「えんじ色」の版間の差分
1行目: | 1行目: | ||
+ | [[画像:Bloomer (28).jpg|thumb|right|350px|えんじ色のブルマー]] | ||
'''えんじ色'''(えんじいろ、'''臙脂色''')とは濃い[[紅色]]のことである。 | '''えんじ色'''(えんじいろ、'''臙脂色''')とは濃い[[紅色]]のことである。 | ||
2019年5月19日 (日) 20:05時点における最新版
えんじ色(えんじいろ、臙脂色)とは濃い紅色のことである。
日本工業規格においては、JIS慣用色名の1つに「えんじ」として下のように色が定義されている。
えんじ色の由来[編集]
名前の由来は中国の紅花の一大産地である「燕支山 」にちなみ、本来は紅花染めをこの名で呼んだ。
現在はカメムシ目カイガラムシ上科の一部の昆虫、特にアジア産のラックカイガラムシ、南ヨーロッパのケルメスカイガラムシ、メキシコのコチニールカイガラムシなどの体内色素を浸出させて得るコチニール色素で染めた色をさす。日本には奈良時代に「紫鉱」の名でラックカイガラムシの分泌物が渡来しており正倉院にも薬用として採集された「紫鉱」が保存されている。エンジムシとも呼ばれるこれらのカイガラムシから採集された色素は友禅や紅型の染料として現在も利用される。
色材と特性[編集]
えんじ色の色料には、かつてはもっぱらコチニール抽出液をレーキにした真正のカーマインが用いられたが、非常に高価で、耐光性が低い[1] ため、21世紀現在では顔料メーカーもほとんど生産しておらず、合成アリザリンによるレーキ顔料やアントラキノン顔料などが用いられている。絵具の色名には、カーマイン、クリムソンといった名が使用される。
学生服への利用[編集]
早稲田大学[編集]
早稲田大学のスクールカラーは、早稲田大学野球部をコーチしたといわれるメリーフィールド氏の母校、シカゴ大学の校色、マルーンからとったものであったと言われている[2]。
その他[編集]
青や紺、緑などとともに、幼稚園および小・中・高校の体操服、ジャージの色として多く採用されている。体操服は白を基調とし、首周りや袖口などにスクールカラーや学年色として、または女子用のものにえんじ色を配色したり、同様に袖や胸にえんじ色のラインを入れることが多い。
ジャージの場合は、昭和時代や平成初期にデザインされた、いわゆる「芋ジャージ」で、スクールカラーや学年色として、または女子用のものとして、身ごろにえんじ色が用いられる。
主に昭和後期にデザインされたブレザー型学校制服で、ネクタイの色をえんじ色一色にするケースも多く見られる。
近似色[編集]
脚注[編集]
- ↑ 油性絵の具に使用した場合はメジウムとの混合により、かなりの耐光性があり、ヴィクトリア (イギリス女王) の馬車をこのコチニールカーマインで塗装した記録もあるが、粉末のレーキ顔料を直射日光にさらせば、完全に脱色して白くなる。)
- ↑ 「スクールカラーはなぜエンジ(えび茶色)?」~早稲田のエンジは好きですか?~ 早稲田大学探検隊 2015年8月6日閲覧。