将棋
将棋(しょうぎ)は、日本将棋(にほんしょうぎ)、本将棋(ほんしょうぎ)ともいい、2人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。チェスなどと同じく、インド古代のチャトランガが起源と考えられている。『レジャー白書』によると将棋人口は推定600万人である。
目次
概要
日本では特に本項で述べるいわゆる「本将棋」が普及しており、中将棋もわずかではあるが愛好家が存在する。他に小将棋から派生したと推定される朝倉将棋が福井県を中心として残されており、主に福井県内のイベントなどで朝倉将棋の大会が開かれている。
本将棋は持ち駒の観念があることが特徴で、これは諸外国の将棋類似のゲームにも例のない独特のルールである(近年は持ち駒を利用したチェス派生のゲームも考案されている)。
本将棋の他にも、盤のマス目の数や駒の種類を変えたり、将棋の盤と駒を利用して別のルールで遊んだりする遊戯が考案されている。本将棋以外の将棋、および将棋に関連する遊戯については、将棋類の一覧を参照されたい。
ゲーム理論の分類では二人零和有限確定完全情報ゲームに相当する(2007年現在の日本将棋連盟公式ルールを前提とする)。
将棋人口の概要
『レジャー白書』(財団法人社会経済生産性本部)によると、1年に1回以上将棋を指すいわゆる「将棋人口」は、1985年度の1680万人から、2005年度840万人、2006年度710万人、2007年600万人と漸減傾向が続いている。
将棋人口が半減した上記の期間に、将棋が一般メディアに取り上げられたことは何度かある。代表的なものでは、羽生善治の七冠達成(1996年)、将棋を題材としたNHK朝の連続テレビ小説『ふたりっ子』の放送(1996年)、中原誠と林葉直子の不倫報道(1998年)、瀬川晶司のプロ編入試験(2005年)、名人戦の移管問題(2006年)、羽生善治の最年少で1000勝(2007年)などである。しかしいずれも「将棋ブーム」を生むには至らず、取り上げ方によってはファン離れを加速するものとなっているものもある。
また、1996年頃からJava将棋やザ・グレート将棋など、盤駒を利用しなくともインターネットを通じて対局ができるインターネット将棋が普及しはじめ、現在は、1998年に運営を開始しアカウント延べ数20万人の将棋倶楽部24や、近代将棋道場、Yahoo!ゲームの将棋などによる対局が広く行われるようになっている。2010年には英語が公用語の81Dojoが開設され、2011年末時点で、6000人以上が登録している。
ルール
基本ルール
- 2人の競技者(対局者)によって行われる。ここでは便宜的に自分と相手と呼ぶことにする。
- 将棋の対局には縦横9マスずつに区切られた将棋盤を用いる。対局者は将棋盤を挟んで向かい合って対局することになるが、このとき将棋盤の自分側から3段目までのマスを自陣、相手側から3段目までのマスを敵陣と呼ぶ。
- 将棋の対局を始めるには、駒を盤上の定められた位置(初形の位置)に配置する。将棋の正式な礼法では、対局者のうち上位者が駒袋に入った駒を盤の中央に取り出し、対局者はそれぞれ自陣に大橋流あるいは伊藤流の並べ方によって駒を並べてゆく。この際、上位者が王将、下位者が玉将を用いる。なお、自分側の王将あるいは玉将のことを自王・自玉という。
- 他の将棋に類するゲーム(チェス、シャンチーなど)と違い、駒に色分けなどはなく、敵味方共通の駒を用いる。ただし駒は五角形で向きが存在し、一局を通じて自分の駒と相手の駒は常に向き合う方向に配置される。したがって、駒の向いている方向によって、その駒が現在自分と相手のどちらに属しているかが表されることになる。
- 将棋は対局者が相互に自らの駒を動かすことによってゲームが進められる。駒は王将(王)、飛車(飛)、角行(角)、金将(金)、銀将(銀)、桂馬(桂)、香車(香)、歩兵(歩)の8種類であり、それぞれ動ける範囲が決まっている。なお、玉将が出来たのは江戸時代後期で、それまでは王将二枚で構成されていた。後述する駒の動きを参照のこと。これらの駒のうち、飛、角、銀、桂、香、歩については成る(後述)ことによってが駒の動きが変化する。将棋駒のうち一方向に向かって何マスでも進めることのできる飛車、竜(成った飛車)、角、馬(成った角)、香のことを総称して「走り駒」という。なお、「駒の利き」とは盤上にある各駒の効力が及んでいる範囲(機能している範囲)をいい、各駒の移動可能となっている範囲に相当する。
- 盤上の駒は常に1つのマスに入ることになる。1つのマスに複数の駒が存在したり、1つの駒が2つ以上のマスに同時に存在することはできない。
