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『'''地球の秘密'''』(ちきゅうのひみつ)は、12歳の若さでこの世を去った少女・'''坪田愛華'''の作による[[地球]]環境[[漫画]]。英題は『'''SECRETS OF THE EARTH'''』。[[国際連合|国連]]グローバル500賞受賞作品。
 
『'''地球の秘密'''』(ちきゅうのひみつ)は、12歳の若さでこの世を去った少女・'''坪田愛華'''の作による[[地球]]環境[[漫画]]。英題は『'''SECRETS OF THE EARTH'''』。[[国際連合|国連]]グローバル500賞受賞作品。
  

2018年11月5日 (月) 11:55時点における版

坪田愛華さん

地球の秘密』(ちきゅうのひみつ)は、12歳の若さでこの世を去った少女・坪田愛華の作による地球環境漫画。英題は『SECRETS OF THE EARTH』。国連グローバル500賞受賞作品。

解説

1991年島根県簸川郡斐川町(現出雲市)の町立西野小学校では、6年生の国語において環境問題の調査を生徒たちの課題にもうけ、調査結果のまとめ方は各自の自由とした。生徒たちが思い思いの形式で資料をまとめる中、当時の6年生・坪田愛華(つぼた あいか、1979年11月26日-1991年12月27日)は、漫画を描くことが得意であったため、低学年向けの環境漫画の執筆を考案。同年10月より執筆を開始した。

1991年12月25日、『地球の秘密』と題した漫画が完成した。しかしその夜の12月26日午前1時、就寝中に体調が突如急変し、同日朝、課題を学校へ提出することなく入院。翌日の1991年12月27日朝、脳内出血により帰らぬ人となった。それまで健康そのものであり、急死の兆候など全く無く、僅か12歳というあまりに早い、そして突然の死であった。

1992年1月。愛華の母・坪田揚子は愛娘が皆の心に生きることを願い、遺作となった『地球の秘密』を自費でコピーし、同級生である西野小学校6年生全員に配布した。2月には島根県内の小・中学校に配布された。環境保護について地球という大きな観点で捉えていながら、年少者向けに漫画というわかりやすい形式で述べられた内容は話題を呼び、新聞記事でも取り上げられ、活動の輪が急速に広まることとなった。

1992年4月には英語版5000部が発行。6月にはニューヨーク国連本部による第1回国連子供環境絵画展で展示。同月、ブラジルで行なわれた「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」でも紹介され、世界中の指導者や賢者たちに評価された。7月には環境庁長官より、社会に対して活発な活動で大きな貢献を行なった若者に贈られるTOYP大賞 の特別賞を受賞した。

1993年6月。日本政府の推薦により、環境問題に多大な貢献をした者に贈られる国連グローバル500賞を受賞した。同賞の子供の受賞、そして故人の受賞は史上初であった。このことは世界中に衝撃を及ぼし、海外のニュースでもトップに飾られた。表彰式は北京人民大会堂での「世界環境デー記念式典」で行なわれ、坪田正・坪田揚子夫妻が娘の遺影を抱いて出席。この場で本作は「地球の環境を守る子供たちにとっての教科書」と評された。

現在までに本作は英語フランス語アラビア語中国語台湾語朝鮮語ベトナム語モンゴル語など全11ヶ国語に翻訳されて世界各国へ贈られ、世界合計発行部数は環境漫画としては空前の60万部に達し、世界中の人々に感動を与え続けている。日本国内においては地球環境平和財団から発行されていたものの、長らく一般販売はされていなかったが、2004年、本作最初の完成日である12月25日に出版文化社より発行され、一般書店の店頭にも並ぶこととなった。

なお、1994年より本作をモチーフとしたミュージカルあいと地球と競売人』が上演されている。

あらすじ

内容は全6章で構成される。

  1. 地球の歴史を探れ!!
    主人公である小学生の少年少女の前に、地球の精・アースが現れて地球の勉強に誘い、46億年に渡る地球の歴史を語る。
  2. 自然界のバランスを知ろう!!
    さらなる地球の勉強として、地上の土が生命を支える様子、植物の光合成食物連鎖、地球上の大気の循環などが語られる。
  3. 現在の地球を探れ!!
    これまで述べられた地球の仕組みに現在起こっている問題として、環境汚染、オゾン層の破壊、森林伐採などが語られる。主人公たちは、小学生である自分たちの生活もそれらの原因となり得ることを知る。
  4. みんなで地球を守ろう!!
    地球を守る人たちとして各種環境保護団体、市民運動などが紹介され、国際的な環境保護としてラムサール条約ワシントン条約など様々な国際条約が解説されている。
    これらを通じ、主人公たちは日常生活におけるわずかな工夫で環境保護に協力できることを自覚する。それを見届け、アースは2人の前から姿を消す。
  5. その後のおはなし
    主人公たちが環境保護のためにリサイクル運動を開始。活動の輪はやがて友だちみんなへと広がり、物語が締めくくられる。
  6. 感想(この本を作って)
    物語本編ではなく、著者が執筆後の感想として、地球の未来へ向けたメッセージを述べている。

登場人物

英一(えいいち)
好奇心に富む男の子。小学6年生。
留美(るみ)
読書が大好きな女の子。小学6年生。
アース
留美が市立図書館で借りた本「地球の秘密」から現れた地球の精霊。英一と留美に地球の秘密を語る。

関連作品

地球の秘密(アニメ)
日本コロムビア制作による環境教育用ビデオ。全2巻。アースの声優は薬師丸ひろ子
地球の秘密(CD-ROM)
富士通制作によるクイズ形式の環境教育用CD-ROM
アース君とドードーの地球救出大作戦(CD-ROM)
スモッカワールド制作によるミニゲーム形式の環境教育用CD-ROM

参考文献

  • 坪田愛華、坪田揚子 (1996-1-25) 坪田愛華、坪田揚子 [ 愛華、光の中へ。-「地球の秘密」を描いた12歳の少女 ] 朝日出版社 1996-1-25 978-4-255-95052-5
  • 坪田愛華 (2004-12-25) 坪田愛華 [ 地球の秘密 SECRETS OF THE EARTH ] 出版文化社 2004-12-25 978-4-88338-307-8

外部リンク