すき家
すき家(すきや)は、株式会社ゼンショーが経営する、日本国内店舗数最多の牛丼チェーン店である。
2012年9月時点で、47都道府県・合計1,856店舗を展開している。店舗の看板には屋号とともに、「牛丼」と「カレー」の文字が使われており、牛丼とカレーが主力商品となっている。
中国やタイ、ブラジルなど海外出店も行われている。なお、すき屋は誤表記である。
目次
概要
1982年7月に開店した弁当店「ランチボックス生麦店」をルーツとして、同年11月に牛丼業態のビルイン型店舗1号店「すき家生麦駅前店」を開店した。「すき家」の名前は「すき焼き」が由来のひとつであり、実際に創業初期の1983年には「すき焼ディナーセット」といったメニューも扱っていたという。
社長の小川賢太郎は牛丼チェーン吉野家に1978年から1982年まで在籍していたが、近年まで「公式にはそのような話はない」と否定してきた。
駅前や繁華街の省スペースに店を構える従来の牛丼店に比べると、車での利用客を想定した郊外の幹線道路沿いなどに立地する郊外型店舗を展開の主軸としている。またカウンター席だけでなく、テーブル席を設けるなど、従来の個人客を中心にしたスタンダードな牛丼店のスタイルに比べ、ファミリーレストランのような家族連れの客を想定した形態になっている。2000年代以降はドライブスルーの設置や、ショッピングセンターのフードコート内への出店に積極的である。
全店舗が直営で、フランチャイズは一切ない。
最大の特徴は、牛丼の上に各種トッピングが可能な点であり、さらにカレーライスや各種丼ものなどが存在するなど、多くのメニューを取り揃えている(詳細はメニューの節を参照)。
店舗ごとの連絡先は非公開で、レシートに書かれている電話番号は本社お客様相談室のもののみである。従業員募集の求人応募も集中受付センターのみ。
すき家「時給1375円にしても人が集まらない!深夜業務を一人に全部押し付けるブラックワンオペの実態がバレて誰もバイトにこない!」(2014年4月)
人手不足が外食、小売り、運輸など幅広い業種に広がっている。働き手の減少という構造的な要因に加え、景気の回復基調でパート・アルバイトの奪い合いが起きているためだ。時給上昇だけでなく、賞与を支給したり、正社員化したりする動きも出てきた。
「(午後)9時半がラストオーダーです。入り口を閉めるので、裏口からお帰りください」。東京都心にある牛丼チェーン店「すき家」の店員は、食事中の客にこう告げた。通常24時間営業だが、3月下旬から午前9時~午後10時に短縮した。アルバイトが辞め、店を回せなくなった。別の店では、バイト募集のポスターの深夜時給1325円という印刷文字の上に、手書きで1375円と記されていた。
都内のすき家で働く複数のアルバイト店員は「大学生のバイトが辞めて人が集まらない」「朝まで1人なので仕事はきつい」と口にする。2月以降、約250店が一時休業や短縮営業に追い込まれた。牛丼大手3社の中で最後発のすき家は、急ピッチの出店で2008年に吉野家を抜き、業界首位に躍り出た。急成長を支えたのが、深夜に店員1人で接客や調理を担当する「ギリギリの人員」(バイト店員)。メニューの多様化で仕事が増え、営業できなくなるほどの大量退職につながった。
居酒屋チェーン「和民」を運営するワタミも、全体の店舗数の約1割にあたる60店を今年度中に閉鎖、1店当たりの人員を増やし、職場環境改善を進める。長時間労働が常態化しているチェーンもあり、飲食業はもともと敬遠されがちだったが、景気が良くなり他業種でもバイトの条件が改善した。「バイトに対する教育が不十分で、やる気、やりがいをうまく引き出せていない」(リクルートワークス研究所の戸田淳仁研究員)ことも要因のようだ。
人手が足りないのは飲食業だけではない。建設業では、復興需要や公共事業の増加で、入札不調や工期の遅れが相次ぐ。運送業界も3月まで「駆け込み需要で配送の依頼が増え、仕事を受けきれなかった」(都内の運送業者)という。
すき家のゼンショーHD社長「日本人は3K仕事やりたがらない」
人手不足に悩む外食大手ゼンショーホールディングスの小川賢太郎社長は「日本人はだんだん3K(きつい、きたない、危険)の仕事をやりたがらなくなっている」と嘆く。
傘下の牛丼チェーン「すき家」では2014年2月以降、アルバイト不足で一時閉店が相次ぎ、28店が今も休業中。景気回復に伴う人手不足は、外食や小売りで深刻だ。原則である24時間営業をやめる店も出ているといい、「深夜営業が一番難しい」という。
