日本芸能実演家団体協議会

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公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(にほんげいのうじつえんかだんたいきょうぎかい)は1965年に設立された芸能実演家団体で構成される公益社団法人。略称は芸団協(げいだんきょう)。

概要[編集]

芸能実演家団体等相互の交流と研修の実施によってその芸能活動を推進するとともに、実演に係る著作隣接権者の権利を擁護することにより、芸能実演家の地位の向上と実演の円滑な利用を図り、もって我が国文化の発展に寄与することを目的とし、演劇、音楽、舞踊、演芸など、67団体の正会員で構成されている。「芸能が豊かな社会をつくる」を組織理念とし、実演芸術の創造、公演、普及を促進し、社会に活力をもたらす拠点の形成をはじめとする文化政策の実現と、音楽・映像コンテンツの創造に参加する実演家等として、創造と享受が促進される創造サイクルの好循環の実現をもとめている。

発足当初から、作詞家作曲家脚本家などの著作者に対し立場の弱い俳優歌手などの実演家の地位向上を訴えており、その観点から著作隣接権の保護期間延長、いわゆる映画の著作物に認められている「ワンチャンス主義」の撤廃(映画やテレビドラマに出演した俳優が、作品のDVD化などの際に二次使用料の分配に与れるようにすること)などを求めている[1]

1993年日本音楽事業者協会(音事協)・日本音楽制作者連盟(音制連)と共同で実演家著作隣接権センター(CPRA)を立ち上げ、著作隣接権の権利処理の一元化を図る活動を行っている。

1974年に公表した「芸能人の生活と意識」の調査研究を皮切りに、5年毎に実施の芸能実演家の実態調査を実施するほか、実演芸術に関する基礎調査や課題についての調査研究を継続しており、実演家やスタッフの実状について社会に発信してきた。また、芸術文化政策に関する数々の政策提言を行ってきてきた。2001年の定款改正によってスタッフの職能団体も会員となったことから、2005年発行の実態調査からは、実演家とスタッフの実態調査を実施。2005年版のみ、文化庁から委託され、芸能実演家ではない「アニメーター」に関する実態調査を実施している[2]

沿革[編集]

  • 1967年文部大臣の認定を受け、民法における社団法人日本芸能実演家団体協議会となる。
  • 1970年:芸団協ニュース発行。
  • 1973年:芸能人年金共済制度発足。
  • 1974年:舞台入場税対策連絡会議設立に参加。
    「芸能人の生活と意識」調査報告書発行。以後5年毎に芸能実演家の実態調査を実施。
  • 1975年:第1回の主催公演「道成寺のさまざま」。功労者表彰式開始(2005年度と2006年度は休止)。
  • 1979年:全国こども劇場おやこ劇場に企画提供開始。
  • 1982年:芸団協正会員団体中部協議会発足。
  • 1983年:芸能文化を豊かにする芸能人の集い'83開催。
  • 1984年:第一回明日の芸能文化を語る<夏の集い>開催。ユネスコ「芸術家の地位に関する勧告」の認知と「芸能文化基本法」の提案を行う。
    第二国立劇場推進連絡会議発足(1997年新国立劇場が完成)。
  • 1985年:「芸能文化問題研究委員会」「文化政策研究会」を設置。
  • 1989年:芸能関連労災問題連絡会発足。
  • 1990年:セミナー「文化政策と舞台芸術の現状と未来」、シンポジウム「芸術援助政策を考える」を開催。
  • 1991年:「第二回子どものための舞台芸術大祭典」を開催。
  • 1992年:『芸能浴宣言』発行。
  • 1993年:実演家著作隣接権センターを設置。
  • 1995年:芸団協30周年記念「芸団協の三十年を語る宴」。
  • 1996年:芸能文化情報センターを設置。
  • 1998年:舞台芸術フェア開催。
  • 1999年:芸能基本法委員会発足。
  • 2000年:「芸能と教育」プロジェクト開始。
  • 2001年:「芸術文化基本法(仮称)の制定および関連する法律の整備」に関する提言 中間まとめ発表。
    (12月、文化芸術振興基本法公布、施行)
  • 2002年:文化芸術振興基本法推進フォーラム発足。劇場法(仮称)の研究に着手。
  • 2003年:芸団協サポート会員制度開始。
  • 2005年:旧淀橋第三小学校(新宿区の廃校)を利用して「芸能花伝舎」を開場。それまでの芸能文化情報センターを芸能文化振興部に改組し芸能花伝舎の担当部署とする。
  • 2008年一般社団・財団法人法等の制定に伴う民法改正により、特例民法法人へ移行(法人名は従来通り)。
  • 2012年公益法人認定法による内閣総理大臣の認定を受け、公益社団法人へ移行。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]