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2022年11月21日 (月) 00:19時点における版
チアリーダーとは、スポーツ(アメリカンフットボールなど)における応援チームのことである。
目次
概要
一般的にはチアガール、男性の場合はチアマンとも言われているが、これらは両者ともに和製英語である(cheer girl・boyという単語そのものは存在するが、共に猥褻な意味を込めて使われており、スポーツ競技の応援に携わるものという一般的な意味では英語圏では用いられない)。
元々応援団はアメリカ合衆国で凱旋将軍の帰還のさいにそれを歓迎する意味で応援団風にまとめたという説、あるいは大学のスポーツチームの応援に際してのリーダー的な人物がいて、それで応援の統率するという説など起源には様々な憶測が挙げられているが、一般的には女性の応援チームのことを指している。
ポンポン(ビニールテープやメタルテープを束状にしたもの)を両手にかざし、軽やかな音楽に合わせたダンスやパフォーマンスを繰り広げる。
衣装はトレーナータイプのユニフォームにプリーツタイプのミニスカートを着用するのが一般的とされている。ミニスカートの下にブルマーを着用する者、タイツかパンティストッキングを履いてからソックスと運動靴を履く者など様々である。近年はスポーツ競技化に合わせて、スパッツを履いた上にミニスカートという姿も多くなっている。
一般にアメリカ合衆国の学校においては、チアリーダーの女子生徒らはちょうどジョックの女子版に相当し、生徒らの中の典型的な「人気者集団」を形成することがしばしばである。大衆文化においても「人気者(ポピュラー)な女子学生」の典型として描かれやすい。いわば「花形」であるため競争も非常に激しく、チアリーダーになるための英才教育を子供の頃から施されるという女児も多い。あるチアリーダー候補の女児の母親が、娘をチアリーダーにしたい一心で競争相手の女児を殺害しようとしたという事件もあった[1]。
派生した関連競技・種目
チアリーディング
前述のように、本来は応援・応援指揮をするチームのことで、チアリーダーが行なうアクションのことをチアリーディングと呼んでいたが、現在においては、チアリーダーが行なう応援形態から派生したスポーツ競技を「チアリーディング」と呼ぶことが多い。近年はこのチアリーディングの技術を競い合うスポーツ競技としてのコンクールも盛んに行われており、年々競技志向の傾向が強まってきている。
また、チアリーディングの中のアクロバティックに組み体操をする競技のみを差してチアリーディングと称する場合もある。
チアダンス
チアリーディングから派生したスポーツ競技である。アメリカでは「Pom Dance(ポンダンス ポンポンとダンスを組み合わせた造語)」とも呼ばれる。これはチアリーディングのうち、踊りの部分に特化したもので、競技会の場合は2分30秒の競技時間が設定されており、ポンポンダンス、ラインダンス、ジャズダンス、ヒップホップの4種類を取り入れ、その表現力や完成度を審査する。近年は、競技人口の増加とともに、年齢の幅も広がり、シニアを対象とした指導などを行う、日本シニアチア協会がある。
ソングリーダー
その他
日本におけるチアリーダーは、当初はアメリカのカレッジスポーツやアメリカンフットボールの応援シーンからの見よう見まねの模倣から入ってきたもので、女性がミニスカートを履いて応援に参加するものは、バトントワリングチームも含めて総称としてチアガールと呼んでいた時期があったが、バトントワリングチームとチアリーダーチームは全く性質が異なる別なものである(後述参照)。
学校・クラブ活動におけるチアリーダーを取り巻く問題
本来は応援集団の一セクションとして発生したもので、日本における学校現場のクラブ活動においても、伝統があるチームほど、応援団・応援部・応援指導部のなかの組織として発生したチームが多い。またそういうチームの多くは最初からチアーリーダーとしてではなく、吹奏楽部団体の一部のバトントワリングチームとして創設され、後にチアリーダーチームに発展していったチームも少なくない(日本国内で初期段階になるほどチアガールと呼ばれる風潮が強かった要因のひとつでもある)。