沿革
- 1982年11月、すき家ビルイン1号店を神奈川県横浜市に開店。
- 2004年2月5日、アメリカ産牛肉の輸入禁止措置により牛丼の販売を一時休止。9月17日より原材料をオーストラリア産に変更して牛丼の販売を再開した。
- 2007年7月27日、沖縄県にコザ・ミュージックタウン店を開店させた事により大手牛丼チェーンとしては吉野家に続いて全都道府県へ出店した(全店直営では業界初)。
- 2008年8月28日から9月28日まで、すき家および同じグループのなか卯で漫画「キン肉マン」とのコラボレーションキャンペーンが行われ、抽選でキン肉マンのオリジナル商品や牛丼の割引券をプレゼントしていた。
- 2008年9月末時点で1,087店舗となり、吉野家の1,077店舗を抜き、牛丼チェーン店としては最大手となった。
- 2009年3月2日全店舗共通で、終日全面禁煙となった。
- 2009年8月12日メガ牛丼の2倍相当の「牛丼キング」、牛丼ミニより小さいサイズの「プチ牛丼」を販売。後にカレーも同様のサイズでの販売を始めた(共に店内でのみ提供)。
- 2010年、一部の店舗で店外販売を行うようになった。販売時間は平日昼。
- 2010年9月従来より使用していたコップが透明のガラス製から半透明の茶色のプラスチック製に変更。テスコジャパン(Fv Netの名称で生鮮野菜を扱っている)の店舗へ生鮮野菜を卸す様になった。
- 2011年2月17日、おろしハンバーグ定食を販売開始。しかし、店舗によっては1週間もせずに品切れとなり、材料入荷待ちによる販売停止とするものの、3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で再び販売される事なく販売中止となる。同じ材料を使用する「ハンバーグカレー」「おろしポン酢牛丼」「サラダ」は中止されていない。なお、東日本大震災では被災地での給仕支援や1回目の店頭募金箱によるお客様からの募金80,807,553円と同額がゼンショーグループより被災した岩手県、宮城県、福島県へ寄付されている。
- 2011年5月28日、日本国外進出1号店をタイの首都バンコクにある、ショッピングモール『シーコンスクエア』内にオープン。
- 2012年1月10日9時より肉1.5倍盛を中盛にリニューアル。
- 2012年5月 すき家で初めての空港内店舗が関西国際空港旅客ターミナル『町家小路』内にオープン。
- 2013年10月10日、ホームページ上にすき家公式通販サイトe-shop!(イーショップ)を開設。
- 2014年4月17日、2月から4月にかけて人手不足により約250店舗で営業停止が発生したことを受け、労働環境改善を図るための6月1日を目途に全国7つの地域運営会社への分社化を行うことを発表。
メニュー
看板に掲げられている牛丼・カレーを中心として、丼物にて構成された各種トッピング可能な単品メニュー、それらとサイドメニューとの組み合わせで構成されたセットメニューを展開している。
特徴となっているトッピングはキムチ、3種のチーズ、わさび山かけ、ねぎ玉、辛口だれ、マヨネーズ等豊富で、どの商品にも自由に組み合わせ(具として載せる、または別皿)が可能。中でも、キムチと牛丼を組み合わせた「キムチ牛丼」はすき家のロングセラー商品となっている。
量が多種に亘っているメニューもあり、例として牛丼はプチ(2011年8月11日でレギュラー終了、特記後述)・ミニ・並盛・中盛・大盛・特盛・メガ・キング(店内期間限定メニュー、特記後述)の8サイズ、牛皿は並盛・1.5倍・2倍・3倍・4倍・5倍(一部店舗)の5サイズとなっている。「メガ牛丼」は特盛で物足りないという客からの強い要望で、2007年10月16日から提供開始。牛丼/豚丼にてご飯の量が大盛と同等で、具が並盛の3倍の量が盛りつけられる。丼茶碗は「特盛」用を使用。2008年1月14日にはカレールーが並盛の2倍の「メガカレー」も登場した。メガメニューにもトッピング可能。
裏メニューとして、現在はレギュラー公式メニューとして記載されていない「キング」(ご飯が並みの2.5倍、具は並みの6倍)がマニュアルを定めて対応可能としているため、特殊なオーダーとして注文可能である。
その他、「海鮮中華丼」などの丼物、「とん汁・鮭・納豆・牛皿」などの各種定食、それらの単品類など(サラダ、みそ汁、とん汁、おしんこほか多数)や、それらを組み合わせたセットが揃っている。一部の店舗では、店舗限定メニュー・子供用メニュー・各種ドリンク・ビール・フロート・各種デザートも扱っている。持ち帰りについて、牛丼やカレーなど一部メニューは可能、まぐろたたき丼など鮮度管理上の問題が生じるものは不可となっている。