- 対局において先に駒を動かし始める側の対局者を先手、そうでない側の対局者を後手という。将棋では一局を通じて先手と後手が交互に盤上にある自分の駒のいずれか1つを一度動かすか、持ち駒(相手から取って自分の駒となった駒。後述)を1つ盤上に置くことを1回ずつ繰り返す。この手順における一回の動作(盤上の駒を動かす又は持ち駒を盤上に置く)を「一手」と呼び、動詞としては盤上の駒を動かす場合には「指す」、持ち駒を盤上に置く場合には「打つ」という。
- 自分の番(手番)が来たら、必ず盤上の自分の駒のいずれか1つを一回動かすか、持ち駒を1つだけ盤上に打たなければならない。二手続けて指したり(二手指し)、パスすること(自分の駒を全く移動せず、持ち駒も打たないこと)はできない。
- 盤上にある自分の駒は、その駒の種類に応じて駒の動きに書かれている範囲内に存在するマスであれば、どこにでも移動させることができる。ただし、以下のような制限がある。
- 本来の駒の動きの範囲内に含まれていても、盤上に存在しないマスには移動できないので、それぞれの駒の利きは盤上のマスの範囲に限られる(飛、角、香などの走り駒の移動できる範囲は盤の端のマスまでになる。また、盤の端に近い位置にある駒は移動できる範囲がマスのある範囲に限られる)。
- 駒の移動においては、それぞれの駒は原則として他の駒を飛び越して移動することができず(桂馬は例外。後述)、また、盤上の駒は常に1つのマスに1つの駒しか入ることができないことから次のような制約がある。
- 自分の駒を移動させることができる範囲内に他の自分の駒が既に存在する場合、その駒によって塞がれているマスには入れない。また、他の駒を飛び越すことはできないので、他の自分の駒を飛び越して先のマスへと移動することもできない(自分の駒が移動可能な範囲は他の自分の駒が存在するマスの1つ手前のマスまでとなる)。
- 自分の駒を移動させることができる範囲内に相手の駒が既に入っている場合、その相手の駒を取って自分の「持ち駒」とした上で、自分の駒をその相手の駒が存在したマスの位置に動かすことができる。したがって、自分の駒が移動可能な範囲は、その相手の駒が存在するマスにまで及ぶことになる。ただし、他の駒を飛び越すことはできないので、飛、角、香などの走り駒であっても、移動範囲を塞いでいる駒自体を取ることはできるものの、移動範囲を塞いでいる相手の駒を飛び越して先のマスへと移動させることはできない。
- 桂馬は他の駒とは異なり移動可能なマスが元のマスから離れた場所にあるため(後述する駒の動きを参照)、周囲のマスに他の駒があっても、それを飛び越して移動することができる。ただし、桂馬の移動可能なマスに既に自分の他の駒が入っていて塞がれているときは移動できない。なお、桂馬の移動可能なマスに先に入っている駒が相手の駒である場合には、その相手の駒を取ってそのマスへ移動することができる。
- 以上のほか、玉将の位置との関係で、自分の駒を移動させることによって自玉を相手駒の利きにさらすことになる場合には、後述する反則または禁じ手に該当することとなり移動できない。
- 持ち駒は盤上の空いているマスであれば、後述する反則または禁じ手に該当する場合(二歩や行き所のない駒となる場合)を除いて、好きなところに打つことができる。
成る
- 前述のように盤上の相手側3段を敵陣と呼ぶが、玉、金以外の駒(飛、角、銀、桂、香、歩)は、敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るときに「成る」(駒を裏返す)ことができる。成った駒を成駒と呼ぶ。
- 駒が成った場合には駒の動かせる範囲が変化する。成りによって、飛は竜王(竜)、角は竜馬(馬)となり、それぞれ飛・角の元々の駒の動きに加え全方向1マスの範囲にも動けるようになる。また、成りによって、銀は成銀、桂は成桂、香は成香、歩はと金となり、以後、これらの駒は金と同様に扱われる。歩が成った場合には金と同様に扱われるので、同じ縦の列に成った歩(と金)と歩が並んでも後述の二歩の反則にはならなくなる。
- 成りは強制ではなく、後述する反則に該当する場合(行き所のない駒になる場合など)を除いて、成らないこと(「不成(ならず)」と称する)を選択することもできる。一度、不成を選択した場合であっても、以後、その駒が成る要件(敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るとき)を満たすたびに、成ることを選択することができる。なお、成らないまま敵陣から出た駒は、もう一度敵陣に入るまで成りを選択することができない。
