テイルズオブデスティニー

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テイルズ オブ デスティニー
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ジャンル
ゲーム:
ゲームジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション(PS)
プレイステーション2(PS2)
必要環境
推奨環境
ゲームエンジン
修正パッチ
開発元 PS:日本テレネット・ナムコ
(現・バンダイナムコゲームス
PS2:ナムコ・テイルズスタジオ
発売元 PS:ナムコ
PS2:バンダイナムコゲームス
プロデューサー
監督
キャラクターデザイン いのまたむつみ
メディア PS:CD-ROM 1枚
PS2 通常版:DVD-ROM1枚
PS2 DC版:DVD-ROM
プレイ人数 1~4人
発売日 1997年12月23日(PS)
2006年11月30日(PS2 通常版)
2008年1月31日(PS2 DC版)
稼動時期
販売価格 PS:6,090円(税込)
PS2 通常版:7,140円(税込)
PS2 DC版:6,090円(税込)
売上本数 PS:90万本
レイティング CERO:A(全年齢対象)
インタフェース
コンテンツアイコン
キャラクター名設定
エンディング数
セーブファイル数
セーブファイル容量
クイックセーブ
クイックロード
コンテニュー
画面サイズ
全画面表示モード
音楽フォーマット
キャラクターボイス
バックログ
CGモード
音楽モード
回想モード
メッセージスキップ
オートモード
その他 DC版はディレクターズカット版
テンプレート使用方法 ノート

テイルズ オブ デスティニー』 (Tales of Destiny) は、1997年12月23日にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたプレイステーション(以下PS)用RPG2006年11月30日プレイステーション2(以下PS2)でリメイク版が発売された。2008年1月31日にディレクターズカット版がPS2で発売。

概要[編集]

テイルズオブシリーズのメインタイトル第2作目。略称は「デスティニー」、もしくはタイトルの頭文字をとって「TOD」。テイルズ独特の固有ジャンル名はPS版では『運命のRPG』、PS2版では『運命という名のRPG』。DC版では『もうひとつの運命という名のRPG』。 キャッチコピーは「運命を解き放て」。

1998年11月26日にPS the Bestとして廉価版が発売された。

PS2版が日本ゲーム大賞2006 フューチャー部門を受賞。

ストーリー[編集]

兵士として自らの名を上げるために故郷のリーネ村を飛び出したスタン・エルロンは、セインガルド王国の首都ダリルシェイド行きの飛行竜『ルミナ・ドラコニス』に密航するが、密航が発覚し武器を取り上げられてしまう。そこへ魔物が襲来。武器を取り上げられていたスタンは武器を探すため飛行竜内を捜索する。そして倉庫内で見つけたのが人格を宿す剣『ソーディアン・ディムロス』だった。

ディムロスのマスターとなったスタンは、その後の道中で『ソーディアン・アトワイト』のマスターであるルーティ・カトレットや、『ソーディアン・シャルティエ』のマスターであるリオン・マグナスらと出会い、『神の眼』を巡る騒乱に巻き込まれていく。


注意以降に核心部分が記述されています。

システム(PS版)[編集]

戦闘システム[編集]

エンハンスト・リニアモーションバトルシステム (E-LMBS) 』。詳細はテイルズオブシリーズ#各種システム参照。

ソーディアンと晶術[編集]

特定のキャラクターは、「ソーディアン」を装備できる。ソーディアンはプレイヤーキャラクターと同様に経験値をためてレベルアップするという特性を持つ。ソーディアンはレベルアップ時に「晶術」を修得することがあり、ソーディアンを装備しているキャラクターは自身が修得した技の他にそのソーディアンが習得した晶術を使用できる。

ディスク[編集]

ソーディアンの性能を拡張するアイテム。装着したソーディアンの攻撃力を向上させ、あるいは特定の晶術が使える様にする。PS2版では廃止された(#ソーディアンの変更点・追加要素を参照)。

ガルドとレンズ[編集]

本作では戦闘に勝利すると、通貨である「ガルド」の他に「レンズ」を入手できる。このレンズは町や村にあるオベロン社の換金所で換金でき、レンズの換金レートは場所により異なる。

フードサック[編集]

前作『テイルズオブファンタジア』に続いて採用されたシステム。りんごやみかんなど、食べ物系のアイテムで中身を補充して置けば、1歩歩くごとにHPが1回復する。食べ物の種類は格段に増え、フードサックの数値だけでなく特殊効果が付加されているものもある。複数の食材を組み合わせて作る数値の高い食べ物系アイテムの数も前作の一種から四種となっている。

PS2版ではフードストラップと言う新たなシステムが追加され、PS版のフードサックと他のテイルズシリーズにおける料理システムとの中間の様なシステムとなった(#その他の変更点・追加要素参照)。

APW[編集]

APW(アクティブパーティウィンドウ)はフィールド画面で左下に表示されるウィンドウ。このウィンドウにはパーティメンバーの内、戦闘メンバーに選ばれている四名が表示され、フィールド上を移動するとウィンドウの背景も移動する。また、フィールド画面で何の操作もせずに一定時間経過すると、ウィンドウ内のキャラクター達が会話を始める。後のシリーズ作品のスキットの原型となったシステム。

登場キャラクター[編集]

詳細は テイルズオブデスティニーの登場キャラクター を参照

設定・用語[編集]

国家[編集]

セインガルド王国[編集]

世界地図中央に位置する大陸の北方を占める二大強国の一つ。首都ダリルシェイドには、レンズに依存した高い技術力を有するオベロン社の本社が置かれ、世界で唯一の飛行竜も所持する。アタモニ神団の総本山ストレイライズ大神殿もセインガルド王国内にあり、世界で最もアタモニ教が布教されている国でもある。

ファンダリア王国[編集]

世界地図中央に位置する大陸の南方を占める二大強国の一つ。一年を通して降雪、積雪が絶えず、氷河なども存在する極寒の土地。国土が隣合わせと言うこともあり、セインガルドとは比較的友好関係にある。現国王のイザーク・ケルヴィンは賢王として名高く支持率も高いが、一部には独立を希求する派閥も存在する。

カルバレイス[編集]

セインガルドから西方に位置する、広大な砂漠に多数の火山が点在する不毛の土地を国土としている。天地戦争時代に天上軍がゴミ捨て場として使っていた土地で、そこに天地戦争に敗れた「天上人」を追放したのがこの国の始まり。それ故に長年に渡り他国から迫害を受け続け、国家としての独立を果たした現在も敵対感は根強い(ただしセインガルドとは国交がある)。首都カルビオラにはストレイライズ神殿も建設されているが、住民は異教としか見ておらず布教は進んでいない。国の一角に天地戦争時代のゴミ山、トラッシュマウンテンがある。

国唯一の港町であるチェリクには「バルック基金」が設立されていて、PS版では貧しい子供達に生活用品を配るなどしていて、住民の感謝の声が耐えないようだが、PS2版では建物の外観や設備、職員の生活が恵まれているなどの理由から、住民には嫌悪されている。

フィッツガルド[編集]

カルバレイスから南方に位置する民主主義国家。温暖な気候を持つ緑豊かな国土を持つ。首都ノイシュタットにオベロン社の支社が置かれたことで急速に発展し、現在は資本率世界第二位を誇る富国である。同時に、オベロン社を擁するセインガルドの強い影響下にあることから、セインガルド側にはフィッツガルドを属国として見る傾向がある(この傾向に対する抵抗感も存在する)。また、首都ノイシュタットでは、急速な発展に伴う激しい貧富の差が問題となっている。特に裕福な者は移住者側に偏りがちで、この点にも不満感が強い。

新進の国家であるため、首都の周辺を除けば開拓は殆ど進んでいない。他に、ノイシュタットの闘技場が世界的に有名。

アクアヴェイル公国[編集]

セインガルドから北東に位置する東洋風の国家連合。シデン領・モリュウ領・トウケイ領の三つの国家から成り、それらを一括して「アクアヴェイル」としている。鎖国状態にあり、他国との交流が厳しく制限されている。特に建国の経緯からセインガルドとの関係は非常に険悪で、オベロン社の支部やストレイライズ神殿はない。

レンズ[編集]

およそ千年前に地球に衝突した巨大彗星の核の欠片。特有の特殊エネルギーを含有しており、レンズから引き出したエネルギーは機械の原動力や医薬品など様々な形で利用されている。また、精神エネルギー(人間のものに限らない)に反応を示す性質があり、思考・集中のみでレンズからエネルギーを引き出すことができる。このエネルギーを意のままに操る技術が晶術である。現在は主に天地戦争時代の遺跡やモンスターの体内から発見・採取される。

レンズが含有するエネルギーの総量はレンズの規模・純度・密度などに関係し、エネルギーを出し尽くしたレンズは何の役にも立たないガラス細工の代物になってしまう。しかし、一定の行程を経て加工されたレンズはエネルギーの発生源としての性質を持つようになり、こうしたレンズは破損しない限りエネルギーを生み出し続ける。

巨大彗星の衝突とその二次災害により人類は滅亡の危機に瀕したが、同時にレンズを発見したことにより、この危機を回避する。レンズの利用方法は天地戦争の終結まで研究、確立され、当時のテクノロジーは現在を遥かに上回るものであった。レンズテクノロジーは戦争終結を期に徐々に廃れていったが、オベロン社を中心に再び世界中に普及している。

モンスター[編集]

レンズを体内に取り込んだ動植物。体内に取り込んだレンズの影響で変態(巨大化、奇形化など)し、多くは凶暴化する。レンズを抜き取ると元に戻る。また、レンズによるモンスター化は人間も例外ではない。

モンスターは基本的に野生動物が誤ってレンズを取り込むことで生まれるが、天地戦争時代には軍事利用のために人為的に生み出されたモンスターも存在した。それらのモンスターが繁殖、進化した結果、現在では非常に多種のモンスターが世界各地に生息している。こうしたモンスターの中には体内のレンズから力を引き出して、晶術を使う種もいる。

天地戦争[編集]

およそ千年前に空中都市と地上との間で起きた大戦争。

戦況は常に制空権を握りベルクラントを擁する空中都市の天上軍の有利に進んだ。しかし、地上軍もラディスロウと呼ばれる都市を浮上させ、空中都市の首都にソーディアンチームを送り込んだ。首都への強襲の結果、戦争は地上軍の勝利に終わる。

PS2版では、天地戦争に関する記録が現代に殆ど残っておらず、「大昔に天地戦争と言う大きな戦争があった」「神の眼と呼ばれるものが戦争の元凶であった」程度の記録しか残っていない。

空中都市[編集]

巨大彗星衝突の二次災害(星全体を覆う粉塵や天変地異など)により極寒の世界となった地上から脱するために建造された、レンズの力で空中に浮かぶ都市。正確には『外殻』と呼ばれる人工の大地を、地表を覆う塵の上空に浮上し、その上に多数の都市を設置している。ただし、ベルクラントによって外殻を形成するために浮上した空中都市の首都ダイクロフトだけは都市自体が浮いている。

元々は市民全員を空中都市に上げる予定だったが、先遣隊としていち早く移住した一部の人間が、自分達を選ばれた者だと思い込み「空中都市には自分達のような優れた人間のみが住むべきだ」と主張。『天上人』を名乗り地上の人々に圧政を敷いたことで、地上の人々が反発、天地戦争勃発のきっかけとなる。

戦争終結後は「破壊案」「再利用案」などの意見が出たが、環境に与える影響などを考慮した結果、最終的に地上軍最高幹部の1人であったラヴィル・クレメンテの意見により海底に沈めることとなった。

ベルクラント[編集]

空中都市の首都ダイクロフトに搭載された、巨大なレンズエネルギー砲。呼称は「無差別地殻破砕兵器」であり、元々は地面を粉砕し、巻き上げた塵で外殻を形成するための作業機械として開発されたものであった。しかし、その破壊力から天地戦争時には地上を攻撃する戦略兵器として使用された。

これにより地上軍は天地戦争において終始劣勢を強いられたが、ベルクラントが兵器として使用されたことが空中都市のベルクラント開発チームに亡命を決意させるきっかけとなり、地上軍勝利の要となったソーディアンの完成へと繋がった。

ソーディアン[編集]

天地戦争時代末期に地上軍の切り札として開発された局地戦用の戦術兵器。ハロルド・ベルセリオスにより理論が提唱され、ベルクラント開発チームが亡命の際に『コアクリスタル』のベースとなるユニットを持ち込んだことで完成した。開発されたソーディアンはディムロス、アトワイト、シャルティエ、イクティノス、クレメンテ、ベルセリオスの6本。それぞれの名前はコアクリスタルに人格を投射してそれを扱った初代ソーディアンマスターの名前から取られている。

ソーディアンとは、その使い手の記憶や性格などの人格を、人工的に高密度に集積したレンズ『コアクリスタル』に投射し、それを剣に装着したもの、つまり「意思を持つ剣」の総称である。マスター(使い手)はコアクリスタルのエネルギーを利用した強力な晶術を行使すると共に、投射された人格と意思の疎通を図ることで剣との同調性を高め、白兵戦においても通常の剣を上回る戦闘能力を発揮できる。また、コアクリスタルに投射された人格とは明確な言語のやり取りも行えるので、日常会話なども可能。
ただし、コアクリスタルから力を引き出せるのは特別な素質を持つ者に限られ、素質を持たない者にとってはただの剣でしかない(意思の疎通も不可能)。このような素質を持つ者であれば、投射されている人格が自分のものでなくてもソーディアンと意思の疎通を図り、コアクリスタルから力を引き出せる。しかし、別々の人格同士の連携となる為、オリジナル同士の場合よりも連携の精度が低下し、本来の力を発揮することは難しい。
以上のように、ソーディアンはコアクリスタルに投射された人格と使い手との同調性が重要であり、コアクリスタルには使い手自身の人格が投射された。例外として、カーレル・ベルセリオスのソーディアンには双子の弟であるハロルド・ベルセリオスの人格が投射されている。

ソーディアン・マスターで結成されたソーディアンチームは空中都市の支配者を討ち、地上軍を勝利に導いた。しかし、戦争終結後に人格を投射したオリジナルメンバーとソーディアンの相互干渉により、オリジナルメンバーの人格が崩壊する可能性があるという問題が発生したため、ソーディアンは凍結処分され、各々が遠く離れた地に保管される事になった。

神の眼[編集]

直径6mの球体状巨大レンズ。そのサイズに比例した凄まじいエネルギーを含有しており、天地戦争時代には空中都市を浮遊させる為のエネルギー、ベルクラントのエネルギーを同時に供給していた。

天地戦争終結時、空中都市の再利用案が却下された時点で神の眼の破壊も提案されたが、そのエネルギー故、神の眼は非常に強固であり、これを破壊することは不可能であった。最終的には、悪用を避けるべく神の眼を世間から隔離することとなった。また、その隠れ蓑としてアタモニ神団が創設された。以降、ストレイライズ神殿に安置されている。

アタモニ神団(ストレイライズ神殿)[編集]

女神「アタモニ」を崇拝する教団。そもそもは神の眼を世間から隔離して保管し続けるための隠れ蓑として作られたが、1000年の時を経た現在ではセインガルド王国の国教として確固たる地位を確立している。総本山であるセインガルドのストレイライズ神殿の深部には神の眼が安置されているが、神の目の存在やアタモニ神団の創設理由、存在理由などは司教や大司教といった高位の神官しか知らず、下位の神官や信者は純粋に神を崇めている。また、神官は古代文明などの研究者としての側面を持つ。
尚、PS版のゲーム中ではアタモニ神団という組織名は登場せず、ストレイライズ神殿と言う施設名のみが登場する。

PS2版では天地戦争自体の記録が殆ど残っていない為、高位の神官もアタモニ神団の創設理由をはっきりとは知らない。ただ、数多く語られる創設理由の1つとして「神の眼を世間から隔離する為に創設された」と言う説は残っている。

また、「アタモニ」は、本作のキャラクターデザイナーであるいのまたむつみの苗字(INOMATA)を逆読みにしたもの(ATAMONI)が元となった。

その他[編集]

オベロン社[編集]

セインガルド王国の国家予算に匹敵する年商を生み出す、世界的に活動する巨大企業。世界で唯一レンズの加工技術を持ち、加工したレンズを利用した製品を取り扱う。本社はセインガルド。フィッツガルド、カルバレイスにも支部を持つ。また、セインガルド王国では、社長のヒューゴ・ジルクリストが王の右腕となって国の繁栄と自社の利潤追求に勤めている。

レンズ製品は栄養ドリンクや家電などの日常的なものからモンスターと戦うための武器まで非常に多岐に渡るが、このためオベロン社は常時大量のレンズを必要としており、民間からのレンズの買取も行っている。こうした、レンズ買取を行う支店は鎖国中のアクアヴェイルや極端な田舎を除けば世界中に存在する。

このことから、モンスターを倒したり遺跡から発掘したりしてレンズを集め、オベロン社に買い取って貰うことを生業とする、レンズハンターも存在する。

飛行竜[編集]

巨大な竜の姿をした空を飛ぶ乗り物。天地戦争時代に有機体とレンズを結合させる研究の一部として開発された。生体金属と呼ばれる希少な金属「ベルセリウム」を多量に使用しているため、製造数は少ない。また、同様の研究で海底に潜ることのできる「海竜」も開発された。

現存する唯一の飛行竜ルミナ・ドラコニスはセインガルドが管理、運用している。また、海竜ベルナルドは、海底のラディスロウに保管されていた。

PS2版では同系列の存在と思われる「始祖竜」も登場する。

主題歌・オープニング[編集]

前作ファンタジアに引き続き主題歌が採用されている。また、主題歌に合わせたアニメーションムービーも製作され、ゲームをスタートすると主題歌と共にムービーが流れる。この主題歌とアニメーションムービーによるオープニングは以降のテイルズオブシリーズの定番となった。

プレイステーション2版[編集]

通常版[編集]

2006年6月20日PS2へのリメイクが発表された。当初の発売予定日は2006年11月22日となっていたが、11月15日にソフトの不具合が発表され、2006年11月30日に発売予定日が延期された。

主な設定の変更[編集]

キャラクターが2頭身から4~5頭身へ変更、新たにCG、アニメーションが追加された。またダンジョンマップ等、一部グラフィックが2Dから3Dになった。

マップや各システムが一新され、PSP版『テイルズオブファンタジア』同様、メインシナリオがフルボイスになった。また、ストーリーについても、シナリオの変更がおこなわれた。特に伏線の追加によりPS版と比べ唐突な展開は減っているが、人間関係やキャラクターの性格付け及び重要なシナリオまで変更された部分があり、PS版のファンからは賛否が分かれる。

公式ガイドのディレクターインタビューには「テイルズオブデスティニー2との繋がりは全く意識せずにつくった」との旨のコメントがあり、細部を含めればデスティニー2との辻褄が合わない点は多数存在する。一方、スタンがカイルの特技を使用する、リオンがジューダス同様に二刀流になっている等、デスティニー2との繋がりを意識したと思われる点もある。同シリーズに登場した要素のリフレインはテイルズオブシリーズに多く存在するため、一種のファンサービスと取る事も出来る。

戦闘の変更点・追加要素[編集]

通常攻撃の連発が可能となり、他のシリーズ作品同様にアクション性が増した。特に本作の戦闘システムは「AR-LMBS(エアーリアルリニアモーションバトルシステム)」と呼ばれる空中戦を重視した仕様になっており、大半の技が空中でも使用可能で2段ジャンプもできる。また、1Pコントローラーで全てのキャラクターを操作することが可能になった。

CC(チェイン・キャパ)
リメイク版にはTPがなく、このCCを消費して術技を使用する。CCは術技のみならず通常攻撃や空中ジャンプ、バックステップなどの各種行動を起こす際にも消費するが、戦闘中随時回復し、枯渇を気にすることなく術技を連発できる。また、本作には「秘技」「奥義」の様な術技の階級が存在しない為、連携の組み立ての自由度が高く、基本的にCCが続く限り連携を行う事が可能。これにより戦闘のアクション性が増している。
一方、CCを使い切ったキャラクターはCCが回復するまでの間は通常攻撃もできなくなってしまう為、単独での連携はその時点で途切れてしまう。その為、本作で連携を繋げていくには過去のシリーズ作品以上に仲間の行動に合わせる「タイミング」や「技の使い分け」が重視される。
各キャラクターのCCには最小値と最大値が設定されており、CC回復の数値は最小値と最大値の間から一定の法則で決定される。各キャラクターのCCは装備武器に拠って決定され、ソーディアンデバイスや宝石などで増やすことも可能。
CCは戦闘中のみのパラメータであるため、移動中は術技を使用できず、回復手段も術以外のものに限られる。また、HP回復の効果を持つ術技は、TP残量による使用回数の制限がなくなった分、連続使用すると回復力が低下するという制約がある。この制約は戦闘中に通常攻撃などを行うことで徐々に、戦闘終了時には完全に解除される。
属性
リメイク版には「斬」「打」「射」「音」と言った、主に物理攻撃のタイプを示す属性が存在する。通常攻撃やPS版では無属性だった技もこれらの属性を持っていることが多く、本作では無属性の攻撃手段が極めて少ない。ちなみに、属性は「斬、打、射、音、火、水、風、地、光、闇」の10種類で、PS版に存在した雷属性がなくなっている(雷属性だった攻撃手段は主に光属性になっている)。
術特技
術技の分類区分の1つ。本作では術技は大きく「特技」「晶術」「術特技」の3種類に大別され、「鳳凰天駆」や「断空剣」、「フォースフィールド」等の魔術的な力の伴う技の多くは術特技に分類される。いわば特技と晶術の中間の存在で、ダメージ計算にも物理攻撃力と術攻撃力の両方が適用される。晶術と異なり詠唱時間はないので、戦闘を行う上では特技と同じ感覚で使用できる。
ブラストキャリバー (BC)
BCは従来のテイルズシリーズにおける「秘奥義」に相当する術技。HPの下に表示される「ブラストゲージ」が一定量溜まった状態で、連携の最中にのみ発動できる。BCには1~3のレベルがあり、レベルの高いBCほどブラストゲージを多く消費する。ブラストゲージの上限はそのキャラクターが修得している最もレベルの高いBCの消費量とイコールである為、高レベルのBCを修得すれば、蓄積量に気を配ることで低レベルのBCを短い間隔で連続使用できる。ただし、戦闘不能になると蓄積されたブラストゲージは0となる。また、ゲージが満タンの状態で戦闘が終了するとある程度ブラストゲージが減る。
ディフィニットストライク
特定のキャラクターが特定の敵に対し、特定の流れで連携を行うことを指す。ディフィニットストライクを決められた敵は必ず気絶状態になる。また、ディフィニットストライクを決められた敵は、その戦闘でのアイテムドロップの確率が倍増する。但し、ディフィニットストライクは同じ戦闘中は同名の敵に対し1回しか発動させることができない。連携の内容は、通常攻撃を数回繰り返すだけの簡単なものから、異なる晶術を4、5回繰り出す高難易度のものまで様々。
ディフィニットストライクの条件は敵ごとに異なり、ほぼ全ての敵に設定されている。敵ごとのディフィニットストライクの条件は「ディフィニット戦記」と言うアイテムで確認でき、全ての敵にディフィニットストライクを決めるとアイテムが貰えるサブイベントもある。

ソーディアンの変更点・追加要素[編集]

PS版ではソーディアンマスター間であればソーディアンの付け替えは自由だったが、PS2版ではソーディアンマスターは武器の付け替えが不可能になっており、自分のソーディアン(スタンならディムロス)以外の武器を装備する事ができなくなった。シナリオの都合上、一時ソーディアン以外の武器を装備しているキャラもいるが、その時期も武器の交換はできない。

また、ディスクシステムも廃止されている為、技や晶術は自身が修得するものしか使用できず、更に各ソーディアン固有の「ソーディアンデバイス」により個々の役割がはっきりと分けられるようになった。尚、PS2版のソーディアンにはレベルが設定されていないが、マスターのレベルアップに伴いパラメータがアップする為、能力値の上昇システムに関してはPS版との違いはそれほどない。

ソーディアンデバイス
ソーディアンの性能をグレードアップさせるシステム。ソーディアンが持つデバイスポイントを、そのソーディアンごとに取得しているデバイスに割り振ることで、そのソーディアンはポイントを割り振ったデバイスの効果を得られる。デバイスには単純にソーディアンのパラメータを向上させるものから、晶術の詠唱時間短縮や状態異常の付加など様々なものがあり、効力の高いデバイスほど多くのデバイスポイントを割り振る必要がある。又、下位のデバイスを使用し続けることで上位のデバイスを使える様になる。
リライズ
ソーディアンの機能の一つとして追加されたシステム。所有しているレンズを消費してソーディアン以外の武具を別の武具に変化させるシステムで、ガルドを消費せず武具のグレードアップが計れる。リライズでしか手に入れることのできない武具も存在する。
リライズの際に必要なレンズの個数や種類(後述)はアイテムによって異なり、高レベルのアイテムほどリライズするには入手困難な種類のレンズが必要となる。また、高レベルのアイテムをリライズするにはパーティの平均レベルが一定の値に達している必要があり、レンズが揃っているだけではリライズできない。

パーティメンバーの変更点・追加要素[編集]

PS版ではパーティメンバーの上限が6名まであったが、リメイク版ではパーティメンバーの人数に制限が無く、最終的には全てのパーティメンバーをパーティとして連れ歩く事ができる。また、各キャラクターに新たな術技が追加されており、一部のキャラは戦闘スタイルもPS版と異なる。

サポートタレント
各パーティキャラクターが持つ、「戦闘に参加しないことで発揮できる」特殊効果。戦闘に参加しないパーティメンバーの中から一人だけサポートタレント要員を選ぶことができ、そのキャラクターは非戦闘要員である間だけ特有のサポートタレントを発揮する。発揮される効果はキャラクターごとに異なり、特に有効なサポートタレントを持つキャラクターは戦闘に参加させるかサポートタレントの効果を取るかが肝要となる。
リリス
あるサブイベントをクリアすると、スタンの妹「リリス・エルロン」がパーティに加わる。詳細はテイルズオブデスティニーの登場キャラクター#リリス・エルロンを参照。

その他の変更点・追加要素[編集]

ガルドとレンズ
戦闘勝利時、モンスターは一部の例外を除き、ガルドを落とさずにレンズのみを落とすようになった。これは「モンスターは体内のレンズの影響で凶暴化した動植物」という設定に沿ったもので、逆に人間の敵はレンズを落とさずガルドのみを落とす。又、レンズは全部で5種類あり、入手困難な種類のレンズほど換金レートが高い。
フードストラップ
PS版デスティニーのフードサックと他シリーズの料理をかけ合わせたようなシステム。フードサックに各料理のストラップ(おにぎりのストラップ、サンドイッチのストラップなど)を付けることで、フードストラップに設定された条件(HPが80%以下になる、戦闘中麻痺状態になる等)を満たした時に、フードサック中の食料を消費して自動で該当料理が作られる様になった。フードストラップの購入や、フードサックの中身(フード)の補充は食材屋で行える。
オープニングムービー
リメイク版ではニューゲームをスタートして、冒頭部分終了まで冒険を進めると初めてオープニングムービーが流れると言う演出がされている。その為、従来の作品と異なり、ゲームをスタートするとオープニングムービーが流れずにタイトルメニューが表示される。冒頭終了の部分まで進めたセーブデータが入っているメモリーカードが差してあれば、タイトルメニューの画面を表示したままある程度時間を置くとオープニングムービーが流れるようになる。
クリア後特典
一度ゲームをクリアしたデータを用いる事で、特典を受けた状態で二週目を始める事が出来るようになった。クリア回数やクリア時の戦闘難易度に応じてポイントが得られ、ポイントを用いて特典要素を購入する事が出来る。従来のシリーズ作品の「GRADE SHOP」に相当するもので、特典にはプレイヤーに有利に働くものもあればやり込みプレイ向けのものもある。
なりきりアイテム
本作には「なりきりスタン」や「なりきりリオン」など、装備する事で「他のキャラクターになりきる」事ができるアイテムが存在する。具体的には、なりきりアイテムを装備したキャラクターは戦闘時の外見と使用術技が別のキャラクター(「なりきりスタン」の場合はスタン)のものになる(各種ステータスは元のまま)。これにより、ストーリーの途中で離脱してしまうリオンを戦闘で使用する事ができる他、同じキャラクターを複数戦闘に参加させる事もできる。

ディレクターズカット版[編集]

  • 本編をリオンの視点で進める「リオンモード」の他、リリスのストーリーが追加されている。また、豪華プレミアムBOXが発売予定。

小説[編集]

著:矢島さら イラストいのまたむつみ ファミ通文庫

  • テイルズ オブ デスティニー 運命をつぐもの 上 ISBN 4757700636
  • テイルズ オブ デスティニー 運命をつぐもの 下 ISBN 4757700644
「ときをつぐもの」。ゲーム本編を小説化した作品。
スタンと出会う前のルーティとマリーのエピソードを描いた番外編。挿絵は啄木鳥しんき
  • テイルズ オブ デスティニー 蒼黒の想い 上 
  • テイルズ オブ デスティニー 蒼黒の想い 下
リメイク版のゲーム本編をリオン視点で描いた番外編。

著:祭紀りゅーじ イラスト:橋本正枝 電撃文庫

  • テイルズ オブ デスティニー ルーティのルール ISBN 4073081691
  • テイルズ オブ デスティニー 天地戦争編 ISBN 4840209626

(なお、この小説は天地戦争時代のカーレルに着目して描かれているが、デスティニー2やデスティニーのキャラとは設定が全く異なる)

漫画[編集]

  • テイルズ オブ デスティニー 神の眼をめぐる野望

作画は啄木鳥しんきファミ通ブロス 全6巻が刊行されている。

テイルズシリーズ全体でも初の漫画化作品である。

ストーリー
兵士を目指す青年スタン・エルロンは、レンズハンタールーティ・カトレットに旅費を騙し取られたため、荷物を取り返すべく、迷い込んだ古代遺跡にて物言う剣ソーディアン・ディムロスと出会う。やがて世界を救う英雄となる彼らの旅が始まった。
作品概要
ストーリーの根幹や世界観は原作と同一だが、物語の展開や結末、一部の登場人物の設定などが大きく異なっている(後述)。また、連載終了の時点(第1話刊行は1998年、最終話の刊行は2000年晩秋)で続編にあたるデスティニー2の制作が始まる前後だったため、同作との繋がりはない。
人気ゲームをコミックス刊行するに当たっての大きな原作改変には、一種の外伝的なシナリオを除き不評が伴うことが多いが、本作はそういった不評のみならず好評の声も少なくなく、ゲームコミックスとしては支持と人気を得ている。
しかし、2002年の月刊ファミ通ブロスが休刊に伴い、入手が困難になっており、ゲーム版のリメイクに伴っての復刻版(もしくはカバー書下ろしなどのリメイク)の発売を希望する声もある。
なお、エンターブレインより刊行されているデスティニーのアンソロジーコミックスには、本作の外伝に当たるエピソードが1巻と2巻にそれぞれ収録されている。
ゲームとの主な相違点
  • スタンがディムロスと出会うのは古代遺跡
  • ルーティがマリーと共に旅をしていない
  • リオンの心理描写の多さと結末
  • 街を訪れる順番
  • 登場しない敵がいる
  • 空中都市群におけるレンブラントの口調が普通
  • 黒幕そのものが違う
単行本
  1. ISBN 4757700865
  2. ISBN 4757700873
  3. ISBN 4757701799
  4. ISBN 4757701802
  5. ISBN 4757701489
  6. ISBN 475770285X


  • テイルズ オブ デスティニー

作画はくおん摩緒月刊Gファンタジー 全5巻が刊行されている。

啄木鳥しんき版と比べれば原作に準じたストーリーとなっているが、エンディングはゲームとは異なる。

単行本
  1. ISBN 4757503970
  2. ISBN 4757505450
  3. ISBN 4757506562
  4. ISBN 4757507801
  5. ISBN 4757509235

ドラマCD[編集]

  • テイルズ オブ デスティニー 1
  • テイルズ オブ デスティニー 2
  • テイルズ オブ デスティニー 3


  • テイルズ オブ デスティニー 地上編 vol.1
  • テイルズ オブ デスティニー 地上編 vol.2
  • テイルズ オブ デスティニー 地上編 vol.3
  • テイルズ オブ デスティニー 天上編 vol.1
  • テイルズ オブ デスティニー 天上編 vol.2
  • テイルズ オブ デスティニー 天上編 vol.3

廉価版として地上編、天上編セットで発売されている。 ゲームとは以下のような相違点がある。

  1. リオンの一人称が「僕」ではなく「俺」となっている。(地上編DISK1のみ)
  2. チェルシーが迷子になっていない。
  3. キャラクターグラフィックで着用しているスタンの服はウッドロウから貰った物になっている。
  4. マリーがルーティ救出の協力者捜しをしておらずその場でスタンと対面。
  5. レンズ換金にはレンズハンターの許可証が必要。
  6. スタン達がソーディアンマスターとしてセインガルドに招かれる。よって電撃ティアラは存在せず、バティスタをフィッツガルドで逃がした際彼にオベロン社製の発信機を取り付けた。
  7. リオンがセインガルドの客員剣士ではなく近衛団長になっている。
  8. コングマンがフィリアではなくイレーヌのことが好き。
  9. 第二部では空中都市復活までパーティにウッドロウ不在。
  10. レンブラントがマリアンを人質にとっていない。
  11. 空中都市でのイレーヌとバルックの交戦場所が逆。
  12. ミクトランは最終決戦まで肉体が登場せず剣のまま独りでに動く。
  • テイルズオブデスティニー ~PROUST Forgotten Chronicle

1999年にフロンティアワークスより発売された。

エミリオ・カトレット=リオン・マグナスの生い立ちからスタン達に会うまでを中心に、彼の人生を描いた作品。父ヒューゴ、姉ルーティ、マリアン、フィンレイ=ダグ、シャルティエを通じてリオンの心の葛藤が細かく描かれている。また、16歳の普通の少年である面ものぞかせるなど、ゲーム本編では語られることはなかった様々な面が表現されている。

リオン役の緑川光は、電撃プレイステーション等で「自分が出演したドラマCDの中で一番のお気に入り」と評している。

サウンドトラック[編集]

  • 「テイルズ・オブ・デスティニー」サウンドトラック
  • 「テイルズ オブ デスティニー」オリジナル・サウンドトラック

関連書籍[編集]

  • テイルズ オブ デスティニー オフィシャルガイドブック ISBN 4757702477
  • ナムコ公式ガイドブック テイルズ オブ デスティニー
  • テイルズ オブ デスティニー 公式コンプリートガイド ISBN 4902372126
  • テイルズ オブ デスティニー キャラクターコレクション ISBN 4840223491

関連項目[編集]

  • NAMCO x CAPCOM - スタン、ルーティ、リオン(イベント)、ディムロス、アトワイトが出演


外部リンク[編集]

no:Tales of Destiny