特定アジア
特定アジア(とくていアジア)とは、(中国)の隣の国の、悪い事をしまくっているロシア(ウクライナ侵略等、)や、特に反日感情の高い中国、韓国、北朝鮮の3カ国を意味する呼称とされている。反日感情は幼少期からの徹底した反日教育にある。
「特定」は暴力団を指定する「特定危険指定暴力団」や「特定抗争指定暴力団」から来てると思われる。
もともとはインターネット上での掲示板などで使用されるインターネットスラングの一つだったが、その後、一部の学者・政治家・ジャーナリスト・書籍なども使用するようになった。略称として特ア、特亜ももちいられる。「三国人」の「三国」とは意味が異なる。
BBCの国際世論調査によれば、日本が世界的に高評価を得る中、中国の日本に対する評価は低く、韓国の日本に対する評価も総じて低い(2011年度の調査では評価は高い)。北朝鮮は現在も日本に対する敵視政策を採っている。また、これらの国々では共通して反日教育を実施している。
概説
日本のインターネット匿名掲示板・2ちゃんねるの一部利用者によって2005年頃から使用され始めた用語である。アジア諸国のうち、反日的な姿勢をとるとされる国家を対象とし、通常は中華人民共和国、韓国、北朝鮮の3カ国であり、文脈によっては台湾や日本(特に琉球や蝦夷)を含む場合もある。 戦前の日本に批判的であるという共通項で括られるものの、それぞれの国状も、現代日本との関係も大きく異なる。「特定アジア」どうしはもちろん、親日国とされる国々においても「特定アジア」に相当する概念は存在せず、国際社会において別段「特定アジア」が孤立しているとは言えない。
原則としてインターネット上(掲示板・日記・ブログ等)のみで使用され、日常会話で使われることは少ないが、一部のマスメディア、政治家、学者、ジャーナリストなどによる使用例が見られる(後述)。
語源とその経緯
日本国内では、一部マスコミや市民団体が中国・韓国・北朝鮮の3カ国のことを「アジア」または「アジア諸国」と曖昧に表現することがある。日本とこれら3カ国のいずれかとの二国間関係、またこれら三ヶ国との関係で生じた軋轢を「アジア諸国の反発」「日本のアジアにおける孤立」などといった表現で報じる例が多数見られる(インターネットの各種検索エンジンによる各種検索結果から一目瞭然)。実際は、「アジア」とは日本からトルコ東部にわたる約50カ国から構成される広大な地域を指す言葉である。
アジア各国のうち、中国・韓国・北朝鮮における対日感情は良くない(韓国の対日観は良好に遷移した。下の「BBC国際世論調査」も参照)。北朝鮮には調査結果自体が存在しないが、北朝鮮政府が日本政府に再三にわたって謝罪・賠償を要求している事、日本人の拉致を繰り返して来た事等から、やはり対日感情は良くない。
上記と関連して、匿名掲示板「2ちゃんねる」では、以前から中国・韓国・北朝鮮に関する話題はユーザーのイデオロギーの相違によって紛糾する傾向にあった。とくにニュース系の掲示板で顕著であったため、この3カ国関連のニュースのみ「ニュース極東板」として分離されることとなった。「ニュース極東板」ではこれら3カ国に批判的な意見を持つ者たちを中心に比較的自由な議論が行われ、その中で自然に「特定アジア」の用語が使われるようになっていった。
なお、「特定アジア諸国」という語はそれ以前よりさまざまな場面で用いられているが、いずれも本項の「特定アジア」とは無関係である。朝南政昭(南川政昭)は米国の戦略国際問題研究所 (CSIS) が2002年8月1日に発表した報告書『統一コリアに対する米政策の青写真』に、“a selected Asian nation(s)”(アジアの特定の国(々))との記述があることをもって、「特定アジア」の語源としている。また、朝鮮日報はこの報告書に関する2002年9月19日の報道で「特定アジア諸国」という日本語訳を与えている。しかしこの語句は「朝鮮半島が統一した場合に統一コリアがとり得る外交戦略としては、(中略)アジアのどこかの国(々)と同盟関係を結ぶことが考えられる」という文脈で用いられており、本項で述べている「特定アジア」のことではない。
