幕末機関説 いろはにほへと

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幕末機関説 いろはにほへと』(ばくまつきかんせつ いろはにほへと)は、2006年10月6日から2007年4月6日(配信開始日基準)までインターネットによる動画配信サイト・GyaOにて公開された、日本の連続オリジナルアニメWebアニメ)作品である。全26話。

概要[編集]

本作は『アルジェントソーマ』を手がけたサンライズ第7スタジオが母体となって製作されている。近年テレビ局で放送する事を主目的としない商業アニメーション作品で増えつつある、ネットで初めて一般公開する形態(代表例としては『リーンの翼』・『FLAG』などが挙げられる)を採用している。GyaOでこの様な配信体制を採るのは初めての事である。

配信期間は1話につき2週間。毎週金曜日の正午に1話ずつ更新されていた。なお、2007年のゴールデンウィークには、全話が再配信されていた。


注意以降に核心部分が記述されています。

ストーリー[編集]

時代の転換期に現れ、世に混沌をもたらすと言われる「覇者の首」。それは古来秦より伝わり、覇権を望む者達に争いの火種を遺して来た。

時は巡り激動の幕末。異国色が芽吹きつつある横濱の地に、一人の剣士の姿があった。彼の名は秋月耀次郎。霊剣「月涙刀」を有し、彼の首の封印を天命とする「永遠の刺客」と呼ばれる者である。かつては坂本龍馬の用心棒を務めながらも、彼を救えなかった事を深く悔いる耀次郎は、心に癒えぬ傷を負ったまま一人幕末に蘇った「覇者の首」を追っていた。

彼は喧嘩に巻き込まれそうになった子供を助けた事で、「仇討ち」を本懐とする旅芝居一座と出会う。一座の仇敵・中居屋重兵衛、彼が手にする「覇者の首」。そして首を追う耀次郎。様々な思惑と陰謀が渦巻く中、耀次郎と一座は首を巡る激動の渦に巻き込まれていく……。

登場キャラクター[編集]

高麗の里(こまのさと)[編集]

武州(現在の埼玉県)の山奥にある、耀次郎の故郷。「覇者の首」の封印・廃棄の命を始皇帝より受け、徐福とともに日本に渡ってきた童男童女の末裔が多く暮らし、「月涙刀」を代々受け継ぎ守ってきた。そのため、「覇者の首」に関わる秘密や秘術を多く有している模様である。

なお、高麗の里は架空の地名ではなく高麗郡として現在の埼玉県日高市周辺に実在していた。日高市にある高麗神社はその時の名残を残しており、このアニメに取材協力をしている。


