篠原眞
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
カテゴリ |
篠原 眞(しのはら まこと、1931年12月10日 - )は日本の現代音楽の作曲家。大阪府出身。主としてオランダのユトレヒト在住だが東京と京都にも住まいがある。
「海を見たくま」などを作曲している洗足学園音楽大学講師の篠原真(しのはら まこと)とは別人。音楽の友社の楽譜での名前は常用漢字の「真」だが、本人のサインでは旧字体の「眞」が使われている。
略歴
大阪府出身、東京都青山育ち。東京都立日比谷高等学校卒業後、青山学院大学に入学するも中退、東京藝術大学作曲科に入学。東京では池内友次郎、安川加寿子、渡邉暁雄、クルト・ヴェスらに師事。しかし、芸大も中退してフランスへ渡り、オリヴィエ・メシアンに師事する。プリミエ・プリを得てパリ音楽院を卒業。メシアンに勧められてダルムシュタット夏季現代音楽講習会へ参加し、ドイツに移ることを決意。ケルンで作曲をベルント・アロイス・ツィンマーマンに、電子音楽をゴットフリート・ミヒャエル・ケーニッヒに高く評価され、その完璧な様式美を称えられた。後に念願であったカールハインツ・シュトックハウゼンとアシスタントとして共に仕事をすることとなり、一時は篠原はシュトックハウゼンの創作の紹介者として日本に伝えられていた。一時アメリカ大陸にも住んでいたが、以後現在に至るまでオランダのユトレヒトなどヨーロッパ在住。
海外で質の高い創作を行いながら、日本で全く評判が上がらないことを苦にしたピアノ調律師原田力男が個展とレクチャーを開催し、大きく話題となった。そのときの作品がチェロ独奏の為の「エヴォリューション」と、増幅されたバスフルートと変調の為の「パッセージ」である。
2006年12月にケルンの日本文化センターで行われた生誕75周年記念の記念演奏会は、これまでの創作の展望を一覧できる重要な機会となった。
作風
作品リストから割愛されたオーケストラ曲や、ヴァイオリンとピアノの為の「ソナタ」では前衛イディオムは用いられていないものの、1960年代以後は新古典的様相が完全に消え、前衛イディオムに彩られた秀作を次々と発表する。リコーダーソロの為の「フラグメント」、ピアノ独奏の為の「タンダンス」、打楽器合奏の為の「アルテルナンス」などがこれに入る。
1970年代以後は通じて「和洋の音楽的融合」をテーマに据え、エキゾチズムが表層に出ず、なおかつ質の高い様式美を失っていない。この時期の作品は「かっこつきの日本に毒された創作」と批判されることもある。しかし、和洋楽器合奏の為の「コゥオペレーション」、25の西洋楽器の為の「エガリサシオン」、フルートとピアノの為の「レラシオン」などの評価は高い。
篠原は「同一ジャンルごとに模倣を生まない」といったジャン・バラケのような厳しい作曲態度であり、全作品数が極めて少ない。往年の名曲を求める声は強く、現在では「過去の自作を再作曲する」ことにも若干応じる気配がある。しかしながら彼の一貫した作風は決して保守に属するわけではないが、ある意味ではシュトックハウゼンの派手さとは正反対にも見える。「協力/コゥオペレーション」の、そのブラームスにも似た目立たない地味さは、作品そのものを世界第一級の注目の的に押し上げる足枷にもなると伝えられる。
作品
作品の表記法は、『日本の作曲20世紀』(音楽之友社)の篠原眞作品リストの下に掲げられている、「篠原眞作品の発音と望ましい表記法について」によった。外国語による表記と〈〉(山カッコ)内の日本語を併記するかたちを採用している。ただし、以下の作品においては、日本語と外国語の位置が逆転している。
- 夢路〈Ways of Dreams〉
- たゆたい〈Fluctuation〉
- 求道A〈In quest of enlightenment A〉
- 求道B〈In quest of enlightenment B〉
- 流れ〈Flow〉
- 十七絃の生まれ〈Birth of the Bass Koto〉
- たびゆき〈On Travel〉
また、編曲作品「日本の歌より」は作品リストに掲載されていないこともあり、外国語題名を付けていない。
彼の作品は全音楽譜出版社、音楽之友社、日本作曲家協議会、キックオフ、レデュック社、メック出版社、トレメディア音楽出版社から出版されている。
管弦楽
- Solitude 〈孤独〉
- Visions II〈幻影II〉
- Égalisation〈平等化〉(25人の器楽奏者。音楽之友社からの出版譜では「エガリザシオン」と表記されている)
- Liberation〈解放〉
- 夢路〈Ways of Dreams〉(和洋楽器のオーケストラと混声合唱)
室内楽
- Trois d'Anches〈木管三重奏曲〉(オーボエ、クラリネット、ファゴット)
- Sonate〈ソナタ〉(ヴァイオリン、ピアノ)
- Kassouga〈春日〉(フルート、ピアノ)
- Trois Pièces Concertantes〈3つの協奏的小品〉(トランペット、ピアノ)
- Obsession〈概念〉(オーボエ、ピアノ)
- Alternance〈交互〉(6打楽器奏者)
- Consonance〈協和〉(フルート、ホルン、ヴィブラフォン、マリンバ、ハープ、チェロ)
- Relations〈関係〉(フルート、ピアノ)
- 求道B〈In quest of enlightenment B〉(尺八、ハープ。なお、『日本の作曲20世紀』では「尺八、フルート」となっていた)
- Play〈遊び〉(フルート、アルトフルート、オーボエ、クラリネット、バスクラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン)
- Turns〈巡り〉(ヴァイオリン、箏またはヴァイオリン)
- Cooperation〈協力〉(8人の邦楽器奏者と8人の洋楽器奏者。全音楽譜出版社から刊行された楽譜では「コゥオペレーション」)
- Situations〈状況〉(アルトサックス、シンセサイザー)
- Undulation B〈波状B〉(2台のピアノ)
- Fragmente Duo〈断片 デュオ〉(バスフルート、二十一絃箏)
- Fragmente Trio〈断片 トリオ〉(バスフルート、二十一絃箏)
独奏
- Tendance〈傾向〉(ピアノ。メック出版社からの楽譜では「タンダンス」)
- Fragmente〈断片〉(バスフルート)
- Réflection〈思いわずらい〉(オーボエ)
- たゆたい〈Fluctuation〉(箏、打楽器、声。箏奏者が打楽器と声を兼ねる。独唱者を別に立ててもよい)
- 求道A〈In quest of enlightenment A〉(尺八)
- Elevation〈高揚〉(オルガン)
- Passage〈移り行き〉(ステレオ増幅されたバスフルート。アルトフルートやフルートでも、また増幅なしで演奏することも可能。日本作曲家協議会から出版された楽譜では「パッセージ」)
- 流れ〈Flow〉(三味線。全音楽譜出版社の楽譜では、外国語表記が「Nagare」となっている)
- 十七絃の生まれ〈Birth of the Bass Koto〉(十七絃)
- Evolution〈進展〉(チェロ。日本作曲家協議会から刊行された楽譜では「エヴォリューション」)
- Undulation A〈波状A〉(ピアノ)
声楽
- たびゆき〈On Travel〉(メゾソプラノ、12奏者)
- 日本の歌より(無伴奏混声合唱。編曲)
テープ音楽
- Visions I〈幻影 I〉
- Mémoires〈回想録〉
- Personage〈人物〉
- Broadcasting〈ラジオ放送〉
- City Visit〈都市空間〉de:Makoto Shinoharanl:Makoto Shinohara