ミドル級

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2004年、プロボクシングのミドル級で、全階級を通じて初の主要4団体タイトル統一に成功したバーナード・ホプキンス(2010年撮影)

ミドル級(英:middleweight)は、ボクシングなどの格闘技で用いられる階級の1つである。意味は「中重量」。

ボクシング[編集]

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プロボクシングでの契約ウェートは、154〜160ポンド(69.9〜72.6kg)である。 スーパーウェルター級スーパーミドル級の間の階級で、全17階級中5番目に重い階級である。

アマチュアボクシングでは、165〜178ポンド(75〜81kg)である。シュガーレイレナード、ロベルトデュラン、ヒットマンハーンズ、マーベラスマービンハグラーらが争った時代は、ノックアウト必至でヘビー級よりも人気があった。

日本では、カシアス内藤が東洋チャンピオン・世界ミドル級1位となったほか、竹原慎二がWBA(世界ボクシング協会)世界ミドル級チャンピオンに輝いた階級であり、日本人が世界チャンピオンについた最重量の階級である。また、お笑い芸人のトミーズ雅がミドル級で日本1位にランクされたことがある。

この階級の日本ジム所属最新世界王者は、WBAの竹原慎二(沖、1995年12月19日〜1996年6月24日)

バーナード・ホプキンスが主要4団体王座統一に成功した階級としても知られる。

2011年から2012年にかけては、村田諒太が2012年ロンドンオリンピックに出場を決めた世界選手権で、日本人として初めて決勝を戦い銀メダルを獲得、石田順裕はラスベガスでのノンタイトルマッチでジェームス・カークランドを倒した様子がHBOで中継され[1][2][3]、さらに湯場忠志が史上初となる日本タイトル4階級制覇を達成するなど、日本関連では空前の活況を呈している。また、佐藤幸治 vs. 淵上誠が Bad Left Hook や East Side Boxing などで年間最高試合の次点に選ばれたり、その8回が年間最高ラウンド賞候補になったり、淵上がWBAチャンピオンのゴロフキンに挑戦した試合は年間KO賞候補になったりと(淵上は被KOの側だが)、日本の選手が話題に上ることも増えてきた。

石田は2012年5月、ディミトリー・ピログのWBOタイトルを奪うことに失敗するが、カークランド戦をアップセット・オブ・ザ・イヤーに選出した『リング』誌ではこの時も石田をゲートキーパーでもジャーニーマンでもトマト缶でもなくコンテンダーと書いている[4]。ボクシングフォーラムではピログの勝利よりも石田の鉄の顎が印象的だというコメントも多く見られ、石田の打たれ強さは(ミニマム級のポンサワン・ポープラムックが英国・米国で高評価を博したように)国外では日本以上に受けがよく、観客を楽しませ相応の評価を勝ち取るための重要な要素のひとつではあるが、ピログ戦での石田は全体の手数・ヒット数ともにピログを上回った一方で、(特に後半の)ディフェンスの甘さがポイントを失った原因として指摘されている[5][6]

2012年8月にはロンドンオリンピック出場の村田諒太がこの階級では日本初、全階級では日本2つめの金メダルを獲得した。かねて村田をライバル視していたホーム代表のアンソニー・オゴゴは腹に「前」という漢字の間抜けなタトゥーを入れ、2008年頃からゲイ雑誌 Attitude などで半裸を披露して[7][8]ゲイ層からも支持されており(同誌はプロアマ問わずボクサーを時々登場させている)、村田とは決勝で戦う可能性があったが準決勝で敗退した。

統計で見る石田順裕[編集]

手数とパンチの正確性[編集]

ウィリアムズ戦についてはスーパーウェルター級を参照

全パンチ (正確性) ジャブ (正確性) パワーパンチ (正確性)
石田(対ピログ)[1] 337 / 695 48.4% 180 / 425 42.4% 157 / 271 58.0%
ピログ(対石田)[2] 303 / 517 59.0% 066 / 170 38.0% 237 / 347 68.0%
石田(対P. ウィリアムズ)[3] 147 / 671 22% 015 / 106 14% 132 / 565 23%
P. ウィリアムズ(対石田)[4] 248 / 934 27% 023 / 210 11% 225 / 724 31%
石田5戦平均
(12回換算; アベンダーニョ I & II、
バルデス、アルバレス、カークランド)
[5]
148.8 / 542.4 27.4% 076.8 / 310.8 24.7% 072.0 / 231.6 30.9%
Jミドル平均値(12回換算)[6] 218.4 / 706.8 31.0% 066.0 / 298.8 22.3% 152.4 / 408.0 37.3%

CompuBoxによる。ピログ vs. 石田についてはRossiya-2の番組内で発表された値(別のシステムまたはオペレーターによる数値の可能性あり)

(2011年4月にカークランドを初回TKOで倒してから石田の対戦相手はなかなか決まらなかった。石田 vs. ウィリアムズは2012年2月、スーパーウェルター級。ピログ vs. 石田は2012年5月、ミドル級。いずれも短い準備期間しか与えられなかった。グラフはいずれも青が石田。クリックで拡大)

関心動向[編集]

※Wikipedia記事へのアクセス数による。

世界タイトルマッチ直後、チャレンジャーへのアクセス(Ishida: 721件)がチャンピオンへのアクセス(Pirog: 619件)を超えることは滅多にない。これはピログが米国で獲ったタイトルで、ピログもロシアに引きこもってきたわけではないし、現役チャンピオンの記事はどんなに無名のチャンピオンでもそれなりに関心を持たれている。石田の出世試合となったカークランド戦直後はKirkland: 577件に対し、Ishida: 2,262件であった。この時点では日本語圏のアクセスが英語圏を上回っていた(石田: 2,935件)。