  • 秋月耀次郎(あきづき ようじろう)浪川大輔
霊剣「月涙刀(げつるいとう)」を有し、「覇者の首」封印を天命とする「永遠の刺客」。17歳。
非常に寡黙な青年であり、礼儀正しいが愛想が無く滅多に表情を崩さない。他人に対して頑なであり、自らが背負った使命も苦悩も内に抱え一人首の行方を追っている。しかし、全く冷たい人間かというと、そういうわけでもなく、共に旅をすることになった赫之丈に対して(不器用ながらも)多少の気遣いを見せたり、孤児の兄弟に対してさりげなく握り飯を与えてやるなど、時には優しい一面も垣間見せる。
幼少の際に高麗の里を訪れ(出身自体は別の模様)、帯刀新左衛門の元で剣を学ぶ。流派は海天藍真流(かいてんらんしんりゅう)。一時は沖田総司と同じ道場にも身を置いた。首の気配を追い京都に赴いた際に坂本龍馬と出会い、彼の申し出と彼を巡る首の気配を受けその用心棒を務めるが、暗殺の魔手から彼を守る事が出来ず、それが元で心に深い傷を抱えている。
その後、坂本龍馬暗殺犯の嫌疑を掛けられ拘留されるも解放され、龍馬を巡る人々の前から人知れず行方を眩ませ一人首を追い横浜の地を訪れる。横浜では利害関係から遊山赫之丈一座の用心棒として一座に同行するが、一座の戯作者・茨木蒼鉄が中居屋より奪い去った「覇者の首」を追い、一度一座とは袂を分かつ。しかし蒼鉄の思惑により江戸で再び一座と再会。赫之丈より龍馬の妻おりょうから託された、龍馬の言葉を受け取った。
覇者の首が榎本武揚に憑依してからは、それを追って北へと向かい、一時期は赫乃丈と共に旅をしていた。しかし、松島湾において、覇者の首まで後一歩と迫った所で、覇者の首の影響を受けた赫乃丈に背中を切られ、その後は袂を分かつこととなる。
蝦夷へと向かった後は蝦夷共和国から追われる身となったが、覇者の首に疑念を抱く土方歳三により匿われる。その土方の死後に五稜郭へと突入し、覇者の首の封印に尽力する。そして、エピローグにおいては坂本龍馬の志を受け継ぎ、日本を旅立っていった。
なお、赫之丈の想いを知ってか知らずか、平時の彼女に対する態度は素っ気無い。しかし幾度も彼女の窮地を救っており、赫之丈とは浅からぬ縁で結ばれている。
  • 高麗の聖天様(こまのしょうてんさま) (声:八木光生
武州は高麗の里に住む老人で、耀次郎に「月涙刀」と「覇者の首」封印の使命を託した人物。かつて「覇者の首」封印の命を受け日本の地を訪れた徐福の供の末裔であり、首とそれを巡る事象に造詣が深い。
かなりの食道楽であり、それをネタに新左衛門の憂いを煙に巻く事もしばしばある。常に楽天的な言動を見せながらも、新左衛門と共に里の中から耀次郎の安否を気遣っている。
  • 帯刀新佐衛門(たてわきしんざえもん) (声:松本大
海天藍真流師範代であり、耀次郎の剣の師に当たる。
聖天様の従者を務め、常に彼に付き従い、同時に家事全般をこなしている。非常に実直な性格で事ある毎に耀次郎と首の行方を憂いており、高麗の里で茨木蒼鉄と対峙しこれを逃した際には、蒼鉄の後を追い里を離れようとする等の行動も見せている。
一方で漬け物を切り損なったまま食卓に出したり、聖天様の食道楽で話をうやむやにされてしまう等の一面も併せ持つ。

赫之丈一座[編集]