近年は、応援団体としてよりも、その華やかさから、スポーツとしてのチアリーディングに脚光が当てられる風潮が強く、その影響から、チームの存在意義・活動目的を設定する上において、表立たないところで根深い混乱が生じている段階にあるといえる。
前述した歴史的な経緯から、チアリーディングチームには最初からチアリーディング競技専門チームとして立ち上げられる場合、本来の応援チームから競技に専念する為に分離独立するチーム、さらには応援団体としてありながら本来の応援活動よりも競技会への参加や練習を中心にするチームが増えてきている。事実、チアリーディングの統括団体の上層部や指導者には、競技会で上位の成績を収めるには応援活動を極力控える指導なども行なわれている関係もあり、現役メンバーにもそういう風潮が浸透している。しかし、競技会参加チームの中には応援活動を主にしているチームもあり、チームやメンバーによって様々な葛藤や混乱の中に身を晒されている。
チアリーダーチーム出身の著名人
- 浅井直湖 法政大学応援団バトントワラー部の出身でチアのパイオニア。
(日体大チアリーダー部初代監督日本でチアを広く普及させる。浅井の教え子達は教職等に付き高等学校等でチア部を新設し普及に携わった。) - 有馬香(日本体育大学体育学部健康学科卒、チア競技インカレ優勝。元四国放送アナウンサー。浅井直湖の一番弟子)
- 三田智子(元ダラス・カウボーイズチアリーダー) - アルビレックス新潟チアリーディングチーム創設に参画。
- 山田幸子(桜美林大学卒。2003年度シアトル・シーホークス「Sea Gals」メンバー)
- 石田季子(桜美林短大卒、2001年度サンフランシスコ・フォーティナイナーズ「Gold Rush」メンバー)
- 石田真紀(大妻女子大学短期大学部卒。2006年度サンフランシスコ・フォーティナイナーズ「Gold Rush」メンバー)
- 中山麻紀子(元ワシントン・レッドスキンズチアリーダー) - 千葉ロッテマリーンズチアパフォーマー「M☆Splash!!」ディレクター
- 小島智子(NFLタンパベイ・バッカニアーズチアリーダー)
- 堀池薫子(NFLデンバー・ブロンコスチアリーダー)
テレビにおけるチアリーダー
- 1980年11月 - 1981年10月にTBS系列でドラマ「GOGO! チアガール」が放送された。これが日本で最初のチアリーダードラマである。高校のチアリーディング部を舞台にした青春ドラマで、三原じゅん子(当時は三原順子)や島田歌穂、日高のり子ら当時の女性トップアイドルが出演して、プロCheerleaderチームPISCESが指導した。
- 2004年4月放送の日本テレビの特番ドラマ「天国への応援歌 チアーズ〜チアリーディングにかけた青春〜(番組サイト)」(主演:石原さとみ)は、大阪府の箕面自由学園高等学校のチアリーディング部をモデルにした物語だった。読売テレビが製作したドキュメンタリー『天国への応援歌 〜めざせ!日本一のチアリーダー』 が原案で、同校の先輩部員が交通事故で夭折したことをきっかけに、一致団結した後輩チアリーディング部員の活躍を描いたものである。その時演技指導したのは桜美林大学のチアリーディング部であった。
- 2004年10月 - 2005年3月放送のNHK連続テレビ小説「わかば」で、ヒロイン・高原若葉(原田夏希)は学生編で大学のチアリーディング部に入って活動している。NHKの番組宣伝用ポスターでもチアガールになった若葉の写真がデザインされたヴァージョンがある。防火週間啓発ポスターにも同様のものが使用された。大学のチアリーディング部の部員は日本文理大学チアリーディング部の部員(当時)が演じている。
- フジテレビで放送されていた水10!の第1部「ワンナイR&R」において、ゴリが演じるキャラクターの一人「松浦ゴリエ」が、CDのプロモーションビデオでチアダンスを披露している。2005年秋から2006年にかけて、一般視聴者を対象とした ゴリエ杯チアダンス選手権 を開催し、入賞チームはゴリエとプロモーション活動ができる特典があった。また、2005年末のNHK紅白歌合戦にも紅組のメンバーとして出演した。
- 2005年12月放送のフジテレビ系「カスペ!・部活」と題した芸能人のスポーツや文化活動のチームのドキュメンタリー番組で、ソニン、西村知美、保田圭、神取忍らによって結成された芸能人のチアガールチーム「お台場レインボーチアーズ」が取り上げられた。
プロスポーツとの関係
- サッカーJリーグでは、球団専属の公式チアリーディングチームとして札幌のコンサドールズ、仙台のベガルタチアリーダーズ、千葉のジェット・スフィーン、横浜FMのトリコロールマーメイズ、カターレ富山のLeap-Blue(リープ ブルー)、清水のORANGE WAVE、G大阪のガンバ大阪チアダンスチーム、徳島のBLUE SPIRIT、鳥栖のサガンティーナがあり、Jリーグ球団以外のチームのチアも掛け持つ川崎のフロンタールズ、新潟のアルビレックスチアリーダーズがある。これらの他にもキッズのチアリーディングチームが公式に活動している球団もある。
- プロ野球 (NPB) 12球団中、広島を除く11球団にチアリーディングチームがある(参照)。北海道日本ハムファイターズのチアリーダー「ファイターズガール」に2004年(札幌移転初年度)、当時地元放送局・北海道放送のアナウンサーだった邑田みさきが、また2005年に新規加盟を果たした東北楽天ゴールデンイーグルスのオフィシャルチアリーダーに地元在住の44歳(オーディション開催時)の主婦がそれぞれ合格し話題を集めた。
- プロバスケットボールbjリーグでは、2007-08シーズンよりチアリーダーを対象とした「ベストパフォーマンス賞」が設けられ、初代ベストパフォーマンス賞には埼玉ブロンコスのブロンコスチアリーダーズ&PONYS GREENが輝いた。ブロンコスチアリーダーズには地元出身の舞台女優である新田千尋が所属している。
- 北米メジャースポーツのひとつメジャーリーグベースボールは、NFL・NBAに比べてチアリーディング応援は定着していないが、近年はマイアミ・マーリンズなどチアリーダーを結成する球団も現れている。
- また、ヨーロッパではドイツサッカー・ブンデスリーガでチアリーダーを持つクラブが存在する。
- NFLのオークランド・レイダースのチアリーダーが起こした訴訟によると、拘束時間が長い割に報酬は低額であり、時給換算すると5ドルに満たず、ユニフォームや小道具、化粧、美容院などの代金はすべて自腹となっている[2]。
- 2017年、アメリカ合衆国を中心に、#MeToo運動によりセクシャルハラスメントの告発が相次ぐと、フットボールやバスケットボールチームのチアリーディング関係者からも内部告発などが行われた。NFLのニューオーリンズ・セインツとマイアミ・ドルフィンズの元チアリーダーらが、チームなどを相手取り、差別的な扱いを受けたとして訴訟を起こしたほか、2018年5月には、ワシントン・レッドスキンズのチアリーダーらが、リゾート地での写真撮影や男性のエスコートを行っていたことが報道された[3]。こうした流れの中で、同月、NBAのサンアントニオ・スパーズは、チアリーディングチームを解散させ、新たに男女混合エンターテインメント集団を起用する方針を発表している[4]。
資料
- ↑ 『USAスポーツ狂騒曲 アメリカは今日もステロイドを打つ』 P.24 町山智浩 ISBN 9784087805161
- ↑ 出崎敦史 (2013-11-15) 出崎敦史 【出崎敦史のスポーツ言いたい放題】同情するなら金をくれ、訴訟でわかった米チアリーダー貧乏物語 産経新聞 [ arch. ] 2013-11-15 [1][リンク切れ]
- ↑ (2018年5月4日) アメフト、チアリーダーの扱いめぐり非難殺到 トップレス撮影も強要か AFP 2018年5月4日 [ arch. ] 2018-05-22
- ↑ (2018年5月22日) スパーズがチアチーム解散、NBA初の決定でダンサーに衝撃 AFP 2018年5月22日 [ arch. ] 2018-05-22