
- 1976年 皇學館短期大學を廃止。
- 1977年 文学部に神道学科を設置する。
- 1978年 神道研究所・史料編纂所を設置する。
- 1981年 神道学専攻科を設置する。
- 1981年 百周年記念講堂を竣工する。
- 1989年 神道博物館を設置する。
- 1990年 大学院に文学研究科修士課程神道学専攻を設置する。
- 1995年 神宮皇學館大學戦歿学徒慰霊祭を斎行する。
- 1998年 名張市に名張キャンパスを開設し、社会福祉学部を設置する。
- 2000年 文学部にコミュニケーション学科を設置する。
- 2001年 皇學館大学に名称を変更する。
- 2002年 大学院に社会福祉学研究科修士課程(社会福祉学専攻)を設置する。
- 2003年 地域福祉文化研究所を設置する。
- 2004年 大学院文学研究科に教育学専攻修士課程・神道学専攻博士後期課程を設置する。
- 2008年 文学部教育学科を教育学部に改組する。
- 2009年 2011年に名張キャンパスを閉鎖することを公表。
- 2010年4月 現代日本社会学部を新設予定。
基礎データ[編集]
所在地[編集]
教育および研究[編集]
組織[編集]
学部[編集]
- 文学部(伊勢キャンパス)
- 神道学科
- 神道学科では神道(神職)の基礎教育が行われており、卒業と同時に正階の神職資格が授与される。なお、卒業後に神社での実務奉仕と神社本庁での短期研修を受けることで、正階より上位の明階の資格を取ることもできる。神道学科で学ぶ者の多くは、神職の家系等に属し神職を継ぐ必要のある者か、神職・神社・神道に興味のある者がほとんどである。このため、卒業後に神職となるか否かは本人の希望次第でもある。なお、大学で神社本庁の神職資格の教育課程が受けられるのは、皇學館大学と國學院大學のみである。さらに、宗教科教員免許を取得できる神道系学校は皇學館大学のみである。
- 国文学科
- 国史学科
- コミュニケーション学科
- 社会福祉学部(名張キャンパス)
- 社会福祉学科
- 教育学部(伊勢キャンパス)
- 教育学科
- 現代日本社会学部(平成22年4月新設・伊勢キャンパス)
- 政治・経済分野
- 現代社会分野
- 福祉・計画分野
- 伝統・文化分野
大学院[編集]
専攻科[編集]
- 神道学専攻科
- 神道学専攻
附属機関[編集]
大学関係者一覧[編集]
施設[編集]
寮[編集]
文学部・教育学部の学生向けに男女別の学生寮がある。男子寮を精華寮、女子寮を貞明寮と称する。「特に入寮を希望しない者」と「自宅通学が可能な者」を除き入学からの二年間は寮で生活するのが原則である。大学として寮の整備には特に力を入れており、その整備充実が積極的に図られている。かつて寮生には正装での毎月の神宮の月例参拝、寮内には神殿での夕拝、毎朝の朝拝等の宗教行事が義務付けられており、授業などでは事実上、正装が義務となるなど極めて厳格な寮生活の中で人との協調性や上下関係などを身につけることとなる。
対外関係[編集]
他大学との協定[編集]
- 国際・学術交流等協定校