「特定アジア」諸国の対日感情
強力な反日教育を国家が積極的に実行しているとされる中国両国においては、国民の反日感情が(諸外国と比べて)高い傾向にある。北朝鮮においても、日本の植民地支配の不当性を強く印象付ける教育が全国民に実行されている。
1990年代以降の日本においては、北朝鮮による日本人拉致問題、竹島問題をめぐる韓国右派の反日アピール、韓国における親日派への迫害、中国における反日デモ(日本大使館への中国民衆の暴力を中国政府が黙認した)などの事態が次々と報道され始めた。さらに小泉純一郎が2001年から2006年にかけて毎年靖国神社を参拝したことに中国・韓国が強く反発したことが大手マスコミでも大きく取り上げられ、「特定アジア」諸国における根強い反日感情が日本でも認識されるに至った。最近では、2010年に「尖閣諸島中国漁船衝突事件」が起こり、日中両国で感情が悪化している。
その結果、「2ちゃんねる」のユーザーを中心に、「中国共産党が人民の不満を逸らすスケープゴートに日本を使っている」「韓国人の間には日本を理屈抜きで全否定するのが良いことであるとする風潮がある」との認識が広まっていった。 2011年、韓国にて行われた韓国国内の中高校生を対象に実施した『青少年の国家観と安全保障観』調査によると44.5%が「現在の一番の敵は日本」と回答している。天安沈没事件や延坪島砲撃事件で関係が悪化している北朝鮮は第2位の22.1%で日本の半数にも満たなかった。
BBCの国際世論調査
日本は総合的には世界中から最も好ましい影響を与える国のひとつとして肯定的に評価されていることもあった。しかし、中国・韓国の2国からの評価は、自国の事情からして否定的なものとなっていた。対して、2011年の発表では、日本は総合的には最も好ましい影響を与える国のひとつとして肯定的に評価されているが、メキシコ・中国の2国から否定的なものとなっている。
2006年2月3日、英国のBBCワールドサービスによる、日本を含む9の国および地域が世界に与えている影響についての印象を尋ねる世論調査の結果が公表された。この調査は、世界33カ国において、約39500人を対象として実施され、調査実施国のうち、調査主体によってアジアに分類されているのはアフガニスタン、インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、スリランカ、中国、フィリピンの8カ国である。北朝鮮は調査実施国に含まれなかった。
その結果、日本については、33カ国のうち31カ国において「主として世界に好影響を与えていると感じる」と回答した人の数が「主として悪影響を与えていると感じる」と答えた人の数を上回った(全体平均は「好影響」55%対「悪影響」18% 以後本文中では「好影響」%対「悪影響」%で示す)。これに対して、本記事において「特定アジア」と定義する中国と韓国の2カ国においては「主として悪影響」が多数であった(中国16%対71%、韓国44%対54%)。
同機関が2007年3月に発表した調査では、27カ国、28000人を対象に、日本を含む13の国および地域が世界に与えている影響の印象を尋ねた。アジア・太平洋地域の調査実施国はインド、インドネシア、オーストラリア、韓国、中国、フィリピンの6カ国である。北朝鮮は調査実施国ではなかった。その結果、24カ国で日本に対して「主として好影響」が「主として悪影響」を上回り(全体平均は54%対20%)、中国と韓国の2カ国のみで「主として悪影響」が多数であった(中国18%対63%、韓国31%対58%)。
同機関が2008年3月に発表した調査では、34カ国、17457人を対象に、日本を含む14の国および地域が世界に与えている影響の印象を尋ねた。アジア・太平洋地域の調査実施国はインド、インドネシア、オーストラリア、韓国、中国、日本、フィリピンの7カ国である。北朝鮮は調査実施国ではなかった。その結果、日本はドイツと並び調査対象国中もっとも「好影響」の回答率が高かった(全体平均は56%対21%、ただし、前年以降継続データのある24カ国のみの平均)が、前年、前々年と同様、中国、韓国においては「悪影響」との回答が多かった(中国30%対55%、韓国37%対52%)。