テイクアウト商品は一部店舗にてインターネット予約が可能で、つゆだく・つゆなしなども選択ができる。 また、一部店舗にてテイクアウトのサラダセット(サラダとみそ汁のセット)を注文することができる。
地方店舗限定メニューも存在し、状況によっては期間限定・レギュラー化にて全国販売となるケースがあり、例として「高菜明太マヨ牛丼・豚丼」や「タコライス丼」などが挙げられる。過去、1990年代後半頃から2000年代前半頃まで、一部店舗・期間(春先頃)・時間帯限定で「チャレンジセット」と称される、牛皿1kg、ご飯600g、玉子、味噌汁、お新香をセットにしたメニューを20分以内で食べ切れば無料、食べ残した場合2000円支払うというスタイルのチャレンジメニューがあった。
食材
2004年2月5日、狂牛病発生によるアメリカ産牛肉の輸入禁止措置によりすき家も一旦牛丼の販売を中止するが、同年9月17日、オーストラリア産牛肉の使用に切り替えることで大手牛丼チェーンの中ではいち早く販売を再開した。そのため、オーストラリア産牛肉の肉質に合わせた味付けに変えた。
その後の2006年7月、日本でアメリカ産牛肉の輸入再開が決定した。その他の牛丼チェーン店やスーパーマーケットなど、牛肉を扱う大手企業の多くがアメリカ産牛肉の早期の使用再開を控えるとしているが、すき家も同様に「調べれば調べるほど安全性が担保されていない」「わが社の基準で安全性が確認されない限り米国産には戻せない」とのコメントを出し、現状通りオーストラリア産牛肉を使用するとしている。同じゼンショーグループのチェーン店なか卯でも同様である。牛丼大手の吉野家が米国産牛肉の使用を再開するとしているのに対し、すき家は「率直に言ってやってほしくない」「後で悪い結果が出たら責任を取れるのか」と批判していた。しかし、2010年12月にはすき家を経営するゼンショーもグループ店の焼肉店など数十店舗でアメリカ産牛肉の使用を再開した。
中国製餃子中毒事件を発端とする中国産食品への懸念の高まりに対しては、「安定して食料を提供するには、(日本)国産だけでは賄えない」「中国には自社で管理する農場があり、今のところ中国産を外す予定はない」と表明していた。
メニューに使用されている一部食材の産地表示を店頭にて行っているが、期間限定メニューに使用しているうなぎの原産地(中国産)については表示していない。
接客
ゼンショーの「労働生産性を徹底的に追求する」スタンスもあり、店員は体のバランスから手の動かし方まで秒単位で訓練され、カウンター席についた客に対し牛丼を「原則10秒以内」で提供することになっている。そのため深夜の調理と接客を1人でこなすことが可能になったが、そのかわりに全店に監視カメラを設置、監視役の社員が、東京の本社から24時間、店員の動きをモニターしている(防犯も兼ねている)。また、夜間帯を中心に本部警備室よりカメラチェックを行っていることが店内放送より流れている。
すき家に関する問題
バイト店員1人に深夜をまかせる「ワンオペレーション」
CM
現在の出演者
過去の出演者
- 家族編1
- 家族編2
- 新・牛丼家族
- 牛丼!JAPAN!
- やきそば牛丼
- お好み牛玉丼
- 他
スポンサー番組
現在
過去
- めちゃ×2イケてるッ! (フジテレビ系)
ドラマ
2011年11月から12月まで、すき家提供のドラマ 『ボクが彼女をすきになった理由』と『ワタシが彼をすきになった理由』が関西テレビで放送された。放送日時・時間は、「ボク」バージョンが11月6日から12月25日までの日曜11:45-11:50 (JST)、「ワタシ」バージョンが11月7日から12月26日までの月曜21:54-22:00 (JST)。
- 本編キャスト
- インフォマーシャル
- 通常のCMよりも長く時間をかけてすき家の商品やサービスを紹介
- スタッフ
- プロデューサー: 重松圭一(関西テレビ)、堀場茂世(関西テレビ)
- 脚本: 松本朋丈 (COCOON)、岩本勤 (COCOON)
- 脚本・監督: 長嶺正俊
- 製作著作: 関西テレビ
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関連項目
外部リンク
- すき家 キャンペーン(@sukiya_cp)- Twitter公式アカウント