南多摩尾根幹線

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南多摩尾根幹線(みなみたまおねかんせん)とは、多摩ニュータウンの南縁を東西に横断する形で東京都稲城市矢野口府中街道から、東京都町田市小山町町田街道までを結んでいる道路の通称。東京都道路通称名公告では「南多摩尾根幹線道路」(整理番号151)であり、起点が町田市小山町(町田街道交点)、終点が稲城市百村(鶴川街道交点)とされている[1]。略称は「尾根幹線」、「尾根幹」。区間ごとの道路法上の路線名は以下の通りである。

概要[編集]

多摩ニュータウンの南端の道路で、北端にある多摩ニュータウン通りとともに、多摩ニュータウンを東西に通る総延長約17kmの幹線道路である。多摩地区における広域交通ネットワークの東西の交通網となるべく計画された。稲城市矢野口の府中街道川崎街道)の交点から町田市小山の町田街道の交点を結んでいる。

道路構造令に基づく本線の構造規格は第四種第一級で、幅員が32.5mから58mの往復4車線(一部6車線)である。本線の両脇には、全線にわたって1車線の側道も計画されている。但し、諸事情により事業は側道が開通した段階で中断されており(後述)、将来的にこの道路がどのような形で完成するのかは未確定である。

当初計画では片側4車線の計8車線の本線と1車線の側道で計画されており、現在はそのうち側道部分が全線開通している[2]。そのため、一部区間では中央の本線計画部分が広大な中央分離帯となっているほか、交差点付近には立体交差の土台となる盛土が存在するところもある。また、未整備の本線のさらに上へ多摩都市モノレールを導入する計画も存在する。

東京都の終点は町田街道だが、相模原市の都市計画道路(宮下横山台線)と接続して国道16号に連絡する予定となっている。

尾根幹線のすぐ南の尾根筋には、「よこやまの道」と名付けられた全長10kmの遊歩道も整備されている。

なお、稲城市区間では信号の周期が一定でなく、例えば、手前の信号が青になると次が赤になるなどの設定がされている箇所がある。たびたび市に車の流れ及び二酸化炭素増加の観点から改善の意見が寄せられており、稲城市は多摩中央警察署に打診しているが、解決には至っていない。2007年度より、一部交差点の右折レーンが広大な中央分離帯を横断する形式に改造されている。

大半の区間では制限速度は40km/hである。また、東京都道155号町田平山八王子線から町田市内では本線供用されている[3]ため、片道二車線で信号も一切なく、こちらの制限速度は50km/hである。 しかしながら、渋滞緩和等の目的により2011年9月から永山~唐木田区間は制限速度が50km/hに、唐木田~小山ヶ丘区間は制限速度が60km/hにそれぞれ引き上げが実施されることになった。

沿革[編集]

1965年に立案された多摩ニュータウン計画を受けて、1966年都市計画決定されたのが尾根幹線道路の始まりである。都市計画上の正式路線名は、多摩都市計画道路3・1・6号南多摩尾根幹線都道となっている部分もある。

  • 1969年 多摩広路1号線(南多摩尾根幹線)に都市計画変更され、尾根幹線の名称が登場する。
  • 1979年 暫定2車線の整備が始まった。
  • 1989年 多摩3・1・6号線(南多摩尾根幹線)に都市計画名称変更となった。
  • 1991年 本線を掘割構造による整備に計画が変更された。
  • 2004年 ニュータウン計画が終了したことを受け、事業主体が住宅都市整備公団(現・都市再生機構)から東京都に移行している。

路線データ[編集]

  • 起点:東京都稲城市矢野口
  • 終点:東京都町田市小山
  • 主な経由地:多摩卸売市場前
  • 路線延長:約17km

通過する自治体[編集]

地理[編集]

