テイルズオブジアビス

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テイルズ オブ ジ アビス
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ジャンル
ゲーム:
ゲームジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション2
必要環境
推奨環境
ゲームエンジン
修正パッチ
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売元 ナムコ
(現・バンダイナムコゲームス
プロデューサー
監督
キャラクターデザイン 藤島康介
メディア DVD-ROM 1枚
プレイ人数 1~4人
発売日 2005年12月15日
稼動時期
販売価格 7,140円(税込)
売上本数 57万本
レイティング CERO: 全年齢
インタフェース
コンテンツアイコン
キャラクター名設定
エンディング数
セーブファイル数
セーブファイル容量
クイックセーブ
クイックロード
コンテニュー
画面サイズ
全画面表示モード
音楽フォーマット
キャラクターボイス
バックログ
CGモード
音楽モード
回想モード
メッセージスキップ
オートモード
その他
小説:
著者 矢島さら
イラスト 中嶋敦子
出版社 エンターブレイン
掲載誌
レーベル ファミ通文庫
発売日
発表期間 -
巻数 既刊5冊
話数
その他
小説:
著者 結城聖
イラスト 松竹徳幸
出版社 集英社
掲載誌
レーベル スーパーダッシュ文庫
発売日
発表期間 -
巻数 全6巻
話数
その他
漫画:
作者 ナムコ
作画 玲衣
出版社 メディアワークス
その他の出版社
掲載誌 電撃マ王
レーベル
発売日
発表期間 -
巻数 既刊3巻
話数
その他
テンプレート使用方法 ノート

テイルズ オブ ジ アビス』 (TALES OF THE ABYSS) は、2005年12月15日にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたプレイステーション2RPG

概要[編集]

テイルズオブシリーズのメインタイトル第8作目。略称は「アビス」(「ジアビス」)、もしくはタイトルの頭文字をとって「TOA」。テイルズ独特の固有ジャンル名は今作では『生まれた意味を知るRPG』。「シリーズ誕生10周年記念ソフト」として発売された。

The 9th CESA GAME AWARDS FUTUREを受賞し、その後日本ゲーム大賞2006優秀賞を受賞した。

キャラクターデザインは藤島康介。スタッフは『テイルズオブシンフォニア』を担当したメンバーで構成された。本作の最大の特徴として、世界観に「音」が深く関わっている。このため、本作では従来のシリーズ作よりも音楽の比重が増している。その事は本作のジャンル名「生まれた意味を知るRPG」が、主題歌「カルマ」の歌詞の1節から採られている事からも判る。なお、BGMの一部はBUMP OF CHICKEN藤原基央が手がけている。

10周年の肩書きにふさわしく、内容は全シリーズ中でも完成度の高い部類に入る。藤島の描くキャラクターの人気もシリーズ中で高い。公式HPでの第3回人気投票で本作のキャラクターは、ベスト5に3人、ベスト30には8人ランクインしている。

『シンフォニア』で導入された3D技術が向上し、前作で問題視されていた演出面、カメラワークも過去シリーズと比較すれば派手になっているが、製作期間が約1年と短く、更に早い段階で詳細な発売日が決まっていたため、調整不足で見切り発売され要出典バグ(操作で進行不可能になるものや、他に保存したセーブデータがないと最初からやり直しになる場合もある)や誤植が非常に多い。

米国版は2006年10月10日に発売。OPテーマがインストゥメンタルの「カルマ」に変更され、一部キャラクターに新技が追加されるなど、日本版にはない新要素がみられる。

2007年6月28日にPS2 the Bestとして廉価版が発売された。内容は通常版と同じ。

シナリオ[編集]

作品のテーマは「生まれた意味を知るRPG」とあるように、死生観を含め生きる意味・生命の価値を扱う等、ライトRPGに分類される本シリーズの中では異彩を放っている。

シナリオでは外界から隔絶された環境で育った主人公が、世界の存亡を賭けた対立の中で成長し、世界を知ると同時に自分自身を知っていく過程が描かれている。そして、その意志が世界の運命を左右する事となる。また、敵陣営の描写にも力を入れる事で従来の作品以上に勧善懲悪的な展開を廃しており、プレイヤーが主人公達と共に常に迷いながら成長していく作りを意識している。正に人の心の闇を描いた作品といえる。

序盤、無知故に傲慢な子供として描かれていた主人公が、契機となる重大な事件を経る事で己自身の変化を望み、挫折や絶望を体験しながらも成長していく。プロデューサーの吉積信は雑誌のインタビューで「ルークは現社会で問題になっているニート引きこもりを題材とした」と語っている。

世界観[編集]

世界「オールドラント」は、二つの国家「キムラスカ」と「マルクト」に二分され、唯一の宗教「ローレライ教」を信仰している。

「預言」を信仰するローレライ教は、政治経済はもとより人々の生活の末端までを予測し、人々はこの預言に従い生活する事を善とする風潮がある。預言を信仰するあまり、保守的なローレライ教団の派閥の一部は預言に詠まれた通りの事実を捏造する為、世界各国への影響力を行使し、過激な戦争や政争を起こし、預言通りに多くの犠牲を生んできた。

キムラスカとマルクトは近年長く紛争中で、ゲーム開始段階では開戦を間近にした極度の緊張状態にあり、冷戦のような状況となっている。

テイルズオブファンタジア』、『テイルズオブシンフォニア』では北欧神話に由来するものが多かったが、今回は旧約聖書に由来するものが多く用いられている。その例としてセフィロトクリフォトの存在があり、この二つは旧約聖書の有名な用語である。

ストーリー[編集]

今より2000年の昔。第七音素(セブンスフォニム)の発見により、惑星の誕生から消滅に至る未来までを記した「星の記憶」の存在が確認された。その星の記憶を巡り、惑星オールドラントの戦乱の時代が始まる。

長きに渡る戦いは大地を疲弊させ、毒を含む障気を生み出した。人々は、星の記憶を読み取る譜術士ユリア・ジュエの詠んだ預言に従い、大地深くに障気を封じ込めた。

時は流れて、現代。世界はキムラスカ・ランバルディア王国マルクト帝国の二大国に分割され、危うい平和の均衡を保っていた。だが本当に人々の心を支配していたのは、両国の王ではなく、ユリアの教えを守護するローレライ教団によって、世界に発せられる「預言(スコア)」であった。

キムラスカ王国のファブレ公爵の一人息子ルーク。彼は幼い頃マルクト帝国に誘拐されかけたショックで記憶喪失となり、以後は屋敷だけの生活で軟禁状態になった。退屈な毎日だったが、ヴァンとの剣の修行だけが唯一の楽しみだった。ある日、ヴァンと剣の修行をしていた時、突如ティアが現れてヴァンを殺そうとする。止めようとしたルークは偶然(擬似)超振動が起き、ティアと一緒に外へ飛ばされてしまう。

初めて外の世界に足を踏み入れたルーク。これから彼の運命が大きく変わってゆく事になるなど、彼は当然知る由もない……。


注意以降に核心部分が記述されています。

キャラクター[編集]

テイルズオブジアビスの登場キャラクター一覧 を参照

システム[編集]

戦闘システム[編集]

本作の戦闘システム「FR-LMBS(フレックスレンジ-リニアモーションバトルシステム)」は『テイルズオブシンフォニア』で採用された「ML-LMBS(マルチライン-リニアモーションバトルシステム)」をベースとして、改良・変更を行ったもの。本項では、その変更・追加点について記述する。

フリーラン
後述のADスキルの1つで、ML-LBMSで問題視されていた、プレイヤーキャラの移動における不自由さを解消したシステム。キーカスタマイズで設定したボタン(デフォルトではL2)を押しながら左スティックを操作することで、敵と自身を繋ぐラインを無視して戦闘フィールドを自由に駆け回ることが可能。フリーラン中は攻撃や防御、ジャンプなどが出来ない。
FOF(フィールド・オブ・フォニムス)
属性攻撃を行った後、一定時間フィールド上に発生する円陣。属性攻撃を行うと戦闘フィールドにその属性の力が溜まると共に、その属性に見合ったFOFが現れる。戦闘フィールドに溜まった属性の力が不充分だと白色のFOFが、属性の力が充分だと有色のFOFが現れ、有色のFOFの上で特定の術技を使うと一段階強力な属性攻撃へと変化する。特定の術技の発動中にFOFが発生すると連携数を増加させることが出来、戦闘の戦略性を上げている。
C(キャパシティ)・コア
装備品の1つ。C・コアを装備した状態でレベルアップしたキャラクターは本来の能力値の上昇に加え、ボーナスで特定の能力値が更に上昇する。どの能力値がどれだけ上昇するかはC・コアの種類による。後述のADスキルの修得にも係わる重要アイテム。
AD(アディショナル)スキル
レベルやC・コアのレベルアップボーナスに応じて習得できる戦闘時用の特殊効果。戦闘中に行える行動が増えるものや、ダメージを軽減するものなど様々なスキルがあり、冒険を進めてレベルを上げるほど戦略の幅が広がる奥の深い仕様である。「バックステップ」や「フリーラン」などの戦闘の基本となるADスキルは比較的早い段階で修得できるが、中には「他のキャラクターにアイテムを使う」といった従来の作品では特に制約無しで行えた行動がADスキルになっている場合もある。
オーバーリミッツ
ML-LMBSでは強制的に発動したオーバーリミッツだが、今作ではゲージを溜めて任意のタイミングで発動させることが出来る。発動中はダメージ軽減、仰け反り回避、攻撃力増加などの効果を得られ、オーバーリミッツ中に技主体キャラは奥義連携後やFOF変化技中に○ボタンを押す、術主体キャラは上級譜術を放つことで「秘奥義」が発動できる。尚、オーバーリミッツは「オーバーリミッツ」、秘奥義は「スペシャル」のADスキルが必要である為、修得するまではどちらも使用できない。

タウンリンク[編集]

本作では物価は固定されておらず、ストーリーの進行に伴った各地の状況に合わせて変動する。戦時中などは物価の高騰や売り切れが頻発し、反して戦争状態が終結すれば新商品の入荷や物価の下落が起こる。この物価の変動を利用してガルドを稼ぐことも可能。そのためか、本作はシリーズ中でも物価がかなり高めである。

用語・キーワード[編集]

言語[編集]

フォニック言語
現在、世界の公用語として用いられている言語。昔用いられていた古代イスパニアが変化したもので、文法や文字は同じだが表現が異なる。
古代イスパニア語
昔、世界の公用語として用いられていた言語。創世暦時代の遺跡などに残されている文書は基本的に古代イスパニア語で記述されており、古代イスパニア語で動作する譜業も存在する。イスパニアとは現在のバチカルに滅ぼされた、古代の国の名前。
文法などがフォニック言語とほぼ同じである為、修得は比較的容易であり、特に上流階級や軍属の者の間では当たり前のように学ばれている。自分の子の名前に古代イスパニア語を利用することも多い。
ちなみに、「イスパニア語」とはスペイン語の別称である。

音素(フォニム)[編集]

世界を構築する元素の一端。また、元素から離脱した存在と考えられることもある。全ての物質は元素と音素によって構成され、音素は元素同士の結合にも深く係わっている。

音素はその性質ごとに第一音素から第六音素までに分類され、それぞれ順に闇・地・風・水・火・光の属性を持つ。各音素の量や割合が違えど、この世の全ては例外なく音素を内在しており、内在された音素はそれぞれ固有の振動と音を発する。別の存在に内在された音素の振動数が一致する事は極めて稀であり、音素の振動数は物質の些細な個性にも大きく影響しているものと思われる。後に七番目の音素が誕生した。

音素は一定以上の量が集まると自我を持つとされており、その存在は確認されている。自我を持った音素は意識集合体と呼ばれ、それぞれ第一音素シャドウ、第二音素ノーム、第三音素シルフ、第四音素ウンディーネ、第五音素イフリート、第六音素レム、という名前で呼ばれている。ちなみに、これらの意識集合体の名前は過去のテイルズオブシリーズに登場した精霊の名前から取られている。

音素及びフォニムは創作の言葉ではなく実在する言葉である。しかし、上記の通りテイルズオブジアビスの世界観ではどちらからも違う意味で使われている。

譜業と譜術[編集]

譜業とは音素を用いた科学技術の総称であり、その中でも特に音素を原動力とした機械を音機関と呼ぶ。熱エネルギーとして利用可能な火の属性を持つ第五音素が主に原動力として用いられるが、種類によっては光属性の第六音素が用いられる事もある。また、創世暦時代の音機関には第七音素を原動力とする音機関も多々存在している。現在、キムラスカ·ランバルディア王国のベルケンド·シェリダンで譜業の研究·製造が盛んである。ジェイドが理論を開発したフォミクリーも譜業の一種である。

音素を原動力とする譜業に対し、音素そのものに干渉する事で魔術的奇跡を起こす技術が譜術である。譜術は何の道具も用いずに人間の思考·集中のみで行使することも可能だが、何かしらの媒体を介して行う事でより強力かつ大規模な譜術を行使することも可能(音素で描かれた譜陣を介する方法などがある)。キムラスカ王国では譜業が盛んなのに対し、マルクト帝国では譜術が盛んである。現に、マルクト兵には比較的譜術士が多い。譜術を使う者は譜術士(フォニマー)と呼ばれる。

これ以外に、歌によって詠唱、行使される譜歌と呼ばれる術もあるが、譜術ほどの力は無い。譜歌を扱う者は音律士(クルーナー)と呼ばれる。

陸上装甲艦タルタロス[編集]

上記の音機関の使用した代表例がこの陸上装甲艦、通称陸艦であり、第五音素を用いた音機関を搭載してホバークラフトのように地上を滑走する。そのほか譜業による大砲などを多数装備し、船体防護用の譜術障壁なども装備。また、衝角が存在し、世界観に沿った原始的な攻撃手段も持ち合わせている。

マルクト帝国にはタルタロス以外にも七隻以上の同型艦が稼動状態で存在する他、キムラスカやダアト自治区にも多数の陸艦が配備されている。これらシェリダンで製造される艦艇は非常に安定性や耐久力が高く、本編においては高所から落下して乗員が死傷したにも関わらず、船体そのものは無事だったと言う出来事があった。

基本乗員数は400名前後だが、最大数は660名となっている。これは地上戦において内部に歩兵部隊を収納して前線で展開させたりする他、甲板に上記のフォニマーを配備したり、肉薄攻撃に対する自衛手段だと思われる。ちなみに、本編では200人にも満たない少人数で運用されていたが、ジェイド曰く「特務だったため」だそうである。

一方で、剣や弓、騎兵などが主力である世界観を考慮すると、このような陸上戦艦はいささかオーバーテクノロジーな傾向にある。

飛晃艇アルビオール[編集]

キムラスカが保有する航空機で、発掘されたロストテクノロジー浮遊機関を搭載し、オールドラント史上初の安定飛行を実現させた存在である。ティルトローター機構を持った垂直離着陸機であり、二重翼全翼機である。また、飛行艇のように水面への着陸、航行能力も持ち合わす万能航空機。また、ゲーム中では3機存在する。主人公達が乗るのは2号機。

全長は24m。全幅は28mで、乗員は4名以上。また、ナイトレーベンと非常に似た外見を持つ。

音譜帯[編集]

オールドラントを包み込む音素の帯域。地表から遥か上空に存在し、オールドラント全域を覆い尽くしている。音譜帯は6つの層に分かれ、それぞれ第一から第六までの音素を大量に含んでいる。

第七音素(セブンスフォニム)[編集]

記憶粒子が六音素と結合して、突然変異を起こし誕生した七番目の音素。他の音素のように特定の属性は持たないが、癒しの力がある。また、記憶粒子が突然変異した存在である為、第七音素から星の未来を読み解く事もできる。第七音素も一定量以上が集合すると自我を持つとされているが、存在は確認できていない。集合体名としてローレライと呼ばれている(詳しくは下記)。

現在はプラネットストームにより記憶粒子が音譜帯を通過する事でほぼ無尽蔵に発生するが、元来自然界には存在しない音素であり、プラネットストームが停止すれば新しく第七音素が発生する事は無いと言われている。

記憶粒子(セルパーティクル)[編集]

惑星の地核から発生されるエネルギー。セフィロトを通じて地表に噴出する。

第七音譜術士(セブンスフォニマー)[編集]

その名の通り、第七音素を扱う譜術士。第七音素が元々自然界に存在しない音素である為か、第七音素を扱える素養を持つ者は少ない。第七音素には癒しの力や同じ第七音素である預言(スコア)を読み解く力がある為、素質を持った人間の少なさと相まって第七音譜術士は特に重宝される。

また第七音素を使う術の中でも特殊な譜術として、代々ローレライ教団の導師に受け継がれるダアト式譜術がある。ダアト式譜術は譜石のかけらからその譜石の全ての預言を詠む、星の存亡に関わる特殊な預言(惑星預言(プラネット スコア))を詠む、などが可能。戦闘面においては格闘技と譜術を組み合わせた譜術で、詠唱無しでの瞬時の譜術の発動(一例としてアカシック·トーメント)、他人の体にとある譜陣を刻むことでその者の記憶を掘り起こし殺意を増幅させ理性を麻痺させることにより操る術(カースロット)などが行える。いずれも体中の第七音素を使用する為疲労が激しく、ダアト式譜術を行える素質があるか否かが、導師として選ばれる条件の1つとなっている。

超振動[編集]

同一の振動数を持つ音素同士が干渉しあう事で発生する、ありとあらゆる物質を分解し再構成する現象。同位体の音素同士が干渉しあう事で発生するが、完全同位体が存在する確率は極めて低いので超振動はそうそう発生する事はない。また、超振動と第七音素は密接な関係にあるようで、第七音素を媒体とすることで超振動の規模を拡大する事が可能である。

なお、振動数が同じでなくとも、第七音素同士が干渉しあう事で超振動に似た現象が発生する場合がある(ゲーム開始直後のティアとルークの間に発生したもの)。この現象を擬似超振動と呼ぶ。その規模や分解の度合いは超振動に比べ六割減と言われているが、物質を消滅させるには充分過ぎる程の巨大な力である。擬似超振動はレプリカを作る際に一瞬第七音素を共有する事によっても起きる。

超振動同士が干渉しあう事で発生し、全ての音素の力を無力化する力があるとされ、この力を第二超振動と呼ぶ。ただし、そもそも超振動が発生する事が滅多に無く、2つの超振動が同じ場所で同時に発生する確率は限り無く0に近い為、実際にこの現象が確認された事は無く、今のところは理論上の存在でしかない。

フォンスロット[編集]

生物、無生物を問わずあらゆる物質に存在する、音素の要点(ツボ、もしくは急所のようなもの)。音素の働きは音素を内在した物質の働きと密接に関係している為、フォンスロットに干渉する事で物質の活性化、もしくは弱体化を図る事が可能。

響律符(キャパシティ・コア)[編集]

譜石を削って作られた装飾具。装着するもののフォンスロットに干渉し、身体能力の向上や譜術能力の強化などといった付加効果を発揮する。装着者にどのような効果が表れるかは、響律符に刻まれている譜の内容によって変化する。ミュウが身に着けているソーサラーリングも響律符の一種。 ちなみに、響律符は広く一般的に流通しているが、これらの響律符は戦闘用の響律符とは違い、装着者への付加効果は無いに等しいアクセサリーである。

封印術(アンチフォンスロット)[編集]

対譜術士用に開発された譜術兵器。見た目はサイコロに似ている。対象のフォンスロットを閉じる事で音素の働きを抑え、譜術の威力を格段に抑える力がある。また、音素の働きが抑えられた副作用として、運動能力も低下する。ジェイド曰く「全身に重りを付けられて海中散歩させられているような感覚」らしい。作中では、本来はイオンに使用する予定だったようだが、結果的にはジェイドに使用された。

運動能力も低下させる事も出来るため、対譜術士に限らず、非殺傷目的の対人用兵器として非常に有効だが、封印術(アンチフォンスロット)1つ作成するのにマルクト帝国の国家予算の10分の1相当の費用が掛かるらしく、当然ながら実戦投入はされていない。

ローレライ[編集]

一定量以上集合して自我を持った、第七音素の意識集合体の存在。他の意識集合体とは異なり未確認の存在であるが、第七音素にも他の六音素と同様に一定量以上集合すれば自我を持つ性質があると考えられている。ルークとアッシュはローレライ、即ち純粋な第七音素と同じ音素振動数(3.14159265…と、円周率に同じ)を持っており、そのためかしばしばローレライからのテレパシーを受けていた。ルークとアッシュが単独で超振動を起こせるのも、第七音素と同一の音素振動数を持つためと思われる。

ユリア・ジュエ[編集]

およそ2000年前に起きた譜術戦争末期に現れたホド出身の天才譜術士。ヴァンとティアの先祖で、第七音素から惑星オールドラントの運命を未来視し、7つの惑星預言(プラネット スコア)を詠む。波乱に満ちた一生を送り、最期はホドで死去したとされる。

ユリアの譜歌[編集]

ユリア・ジュエがローレライと契約するために歌ったとされる譜歌で、ユリアの家系であるフェンデ家に代々受け継がれている。譜術と同等の力を持つとされるが、歌詞を知っていても、その詞に込められた意味と象徴を理解しないと効果を発揮しない。現在歌えるのはティアとヴァンのみである。

全部で7つある歌はすべて意味が繋がっており、一繋ぎで歌うことでユリアがローレライと契約した大譜歌となる。

ローレライの鍵[編集]

ローレライはかつてユリア・ジュエに力を貸し、世界を救ったと言われている。その時ユリアが用いたのがローレライの鍵である。

ローレライの鍵は第七音素で出来た剣と宝珠(響律符)からなる、譜術の触媒の一種である。剣には第七音素を収束する力が、宝珠には第七音素を拡散させる力がある。ユリアは剣で大地を切り裂いて譜陣を描き、プラネットストームを発生させたという。

預言(スコア)[編集]

その名の通り、未来の出来事を預言したもの。一般的に預言と言った場合、「ユリアの預言」を指す。預言を詠む第七音譜術士を特に預言士(スコアラー)と呼び、その多くはローレライ教団に所属し預言を詠む。

譜石
預言が刻まれた石。預言を読み解く方法は、譜石に刻まれた預言を第七音素で読み解く方法と、第七音素自体から読み解く方法の2つがある。譜石は後者の方法で預言を読んだ際に生成される物であり、前者の方法では譜石に刻まれた内容以外の預言を詠む事はできない。預言が刻まれた譜石はユリアの預言以外にも多数存在するが、ユリアの預言以外の譜石は刻まれている内容が曖昧であり、読み解くのも困難である。
譜石には音素の力が宿っており、預言を読み解く以外にも譜業などの様々な事に利用される(第六音素の力を宿した譜石を照明として使うなど)。
ユリアの預言
譜術戦争末期にユリアがローレライとの契約により導き出した預言。戦争のような大規模な出来事から個人のある1日の夕食の献立まで、2000年間に渡るオールドラントの歴史が事細かに詠まれている。預言は譜石に刻まれ、そこから第七音素を用いて詠むものであるが、ユリアの預言が刻まれた譜石はその内容の膨大さゆえに山ほどの大きさの譜石7つにもなる。その膨大な量の譜石全てが発見された訳ではなく、特に預言の後半部分を示した第七譜石は全くと言って良いほど発見されていないため、その詳細な内容は不明であるが、第六譜石の預言の末尾に繁栄を示唆する内容があるため、一般的に預言が詠まれた時代から2000年後に訪れる大繁栄を予知したものとされている。
ユリアの預言の的中率は極めて高く、預言が詠まれてから一度も外れたことが無い。その事と、預言が大繁栄を予知したものであるという解釈から、現在のオールドラントでは預言に従い生活する事が当然の事となっている。また、ユリアの預言が大繁栄を予知したものであるというのを前提として、ユリアの預言を用いて人々を大繁栄に導くために設立されたのが「ローレライ教団」である。
秘預言(クローズドスコア)
ユリアの預言の中でも、ローレライ教団内で秘匿とされている節。戦争などの世界的な出来事を詠んだ部分は秘預言とされ、教団内でも一部の人間にしか公開されない。また、混乱を避けるために人の死に関する預言も詠む事は許されない。


星の記憶
星の地核にはその星の誕生から滅亡までの記憶(運命)が内包されており、その星に生きる生命は全て星の記憶通りに生き、そして死ぬ。いわば、星の記憶はあらかじめ決定付けられた運命のようなもので、全ての人間はその運命の流れの中にいることになる。ユリアの預言は正確には予知ではなく、星の記憶を言語化したものに過ぎない。ユリアの預言が第七音素であるのも、極めて的中率が高いのもそのためである。
第七譜石
ユリアの預言の最終部分が記された第七譜石は、ユリアの血を継ぐフェンデ家が代々ホド島にて守り続けてきた。そして、第七譜石の預言に詠まれているのはオールドラントの繁栄ではなく滅亡であった。ヴァンがレプリカ計画という壮大な計画を実行に移したのは、単純にホド崩落の復讐だけではなく、星の記憶の運命の流れの中にある世界を、星の記憶(預言)に刻まれていないレプリカの世界と入れ替える事で、滅亡の預言を回避しようとしたでもある。


チーグル[編集]

マルクト帝国の森林に生息するモンスター。ユリア・ジュエを手助けしたという言い伝えが残っており、ローレライ教団では聖獣とされている。草食性で気性もおとなしく、人間にとっては害獣では無い。また、ソーサラーリングという響律符を装着することで人語を話し、会話も成立するため、知的能力は人間並みに高いと思われる。

フォミクリー[編集]

第七音素を利用することにより物質のレプリカを創り出す(複製する)技術。第七音素を複製する物質のフォンスロットに注入し、その物質を構成する音素に人為的に粒子レベルで揺らぎを起こさせる。この揺らぎに生じるレプリカ情報をフォニミンという薬品で抜き取り、音機関を使用してレプリカを創り出すことができる。この技術によって複製できるのは無機物に限らず、生物、即ち人間のレプリカを作り出すことも可能である。レプリカに対し、複製の元となった物質を「被験者(オリジナル)」と呼ぶ。

レプリカの特徴
フォミクリーによって複製されたレプリカは外見や基本的な構造は被験者と同じだが、固有音素振動数が異なる、元素同士の結合に第七音素のみが用いられているなどの相違点があり、それに伴い被験者と異なる点が多々存在する。特に生物レプリカの場合はそれが顕著であり、被験者と比較すると一部、または全部の能力が明らかに劣っている場合が多い。また、被験者の記憶や経験を引き継がせる事はできない為、作り出されたばかりのレプリカは赤子同然である(複製の段階である程度の情報を刷り込むことは可能)。
被験者への悪影響
レプリカ情報を引き抜くと、被験者に悪影響が現れる場合があり、最悪の場合は音素乖離を引き起こしてしまう可能性もある。音素乖離とは元素同士を結合する音素が乖離して物質が崩壊してしまう現象で、生物にこの現象が発生すれば当然死に至る。これらの異変が発生するのは無機物で10日以内であり、生物の場合は更に早い。
開発の経緯
フォミクリーは元々ジェイドが譜術を用いた理論を組み立て考案したもので、この時点では第七音素以外の六音素を用いた複製技術であった。譜術としてのフォミクリーでも無機物(ネフリーの人形)の複製には成功したが、生物(ネビリム)の複製に失敗してしまう。以後、ネビリムの復活を目指してマルクト軍にてディストと共に研究を進め、第七音素の方が複製に適していると判断、改良と譜業化に成功し現在のフォミクリーが完成した。しかし、後になって上記の通りレプリカ情報を抜き取ると被験者の体に悪影響が出る可能性が高いことが判明し、これにより実用化には程遠いと研究を放棄。生体フォミクリーを禁忌とした。ちなみに、ジェイドの「戦場で死体を漁る」という噂や「死霊使い(ネクロマンサー)」の二つ名は、この研究の際に必要なレプリカ情報を戦場で瀕死の人体から抜き取っていた事に由来するもの。

同位体[編集]

全く同じ音素振動数を持つ2つの存在。完全同位体とも。全ての存在は固有音素振動数が異なる為、基本的には人為的に作らない限り存在しない。同位体によって引き起こされる超振動はその圧倒的破壊力から戦争での使用が期待されている為、フォミクリーによる同位体の作成はキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国の両国がもっとも力を注いでいる研究対象である。ただし、今の技術では被験者と同じ音素振動数を持つレプリカを意図的に創り出すことは不可能であり、生体レプリカが禁忌とされているのでこの先には実証不可能となる。

また、フォミクリーによって同位体が生まれた場合、被験者とレプリカの間に「大爆発(ビッグ·バン)」という現象が起こる可能性があると考えられている。この現象は被験者に緩やかな音素乖離が発生し、それによって被験者が死亡したときに被験者とレプリカの間に特殊なコンタミネーション現象(ある物質が音素レベルにまで分解し、別の物質と融合する現象)が発生して被験者がレプリカと融合するというもの。被験者と融合したレプリカは被験者とレプリカの両方の記憶を持ち、人格は被験者のものとなる。肉体的にはレプリカであるが、人格は被験者のものとなる(レプリカの人格は消滅する)ため、実質的には被験者がレプリカを吸収する形になる。

ただし、完全な大爆発を発生させるにはコンタミネーション現象が起きる際に、他の物質や音素が混じらない特殊な力場が必要で、その力場は人為的に作らなければ実現は到底不可能と言われるなど非常に厳しい条件を揃えなければ発生しない。そもそも同位体が滅多に存在しない為、大爆発が起こりうる確率は限りなく0に近い。

世界構造[編集]

外殻大地[編集]

セフィロトツリーの力によって空中に浮かぶ大地。オールドラント全域をほぼ完全に覆いつくしており、殆どの人間は外殻大地で暮らしている。また、外殻大地や魔界の構造などに関する情報は公になっておらず、ローレライ教団関係者の一部を除き、自分達の住んでいる大地が空に浮かんでいる事を知る人間はいない。

障気[編集]

2000年前に発生し、オールドラント全土を覆い尽くした薄紫色の気体。毒性があり、人間の臓器の働きを低下させる性質を持つ。短時間、少量を吸う程度なら命に係わる事は無いが、長時間継続して障気を吸い続けると体内に蓄積した障気が臓器の機能不全を起こし、やがて死に至らしめる。 外殻大地が作られたのは、障気から逃れる為である。譜術戦争による大規模な地殻変動が発生の原因とされているが、真相は定かではない。

魔界(クリフォト)[編集]

外殻大地の内側にある、障気に侵されたオールドラント本来の大地。「ユリアシティ」以外の街は存在せず、そこ以外に人は住んでいない。また、大地はプラネットストームによる地核の振動によって液状化している。この液状化大地は障気を含んでおり、ここに沈んでしまうとまず助からない。

セフィロト[編集]

大地にあるフォンスロットの中で最も強力な十箇所の事。最大のセフィロトは「アブソーブゲート」と「ラジエイトゲート」。セフィロトから噴出する記憶粒子の圧力を利用して、外殻大地を浮上させる為の装置が「セフィロトツリー」である。セフィロトツリーが惑星全体を包み込むように「ディバイディングライン」と呼ばれる力場を発生させ、それが外殻大地を浮上させると共に障気を魔界に押し戻している。

セフィロト内にはパッセージリング と呼ばれる古代の音機関が設置されており、これがセフィロトツリーを作り出している。パッセージリングの耐用年数は約二千年とされており、アクゼリュスから障気が溢れ出したのはリングの耐用年数が過ぎた為と考えられる。

全てのパッセージリングは創世暦時代に考案された三つの防衛機構で護られている。第一段階はダアト式封咒と呼ばれ、これはローレライ教団の導師にしか解呪できない。第二段階はアルバート式封咒と呼ばれ、第八セフィロトであるホドのセフィロトと第五セフィロトであるアクゼリュスのセフィロトによって、全てのセフィロトのパッセージリングを操作できないようにした物である[1]。第三段階はユリア式封咒と呼ばれ、ローレライ教団の始祖ユリアがセフィロト内に様々な仕掛けを作る事によって施した。また、すべての封咒を解除してもパッセージリングはユリアの血を引く者しか起動させることができない。

プラネットストーム[編集]

創世暦時代に作られた記憶粒子の循環経路。「ラジエイトゲート」から噴出した記憶粒子を音譜帯を通過してオールドラントを一周させ、「アブソーブゲート」に集束して再び地核へと戻し、これを繰り返す。こうして記憶粒子を介して音譜帯の音素を永続的にオールドラントに取り込む事で、オールドラントはほぼ無尽蔵の音素力を利用できる。プラネットストームが作られた事で、譜術、譜業共に一気に発展した。

しかし、過去の大戦で使用された兵器が原因で、現在ではプラネットストームが地核に振動を及ぼし、その影響で大地が液状化するという弊害も発生している。この振動は想定外のものであり、プラネットストーム発生当初は地核の振動は想定されていなかった。

国家・勢力[編集]

オールドラント[編集]

衛星にルナを持つ、恒星レムの第二惑星。直径は約11470キロメートル(ちなみに、地球の直径は12756.3キロメートル)、自転周期は約24時間、公転周期は約765日である。1時間は60分60秒、1週間は7日、1ヶ月は58日、1年は13ヶ月としており、各月と曜日には音素集合体(レムやシャドウなど)の名を用いた、独特の名称がある。なお、最後の月にあたるローレライデーカンのみ60日。1年分のカレンダーは全年共通。

開発者のインタビューによると、オールドラントの人間の平均寿命は地球人の約2倍である。例を挙げると、ジェイドはオールドラントの数えでは35歳だが、地球の数えに直し単純計算すれば70歳前後になる。これは地球人と比較した場合、肉体的な成長や老化の速度が約半分である事を表している。そして、男女両方とも結婚していいのは「16歳」からである。

キムラスカ・ランバルディア王国[編集]

キムラスカ・ランバルディア王国は、今でこそ世界にその名をとどろかせているが、遥か昔にイスパニア国を破るまでは名もない国であった。キムラスカは譜業と音機関を中心に発展してきた。そのため、バチカルをはじめ領内のあちこちに様々な譜業や音機関を見ることが出来る。

首都バチカルは、イスパニア国を破った際に奪い取ったもので、その構造は他に類をみない。譜石の落下によってできた窪みを利用し、そこに住居や施設などが点在している、穴の内壁が城壁となっている要塞都市である。町は垂直状に数段階に分かれ、上は貴族の居住区、下は一般人の居住区となっている。王宮が構えられている頂上は一般居住区から仰ぎ見れば霞がかるほど高い。高低差の激しい街中は天空客車と昇降機を使って移動する。天空客車は世界でもバチカルにしかない貴重な音機関である。他にも戦士たちが腕を競う闘技場や、ローレライ教団修道院などがあり、世界最大の街として観光客の足が絶えることは無い。

キムラスカは王制で、国王には代々赤い髪と碧の瞳を持つ者が即位するという掟がある。赤い髪と碧の瞳こそが王族の他ならぬ証であり、正当な王位後継者の印である。国王は王室に連なる婚姻関係を持ち、後継者同士を結婚させて王位後継者をもうけて血筋を守ってきた。

マルクト帝国[編集]

ジェイドが所属する国。現皇帝は、ピオニー・ウパラ・マルクト九世。古来より譜術を中心に発展し、軍隊も譜術士の割合が高くなっている。首都のグランコクマは「流麗なる水上都市」とも言うべき場所で、都市全体が海の上に位置している。譜術を利用して水を低い場所から高い場所へ引き上げているような場所もあり、初めて訪れたルークを驚かせた。かつてはキムラスカの属国に過ぎなかったが、独立し発展、キムラスカに並ぶ大国に成長した。保持する戦艦タルタロスは物語で重要な役割を担う。

ホド[編集]

かつてマルクト帝国の領土にあった島。ガイやヴァンらの生まれ故郷で、かのユリア・ジュエの最期の地とされる。ガルディオス伯爵の領地で、長年フェンデ家がユリアの譜歌と第七譜石を密かに守ってきた。

創世暦時代にはプラネットストーム構築に大きく貢献したが、一度は譜術戦争で滅び、その後ユリアの力で復興した。およそ15年前のホド戦争の最中、地殻変動によって魔界へ落ち消滅した。この地殻変動はキムラスカ軍の譜業兵器によるものとされているが、実際はホドで行われていたフォミクリーの研究の成果が漏洩するのを防ぐ為に、マルクト軍が擬似超振動によって引き起こしたもので、ホド周辺の大地を支えていたセフィロトツリーを擬似超振動で崩壊させる事でホドを魔界に崩落させた。この擬似超振動はフォミクリーを利用して被験者とレプリカの第七音素を干渉させる事により引き起こされた。この被験者として選ばれたのが、当時11歳だったヴァン・グランツである。

ホドの文化についての詳細は不明だが、ホド特有の剣術「アルバート流」が盾を持たない剣術である事や、「カタナ」「ハマユミ」などの武具の説明などから、テイルズオブデスティニー及びテイルズオブデスティニー2のアクアヴェイルのように和風な一面を持つ文化だったと思われる。

ケセドニア[編集]

二国の国境上に位置する都市。ローレライ教団の許しを得て中立を取っており、商人たちの自治が行われている。事実上の代表はアスター。どちらの勢力にも影響されないという点から国を跨いだ貿易の中心地となっている。

ローレライ教団[編集]

ユリアの預言を詠むことで、人々を繁栄と英知に導く教団。預言を詠むという立場からキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国双方に対し強い影響力を持ち、今日両国の均衡が保たれているのはローレライ教団あってのものである。また、独自の軍事力として「神託の盾(オラクル)騎士団」を有する(詳細は次項)。

本部の教会はパダミヤ大陸のダアトにある。パダミヤ大陸は、キムラスカとマルクトのどちらにも属さない中立地帯となっており、事実上ローレライ教団が統治している。ローレライ教団員は上から順に導師・大詠師・詠師・律師・唱師の肩書きを持ち、その下に一般の信者がいる。また、神託の盾(オラクル)騎士団に所属する教団員の中には、騎士団員としての肩書きを持つ者もいる。

近年、教団内では預言を未来の選択肢の一つとして捉える導師派と、預言の内容の是非を問わず預言を徹底的に信じるべきとする大詠師派に分かれ、水面下で派閥争いが繰り広げられている。もっとも、オールドラントの人々は長年預言に従った生活を続けてきており、今やそれが当然のものとなっている為、人数に関すると単なる信者を含め、圧倒的に大詠師派が多数である。

神託の盾騎士団[編集]

神託の盾(オラクル)騎士団は、ローレライ教団が軍事力として擁する騎士団。およそ3万名のローレライ教団員で構成されており、キムラスカ・ランバルディア王国やマルクト帝国の正規軍に比べれば少数であるが、騎士団員一人ひとりの練度は決して低くない。

騎士団は1~6の師団に分けられ、各師団の師団長がそれを統括する。また、特殊な任務を主とする特務師団や、導師の身辺警護を主任務とする導師守護役(フォンマスターガーディアン)も騎士団の所属にあたる。騎士団の最高責任者は大詠師モースであるが、実質的な総指揮官は主席総長のヴァン・グランツである。

以下は主要構成員。

  • モース奏将 大詠師 直属の情報部隊が存在する(第一小隊にティアが所属)
  • ヴァン・グランツ謡将 主席総長 
  • リグレット奏手 総長付副官(第四師団師団長兼任)(兵士約2000名)
  • シンク謡士 参謀総長(第五師団師団長兼任)(兵士約2000名)
  • ラルゴ謡士 第一師団師団長(兵士約6000名)
  • ディスト響士 第二師団師団長(兵士約6000名)
  • アリエッタ響手 第三師団師団長(兵士約20名)
  • カンタビレ 第六師団師団長[2](兵士約8000名)
  • アッシュ響士 特務師団師団長[3](兵士約50名)
  • 導師守護役[4](約30名)

ユリアシティ[編集]

外殻大地の下の空間、魔界に存在する唯一の街。世界が預言通りに進むように監視を行う為の町で、実質的なローレライ教団の中枢部と言える。

名前の由来[編集]

前述通り、本作には旧約聖書に由来する名称が多く用いられており、都市の名前にはセフィロト、及びクリフォトに由来する名称が多い。キムラスカ・ランバルディア王国の名称は第10クリフォトの「キムラヌート」、マルクト帝国の名称は第10セフィロトの「マルクト」が由来。また、キムラスカ国内の都市にはクリフォトの、それ以外の都市にはセフィロトの名前が多く用いられている。

主題歌[編集]

オープニングテーマ

BUMP OF CHICKENが本作のために書き下ろしたものである。歌詞が本作の内容を感じさせるものとなっており、基本的にただのタイアップ曲であることが多いテイルズの主題歌では異彩を放つ。他にもボーカルの藤原基央がゲーム中の音楽を9曲書き下ろし(※)、ゲーム音楽に本格的に取り組んでいる。『テイルズオブデスティニー』のDEEN以来、約8年ぶりとなる男性ボーカル曲となった。

公式発表がなされる前にあるCD通販サイトで「この曲(が入ったCD)が本作のテーマ曲」と表記されていることが発覚し、発覚時にはテイルズシリーズを扱う個人サイトやネット掲示板で話題になった。CMでも公式発表前に一節が流れるなどしていた。

(※) 書き下ろしの中の1曲である、譜術の一種である譜歌のうちゲーム中に登場する、『ユリアの譜歌』の作詞も担当。この曲で使用された言語は音階英語名(C,D,E……)をフォニスコモンマルキス(フォニック言語の文字)に対応させ、藤原の考えた読みを与えたもの。

サウンドトラック[編集]

  • テイルズオブジアビス オリジナル・サウンドトラック

小説[編集]

著:結城聖 イラスト松竹徳幸 スーパーダッシュ文庫 全6巻

  • テイルズ オブ ジ アビス 1 ~聖なる焔と七ノ歌~ ISBN 4086302810 2006年2月28日 第1刷発行
  • テイルズ オブ ジ アビス 2 ~愚かな焔と崩れる世界~ ISBN 4086302918 2006年4月30日 第1刷発行
  • テイルズ オブ ジ アビス 3 ~さまよう焔と割れる世界~ ISBN 4086303019 2006年6月30日 第1刷発行
  • テイルズ オブ ジ アビス 4 ~地に行く焔と師との道~ ISBN 4086303108 2006年8月30日 第1刷発行
  • テイルズ オブ ジ アビス 5 ~惑う焔と蘇る死者たち~ ISBN 4086303329 2006年12月30日 第1刷発行
  • テイルズ オブ ジ アビス 6 ~そして焔は消え、歌は空に流れる~ ISBN 4086303418 2007年2月28日 第1刷発行
ゲーム本編を小説化した作品。
過去に結城が手掛けたシリーズのノベライズ作品と比較するとアレンジが少なく、よりゲーム本編に近いストーリー展開になっている。参考:シリーズ一覧

著:矢島さら イラスト:中嶋敦子 ファミ通文庫

「あかのせんりつ」。ゲーム本編を小説化した作品。
「しろのあした」。各々のキャラクターに焦点を当てた番外編。上巻は幼少期のジェイドらとセシル将軍、下巻は傭兵時代のラルゴとレプリカイオンらのエピソードが収録されている。
  • テイルズ オブ ジ アビス 黄金の祈り 上
  • テイルズ オブ ジ アビス 黄金の祈り 下(2008年2月29日発売予定)
「きんのいのり」。ティアとガイに焦点を当てた番外編。

ドラマCD[編集]

本編とは以下のような相違点がある。

  1. チーグルの森が登場せず、ミュウも登場しない。またライガに関連するイベントもカットされているため、アリエッタとルーク達との確執もなくなっている。
  2. イオン・シンク・フローリアンの声優が異なる。担当声優の大谷育江は2006年1月から体調不良のため数ヶ月休養しており、同時期に収録されたドラマCDは釘宮理恵が代役を務めた。またノンクレジットだったマリィも野中藍が演じている。
  3. 地核の振動・セフィロトの暴走がなく、各地のセフィロトをめぐる旅もない。
  4. リグレットとの戦闘シーンや、過去のエピソードが描かれるなど、アッシュの存在が強調されている。
  5. ロニール雪山での戦いがない。
  • テイルズ オブ ジ アビス Vol.1 2006年9月22日発売
  • テイルズ オブ ジ アビス Vol.2 2006年10月25日発売
  • テイルズ オブ ジ アビス Vol.3 2006年11月22日発売
  • テイルズ オブ ジ アビス Vol.4 2007年3月21日発売
  • テイルズ オブ ジ アビス Vol.5 2008年2月22日発売予定

漫画[編集]

テイルズ オブ ジ アビス

作画:玲衣 2005年10月27日発売の電撃「マ)王創刊号より開始、連載中。

コミックス発売日は27日(月はその時による)。コミックスと同じ日に発売される本誌にはキャラクターの外伝が載る。
外伝は「失いゆくすべて(オリジナルイオン)」、「結びゆく誓い(ピオニー・ウパラ・マルクト9世)」が現在コミックス未収録。恐らくアッシュと同様、随時コミックスに収録されるものと思われる。
なお、外伝のシナリオは実弥島巧監修。
  1. ISBN 4840234779 
  2. ISBN 4840237506 
  3. ISBN 4840240108 外伝「還るべき場所」収録(アッシュの過去)

関連書籍[編集]

  • テイルズ オブ ジ アビス 公式コンプリートガイド ISBN 4902372096
  • テイルズ オブ ジ アビス パーフェクトガイド ISBN 4757727607
  • テイルズ オブ ジ アビス はじまりの預言(スコア) ISBN 4087793524
  • テイルズ オブ ジ アビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事 ISBN 4758010587
  • テイルズ オブ ジ アビス キャラクターエピソードバイブル[5]

脚注[編集]

  1. 劇中では、結果的にヴァンによってホドのセフィロトが、ルークによってアクゼリュスのセフィロトが消滅したため無効化されたので、シュレーの丘を訪れた時点では始めから解かれている。
  2. 教団内での立場は「(一応)導師派」であるためと、ティアを情報部に送ったことにより、モースによって地方に送られている。ゲーム中、全く姿を現さない。彼女の姿はテイルズオブファンダム Vol.2で見られる。
  3. 不満を抱きながらも勤めていたが、後に解任される。
  4. 長は空位。
  5. シナリオには明かされなかった登場人物達の心境や、名シーンの詳細などが掲載されているが、ファンへの考慮によるものか、矛盾が生じるような記述も載っている(特にルークとティア)。

外部リンク[編集]

no:Tales of the Abyss

zh:深淵傳奇