東浩紀

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東 浩紀(あずま ひろき、1971年5月9日 - )は、日本哲学者文芸評論家。専攻は現代思想表象文化論情報社会論サブカルチャーへの言及、評論でも知られる。東京都三鷹市出身。

1993年ソルジェニーツィン試論』(柄谷行人浅田彰編集の『批評空間』掲載)で評論家としてデビュー。なお、この元原稿は、柄谷行人が当時教えていた法政大学での講義に潜り込んで参加した東が、直接柄谷に手渡したものである。

妻は作家・詩人のほしおさなえ。一児。義父は『探偵物語』の原案者で翻訳家の小鷹信光

来歴

概要

デビュー以後多数の人文科学系誌に評論を掲載、最初にまとめられた『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』を最初の著書として、新潮社から上梓。同書によりサントリー学芸賞を授与。三島由紀夫賞でもノミネート。帯に浅田彰の賞賛の言葉と、自著『構造と力』が過去のものとなったことを自認した言葉が載る。

それ以外に複数の雑誌に掲載された論考等を集めた評論集『郵便的不安たち』を朝日新聞社から刊行。 ポストモダンからオタク文化などについて現代思想に関する幅広い発言・論考を展開。もっとも注目される若手の評論家の一人とみなされつつある。 専門のジャック・デリダのほかに、精神分析のジャック・ラカンを援用している。 1996年の『エヴァンゲリオン論』(『郵便的不安たち』所収)以来、一般にはオタク系サブカルチャーとの関わりの面からの注目度が高い。また、『ファウスト』、『新現実』といったオタク系文芸誌の立ち上げにも関わっている。

かつては論壇における日本的対談を批判していたものの、2001年以降は執筆量が激減し、対談・鼎談が主な(露出している)仕事となっている。また執筆・発売が予告されていた著作が変更されたり、延期することが多い。

自身の作成するHPではメールマガジン『波状言論』を配信していた(2003年12月から2005年1月まで)。

波状言論の終了と前後するように、GLOCOMの東浩紀研究室にて、「ised[1](情報社会の倫理と設計についての学際的研究 Interdisciplinary Studies on Ethics and Design of Information Society)を2004年10月に立ち上げ、情報社会に関する精力的な研究に取り組んだ。研究会は2006年1月に予定通り最終回の議論を行い、2006年8月に最終回の議事録の公開が行われた。

2006年以降は小説家の桜坂洋、GLOCOM研究員の鈴木健との共同プロジェクトとして「GEET STATE」を開始している。当初はGLOCOMにおけるisedの後継プロジェクトと位置づけられていたが、東のGLOCOM辞任をうけて個人ベースの共同プロジェクトとして開始された。このプロジェクトは、2045年の日本社会を舞台とした世界観の上で、未来予測とエンターテインメントの両立を図ろうとするものであり、CNET Japanで製作日誌[2]が公開されていた(2006年末に連載を終了)。2007年1月31日より本格的に物語がスタートした[3](この本編には、鈴木健は多忙を理由として参加していない)。

著書

単著

  • 『存在論的、郵便的――ジャック・デリダについて』(新潮社, 1998年)
  • 『郵便的不安たち』(朝日新聞社, 1999年)
  • 『不過視なものの世界』(朝日新聞社, 2000年) - 対談集
  • 『動物化するポストモダン――オタクから見た日本社会』(講談社講談社現代新書], 2001年)
  • 『郵便的不安たち#』(朝日新聞社[朝日文庫], 2002年)
  • 『ゲーム的リアリズムの誕生――動物化するポストモダン2』(講談社[講談社現代新書], 2007年)
  • 『文学環境論集東浩紀コレクションL essays』(講談社, 2007年)

共著

  • 笠井潔)『動物化する世界の中で』(集英社[集英社新書], 2003年) - 往復書簡形式
  • 大澤真幸)『自由を考える――9・11以降の現代思想』(日本放送出版協会[NHKブックス], 2003年)
  • 北田暁大)『東京から考える――格差・郊外・ナショナリズム』(日本放送出版協会[NHKブックス], 2007年)

編著

  • 『網状言論F改――ポストモダン・オタク・セクシュアリティ』(青土社, 2003年)
  • 『波状言論S改――社会学・メタゲーム・自由』(青土社, 2005年)
  • 『コンテンツの思想――マンガ・アニメ・ライトノベル』(青土社, 2007年)

自主流通本

  • 『美少女ゲームの臨界点』(波状言論, 2004年) - 編集責任、多くの人物との共著
  • 『美少女ゲームの臨界点+1』(波状言論, 2004年)

関連項目

外部リンク