  • 遊山赫乃丈(ゆやま かくのじょう) (声:佐藤利奈
一座の座長であり、女形として活躍する人気役者。16歳。女性である事を隠し男装して暮らしている(しかし舞台を離れた彼女は声、表情、立ち居振る舞い等すべて「女性」そのものであるため、個人的に赫乃丈を知る人間は直接説明を受けなくとも「遊山赫乃丈」の真の性別については心得ているようである)。なお、「遊山赫乃丈」という名自体は役者名であり、本名はまた別にある。しかしそれが作中で明かされることは一度もなく、エピローグで言いそびれるに留まっている。
元は西国の裕福な商家の一人娘だったが、安政の大獄に際して中居屋重兵衛の謀略により両親を殺され、財産も失い没落。辛くも逃げ延びた後、仇討ちを本懐とし旅芝居を続けながら中居屋の行方を追っていた。ただし、この両親は実の親ではなく、一時期、高麗の里で暮らしていた時期があった。
実力派の役者であり、舞台では艶やかな演技で観客を魅了。女性人気も高いが、女形(女性なので正確ではないが)姿の愛らしさから男性の支持も厚い。凛々しさと度胸の良さ、人々を惹き付ける魅力を持つが、舞台から離れれば女性らしく繊細な面も持っている。
横浜での公演中、喧嘩に巻き込まれそうになった紅丸とこばこを耀次郎が救った事から彼と知り合い、戦いの中幾度も彼に窮地を救われ、以後耀次郎に想いを寄せる様になる。しかし自身の想いに確信が持てず、また耀次郎と一座の戯作者・茨木蒼鉄の確執が深まって行く中、彼にどう接して良いか戸惑っている。
横浜は薩摩屋敷で中居屋を討ち一座の解体を決意するも、蒼鉄の新作台本により中居屋の存命を知り、その思惑に乗せられるまま耀次郎に遅れ江戸へと向かう。また横浜では、かつての耀次郎を知るおりょうと出会い、彼への想いを見抜かれ、坂本龍馬の言葉を耀次郎へ伝える役割を彼女より託される。中居屋と恵比寿の死後は女性としての姿を取り戻し、自身の想いに決着を付けるべく耀次郎の後を追う。
異国めいた容貌を持ち、神無の母に似た面影を有する事から神無には特別な感情を抱かれるが、彼女にとっての神無は中居屋と結託していた人物、或いは耀次郎の敵としてのみ映ったのか、彼に庇われた際もその言葉に応じる事は無かった。
なお、耀次郎と同じく月涙刀の使い手であり、15話以降にこれを所持し、得物とすることになる。しかし後半はその月涙刀の力に囚われ、覇者の首が憑依した榎本に従い、耀次郎と相対することとなる。色が好きらしい。
  • 茨木蒼鉄(いばらぎ そうてつ) (声:井上和彦
一座の座付き戯作者。艶やかな長髪の美貌の男で、人気花魁・琴波太夫とは浅からぬ仲。
一座が売り出し中の頃自ら申し出て一座の座付きとなり、以後復讐劇の表と裏を織り交ぜた新作芝居を手掛け一座を中居屋の元へと導いた。沈着冷静で明晰な頭脳を誇り、剣の腕も一流。一座からの信頼も厚かったが、高麗の里において徐福の器を求めたり、要人達との接触を持つ等不穏な策謀を巡らせていた。
薩摩屋敷にて一座と中居屋が対峙した際、混乱に乗じ「覇者の首」を手中に収め一座の前から姿を消すも、一座の元に中居屋の存命を伝える新作芝居を届け、一同を江戸へと集結させる。耀次郎、神無等の追跡を巧みにかわし、また首の力を操り中居屋をも出し抜き、遂には中居屋の殺害と「覇者の首」を榎本武揚に憑依させる事に成功する。
その真意は未だ定かでは無いが、「自分は歴史の戯作者になる」「世界に冠たる真の国家を」との旨の発言をしており、その願いは500年の永きに渡るものであった。
作中では、断片的な情報がいくつかあったが、その正体は不明なままである。
最終話では、自ら覇者の首を取り憑かせる。
一座の運営を切り盛りし、自ら舞台にも上がる一座の頭。役者名は市村雁雀。
元は赫之丈の生家に仕えていた番頭であり、幼い赫之丈を守り、以後彼女の親代わりとして彼女の側に付き従って来た。仇討ちを本懐としながらも、第一には赫之丈の身を案じている。
一座の花形役者であり、二枚目の伊達男。舞台でも赫之丈と共に主役を演じる事が多い。しかし女好きのお調子者であり、性格的には二枚目半を演じる事が多い模様。役者名は遊山清十郎。
結婚している女性の浮気相手をする間男であったが、女性の十手持ちの夫に不義密通がばれてしまい、怒った夫は妻を殺し、その罪を不知火に被せ凶状持ちにしようとしていた所を、蒼鉄の芝居に救われた経緯から、以後一座と行動を共にして来た。中居屋との確執には直接関わりが無いが、情に厚く一座の仇討ちを親身になって助力する。
琴波太夫に想いを寄せており、彼女が妓楼を離れ店を構えてからも、足繁く彼女の元に通っている。
全身を包帯と鬘で覆った不気味な容貌の少年。役者名は市村鳶助。
元は赫之丈の生家に丁稚奉公していた過去を持ち、彼女の両親からは赫之丈同様に可愛がられ暮らしていた。中居屋の放った暗殺者が彼女の生家を襲撃した際、赫之丈を庇い全身を炎に焼かれてしまう。包帯の下には今も生々しい火傷の跡が残っており、中居屋を始めとする一連の人物達には、一座の中でも並々ならぬ憎悪を抱えている。その為、作中では怒りの感情を前面に出した言動が多かった。江戸での「覇者の首」争奪戦の際、一人中居屋を追い詰めたものの、英国軍の砲撃に巻き込まれ死亡した。
彼が身に付けていた額当ては、血塗れのまま耀次郎から赫之丈へと手渡された。赫之丈への想いは幼少から強かったらしく、或いは彼女に想いを寄せていた事も伺わせる。
作中では、自身の過去を演じた際一度だけ素顔を晒し舞台に上がった事がある(顔半面は無事だったらしく、長い前髪で片目を隠し演技した)。公式サイトでの声優コメントから、一部ファンには「エビちゃん」の愛称で呼ばれている。
気は優しくて力持ちを体現するかの如き男。役者名は市村海斗。
琉球空手の達人であり、類い希な怪力で一座の雑用も担っている。紅丸とこばこの両親は辻斬りに殺されるが、辻斬りの正体はさる藩の目付の放蕩息子であり、案山子は仇としてつけ狙っていたが、蒼鉄の芝居により目付の息子は罪が世に知られてしまい、父と供に切腹させられるという形で救われた過去を持ち、以後一座と行動を共にする。子供好きらしく、紅丸とこばこの面倒は主に彼が引き受けている。
赫之丈一座に拾われた孤児であり一座の最年少。幼いながらも、一座の旗揚げにはビラ配り等を手伝い一座の一翼を担っている。耀次郎に救われてから、彼を「お侍さん」と呼び慕っている。
赫之丈一座に拾われた孤児であり一座の子役。主には紅丸と行動を共にし旗揚げや宣伝の際に活躍している。紅丸と共に耀次郎に救われた事が縁で彼と一座を引き合わせ、彼女もまた寡黙な耀次郎に懐いている。

