芝山鉄道
芝山鉄道株式会社(しばやまてつどう)は、千葉県の成田国際空港付近に路線を有する第三セクター方式の鉄道会社である。
成田国際空港株式会社の連結子会社であり、千葉県、京成電鉄、日本航空、芝山町、成田市なども出資している。本社所在地は千葉県山武郡芝山町。
路線
のと鉄道や東海交通事業など自社で路線を全く保有しない第二種鉄道事業者を除く、普通鉄道のみを保有する鉄道会社の中では、日本一保有する路線が短い。なお、芝山鉄道が開業するまでは、和歌山県の紀州鉄道が「日本一のミニ私鉄」を名乗っていた。
将来、芝山町中心部を経由して九十九里海岸方面への延伸も検討されており、それまでの代替処置として芝山鉄道延伸連絡協議会による空港シャトルバスが「横芝屋形海岸」まで運行されている。
在籍車両
現有車両
過去の車両
- 3600形
- 2013年3月末日までは京成電鉄より3618編成8両編成1本をリースしていた。帯を赤+青から赤+緑(芝山鉄道のイメージカラー。赤色は太陽を、緑色は芝山の緑の大地(緑色は芝山町の色でもある)をイメージ[2])に、社名プレートを「Keisei」から「芝山鉄道」にそれぞれ変更(Keiseiのロゴの上に芝山鉄道のステッカーを貼った形)するとともに、先頭車の前面上部右側に芝山鉄道の社章を貼付して運用していた。
当初は京成電鉄より同社で廃車となった旧3050形を譲渡する予定だったが、耐用年数等から実現には至らず、前述の3600形のリースで対応した。
運賃
大人普通旅客運賃:全線200円(小児100円)(2014年4月1日改定[3])
なお、芝山鉄道はPASMOに加盟していないため、PASMOやSuicaなどのIC乗車券が利用できない。京成電鉄管轄の東成田駅は、IC乗車券対応の自動改札機があるが、芝山千代田駅がIC乗車券に対応していないため、実質芝山鉄道を利用する際には、磁気式定期券か切符での利用となる。
運営上の特徴
本鉄道の路線内を走行する列車には警察官が警乗しているが、これは反社会的勢力によるテロを警戒しているためである。このような運営をすることになった要因には「国が地元利益を無視して一方的に空港建設を強行した」とする成田空港建設反対運動がある。空港建設反対運動に過激派が加わったため、テロ行為による被害が成田空港だけでなく京成電鉄にも及んでいた[4]。2013年時点では、他の反社会勢力のテロ活動を警戒しなければならない状況である。
歴史
芝山鉄道は、成田空港が設置されることにより、通行が分断されてしまうなどのデメリットを受ける空港東側地域への補償のため、国が建設を約束した鉄道である。
会社設立は1981年(昭和56年)5月1日で、1988年(昭和63年)6月24日に京成電鉄成田空港駅(現・東成田駅) - 整備場前(仮称)間の事業免許を取得した。
当初は小型電車で線内折り返し運転を計画していたが、地元からの要望で通常の大型車両で京成成田まで片乗り入れ直通運転することとし、1990年(平成2年)12月25日に工事施工認可された。なお、1991年(平成3年)3月19日には現在の成田空港駅が開業し、免許取得時の同駅は東成田駅に改称した。
着工は遅れたが、隅谷調査団の主宰で1993年(平成5年)9月20日から12回に亘って開催された成田空港問題円卓会議で、今後の成田空港の整備を民主的手続きで進めていくことが約束され、建設が具体化した。
1996年(平成8年)12月27日には、京成電鉄との相互直通運転に運転計画の変更が認可され、1998年(平成10年)1月22日に着工した。その後、2000年(平成12年)6月20日に未買収地を迂回するルートの一部変更が認可され、2001年(平成13年)4月26日に仮称であった「整備場前駅」の正式駅名を「芝山千代田駅」と決定し、2002年(平成14年)10月27日に「東成田駅 - 芝山千代田駅」間が開業した。
なお、鉄道が開通するまでの間、成田空港内で手荷物預かり所を運営していたことがある。
脚注
- ↑ 所属車両を変更します - 芝山鉄道ホームページお知らせ 2013年3月28日
- ↑ 日本鉄道運転協会「運転協会誌」2003年1月号ニュース 芝山鉄道「芝山から都心へ芝山鉄道開業」記事。
- ↑ 鉄道旅客運賃の改定について - 芝山鉄道、2014年3月10日
- ↑ 『封印された鉄道史』(p26 - p28)