ミニマム級
ミニマム級(英:minimumweight)、ストロー級(英:strawweight)、もしくはミニフライ級(英:mini flyweight)は、ボクシングなどの格闘技で用いられる階級の1つである。
なお、「ストロー」とは「藁」の意味で、「ミニマム」とは「最小限」の意味である。
ボクシング
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プロボクシングでの契約ウェートは、105ポンド (47.627kg) 以下である。 全17階級中最軽量級の階級である。
ミニマム級はWBAでの呼び方で、WBCではストロー級、IBFおよびWBOではミニフライ級と呼ぶ。日本での呼び方は、ミニフライ級、ストロー級を経て現在はミニマム級に統一されている。しかし同級世界王者で2007年より東日本ボクシング協会会長を務める大橋秀行は「ミニが弱々しく聞こえる」としてストロー級の復活を提言している。女子の一部団体では一つ下のアトム級(女子単独団体ではそれをミニマム級またストロー級と呼ぶ場合もある)が設けられており、この場合、この階級はミニフライ級を使用している。このため日本でも女子はミニフライ級と呼んでいる。かつての日本女子ボクシング協会でもミニフライ級と呼んでいたが、世界戦は各団体での通称に合わせていた。
1986年に創設された最も新しい階級で、WBCの初代ミニマム級王者は、弱冠18歳9か月の井岡弘樹。またWBA同級の初代王者は、ミニマム級〜スーパーフライ級の4階級を制覇するレオ・ガメスである。
高山 vs. ジョイ(2012年)
南アフリカの国営放送でボクシングのテレビ中継が途絶えて1年あまり後、中継が再開されてから2回目のカードとして、この試合は行われた。もともと南アフリカのメディアから配信されるボクシングニュースは恐ろしく自国贔屓であることが多いが、この試合ではテレビ中継の解説者が単日契約だったり、ジャッジの1人が直前まで用意できなかったりという不安定な状況の中で、どうしても自国選手に勝たせて国内のボクシング熱を高めていかなければいけないという雰囲気があった。高山勝成は判定で敗れたが、事実を伝える記事が流れていたことは救いである。ジョイは数日経過後に手を怪我していたことを発表しているが、高山がジョイとの初戦で骨折していたレントゲン写真を取り上げたテレビ大阪制作の番組がテレビ東京「彷徨う拳」として放送されたのに対し、ジョイの怪我はどの程度のものかも明らかにされないまま、マネージャーの口から「痛めた」とだけ公表されたにすぎず、また高山をプロモートするALAプロモーションが抗議の申し立てもしていないというのにIBFのチャンピオンシップ委員会委員長が、南アフリカのウェブサイトのボクシング記者がFightnews.com上でジョイの勝利に異議を唱えた記事をBoxingScene.com上で否定してみせるという不自然な顛末となった。
ジョイのプロモーターは八重樫や井岡がジョイから逃げ回っていると再三口にし、ジョイを英雄に仕立て上げるための武勇伝を作り上げているが、高山は現在は無冠で3団体目、4団体目のタイトル奪取を渇望しているからこそ、あのような地にも行く勇気を持てたのであり、テレビ東京がついている八重樫やTBSがついている井岡が少額の放送権料に汲々としているジョイとの統一戦のために南アフリカまで出向く必要は全くない。その後、南アフリカのIBO王者がジョイ vs. 高山を見て自分でも勝てると踏んでジョイに挑戦状を叩きつけているが、同プロモーターはメキシコのWBO王者との統一戦のために、これまで国内でしか戦ったことのないジョイをメキシコへ連れ出さなければいけないかもしれないと悲壮に満ちた口調で語っている。
井岡 vs. 八重樫
この試合は日本で開催が発表されると同時に国外でも非常に高い関心を集め、ESPN.comのボクシング記者ダン・ラファエルは発表後まもなく、「井岡も八重樫もミニマム級だが面白い選手だ。この階級で統一戦が行われること自体が非常に稀であり、彼らの対戦は日本人同士による初の統一戦という歴史的な意義もある。そういった様々な面から凄まじい試合になるだろうと興味を持っている。とても待ちきれない」と書いている[1]。統一戦が稀であるだけでなく、上位選手同士の対戦でしか認定されない『リング』誌のチャンピオンも、この階級では1987年の創設以来、誰一人として誕生していない[2]。試合が近づくと、BWAA(米国ボクシング記者協会)メンバーで『リング』誌のランキング諮問委員も務め、同誌や英国の専門誌『ボクシング・マンスリー』の記者でもあるマーク・オルテガはTwitter上で「この試合は国外から(の中継で)米国に放送されるのを見てみたい保証付きの試合だ」と言い[3]、当日は試合を見逃さないように日本で2時間枠の中継が始まる午前3時から待機し[4]、テレビ中継のなかった各国のボクシングファンとともにKeyHoleTVや[5][6]JustinTVで[7]2時間のネット観戦をしながらツイートを続けた。同時に#boxingや#IokaYaegashiで中心となって話題を盛り上げていたメンバーは他に『リング』誌記者のコーリー・アードマンや、ESPNと同様に八重樫とポンサワン・ポープラムックの対戦を年間最高試合に選んだBoxingsScene.com[8]のジェイク・ドノヴァンら。オルテガは、「理解不能な言語で放送される試合を観るために夜明けに起きるのか?」と言うドノヴァンらに、「だって、これは日本人同士の統一戦なんだよ!!」と促すなどし[9]、直後に配信された試合レポートの中で「この試合が行われたのは米国では早朝の時間帯だったが、ボクシングマニアはそれに合わせて目覚ましをセットした」「井岡は次の日本のスターだろうか? 恐らくそうなのだろうが、この日は両選手が素晴らしい勇気と覚悟を見せた」と書いている[10]。アードマンは「興奮と最高のクォリティーが共存することはボクシングではそう多くあるものではないが、両選手はそれをどうにかやってのけた。ボクシングマニアは数か月の間、彼らが激戦を演じるものと期待を込めてこの日を気にかけていたが、落胆させられることはなかった」と書き[2]、ドノヴァンは「近い将来、そしてその先に何が起ころうと、両選手は注目必至な試合で自分たちを証明し続けるだろう」と結んでいる[11]。
八重樫