大英帝国[編集]

  • 神無左京之介(かんな さきょうのすけ) (声:鳥海浩輔
英国海軍中将である父と元遊女の日本人の母を持つハーフで隻眼の拳銃使い。18歳。大英帝国、及びヴィクトリア女王密偵(ただし軍属では無いらしく、扱いはあくまで民間人)であり、耀次郎や中居屋とは別に「覇者の首」を追っている。美男ではあるが、耀次郎同様寡黙でやや無表情。出自からか日本語も非常に堪能である。
懐には肌身離さず母の写真が入った懐中時計を身に付けている。彼の母は吉原でも美貌を誇った遊女であり、幼少の頃は一時日本で暮らすものの同年代の子供達から迫害を受け、以後美しい母の元英国で育つ。しかし英国でも境遇は変わらず、愛する母は幼い神無を棄て男と逃げてしまう。母の乗る馬車を追う中、馬車が蹴り上げた石が右目を傷付け失明する。母が神無を棄てたのは彼女の本意では無かったらしく、馬車の中から彼を想い涙する母、その母を強引に抱き寄せ神無の前から母を奪い去った男の姿を今でも鮮明に記憶しており、それが深いトラウマとなっている。母に棄てられたはずの彼が何故日本名を名乗り、またそれが許されているのかは不明である(父親が現在どうしているかについての言及も無い)。
パークスの命で一時勝海舟のボディガードを務め、その際に耀次郎、勝海舟西郷隆盛の会談の際には赫之丈(舞台上での彼女はそれ以前から目にしていた)と出会っている。その際、赫之丈に母の面影を見出し、以後彼女に特別な思い入れを抱く様になる。同時に薩摩屋敷で耀次郎と死闘を繰り広げ、彼を宿敵と定め執拗に対峙する。
また、江戸において蒼鉄の放った幻影兵士に赫之丈が囲まれた際、彼女を守り言葉を掛けるも、赫之丈は神無には応えず耀次郎の元へ走ってしまった。その後、「覇者の首」争奪戦の最中、船上で一同を襲った砲撃から耀次郎が赫之丈を庇った際、彼女を抱き倒れ込んだ耀次郎の姿にかつての母と男の姿を重ね、耀次郎により一層の確執を抱く事になる。
「覇者の首」争奪戦での自分を顧みぬ英国軍の砲撃に反発しパークスを詰問するも、逆に「信ずる物を持たぬ」心の弱さを突かれ、以後は彼の有する四人の兵士達と共にパークスの指示の元北を目指す。しかしながら、覇者の首を討つことに失敗したために居場所を失い、残った部下と共に榎本の殺害を目論むもこれも失敗に終わる。その後には赫乃丈に母の面影を見出したか、蝦夷共和国へと組した。その後土方を粛清し、耀次郎との決闘の末致命傷を負い、命を落とす。
所有する銃は二丁のレミントン・ニューモデルアーミー・コンバージョン。シリンダーごと弾丸を交換出来る様調整されており、パーカッション式拳銃の欠点である装弾時のタイムロスが解消されている。また、サイドアームとしてレミントン・ダブル・デリンジャーを袖口に仕込んでいる。
右側の視界を補うためか、右に首を傾げて銃を構える癖がある。
パークスの命により覇者の首の破壊を命じられた部隊の一員。ロングソードを得物とする。
榎本暗殺のために五稜郭内に潜入するが、土方との交戦の末、命を落とす。その散り様を蒼鉄は「天晴れ」と称えた。
彼を始めとする部隊(公式サイトなどではチーム神無と表記されている)は、いずれも傑出する能力を持つがゆえに孤立したはぐれ者であり、神無以外はその本名は不明である。
爆発物の扱いに長けた偉丈夫。複数の爆弾を所持し、それをメインの武器とするが、接近戦においてはダガーを用いる。
五稜郭内で蒼鉄と戦うものの、地の利と罠を最大限に活かした蒼鉄の前に敗れる。
赤毛の少年。短剣の使い手で、斬撃や刺突だけでなく投擲にも用いるためか、腰のベルトに同型の短剣を複数装備している。
クイーンとは双子で、彼が兄となっている。生意気な性格。
松島湾に停泊中の開陽丸に突入した際、覇者の首に取り憑かれた榎本に気圧された所を背後から刺殺される。
赤毛でメガネをかけた少女。ボウガンの使い手で、ルーク同様性格は少し生意気。
ルークとは双子で、彼女は妹である。
五稜郭内において榎本らと戦うも、覇者の首の影響からか自らの攻撃の一切が通用せず、結果として恐慌状態に陥る。それ故に逃亡を図るが、同じく覇者の首により精神的に追い詰められていた神無によって射殺される。なお、この際の神無は背を向けて遠ざかって行く彼女に対して、母親や赫乃丈の姿を投影していた節がある。