2006年4月に鶴川街道の拡幅と南武線高架化に伴い、多摩川原橋以南の鶴川街道が付け替えられた事に合わせて開通した[4]。片側2車線。沿道は三沢川の扇央部にあたるため、水はけの良い土地であることから梨畑・ブドウ畑が多い。
  • 東京都稲城市東長沼1730番地付近(稲城大橋入口交差点)〜東京都稲城市百村31番地付近(稲城福祉センター入口交差点)
稲城市役所付近を通る部分で、稲城大橋に接続する道との交点もあることから、比較的早くから整備されている(開通時期不明)。稲城市役所西交差点〜福祉センターまでの区間は、中央の分離帯部分が広くなっているとともに、鶴川街道になっている。片側2車線。沿道には稲城消防署、稲城市役所、中央文化センターなどがある。
  • 東京都稲城市百村31番地付近(稲城福祉センター入口交差点)〜東京都稲城市百村(竪谷戸大橋交差点、向陽台公園通り交点)
2007年4月14日に開通した最も新しい区間(0.4km)[5]。幅員36m〜46mの片側1車線。コロン写真工業跡地を通る。
  • 東京都稲城市百村(竪谷戸大橋交差点)〜東京都稲城市長峰3丁目12付近(ファインヒルいなぎ北側、多摩カントリークラブ南側)
約1.2kmのほぼ直線の道路(開通時期不明)。片側1車線で、中央に広大な分離帯(本線計画地)が存在する。この区間の東部分の武蔵野貨物線をまたぐ橋の部分は開通が後であり、橋の完成までは北側の向陽台2丁目を迂回していた。沿道には、稲城市立稲城第五中学校稲城市立向陽台小学校稲城中央公園(くじら橋の下を通過)、多摩カントリークラブなどが存在する。南多摩尾根幹線を東方向に通行する際、この区間の杜の一番街北交差点を過ぎて下り坂(まさに多摩丘陵の東の端の下り坂)に入ったとき、初めて東京都心の建築物の遠景が見えてくる。
  • 東京都稲城市長峰3丁目12付近〜東京都稲城市若葉台4丁目(天王森公園・多摩大学付近)
片側1車線の道路(開通時期不明)。本来は、多摩カントリークラブ3番ホール付近や米軍多摩ゴルフ場トンネルで通るルートが計画されていたが、現道は暫定路線で南に大きく迂回しているため、中央分離帯(本線計画地)は存在せず、対面通行である。沿道には、稲城第三公園がある。
片側1車線の道路で、中央に広大な分離帯(本線計画地)が存在する(開通時期不明)。東京都道18号府中町田線。なお、多摩市諏訪・永山付近を通過する区間は旧公団の諏訪・永山団地に隣接していたことから、1979年の建設時に建設反対の住民運動(約40日間に及ぶ座り込み等)があり、東行の部分を南側の西行の部分にまとめて建設しているため、この部分のみ対面通行である。本来の側道は開通しているものの、歩行者専用になっており、交差点付近以外では自動車の通行が出来ない。沿道に、多摩東公園多摩市立陸上競技場ほか)、諏訪南公園東京都立永山高等学校国士舘大学多摩ニュータウン卸売市場などが存在する。南多摩尾根幹線を西方向に通行する際、この区間のエコプラザ多摩前交差点に差し掛かる前あたりから、富士山が右斜め前方向に見えてくる。また、上記の住民運動の経緯からこの区間の本線部分は掘削方式が検討されている。
  • 東京都多摩市永山7丁目〜東京都多摩市南野3丁目(福祉センター前)
片側1車線の道路で、中央に広大な分離帯(本線計画地)が存在する(開通時期不明)。多摩卸売市場前交差点より多摩南野交差点までが東京都道156号町田日野線、多摩南野交差点からは東京都道158号小山乞田線となる。沿道には旧東京都立南野高等学校(現・恵泉女学園大学敷地)、南野給水場、アクアブルー多摩(多摩市立温水プール)、東京国際カントリークラブなどがある。
  • 東京都多摩市南野3丁目〜東京都町田市小山町(小山長池トンネル西側付近)
唐木田2丁目付近についても側道が先行して片側1車線で完成。小田急電鉄の車庫(喜多見検車区唐木田出張所)を跨ぐ唐木田大橋もその後に側道(片側1車線)が先行して完成した。2005年7月7日に八王子市別所2丁目〜町田市小山町は片側2車線の本線部分が先行して完成[6][7]。沿道に、大妻女子大学多摩キャンパス、ぐりーんうぉーく多摩大和証券多摩総合研修センター、三菱東京UFJ銀行情報センター、長池公園などがある。
  • 東京都町田市小山町(小山長池トンネル西側付近)〜東京都町田市小山町1191番地付近(町田街道交点)
従来からある神奈川県道・東京都道503号相模原立川線が片側1車線の対面通行であり、幅員は狭かったことから、ボトルネックとなり渋滞を引き起こしていた。このため、「町田小山陸橋」(全長570m、幅員17m、片側2車線)を経由して、小山駐在所付近で町田街道に交差する道路が整備されることになり、2014年11月9日に本線部分が開通した[8]。沿道に、神奈川中央交通多摩営業所ベビーザらスなどがある。

交差する道路[編集]

参考文献[編集]

脚注・出典[編集]

  1. () 東京都道路通称名一覧表 PDF 東京都建設局 [ arch. ] 2014-11-10
  2. 永山・諏訪団地付近や南大沢付近などの一部区間は供用されておらず、側道を対面通行としている区間や本線を先に供用している区間も存在する。
  3. 側道が整備されていない、もしくは供用されていない区間が存在する。
  4. 東京都建設局 - 町田調布線(第19号)鶴川街道 多摩川原橋を交通開放(東京都建設局・平成18年3月8日)
  5. 南多摩尾根幹線約0.4キロメートルを交通開放致します(東京都建設局・平成19年3月29日)
  6. 多摩ニュータウン西部地域の人や物の流れが円滑になります!〜南多摩尾根幹線 1.5キロメートル 4車線開放〜(東京都建設局・平成17年6月17日)
  7. この区間の側道は一部未整備・未供用の区間がある。
  8. (2014-10-20) 多摩3・1・6号線(小山地区)開通! 東京都建設局 2014-10-20 [ arch. ] 2014-11-10

関連項目[編集]