- 上述のように成るか否かは任意で強制ではない。銀、桂、香については、成ってしまうと元々移動が可能だった位置に移動できなくなる不都合を生じることがある(例えば銀が成ると真後ろと左右の位置には移動できるようになるが、両方の斜め後方の位置には動かせなくなる)ので実際の対局では成るか成らないかは慎重な検討を要することもある。これに対して、飛、角、歩については、成っても元々移動が可能だった位置に移動できなくなるという不都合を生じることはないので、成りが選択されることがほとんどである。ただし、極めて稀に将棋の終盤において、駒が成って利きの範囲が広がることで相手の玉将が逃げることができずに一つのマスに釘付けの状態になり、(盤上の駒では詰ませることができず、持ち駒が歩のみであるなどの理由で)相手の玉将を詰ませる手段が後述の反則手である打ち歩詰め以外にはなくなってしまうという局面を生じることがあり、このような打ち歩詰めの手順となる局面を回避するために、あえて駒を成らない場合もある。その逆に、成ることによって自玉に詰みが生じるのを回避するために、あえて駒を成らない場合もある(大抵は、成ってしまうと自玉の打ち歩詰めが解消されてしまうケース)。
- 成る時には、まず成る前の駒の動きに沿って動かし、動かした先のマスに駒を裏返して配置する。銀、桂、香の裏面には「金」の字が崩して書いてある(歩の裏面の「と」も本来は「金」あるいは同音の「今」の字を崩したもの)が、もともとの駒の種類が分からなくならないように各駒の種類に応じて裏面の「金」の字体は変えてある。
- 一度成った駒は相手に取られるまで成駒としての性質を失わず、相手の持ち駒となるまで元の駒の動きに戻すことはできない。
- 成った状態の駒を打つことはできない。持ち駒を敵陣に打つ場合も、成る前の駒を打つ。また、相手の成駒を取って自分の持ち駒とした場合、駒は成る前の状態に戻る。
駒の動き
元の駒 | 動き | 成駒 | 動き | ||||||||||||||||||||
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玉将(ぎょくしょう) 王将(おうしょう) 玉(ぎょく) 王(おう) 90px |
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全方向に1マス動ける。 | - | - | - | ||||||||||||||||||
飛車(ひしゃ) 飛(ひ) 90px |
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縦横に何マスでも動ける。 駒を飛び越えてはいけない。 |
竜王(りゅうおう) 竜(りゅう) 90px |
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飛+銀の動き。 | ||||||||||||||||||
角行(かくぎょう) 角(かく) 90px |
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斜めに何マスでも動ける。 駒を飛び越えてはいけない。 |
竜馬(りゅうめ、りゅうま) 馬(うま) 90px |
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角+金の動き。 | ||||||||||||||||||
金将(きんしょう) 金(きん) 90px |
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縦横と斜め前に1マス動ける。 | - | - | - | ||||||||||||||||||
銀将(ぎんしょう) 銀(ぎん) 90px |
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前と斜めに1マス動ける。 | 成銀(なりぎん) 90px |
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金と同じ。 | ||||||||||||||||||
桂馬(けいま) 桂(けい) 90px |
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前へ2、横へ1の位置に移動できる。 その際、駒を飛び越えることができる。 |
成桂(なりけい) 90px |
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金と同じ。 | ||||||||||||||||||
香車(きょうしゃ、きょうす) 香(きょう) 90px |
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前に何マスでも動ける。 駒を飛び越えてはいけない。 |
成香(なりきょう) 90px |
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金と同じ。 | ||||||||||||||||||
歩兵(ふひょう) 歩(ふ) 90px |
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前に1マス動ける。 | と金(ときん) と(と) 90px |