刺客[編集]

  • 針尾玄藩(はりお げんば) (声:杉野博臣
10年前に赫乃丈の両親を殺害した男。「闇のオークション」の際に河井継之助を護衛していたが、赫乃丈に見つかり、後に仇討ちされる。古流剣術「地割剣」の使い手。
  • 雑賀孫蔵(さいが まごぞう) (声:麻生智久
戦国時代鉄砲集団「雑賀衆」の末裔で銃の扱いに長けている。中居屋から赫之丈の暗殺を依頼されるも苦戦。最後は舞台に上がり役者に成りきりながら暗殺を遂行しようとしたが、耀次郎によって倒される。
  • 鴉丸九郎太(からすま くろうた) (声:尾形政宏
中居屋が雇った暗殺者。「覇者の首」の呪いによって「守霊鬼」となり赫乃丈一座を襲うが、耀次郎によって倒された後真相を伺おうとするも、左京之介に撃たれる。「鴉丸流古具足」の使い手。
  • 劉火袁(りゅう かえん) (声:志賀克也
中居屋が雇った暗殺者。「覇者の首」の呪いによって「守霊鬼」となり赫乃丈一座を襲うが、耀次郎によって倒される。「火袁流青龍刀」の使い手。
中居屋が雇った暗殺者。「覇者の首」の呪いによって「守霊鬼」となり赫乃丈一座を襲うが、耀次郎によって倒される。「蜂須賀二刀流」の使い手。

史実の人物達[編集]