『リング』誌記者のコーリー・アードマンは、この試合は最高のカードのひとつだと期待していたものの[12]、八重樫は後に何も残らないようなストップ負けをするだろうと考えていた[13]。しかし試合が始まるとTwitterで「八重樫東はジム・ランプリーの『ガッティのリスト』を書き換えようとしていているのか?」と言い[14]、試合後には非常によかったと賞賛している[15]。『リング』誌の諮問委員などを務めるマーク・オルテガはアードマンに「残念ながら『ガッティのリスト』はHBOで中継されている選手が対象だが、そうでなければ八重樫は間違いなく名を連ねていただろうね」と答え、ほとんどのラウンドで八重樫が圧倒したと見ている[16]。また、WBA会長のヒルベルト・メンドーサも八重樫の並外れたパフォーマンスを絶賛した[17]。
脚注
- ↑ Dan Rafael (2012年4月17日) Dan Rafael Can't wait for Ioka-Yaegashi 英語 ESPN 2012年4月17日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ 2.0 2.1 Corey Erdman (2012年6月20日) Corey Erdman Ioka bests valiant Yaegashi to unify strawweight titles 英語 RingTV.com 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Mark Ortega (2012年6月18日) Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月18日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Corey Erdman, Mark Ortega (2012年6月20日) Corey Erdman, Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Jake Donovan, Mark Ortega (2012年6月20日) Jake Donovan, Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Corey Erdman, Gabriel Montoya (2012年6月20日) Corey Erdman, Gabriel Montoya 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Mark Ortega (2012年6月20日) Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ (2012年1月6日) 11年ベストマッチに八重樫王座奪取試合 日刊スポーツ 2012年1月6日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Jake Donovan, Mark Ortega et al. (2012年6月20日) Jake Donovan, Mark Ortega et al. 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Mark Ortega (2012年6月20日) Mark Ortega Kazuto Ioka Decisions One-Eyed Akira Yaegashi In Minimumweight Title Tilt 英語 Queensberry-Rules.com 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日 (記事中、結果をスプリットデシジョンと勘違いしているので注意)
- ↑ Jake Donovan (2012年6月20日) Jake Donovan Kazuto Ioka Outlasts Akira Yaegashi In A War 英語 BoxingScene.com 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Corey Erdman (2012年6月20日) Corey Erdman 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Evan Korn, Corey Erdman (2012年6月20日) Evan Korn, Corey Erdman 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Corey Erdman, Mark Ortega (2012年6月20日) Corey Erdman, Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Corey Erdman et al. (2012年6月20日) Corey Erdman et al. 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
- ↑ Mark Ortega (2012年6月20日) Mark Ortega 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月20日 [ arch. ] 2012年6月23日
試合後、時間が経ってのツイートで、ラウンド数については間違えていると思われる。 - ↑ Gilberto Mendoza (2012年6月21日) Gilberto Mendoza 試合についてのツイート 英語 Twitter 2012年6月21日 [ arch. ] 2012年6月23日
関連リンク
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ムエタイ
ムエタイではボクシングの階級を元にしている為、ボクシングと似ている。アマチュアでは世界ムエタイ連盟 (WMF) がミニフライ級は45〜48kgとしている(アマチュアではジュニア部門にこれ以下の階級が存在する)。プロに関しては世界ムエタイ評議会 (WMC) はミニマム級(ミニフライ級)を47.727kg(105ポンド)以下と定めている。
シュートボクシング
世界シュートボクシング協会の公式ルールが定めるところによればプロでは47kg以下をミニマム級としている。