ポーラ・テリー
ポーラ・テリー(Paula Terry)は、オーストラリア・シドニー出身のジャズシンガーソングライターである。日本人の夫とともに東京都に住んでいたが、2011年4月に帰国し、シドニーに住んでいる。
都内各地のホテルのバーやジャズバーでのライブを主な活動としている。ジャズ歌手ではあるが、ライブではボサノヴァ、R&B、ポップスなど幅広く歌っている。これとは別に、Soniaというボサノヴァユニットのリードボーカルを務めている。これもまた基本的にはボサノヴァのアルバムであるが、ジャズ、ポップス、R&Bのカバーも収録している。ポーラがよくカバーするアーティストとしては、アントニオ・カルロス・ジョビン、スティーヴィー・ワンダー、チャカ・カーン、バングルス、シンディ・ローパーなどが挙げられる。また、東京都新宿区の朝日カルチャーセンターではジャズ独特の英語発音法を教授している[1]。
また2000年以来、コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)社のBEMANIシリーズに歌手として参加している。同シリーズへは本職のジャズとは異なり、主に前田尚紀がプロデュースするユーロビートやダンスポップの楽曲を歌っている。また、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)の「湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 2」にも楽曲を提供している。
生い立ち
ポーラはオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のシドニーに生まれた。母はオペラ歌手、兄はバイオリン奏者という音楽一家に育った。また少女期をフランスで過ごしたためフランス語に堪能で、実際にSoniaの3rdアルバムSonia Sings French Songsは全曲フランス語で歌っている。シドニーに戻った後、シドニー大学でジャズと日本語を学ぶ傍ら、アシッドジャズバンドでリードボーカルをしていた。そのときワーキングホリデーで同地を訪れていた日本人女性と出会い、日本で歌うことを勧められ、渡日に至った[2]。
1998年にJust Breakawayでデビューし、翌1999年にはボサノヴァユニットSoniaを結成した。ささやくような声を武器にSoniaはセールスを順調に伸ばし、2作目Sonia: A taste of Bossa Novaではワールドミュージック部門で1位となった[3]。2004年にはベストアルバムを発表した。
またCDの売り上げを伸ばすとともに、以下のようなホテルのバーでライブを行ってきた。
- ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)
- アグネス・ホテル・アンド・アパートメンツ東京 K's Bar(東京都新宿区)[4]
- パークホテル東京 ザ・ラウンジ(東京都港区)[5]
これらのホテル以外にも、都内各地のピアノバーやジャズバーで活動を行ってきた。変わったところでは、ポーラがこよなく愛する新宿二丁目[2]にあるバーをライブ会場とすることもあった。
東北地方太平洋沖地震の発生により日本での活動に影響を受け、2011年4月に帰国したが、2012年5月に日本に戻り、ポーラにとっては初となる中京圏でのライブを8月まで名古屋マリオットアソシアホテルの「ジーニス」で行っている[6]。
ディスコグラフィ
ここではポーラ個人、およびSoniaで出している楽曲・アルバムのみを列挙するにとどめる。コナミ社BEMANIシリーズおよびナムコ社「湾岸ミッドナイト」シリーズに提供している楽曲についてはそれぞれの項目を参照のこと。
Paula Terry個人
- Just Breakaway (1998年)
Sonia
- Sonia - Play it on the Bossa Nova (1999年)
- Sonia: A taste of Bossa Nova (2000年)
- Sonia Sings French Songs
- Time for Siesta (2003年)
- A Mellow and Gentle Weekend (2004年)
- Whispers the Finest Songs on Bossa Nova - The Best of Sonia (2004年)
なお、Just BreakawayおよびSoniaの4作目Time for Siesta以前は東芝EMIから、5作目A Mellow and Gentle Weekend以降は日本コロムビアからリリースされている。
また、これらのアルバムやコナミ社・バンダイナムコ社への楽曲提供のほか、以下のような活動も行っている。
- エイベックス社のトランス・オムニバス・アルバムOrbitribeに数曲を提供。
- 2004年6月、ヴィダルサスーン社のCM曲として使われていた「雨の慕情」のカバーを日本語で歌唱[7]。
- 公式サイト上にて自主制作シングルIt's Coolをリリース。決済にはPayPalを用いている。
註
- ↑ JAZZのための英語発音レッスン. 朝日カルチャーセンター.
- ↑ 2.0 2.1 Life in Japan - Paula Terry. Metropolis.
- ↑ Music&MP3s. 公式サイト.
- ↑ K's Bar. The Agnes Hotel and Apartments Tokyo.
- ↑ The Lounge. Park Hotel Tokyo.
- ↑ 52F スカイラウンジ「ジーニス」. 名古屋マリオットアソシアホテル. 2012年5月20日閲覧.
- ↑ 当時公式サイトにて公表。ただしヴィダルサスーン側は当時CMに出演していたモデルのケンプ・ミュールが歌ったとしている。