(自明なことではあるが)実際の人物とは様々な相違が見られるので注意されたし。

横浜裏社会を牛耳る武器商人。謀殺されたと見せかけ、影で勢力を拡大していた。赫乃丈一座の真の仇。「覇者の首」の所有者であるための恩恵か、1度死んだと思われたが再度復活を遂げる。しかし、首が榎本に憑依したことでその恩恵は失われ、恵比須と共に英国軍の砲撃によって海に沈んだ。
薩摩藩の藩士。薩摩屋敷にて勝海舟との会合中、「覇者の首」に触れ一時錯乱状態となる。
幕府軍事取扱。坂本龍馬の師であり、龍馬の死後も彼の用心棒をしていた耀次郎のことを何かと気にかけている。赫乃丈一座の芝居を気に入っているようで、琴波や新門、パークスなどを連れて良く観劇に来ている。
「覇者の首」の気配を感じて乗り込んできた耀次郎を気に入り、以後自分の用心棒として雇い入れる。「覇者の首」に付け狙われながらも憑依を許さなかった稀有な精神力の持ち主であり、その気質によって耀次郎に大きな影響を与える。
勝海舟の密書を駿府新政府軍に届ける途中、蒼鉄の襲撃を受け密書を奪われそうになる。しかしその直後地震が発生し、それに救われた形となる(地すべりで東海道が寸断され官軍は停滞を余儀なくされる)。
山岡と共に駿府へ向かう。上野戦争で戦死。
新政府軍の総督
上野戦争で新政府軍を指揮した軍師。火吹き達磨と渾名される。
長岡藩の家老。藩を守るため「闇のオークション」にてガトリング砲を落札。オークションの際は針尾玄藩に護衛を任せていた。北越戦争で足に傷を負い死亡。
坂本龍馬の妻。龍馬の生前の言葉を耀次郎に伝えるために赫乃丈一座を訪れ、最後はその伝言を赫乃丈に託す。
新選組一番隊長。佐藤道場で幼き日の耀次郎と手合わせした過去を持ち、最期は耀次郎の腕に抱かれながら、土方への遺言を残し息を引き取る。
なお、史実では沖田は近藤勇の死を知ることの無いまま世を去るが、本作においては耀次郎からその事実を知らされている。
新選組副長。会津戦争の最中(時期的には白虎隊自刃の直前)に耀次郎らと再会する。
箱館戦争において獅子奮迅の活躍を見せるも、覇者の首に対して反旗を翻した故に神無により射殺される。なお、史実においては流れ弾を被弾して死亡したとされている。
土方歳三の小姓。土方から病院に収容された赫乃丈の世話を命じられる。
史実と同様に箱館を脱出し、日野へと向かっている。
浅草の侠客の元締めで、町火消「を組」の頭領。娘が徳川慶喜の妾になった為、幕府側の勝海舟との親交があった。遊山赫乃丈一座の品川での舞台に手を貸す。
幕府海軍副総裁。品川沖で「覇者の首」に取り憑かれ、一路箱館を目指すことに。
医師。史実と同様に榎本らと合流し、箱館に病院を構えている。
英国駐日公使総領事。「覇者の首」を手に入れるために暗躍し、神無を勝や中居屋のところに送り込んだ。英国人同士で話すときも独り言を言うときも、何故か(微妙なイントネーションの)日本語を使う。
フランス陸軍砲兵中尉。フランスよりの軍事顧問団の一員。幕府崩壊の折、部下とともに脱走。「開陽丸」に乗り込み榎本武揚ら旧幕府軍と合流、軍事顧問として従軍する。

その他[編集]

横浜遊郭の妓楼「石鶴楼」随一の呼出し花魁。勝やパークスなどの要人にも顔が利き、よく自分の部屋を密議の場として提供していた。「石鶴楼」が焼失した後は、横浜にカフェを開いて生計を立てているようだ。
茨木蒼鉄とは浅からぬ仲のようで、事あるごとに彼への便宜を図っている。所詮は旅一座付きの戯作者であるはずの蒼鉄が、彼女との深い関わりを保てていること自体、大きな謎である。

作中用語[編集]