アジア・太平洋地域の調査実施国中、2006年以降の各年毎の数値は、インド(48%対13%→37%対16%→26%対9%)、インドネシア(85%対8%→84%対9%→74%対12%)、オーストラリア(60%対12%→55%対27%→70%対15%)、フィリピン(79%対13%→70%対8%→70%対12%)である。もっとも、インドの数字を見れば分かるとおり、「反日国」とされる韓国における親日派の割合が、「親日国」における親日派の割合にほぼ等しかったり、むしろこれを上回る場合もある点に注意が必要である。
同機関が2011年3月に発表した調査では、27カ国、28,619人を対象に、日本を含む16の国および地域が世界に与えている影響の印象を尋ねた。北朝鮮は調査実施国ではなかった。その結果、日本はカナダと並び調査対象国中三番目に「好影響」の回答率が高かった(全体平均は57%対20%)が、メキシコ、中国においては「悪影響」との回答が多かった(メキシコ24%対34%、中国18%対71%)。韓国は好影響68%悪影響20%と、日本を非常に高く評価している。なお、2006年と2007年の調査では日本に対する評価が低いとの結果が出ていた韓国は2011年の調査に関しては好影響68%悪影響20%と、日本を「好影響」の回答が多い結果が出た。
「特定アジア」の使用例
- SANKEI EXPRESS、2007年3月22日の記事中に、「4月下旬に訪米する安倍氏としては、中国、北朝鮮、韓国の「特定アジア」を喜ばせるだけの日米離間は望ましくない。」という一節でこの語が用いられた。なお、この記事を書いたのは産経新聞記者の阿比留瑠比であり、安倍晋三がこの語を口にしたわけではない。
- 日本が中国と韓国から国益を侵害されていること(東シナ海ガス田問題や竹島の領土問題など)について、古田博司が、産経新聞のオピニオン欄『正論』で「もういいかげんに覚悟を決めたらどうだろうか。特定アジアからそろって偽史まで強要されている。そのような恥ずかしい国に住んでいくという覚悟を、もう決めた方がよいのではないか」と論じた。古田はまた、「特定アジア」を「反日の弧」と表現している。
- 宝島社は、『自衛隊VS“特定アジア”〜中国・北朝鮮』というタイトルの書籍を出版している。
- 石破茂は、清谷信一との対談書『軍事を知らずして平和を語るな』において、清谷が「反日なアジアは韓国や中国などの特定アジアだけ」と言及したことに対して、「過去の日本軍の行動の負の部分をみつめないとアジアの反日が再燃する可能性があり、特定アジアだけが反日と決めかかるべきではない」と述べている。また、石破茂の公式ホームページには同書の紹介文があり、「憲法9条、自衛隊、愛国心、日米同盟、北朝鮮、特定アジア、国際テロリスト、軍事メーカー…。元防衛庁長官・石破茂と、軍事ジャーナリスト・清谷信一が、これまで語れなかった国防問題を明かす対談集。」と記載されている。清谷信一のブログでも「特定アジア」の語が使用されている。
- 韓国ソウル新聞に日本で研究を行う韓国人研究者が、日本で流行する「嫌韓流」や「特定アジア(特亜)」という単語を紹介する中で、市場経済や民主主義など日本とは体制が一致している韓国が、北朝鮮のような一党独裁国家や中国のような社会主義国家とともにカテゴライズされていることの理由を考察する必要があると訴えている。
- 東京大学社会科学研究所の田辺俊介は日本における「アジア観」を分析する中で,インターネット掲示板上でこれらの国々が“Tokutei Asia(specific-Asia)” と呼ばれていることに言及した。
関連項目
- 日教組
- 民主党
- 近隣諸国条項
- 歴史認識 - 靖国神社問題 - 歴史教科書問題 - 慰安婦問題
- 反日教育 - 反日感情 - 反共主義
- 親日・嫌韓・反中/反日
- アジア - 東アジア
- 大東亜共栄圏 - 東アジア共同体
- ネット右翼 - 行動する保守
- 脱亜入欧・脱亜論・脱亜思想・八紘一宇
- 古いヨーロッパ
- 三国人
- 東アジアnews+板