|
金と同じ。 |
上の表では便宜的に成銀を「全」、成桂を「圭」、成香を「杏」と表示している。この表記は、将棋駒の活字がない環境で(特に詰将棋で)しばしば用いられる。成銀を「全」、成桂を「今」、成香を「仝」、と金を「个」で表す流儀もある。成銀、成桂、成香、と金は全て「金」と表記されているのが実際で、くずし方を変えることで成る前の駒がわかるようにしている。王将と玉将では役割が同一であっても先手が玉将を持つ事で後手と区別している働きが存在する。
ゲームの進め方
対局者の棋力の差によって手合割(ハンデ)がある程度決まってくる。
平手戦の場合、開始時には駒を次のように並べる。
上図のように盤面を図として表示する場合、下側が先手、上側が後手となる。先手から見て将棋盤の右上のマスを基点とし、横方向に1、2、3、…、9、縦方向に一、二、三、…、九とマス目の位置を表す座標が決められている。棋譜はこの数字を用いて表現される。また、先手は☗(Unicode文字参照2617、14px)、後手は☖(2616、14px)で示すのが一般的だが、コンピュータ上ではフォントがないことも多く先手は▲、後手は△で示すことも多い。
先手・後手は振り駒により決定する。ハンデをつける場合には弱い者が先手をもつ。棋力の差が非常に大きく、平手では勝負にならない場合、駒落ち戦とする場合もある。
上図は二枚落ちの場合である。駒落ち戦の場合、駒を落とした方を上手(うわて)、落とされた方を下手(したて)という。駒落ち戦では上手から指し始める。
相手との棋力の差を考慮し、飛車・角行に加え、金将・銀将・桂馬・香車まで落とす十枚落ちまでの手合割がある。まれに、上手の玉の他に何も駒がなく持駒に歩3枚を持つだけの「歩三兵」や、金落ち、銀落ちといった特殊な駒落ちが指されることもあるが、あまり一般的ではない。
勝敗の決め方
素朴な定義では「先に相手の王(玉将)を取ったら勝ち」であり、対局もそれを前提に進められる。しかし、伝統的に「実際に王を取る」ことは忌避されたため、逆転不可能と判断した時点(最悪でも詰みの状態)において敗者が投降することにより対局を終了する習慣になっている(投了)。ただし、投了の判断はあくまで任意であるため、詰みの状態からの着手、あるいは不注意による着手で王を相手の利きにさらしたままの場合は、王を取られる以前にその着手自体が反則となるよう「日本将棋連盟規則」では定められている。
- どちらか一方が、相手の玉に王手をかけ相手がそれを解消できない状態になったら勝ちとなる。この状態を「詰み」という。通常の対局ではまず発生しないが、自分の手番で、自玉に王手はかかっていないが合法手がない場合(チェスでいうステイルメイトの状態)、合法手がないため負けは確定しているが、詰みではないので投了するか持ち時間がなくならない限り直ちに負けにはならない。
- どちらか一方が、自分の手番のときに投了することで負けとなる。自玉が詰まされることが確定的となったときのほか、攻め合いで相手より早く玉を詰ますことができない場合、相手の受けが強くて一連の攻めが続かなくなった場合、相手の攻めを受け切れない場合、攻防に必要な駒を相手にほとんど取られてしまった場合など、自身の勝利がほぼなくなったと思われる場合に投了する。
- 同一局面(持ち駒も含む)が4回現れた場合千日手となり、無勝負・指し直しとなる。ただし、後述するが、一方が王手の連続で千日手となった場合は、王手をかけていた側の反則負けとなる(以前は「同一手順を3回繰り返した場合」というルールだったが、駒を打つ場所を変える方法で無限に近い組み合わせが成立する場合が発生したため、「同一局面」に変更された)。
- 先後両者の玉(王)が互いに入玉し、玉が詰む見込みがなくなった場合、判定により勝敗を決める場合がある。この判定法により引き分けとなる場合があり、これを持将棋という。大駒1枚につき5点、小駒1枚につき1点とし、24点未満なら負けというルールや、27点未満なら負けというルールなどが存在する。
- プロの公式戦では持ち時間を定め、ストップウオッチまたは対局時計(チェスクロック)を扱い、時間切れによる勝敗を厳正に定める。プロの公式戦以外では持ち時間なし(1手ごとに10秒以内に指すなどのルール)の対局もある。
- 対局の終了後、感想戦(局後の検討)を行うことがある。感想戦の結果によって対局の勝敗が入れ替わることはない。仮に感想戦中に反則が見つかったとしても、すべての勝敗は投了優先である。
- 相手の玉が自駒の利き筋にあった場合(王手放置)、もしくは自ら利き筋に晒した場合、その玉を取って勝敗をつけることができる。ただし、これは通常は反則勝ちとなる(後述の通り、相手方が自玉を相手駒の利きにさらす手を指した、とみなされるため)。
反則または禁じ手
次に挙げる行為は反則と決められており、着手した場合直ちに負けとなる。反則行為が行われた時点ではそれに気付かずに手が進められても、後になって反則に気付き、指摘された時点で勝敗が決定する。ただし、対局相手が反則に気づかないまま投了、終局した際は投了が優先される。
また、対局中の助言は一切禁止されるが、反則行為が行われた場合に限り第三者がそれを指摘しても良い。
- 二歩
- 成っていない歩兵を2枚以上同じ縦の列に配置することはできない。
- 行き所のない駒の禁止
- 盤上の駒を行き先のない(動けない)状態にしてはいけない。味方の駒に進路を塞がれて一時的に動けない場合はこれにあたらない。打つ場合、不成で進む場合ともに敵陣1段目と2段目の桂馬、1段目の香車・歩兵は配置してはいけない。したがって盤上の桂馬・香車・歩兵がその場所に進む場合は必ず成らなければならない。
- 打ち歩詰め
- 歩を打って玉を詰ませてはいけない。ただし、歩による王手が詰め手順の最終手でなければ、歩を打っての王手は反則ではない。したがって、歩を打って王手をかけたのちの連続王手で最終的に「詰み」が成立することは問題がない。また、盤上の歩を突いて玉を詰ます突き歩詰めも反則ではない。
- 自玉を相手駒の利きにさらす手
- 自らの着手の後、自らの玉が王手のかかった状態にあってはいけない。すなわち、
- 相手に王手された場合は王手を回避しなければならない。
- 玉を相手の駒の利きに移動してはならない。
- 玉以外の駒を移動させた結果、玉が相手の駒(香車、飛車(竜王)、角行(竜馬))の利きにさらされるようにしてはならない。
- 連続王手の千日手
- 連続王手での千日手は王手している側が指し手を変更しなければならない。
その他、基本ルールに反する行為として、2手続けて指す(二手指し)、ルール上移動できない位置に駒を移動する(特に、角(馬)を遠い位置に移動させるときに間違えやすい)、駒を成れない状況で成ってしまう、玉や金を成ってしまう、成り駒を盤上で裏返し元の駒に戻す、成り駒を打つ(持ち駒を裏返して打つ)、持ち駒を駒台に乗せず手に隠し持つあるいは将棋盤や駒台の陰に置く(隠し駒)などの行為も反則となる。
いったん着手した手を変える行為(待ったと呼ばれる)もまた反則であり、基本的には二手指しなどと同じく即負けである。駒から手を離した時点で着手が完了となるため、一旦駒を動かしても手を離さなければ、その時点では元に戻して別の手を指してかまわない。ただし、仲間同士の気楽な対局や駒落ちなど指導を目的とする対局の場合は、例外的に許可される場合もある。しかし、多くの人は「待った」をマナー違反とみなすため、注意が必要である。
記録に残っている1977年から2005年までに、プロの棋戦で発生した反則のうち、回数が多いものは以下の通り。
1位 | 二歩 | 44回 |
---|---|---|
2位 | 二手指し | 22回 |
3位 | 王手放置、自らの玉を相手の駒の利きにさらす | 8回 |
4位 | 角・馬が移動できない位置へ移動する | 5回 |
5位 | 成れない状況で駒を成る | 3回 |
その他、特殊な例として、
- 成銀を打ってしまった(金と見間違えたとの事)。
- 自分が取った駒を相手の駒台に乗せてしまった。
- 盤上から駒台に移ってしまった香車を持ち駒として使用した(着物の袖が当たったことが原因である)。
- 後手が先に指した(これも二手指しの一種である。あえて言えば、「0手目」という架空の後手の指し手と合わせて2手となる)。
- 相手の駒を取った後、別の場所に駒を動かしてしまった(8八の玉将で7八の相手の馬を取ったが、馬を駒台に移した後玉将を8七に移動させた)。
- いったん不成で敵陣に置いたように見えた駒を持ち直し、成りに変えた。対局はそのまま継続されたが、テレビ放送後の視聴者の抗議を受け、「待った」であるとされた。
- 自分で自分の駒を取る(国際将棋トーナメントBクラス日本代表のさかもと未明)という反則が知られている。
その他
- 「将棋を打つ」という表現がなされることがあるが、将棋は「指す」ものであって「打つ」ものではない。ただし、持ち駒を盤面に配置することは「打つ」という(多くのテーブルゲーム類の中で「指す」と言う表現を用いるのは将棋類のゲームのみ)。
- 「王手をするときには『王手!』と言わなければいけない」と思っている人がいるが、そのようなルールは存在しない。
戦略と戦術
将棋の格言参照
ゲームの進行ごとの戦略
一局の対局はおおよそ100手前後(先手・後手それぞれの着手を1手と数える)で勝負がつくが、対局全体を大きく以下の3つに分けることができる。ただし、何手目までが序盤であるかなど、明確な線を引くことは通常はできない。
- 序盤 - 初手から駒組みが完成するまでのおおよその間。
- 中盤 - 駒組みが完成し、両軍の駒のぶつかり合いが始まってから、劣勢の側または両者の玉の囲いが崩れ始めるまでのおおよその間。
- 終盤 - 劣勢の側または両者の玉の囲いが崩れ始めてから、終局までの間。
序盤戦
序盤戦はまず戦型を選択するところから始まる。
初手は角道を開ける▲7六歩か飛車先の歩を突く▲2六歩のどちらかが多く、ほとんどの対局はこのどちらかで開始される。しかし、先手ゴキゲン中飛車や藤井システムの登場などにより新しい指し方の研究も進んでいて、▲7六歩や▲2六歩以外の初手についても(まだまだ数は少ないが)いろいろと試みられている。
戦法は、飛車を初期位置から動かさずに攻める居飛車戦法と、左へ動かして展開する振り飛車戦法の2通りに大別され、それぞれに定跡が研究されている。その知識と研究に加えて、相手の動きを見ながら先々の有利を見すえる大局観が重要となる。
基本的には金や銀を使って玉の守りを固め(囲い)ながら、駒を繰り出して敵を攻める体勢を作ることになる。囲いを簡略化してすぐに攻めに入ることを急戦といい、じっくりと守りを固めてから戦いに入ることを持久戦という。双方が囲い合い、駒のぶつかり合いが始まると中盤戦に突入する。
なお、序盤戦での攻め駒と守り駒の配分については、標準的には攻めは主に飛角銀桂(香歩)、守りは金2枚銀1枚と言われている。ただし、これはあくまでも標準であり、金銀4枚すべてを囲いに用いる場合など異なる場合もある。
中盤戦
中盤戦は、駒を取り合い、敵陣に切り込んで相手の囲いを崩しに行く戦いになる。駒の損得と働きが重要になる。
銀、桂、歩などを繰り出しながら相手の駒を攻めて駒得(「駒の価値」の項を参照)を狙い、敵陣に攻め入って竜、馬やと金などを作って相手玉の囲いを脅かすこと、またそのような相手の攻めを防ぐ(受ける)攻防が主となる。攻めと受けのどちらに主眼を置くかによって個人の棋風が現れる部分である。一方または両方の囲いが崩れ出すと、終盤戦に突入する。
なお、駒組みが未完成のまま駒がぶつかり合うことになってしまった場合などには、中盤戦といえるものがはっきりとせず、序盤戦から急に終盤戦に入ったと評価されるような場合がある。
終盤戦
終盤戦では、相手の玉を詰ましに行く(寄せる)戦いになる。駒の損得よりも玉を寄せるスピードが重要となり、正確な読みの力が重要となる。
囲いを崩しながら相手玉に迫り、詰めろをかけ続け、最終的には詰将棋のように王手の連続で詰みまで持っていくことになる。お互いに玉に迫りあっている場合、相手への詰めろを1手外すと逆に自玉にかけ返されてしまうので、1手の緩手で勝敗がひっくり返ってしまうこともある重要な局面である。
一方的に攻められている場合は玉が詰まされないよう逃げ道を確保する。入玉を目指し早めに逃げることもある。
形勢の判断
局面の形勢判断の要素としては、玉形の状態、対局者双方の駒の価値(駒得か駒損か)、手番を握っているかどうかなどがある。
玉形の状態
玉形とは、玉将(王将)の位置とその周りの駒の位置のことである。遠さ、堅さ、広さなどの要素で判断される。
- 遠さ
- 基本的に玉は五筋(中央)から離れているほど良いとされる。これはマスの端よりも外から駒が効くことがあり得ないため、玉周辺への攻めが集中しにくいことと、端にある駒(桂馬・香車)が初期位置から動かすことなく防御に使えるためである。通常、玉は戦場(攻め駒がぶつかりやすい場所)からできるだけ遠い場所にいるほうが安全と考えられており、これに関連する将棋の格言として「居玉は避けよ」や「玉飛接近すべからず」などがある。ただし、局面の展開によっては端にいることで逆に逃げる場所が無くなり負けてしまうこともあるので、一概に端にいれば良いというわけではない。
- 堅さ
- 玉の周りに置かれる駒を一般的に囲いと呼び、囲いに使われる駒の位置も玉形に含まれる。将棋では囲いの防御の性能を「堅い」あるいは反対に「薄い」などと表す。
- 囲いは通常自分から動かすことはない。なぜなら囲いとして駒を置いた位置が、最も玉を守れる形である場合が多いため、その位置から動かすことは囲いの性能を落とすことになる。この囲いに使われる駒を攻められ、位置を移動させられたり(駒を移動させて防御の性能を落とさせることを崩すという)、駒自体を取られたりする(囲いの駒を取ることをはがすという)と玉形が悪くなり囲いは薄くなる。
- この玉の位置と囲いの形を総合して玉形と呼び、この状態が良いか悪いは勝敗に大きく関わってくる。たとえ駒得をしても玉形が悪ければ形勢が不利とされることがある。相手の玉形を悪化させるためにわざと駒損をしたり、逆に玉形を悪化させてでも駒得を狙うこともある。
- 一般には金や銀といったいわゆる金駒や角の成った馬が玉の周りに囲いとして組み込まれ、その枚数が多ければ多いほど堅いと評価されるが、囲いを形成する駒相互の位置関係によって囲いの堅さは大きく変化する。例えば一般に角や桂といった前のマスに効きのない駒(将棋では頭が丸い駒という)は玉の上部の防御には不向きである。なお、玉形の良し悪しは相手の攻めの形に大きく影響されるため、相対的に玉形が良いとされることはあるが、この形が絶対的に良いと呼べる玉形はない。例えば居飛車同士の場合、玉は上からの攻めに囲いを使うが、この時の囲いは横からの攻めに弱く、相手が振り飛車であった場合、同じ囲いだと玉形は非常に悪い。
- 広さ
- 最終盤では玉形の評価として「堅さ」の要素とは別に「広さ」の要素が評価されることもある。「広さ」は具体的には玉の逃げ場所の広さをいい、広ければ広いほどプラスに評価される。相手玉を詰ませるためには攻め駒が必要となるが、相手玉の逃げ場所が広ければ広いほど詰ませるのに多くの攻め駒を必要とする(捕まりにくい状態になる)からである。序盤に築かれた玉の囲いが相手側の攻めによって崩された場合でも、終盤の局面で玉に有効とみられる逃げ道がある場合には広いとプラスに評価されることもある。
駒の価値
大駒・小駒参照
玉将、王将は最高の価値を持つ。 駒の価値は次のような順になる。
- 王将、玉将
- 飛車
- 角行
- 金将
- 銀将
- 桂馬
- 香車
- 歩兵
飛車と角行を大駒といい、それ以外を小駒という。ただで相手の駒を手に入れたり、価値の低い駒を捨てるかわりに価値の高い駒を手に入れたりすることを駒得(こまどく)といい、一般的には有利になる。その反対は駒損(こまぞん)という。
角行1枚と銀+桂の合わせて2枚との交換など、大駒1枚と小駒(歩兵を除く)2枚を交換することを二枚替えという。一般的には小駒2枚を得た側が有利とされる。例えば、飛車を手に入れたかわりに金と銀を渡した場合、飛車自体は最も強い駒であるが金銀の2枚を失った方が不利になる場合が多い。ただし、駒の価値が大差である場合の二枚替えは有利とは言えない。
この判断基準として、谷川浩司と佐藤康光による駒の価値の評価(点数付け)が参考になる。
(括弧内は、成り駒の場合)
駒 | 谷川による評価 | 佐藤による評価 |
飛車 | 10 (12) | 19(19+3程度) |
角行 | 8 (10) | 17(17+3程度) |
金将 | 6 | 11 |
銀将 | 5 (6) | 10(11程度) |
桂馬 | 4 (6) | 6(11程度) |
香車 | 3 (6) | 6(11程度) |
歩兵 | 1 (7) | 1(11程度) |
考え方の例として、自分の飛車を相手の金将・銀将の2枚と交換(二枚替え)した場合を挙げると、谷川方式では、自分は6点+5点-10点=1点、相手は10点-6点-5点=-1点で、差し引き2点だけ自分が得したことになる。佐藤方式では、自分は11点+10点-19点=2点、相手は19点-11点-10点=-2点で、差し引き4点だけ自分が得したことになる。
また、二枚替え以外のケースとして自分の‘と金’(歩の成り駒)と相手の銀将を交換した場合を挙げると、谷川方式では、自分は5点-7点=-2点、相手は1点-5点=-4点で、差し引き2点だけ自分が得したことになる。佐藤方式では、自分は10点-11点=-1点、相手は1点-10点で、差し引き9点だけ自分が得したことになる。
駒の種類に応じ各駒の点数によって損得を比較する方法は最も基本的な価値判断の方法として将棋の入門書などで解説されることも多い。当然のことながら将棋において対局者は相互に同じ種類の駒を同じ数だけ盤上に有する状態(駒の損得なしの状態)から開始されるため、対局者相互の駒の種類の変化は序盤から中盤で特に重視される。
これに対して形式的な駒の種類による価値判断(点数計算)ではなく、各局面に応じた実質的な駒の価値判断がなされることもある。例えば序盤において、18枚の歩は形式的な駒の種類による価値判断(点数計算)では同じ歩として同じ点数で評価されることになるが、実質的な駒の価値判断では玉を囲う側の端歩と囲わない側の端歩とは盤上での機能が異なるため同価値とは判断できない。将棋では進行に応じて個々の局面において必要な駒が大きく変化するため、特に中盤から終盤にかけては実質的な駒の価値判断が重要な意味を持つ。例えば角交換となった後で一方が盤上に角を打ち込んだ場合、盤上に打たれた成っていない角と未だ持ち駒となっている角とでは同価値とは判断できない。
なお、最終盤では全体的な駒の損得ではなく手番の先後が重要となる。
駒の価値をすべて点数化して損得計算をする方法を最初に公式に解説したのは谷川が初めてである。『将棋に勝つ考え方』(1982年;池田書店)では、王将、玉将=点数をつけられない、飛車=15点、角行=13点、金将=9点、銀将=8点、桂馬=6点、香車=5点、歩兵=1点として損得計算の方法を公開している。(成り駒は、龍王=17点、龍馬=15点、成銀=9点、成桂=10点、成香=10点、と金=12点)
手番の先後
最終盤では寄せる速度が勝負を分けるため、寄せの局面に向けて先手をとることが重要となる。攻防に必要な駒さえあれば全体的な駒の損得はほとんど形勢に影響しない。たとえば、飛車や角を捨てて金を得るということも行われる。
先手が有利か?