覇者の首
歴史の転換期に必ず現れ、人の世に騒乱と混乱を巻き起こすとされる存在。また、これを手中にした者には「天下」が与えられるという。外見は文字通り「首」であり、始皇帝に弓を引き斬首された男の怨念によって、切り落とされた首に力が宿ったとされる。初代「永遠の刺客」によって封印された後、徐福によって日本へと渡る。
月涙刀
徐福によって「覇者の首」を封印するための呪文を込め鍛えられた霊刀。始皇帝の命により、首封印のため日本国を訪れた徐福と三千人の童男童女、その子孫の中でも特に手練れと言われた者にのみ伝えられてきた(ただし秋月耀次郎の出自は高麗の里ではないと思われるため、中居屋重兵衛のこの説明は正確ではない可能性もある)。「覇者の首」を探索する力を帯び、「首」を前にすると、その刃先に涙が伝う。
もっとも、ただ「永遠の刺客」によって「覇者の首」を切り封じれば封印できるというものではないらしく、それ以外にも何らかの条件が必要なようであるが、耀次郎はそれを伝えられていなかったようである。
首を封印するための“陰の大太刀”と、その封印の解除を防ぐための“陽の小太刀”の二振りが存在し、作中ではそれぞれ耀次郎と赫乃丈が所持している。
永遠の刺客
霊刀・月涙刀の使い手として「覇者の首」の力の封印を宿命づけられた存在。この「永遠の刺客」と「覇者の首」の対立を中心に歴史は変革してきたという(題にもある「歴史機関説」とはこの概念をさす)。
徳川家康もまた永遠の刺客であったとされ、本作において日光東照宮は、大坂の役で封印した首を封じておく場所としての性質を帯びていた。
獬豕紋徐福之器(がいちもんじょふくのうつわ)
中国はの時代、始皇帝より「覇者の首」封印の命を受けた神仙方士・徐福が、「首」を蓬莱国(日本)に廃棄する際に運搬用に用いたとされる壺。その製造法は現在では「高麗の里」にしか残されていないという。茨木蒼鉄の依頼によって、高麗の里で再び製造された(なお、この際窯の職人たちは蒼鉄の依頼自体は訝しむこと無く受けており、高麗の里の住人であれば誰でも「覇者の首」について多少の知識があるというわけではないようだ)。
幻影兵士
壺から出現する煙状の兵士。海や井戸からも出現したことがある。物理的に斬り捨てることは出来ないが、火に弱い。
手毬歌
よく赫乃丈が口ずさむ手毬歌。(第21話より) 捨て子の心情を歌った内容。耀次郎もこの歌を知っており、月涙刀と同じく二人の接点となっている。なお、2人がこの歌を知っている理由は、両者が共に幼少期を高麗の里で過ごしたため。

スタッフ[編集]

  • 企画:内田健二、川城和実
  • 原作:矢立肇高橋良輔
  • シリーズ構成・脚本:宮下隼一
  • キャラクターデザイン:コザキユースケ
  • 美術監督:河野次郎 、鈴木恵美
  • 色彩設計:すずきたかこ
  • 殺陣/時代考証:牧秀彦
  • デザインワークス:岩永悦宜、柳瀬敬之
  • 筆文字デザイン:成田眞澄(筆字屋)
  • CGIワークス:木部さおり
  • 撮影監督:野村達哉
  • CGプランニング・3DCG:佐々木研太郎
  • 編集:野尻由紀子(ウインズ)
  • 音楽:深澤秀行
  • 音響監督:藤野貞義
  • 音響効果:蔭山満(フィズサウンドクリエイション)
  • 録音調整:西澤則夫
  • 録音助手:杣澤佳枝
  • 録音スタジオ:整音スタジオ
  • 録音制作デスク:丸山智津子
  • 録音制作:クルーズ
  • 音楽プロデューサー:野崎圭一、眞野昇
  • 音楽制作:ビクターエンタテインメント、サンライズ音楽出版
  • プロデューサー:松村圭一、森本浩二
  • 総監督:高橋良輔
  • チーフディレクター:大橋誉志光
  • 製作:サンライズバンダイビジュアル
  • 著作:©2006 SUNRISE INC.

主題歌[編集]

  • 挿入歌「
    • 歌:石川智晶
    • 作詞・作曲:石川智晶
    • 編曲:西田マサラ

放送リスト[編集]

放送開始日 話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
2006年10月6日 1 凶星奔る 宮下隼一 大橋誉志光 よこた和 恩田尚之
2006年10月13日 2 地割剣嗤う 宮下隼一 大橋誉志光、寺岡巌 吉村章 奥田淳
2006年10月20日 3 石鶴桜都々逸 宮下隼一 重田敦司 三好正人 重田敦司
2006年10月27日 4 裏疑獄異聞 宮下隼一 鈴木竜也 北村真咲 鈴木竜也
2006年11月3日 5 守護鬼放たる 宮下隼一 寺岡巌 吉村章 高山朋浩
2006年11月10日 6 楽日燃ゆ 宮下隼一 寺岡巌 寺岡巌 深沢謙二
2006年11月17日 7 蒼鉄動く 宮下隼一 宮地昌幸 政木伸一 和田伸一
2006年11月24日 8 仇討本懐なる 宮下隼一 宮地昌幸 遠藤広隆 重田敦司
2006年12月01日 9 黒猫哭く 宮下隼一 松尾衡 林直孝 竹森由加
2006年12月08日 10 上野陥つ 宮下隼一 松尾衡 北村真咲 恩田尚之
2006年12月15日 11 一座ふたたび仮櫓 宮下隼一 宮地昌幸 政木伸一 佐久間健
2006年12月22日 12 竜馬之言伝 宮下隼一 寺岡巌 吉村章 安彦英二
2006年12月29日 13 覇者の首入魂 宮下隼一 寺岡巌 岩田幸大 奥田淳
2007年1月12日 14 北へ 宮下隼一 よこた和 よこた和 鈴木竜也
2007年1月19日 15 秘刀共鳴す 吉田伸 桑原智 遠藤広隆 高山朋浩
2007年1月26日 16 同行四人 鈴木やすゆき 寺岡巌 政木伸一 和田伸一
2007年2月2日 17 議無用なり 鈴木やすゆき 寺岡巌 林直孝 池 洋浩
2007年2月9日 18 宿命哀れなり 鈴木やすゆき 桑原智 北村真咲 竹森由加
2007年2月16日 19 赫逆の五芒星 宮下隼一 寺岡巌 吉村章 恩田尚之
2007年2月23日 20 波浪ありて 宮下隼一 桑原智 岩田幸大 奥田淳
2007年3月2日 21 海峡を渡る 吉田伸 遠藤広隆 遠藤広隆 安彦英二
2007年3月9日 22 北の邂逅 宮下隼一 重田敦司 政木伸一 重田敦司
2007年3月16日 23 箱館はあかく 鈴木やすゆき 寺岡巌 三好正人 鈴木竜也
2007年3月23日 24 色は匂えど 宮下隼一 桑原智  北村真咲 竹森由加
2007年3月30日 25 五稜郭浮上す 宮下隼一 寺岡巌 遠藤広隆 奥田淳
2007年4月6日 26 海の向うへ 宮下隼一 大橋誉志光 大橋誉志光 恩田尚之

関連商品[編集]

DVD
  • 幕末機関説 いろはにほへと 1 - 1~2話収録 発売日:2007年1月26日(初回生産分のみ封入特典として幕末スペシャルDVD同梱)
  • 幕末機関説 いろはにほへと 2 - 3~5話収録 発売日:2007年2月23日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 3 - 6~8話収録 発売日:2007年3月23日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 4 - 9~11話収録 発売日:2007年4月27日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 5 - 12~14話収録 発売日:2007年5月25日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 6 - 15~17話収録 発売日:2007年6月22日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 7 - 18~20話収録 発売日:2007年7月27日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 8 - 21~23話収録 発売日:2007年8月24日
  • 幕末機関説 いろはにほへと 9 - 24~26話収録 発売日:2007年9月28日
小説
  • 幕末機関説 いろはにほへと - 原作:高橋良輔 著:牧秀彦 発売日:2007年4月12日 ISBN 4334742386

外部リンク[編集]

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