報道の自由

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2007年5月5日 (土) 06:02時点におけるキリカ (トーク | 投稿記録)による版

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報道の自由(ほうどうのじゆう)とは、報道機関が様々な表現媒体を用いて国民に情報を伝える自由。一般に、表現の自由の一内容として捉えられている。表現の自由が報道機関などに及ぶことを意味するほかに、報道機関に対して、一般の表現の自由を超える特別の自由・権利を認めるべきかどうか、より高度の保障を与えるべきか、という議論がなされる場合がある。

国境なき記者団2005年10月20日に発表した、2005年度の報道の自由度のランキング(Worldwide Press Freedom Index 2005)では、対象となる167ヶ国中、もっとも自由度の高い報道を行っている国として、デンマークフィンランドアイスランドなど7ヶ国で、逆に自由度のない報道を行っているのは、北朝鮮エリトリアなどである。 中国ベトナム中央アジア諸国など旧社会主義陣営や イランリビアなど中東諸国が下位にランクされていることが目立つ結果になっている。

2007年5月2日ニューヨークを本部に置く非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)は「過去5年間で報道の自由が最も後退した10カ国」を1位から順に、エチオピアガンビアロシア(11人の記者を相次いで殺したのが理由)、コンゴ民主共和国(旧ザイール)キューバパキスタンエジプトアゼルバイジャンモロッコタイ2006年9月19日クーデターが理由)と発表した(前回最下位の北朝鮮は対象外)。

日本における報道の自由

報道の自由は日本国憲法第21条によって保障され、表現の自由のうちでも特に重要なものとされる。その理由として、報道する内容について報道機関が表現の自由をもつこと、および報道機関による報道は国民の「知る権利」を充足させるのに重要な役割を果たすことがあげられる。

評価

上記、国境なき記者団の2005年度の報道の自由度のランキングでは、対象となる167ヶ国中、日本は37位であった。これは、記者クラブ制度の存在が批判されているためである。更に2006年度は「ナショナリズムの隆盛が目立つ」との理由も加わり51位となった。

実名報道

被害者を傷つけていることや無罪を推定されている被疑者被告人の犯人視につながること、加害者の更生を妨げているという理由で実名報道に対する批判がしばしばなされるが、一方で実名報道の規制は報道の自由を侵害するという意見も根強い。しかし、過剰な報道はプライバシーの権利を侵害することにもなりかねない。

詳しくは実名報道の項を参照。

問題となった事件

アメリカ合衆国における報道の自由

アメリカ合衆国においては、アメリカ合衆国憲法修正第1条において言論の自由出版の自由が保障されており、報道の自由はその一環として保障されている。報道の自由に関して直接憲法上での言及はなく、裁判所の判断においても、報道であることをして特別の保護が与えられているわけではない[1]

取材の自由

報道の自由に関連する自由として、取材の自由という概念が観念されることがある。すなわち、報道を行うためには報道内容について取材することが必要不可欠であり、したがって取材の自由が十分尊重されなければ報道の自由を確立することはできないことに基づく。

取材の自由と関連して取材源秘匿の権利があげられることがある。これは情報提供者に関する情報、あるいは得た情報そのものの開示を強制されれば、報道機関と情報提供者との信頼関係が崩れて正確な情報を得られなくなる恐れがあるためである。この権利がどこまで保障されるかについても議論がある。

日本における取材の自由

ただ取材の自由が日本国憲法第21条によって直接に保障されるかどうかは意見が分かれる。報道の自由の中には取材の自由が当然に含まれるとする意見が有力であるが、判例は「憲法第21条の精神に照らし、十分尊重に値する」と述べるにとどまっている。

取材の自由は、取材対象もしくは関係者の権利保護、公正な裁判の維持、国家機密の保持などさまざまな利益と衝突することがある。この場合、取材の自由が制約を受ける可能性も出てくる。

取材源秘匿との関連では、米国の企業が取得隠しを行っていたとされる複数社の報道に対しNHK読売新聞共同通信の記者に対して取材源の開示を要求した訴訟のケースでは2006年3月14日東京地裁判決が読売の報道について取材源を秘匿すべき事情は認められないと判断した一方、NHKの報道については2005年10月11日新潟地裁2006年3月17日東京高裁判決は取材源の秘匿を認め、同年10月3日最高裁判所判決で確定した。

放送の自由

テレビ、ラジオなど電波メディアによる情報提供の自由を放送の自由とよぶ。広義には有線放送も含まれる。

日本における放送の自由

他のメディアとは異なり、電波メディアには電波法放送法などによってさまざまな規制が課されている。

脚注

  1. 松井茂記『アメリカ憲法入門』第5版 有斐閣 149ページ

関連項目


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