戦略・戦術以前の問題として、そもそも対局において先手番が有利か否かという点が話題となることがある(ある局面での手番の先後とは異なる)。 将棋界#将棋は先手が有利か参照
沿革
古将棋
日本への伝来
将棋の起源は、古代インドのチャトランガ(シャトランガ)であるという説が最も有力とされている。ユーラシア大陸の各地に広がってさまざまな類似の遊戯に発達したと考えられている。西洋にはチェス、中国にはシャンチー、朝鮮半島にはチャンギ、タイにはマークルックがある。
将棋がいつ頃日本に伝わったのかは、明らかになっていない。囲碁の碁盤が正倉院の宝物殿に納められており、囲碁の伝来が奈良時代前後とほぼ確定づけられるのとは対照的である。伝説としては、将棋は周の武帝が作った、吉備真備が唐に渡来したときに将棋を伝えたなどといわれているが、後者に関しては、江戸時代初めに将棋の権威付けのために創作された説であると考えられている。
日本への伝来時期はいくつかの説があるが、早いもので6世紀ごろと考えられている。最初伝来した将棋は、現在のような平型の駒形ではないという説もある。古代インドから直接日本へ伝来したとする説では、古代インドのチャトランガの流れを汲む立像型の駒であったとされている。東南アジアのマークルックにちかいものが伝播改良されて生み出されたと考えられている。一方、6世紀ごろインドから直接ではなく、中国を経由して伝来したという説では、駒の形状は中国のシャンチー(中国象棋)と同様な平型の駒として伝来したという説もある。チェスでは古い駒ほど写実的であるとされる。アラビア等古い地域のおいて平面の駒がみられる。また今までに立体の日本将棋駒は発見されていない。他説としては、平安時代に入ってからの伝来であったとする説がある。インド→アラビアの将棋からを経て中国のシャンチーそして朝鮮のチャンギ(朝鮮のものは中国由来)が日本に伝わったというものである。しかし平安時代には既に日本に将棋があったという説が有力である。また、駒の形の違い(アラビア、中国などは丸型、チャトランガは市立体像、日本は五角で方向が決まっている)やこれらの駒を線の交点に置くことなど将棋とどれも大きくことなる。これに対し、東南アジアのマークルックは銀と同じ動きの駒があるがあるが、歩にあたるビアの動きがあまりに将棋とは違うことが指摘されている。また、将棋は相手側三列で駒が変化するがマークルックではクン、ルア、コーン、マー、メットとも「成る」ことはないこの点も大きく将棋とは異なる。近年はこの系統の盤戯が中国経由または直接ルートで日本に伝来したとする説がある。また、中国を舞台とした日本と東南アジアの中継貿易は行われていたことから中国経由の伝来は十分に考えられるが、中国での現代のシャンチーの成立時期は平安時代より遅くまた現代のシャンチーはルールも異なる。このため現代中国シャンチーが伝播したものではないと考えられている。現代中国シャンチーと日本将棋の中間のルールに近いのは、朝鮮のチャンギである。このため、チャンギと日本将棋の源流と成った古代の中国象棋に関する文献が捜索されていた。古代中国象棋に関する記述が『太平御覧』で発見された。『太平御覧』に収められた『玄怪録』に、将棋の駒の動きを想起させる記述が発見され、牛僧孺が作ったと記載されている。このときの駒の配置や動きは、現在のシャンチーとは大きく異なり、チャトランガに近いもので、駒も縦横の線の交点ではなくマス目の中に置かれた。この古代象棋(牛僧孺の象棋)が日本に伝来し日本将棋の起源になったとする説もある。いずれにしても日本での、古代の日本将棋に関する文献物証は皆無で、各説は想像の域を出ない。
チェスの歴史も参照のこと。