Wikipedia内部でボクサーの記事をウォッチしている利用者はほとんどいない。知名度があり荒らされることも多いパッキャオでさえ百数十のアカウントがウォッチしているだけだ[7]。したがってこれらの数字は記事の出来不出来にはほとんど全く影響を受けない。

ロンドンオリンピックで金メダルを獲得した村田諒太は2013年10月現在、ファイティング原田の11言語を超える12言語で記事が作成されている。しかしメダル獲得直後、日本語圏では8万件/日を超える異常なアクセスがあったものの(村田: 84,346件)、金メダルが既定路線であったとはいえ、英語圏では千件強のアクセスにとどまっている(Murata: 1,174件)。

海外のボクシングファンが見た石田[編集]

Ishida came in with a big goofy smile on his face; his fighter profile photo even had a goofy smile on it as well. But now as we all know Ishida had every right to have a big goofy smile on his face, for he knew what none of us knew and that was he was going to knock out the undefeated, invincible wrecking machine who was highly underestimating him... The MGM grand cheered loud for the overnight sensation as he waved to the crowd.
石田は間抜けな笑みを湛えて入って来た。プロフィールの写真でも彼は間の抜けた笑みを浮かべていた 多分これ?。だが、今や我々誰もが知っているように、彼には間抜けに微笑むだけのあらゆる権利があった。だって彼は我々が誰も知らなかったこと—自分のことを極めて過小評価していた無敗で無敵の破壊マシンをノックアウトしようとしていたこと—を知っていたのだから。(中略) 彼が群衆に手を振ると、MGMグランドはこの突発的な大事件に大歓声を上げた。

King J (Bleacher Report)

Kirkland seems like a douchebag and refused to give credit to his opponent – claiming that he was never hurt, despite tasting the canvas three times – so it was cool to see the crowd shift allegiances from the American to Ishida, embrace his victory and give him a standing ovation on his way out of the ring. Even better was watching Ishida and his family celebrate at ringside and after the event, signing autographs with a big goofy smile and taking photos with everyone.
カークランドはイヤな奴に見え、3度倒されたにもかかわらずダメージはないと言い張って対戦相手を信用しようとしなかった。だから群衆がそのアメリカ人から石田へ忠誠心を移し、彼の勝利を受け入れ、リングを後にする時にはスタンディングオベーションで彼を見送るのを見ると爽快だった。もっとよかったのは、石田とその家族がリングサイドで浮かれ騒ぎ、興行終了後には間抜けなビッグスマイルでサインをしたり、みんなと写真を撮ったりしている光景だった。

Jay Vanian (We Like Flash)

インターネットが普及する以前の選手とは比べようがないが、最近のボクシングの歴史の中で日本人ボクサーが海外のボクシングファンから、こんなに愛情と敬意をもって語られたことは一度もなかった。今後もしばらくはないだろうと思われる。

関連リンク[編集]

ボクシングの体重別階級
プロ ヘビー級 - クルーザー級 -25- ライトヘビー級 -7- スーパーミドル級 -8- ミドル級 -6- スーパーウェルター級 -7- ウェルター級 -7- スーパーライト級 -5- ライト級 -5- スーパーフェザー級 -4- フェザー級 -4- スーパーバンタム級 -4- バンタム級 -3- スーパーフライ級 -3- フライ級 -4- ライトフライ級 -3- ミニマム級(ミニフライ級) - アトム級 ※階級間の数字はリミットの重量差(単位:ポンド)
アマチュア スーパーヘビー級 - ヘビー級 - ライトヘビー級 - ミドル級 - ウェルター級 - ライトウェルター級 - ライト級 - バンタム級 - フライ級 - ライトフライ級 - ピン級

脚注[編集]

  1. HBO Boxing: 2 Days - Portrait Of A Fighter - James Kirkland (8:04) HBOによるYouTube動画 2012年3月8日 (英語)
  2. HBO Boxing: Alfredo Angulo vs. James Kirkland - Look Ahead (1:29) HBOによるYouTube動画 2011年10月28日 (英語)
  3. Kirkland vs Ishida, MGM Grand, Las Vegas, April 9th, 2011 MGMグランドで観戦者により撮影されたYouTube動画 2011年4月14日
  4. Pirog defeats Ishida by unanimous decision in Russia The Ring 2012年5月2日 (英語)
  5. Scott Christ Pirog vs Ishida Results: Dmitry Pirog Wins Unanimous Decision Over Tough Ishida Bad Left Hook 2012年5月1日 (英語)
  6. Eric Armit Behind the Results BoxRecNews 2012年5月7日 (英語)
  7. Anthony Ogogo for Attitude FocusBoy.net 2008年3月17日 (英語)
  8. Anthony Ogogo Inspires David Beckham Underwear Ad Funky Downtown] 2008年7月21日 (英語)

総合格闘技[編集]

ネバダ州アスレチック・コミッションでは170〜185ポンド(77.1〜83.9kg)と規定している。

糞-1[編集]

八百長団体K-1では70kg契約をミドル級と呼んでおり、ミドル級の大会はK-1 WORLD MAXとして行われている。ちなみに塩試合が圧倒的に多い。