中小企業
中小企業(ちゅうしょうきぎょう)は、中規模以下の企業。特に、個人経営に近い小規模なものは、小規模企業者または零細企業とも呼ばれる。
定義
中小企業基本法では、第二条で「中小企業者の範囲」を次のように定義している。
- 資本の額(資本金)又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの
ただし、政令により、以下の特例がある。
小規模企業者
中小企業基本法第二条五項で、おおむね常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、5人)以下の事業者を、「小規模企業者」と定義している。
中小企業のメリット
中小企業は税制度などの面で優遇されるため、あえて減資を行い中小企業になる、もしくは留まる企業も多い。代表的なメリットを以下に記述する。
- 法人税の軽減 - 中小企業かつ所得800万円以下までは、法人税が30%から22%に減税される。
- 交際費課税の経費処理 - 400万円以下の交際費の90%以下を経費として処理できる。
- 法人住民税の減額 - 自治体により減税額は異なるが減税が行われる。
- 外形標準課税の免除 - 地方税である外形標準課税が免除される。(ただし、資本金1億円までの会社に限る)
- 少額減価償却資産 - 300万円まで30万円未満の減価償却資産を全額損金算入できる。
- 欠損金の繰戻還付制度 - 条件を満たせば、欠損金が生じた年度の欠損金を前年度などの所得に繰り戻して、還付金を受けられる。
- 独立行政法人勤労者退職金共済機構の中小企業退職金共済(中退共)に加入できる。(事業者が従業員に支払う予定の退職金の積み立てについて、国からの補助や税制上の優遇措置が受けられる)
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
人事
経営と人事との関係
会社の経営戦略と、社員の採用・教育といった人事は、密接な関係があるという。
今後の会社の方向性に対して、長期的な経営戦略を持っている企業では、新卒を採用し、丁寧に育て今後に対応しようとしている。一方、持っていない企業はその場その場で必要な人材を中途採用やアウトソーシングによって賄おうとする傾向があるという[1]。
- 長期的な経営戦略を持っている会社 - 「正社員の新卒採用・内部教育を重視している割合が高い」[1]より引用
- 長期的な経営戦略を持っていない会社 - 「即戦力の人材の中途採用や非正社員の活用業務の外注を重視する割合が高くなっている」[1]より引用
また、経営戦略として、自社の競争力としてどのようなものを重視するかという観点からは以下のように分かれる[1]。
ただし、サービスの提供であっても、ブランド力を重視するホテル業界などは、内部での人材育成を重視する傾向がある[1]。
人事の特徴
中小企業の人事は、以下のような特徴がある[2]。
- 中途採用及び中途転職が多い
- このことは、技術伝承の困難さ、職場の中核となる人材が育ちにくい状況の原因となっている。
- 永年勤めてくれた人に報いる年功序列型の傾向
- 上述したように人が辞めやすい中で、長年会社のために働いてくれた人(これは、長年勤めることによって技術の研鑽、先代からの継承にも功績があることを意味する)に報いるために、年功序列型になる傾向がある。
人材難
中小企業は、人材難な状況となっている。原因は、就職希望者・新規入社社員及び、会社側双方に責任がある[2]。。近年、中小企業はいくら求人を出そうとも新卒が集まってこない厳しい状況に直面している。2005年放送のNHK「日本のこれから」中のスタジオ生討論においても、中小企業経営者らの代表グループが「町工場は人手がまったく足りない」「求人を出している」と語っていた。
- 就職希望者・新規入社社員の責任
- 近年の大企業志向や、自己の高望みが克服できず、3Kの仕事をいやがり、ちょっとでも気に入らなかったり、楽しくなかったりするとすぐに辞めてしまい、結果として会社に損害を与える
- 会社側の責任
- すぐ辞めてしまうからと正社員の育成を怠り、安易な人件費抑制に走って非正社員(パート労働者や外国人労働者)を増やそうとする。
英語での表現
英語ではSmall and Medium Business(SMB)と表現される。また、SMBは中小企業基本法における中小企業よりも範囲は狭く、中堅中小企業を指し示す際に用いられる。英語圏だけではなく、日本語圏でも中堅中小企業を指し示してSMBと称することがしばしばある。
関連項目
外部リンク
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 2007年7月号『人材教育』(日本能率協会マネジメントセンター)
- ↑ 2.0 2.1 『製造業崩壊-苦悩する工場とワーキングプア』北見昌朗 東洋経済新報社 2006年12月
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・中小企業を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |