リポビタンD
リポビタンD(リポビタン・ディー/リポビタン・デー、Lipovitan D)とは、大正製薬が販売する栄養ドリンク剤であり、同社の商標である。
「ファイト!一発!」のCMコピーで知られる。一般にはリポD(リポ・ディー/リポ・デー)と略される場合がある。
現在ではシンガポール・中国・インドネシア・アメリカ合衆国・イギリス・アラブ首長国連邦など15ヶ国以上の国で販売されている(効能、容量、成分等が日本国内販売物と異なる物もある)。
2003年度末には販売開始からの累計出荷本数が200億本を突破した。2004年現在年間約8億本が生産され、日本の栄養ドリンク市場において約5割のシェアを獲得するという[1]、まさに日本の栄養ドリンク業界を代表する商品となっている。
歴史
日本では1962年(昭和37年)3月に医薬品として販売開始され、1999年(平成11年)3月31日より医薬部外品としてコンビニエンスストア等の一般小売店でも販売可能となった。2001年3月にはアサヒ飲料と提携し、アサヒ飲料が管理する自動販売機での販売も開始されている。
販売初期の頃には兄弟品としてチューインガム「リポビタンガム」という物も販売されていた。
コマーシャル
リポビタンDのコマーシャルといえば、「二人の男性俳優が断崖絶壁を登ったり激流へと乗り出したりと、常にコマーシャルを見ている視聴者がハッとするような様々な困難に立ち向かう姿を見せ、その最も困難な場面において、ここぞというチカラを振り絞りながら「ファイトー!」「イッパーッツ!!」と互いに叫びあい困難を乗り越える」という印象的なものであるが、このような男性俳優二人の起用によるコマーシャル形態をとったのは1977年以降のことである。その当時からテーマは常に「努力・友情・勝利」。危険なアクションの全てを出演俳優自身が行っている。
歴代のCM出演者
- 1962年 - 宮本敏雄(当時:読売ジャイアンツ)
- 1963年~1971年 - 王貞治(当時:読売ジャイアンツ、現:福岡ソフトバンクホークス監督)
- この当時は「ファイトで行こう!!リポビタンD」というフレーズだった。2005年の限定版復刻ボトルのCMでも当時の画像が放送されている。
- 1972年~1974年 - 宝田明
- 1975年~1976年 - 高橋英樹
- 1977年~1980年 - 勝野洋、宮内淳
- 1981年~1982年 - 勝野洋、真田広之
- 1983年~1986年 - 勝野洋、渡辺裕之(1983年は渡辺起用前に勝野単独版CMもあり)
- 1987年~1989年 - 渡辺裕之、野村宏伸
- 1990年 - 渡辺裕之、倉田てつを
- 1991年~1992年 - 渡辺裕之、西村和彦
- 1993年~1998年 - 西村和彦、宍戸開
- 1999年~2001年 - 宍戸開、ケイン・コスギ
- 2002年~2007年 - ケイン・コスギ、滝川英治
- 2007年~ - ケイン・コスギ、山口達也(TOKIO)
- ナレーター - 矢島正明(テレビ版、1962年- )、マーク・大喜多(テレビ版・ケイン&山口編、2007年- )、大森章督→太田真一郎(ラジオ版)
- ※夏期販促キャンペーンCMはケイン&山口編でも矢島が続投。
エピソード
- 一時期、「リポビタンガム」が発売されてた。
- 1999年の規制緩和により登場した自販機用のビンは、破損を防ぐためガラスが厚く、通常より大きくなっている。
- 「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」内の企画で、同番組のスポンサーであった大正製薬にMr.オクレのCM出演を依頼したことがある。上記のCMポリシーに全くそぐわないオクレの起用に当初会社側は難色を示すが、深夜帯に1度だけ放映するとの条件で最終的に採用された。内容は、プールで溺れる人をオクレと渡辺裕之が協力して救助にあたるというものであった。
- 1996年は通常シリーズの他、当時プロサッカー選手の前園真聖を起用したCMも制作・放送された。同バージョンのナレーターは矢島正明でなく田子千尋が起用されている。
- 2007年より放送されているリポビタンファインのCMは、これまでのリポビタンDのイメージと全く異なる、家族を主体にしたCMを流している(出演は寺尾聰、夏木マリ、原沙知絵、小栗旬)。キャッチコピーは「ファイト!一発!」ではなく「I'm Fine!」。なお、リポD以外でリポビタンシリーズ商品のCM展開を行うのは初めてだという。
- 欧米で高い人気を持つ栄養ドリンクのレッドブルは、元々日本でリポビタンDシリーズ等の栄養ドリンクが大きな市場を形成していることを知ったディートリッヒ・マテシッツが、同種のドリンクを欧米で展開しようとして販売を始めた製品であり、マテシッツは商品開発など多くの面でリポビタンDの影響を受けていることを認めている。
商品ラインナップ
2008年1月現在、リポビタンDシリーズは全20種類(うち医薬部外品14種類)がある。
医薬部外品
- リポビタンD
- 1962年に発売された、シリーズの代表格。タウリン1000mg配合。1999年に医薬部外品へ移行。
- リポビタンDライト
- 2000年1月発売。有効成分はリポビタンDと同じながら、低カロリー(「リポビタンD」に比べ、カロリー20%カット)。
- リポビタンDスーパー
- 1965年発売。タウリンを2倍の2000mgにして、塩酸アルギニン、ニンジンエキスをプラス配合。2005年3月にはニンジンエキス増量、ビタミンEを新配合しリニューアル。あわせて、これまでの医薬品から医薬部外品へ移行。
- リポビタンファイン
- 2005年10月発売。糖類ゼロで、効き目しっかり。カロリーは19kcal。(甘味料としてキシリトールを配合)
- リポビタンDW
- タウリン2000mg配合。
- リポビタン8NEW
- 2000年6月に「リポビタン8」を発売。ローヤルゼリー200mgを配合。"8"とは、配合成分の数とローヤルゼリーを生み出す蜂を掛け合わせたもの。2002年10月には、タウリン・ローヤルゼリーを増量し「リポビタン8II」に。2007年7月には新たにニンジンエキスとビタミンEを配合し、現在の名称にリニューアル。
- リポビタンウインズ
- ローヤルゼリー200mgをプラス配合。
- リポビタン11NEW
- 2001年8月に「リポビタン11」を発売。名前の通り、11種類の有効成分を配合。2006年9月には新たにニンジンエキスとビタミンEを配合し、現在の名称にリニューアル。
- リポビタンDマクシオ
- 2006年7月発売。「リポビタン」シリーズでは初めて、タウリン3000mg配合。
- リポビタンG
- 2004年9月発売。塩酸ジセチアミン5mgをプラス配合。
- リポビタンローヤル11
- 2000年10月に「リポビタンローヤル」を発売。医薬部外品では初めてクコシを配合。2002年12月に配合成分を増やし、「リポビタンローヤル11」にリニューアル。2006年11月にリニューアルし、現在の名称に。
- リポビタンアミノ
- 2004年6月発売。3種類のアミノ酸を配合。
- リポビタンアミノゴールド
- 2004年6月発売。アミノ酸と生薬を配合。
- リポビタンこども
- 1980年に初の子供用ドリンク剤「リポビタン小児用」(医薬品)として発売。2004年10月に医薬部外品に移行とすると共に、現在の名称へリニューアル。
医薬品
- リポビタンD PRO
- 植物性強壮生薬「ハゲキテン」を配合。
- リポビタンDIIα
- 2001年4月に、「リポビタンD」の発売40周年を記念し、「リポビタンDII」を発売。ゴオウを配合しながら、低価格を実現した医薬品ドリンク。2007年3月に「ハゲキテン」を新配合し、現在の名称にリニューアル。
- リポビタンDロイヤル
- 1998年発売。タウリン2000mg、4種の強壮生薬、塩化カルニチンを配合。
- リポビタンゴールド
- 1979年発売。朝鮮人参、鹿茸、牛黄、ローヤルゼリー、ビタミンB群などを配合したミニドリンク剤。
- リポビタンゴールドII
- 2004年4月発売。ローヤルゼリー、クコシ、人参など13種類の有効成分を配合。
- リポビタンJr.
- 小中学生(8~14才)向け栄養ドリンク。L-アスパラギン酸マグネシウム・グルコン酸カルシウム配合。
主な類似商品
- リポマイD(常盤薬品、タウリン500mg配合)
- リポサロンD(常盤薬品、タウリン1200mg配合)
- リポルタミンD(販売・日興薬品工業、製造・大和合同製薬、タウリン1000mg配合)
- リポチオンC(関西薬品。清涼飲料水扱い)
- バッカス(バッカースと発音)F(東亜製薬〔韓国〕)
- ビタミンCドリンク(オールジャパンドラッグ)
脚注
関連項目
外部リンク
- 大正製薬リポビタンD博物館
- リポ倶楽部(リポビタンファインの特設サイト)
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