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*: Tezuka Osamu @World より 1954年発行単行本第一巻表紙
 
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2010年8月19日 (木) 06:41時点における最新版

アホ毛(アホげ)は、美容業界で、まとめた髪の毛の表面からぴんぴん出てきて(跳ねて)しまう短い毛のことを指す用語。英語の"Frizz"と同義で使われている。そこから派生して漫画アニメゲームなどで、頭部から1本(または複数本)触角のように飛び出して立っている毛のことを指す。

キャラクター造形におけるアホ毛[編集]

アホ毛(「あほげ」「あほ毛」などとも表記)とは、漫画アニメゲームなどで、頭部から1本(または複数本)触角のように飛び出して立っている毛のことを指す用語。

「アホ毛」という言葉が一般化する以前は「触角」・「アンテナ」と呼ばれていた。現在では「触角」はアホ毛が2本飛び出していることを指すことが多い。

意味は「跳ね髪」「跳ねっ毛」「はぐれっ毛」等と同じだが、一般的な跳ね髪は、本人が髪の毛をまとめようとしても上手くまとまらずに止むを得ず飛び出してしまっているのに対し、アホ毛はその存在自体がキャラクターの外観の設定を構成する要素となる(つまり、常時アホ毛のあるキャラクター、というものが当然に存在し得る)。また、これを更に拡張し、アホ毛自体に特殊な能力を持たせる例や、感情や表情の変化に応じてアホ毛の形状が変化する例もある。また、萌えの対象である。

アホ毛は女性キャラクターに多く見られるが、『ケロロ軍曹』の日向冬樹や『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリック、『ぷよぷよフィーバー』のシグ、『ハレのちグゥ』のハレ、『P2! - let's Play Pingpong! -』の藍川ヒロムなど、男性キャラクターにも(女性ほどではないが)存在する。

呼称としては定着している感じのある言葉だが、「アホ」が罵倒用語であることから商業ベースの出版物やテレビアニメでは通常、用いられていない。

なお、磯野波平(『サザエさん』)のように、禿頭で頭頂部から1本毛が生えているだけの場合は、アホ毛とは呼ばれない(波平スタイルなどと呼ばれる)。アホ毛はあくまでも、他にも多数の毛髪が頭頂部に存在している場合に、それにも関わらず他の髪の毛から飛び出しているものに対する名称である。

また、設定上の外観にアホ毛が含まれていないキャラクターにおいても、疲れ切っていたり落胆したりしている際に、その様子を外観的特徴で表すべく複数本の髪の毛が跳ねている状態が描かれることがあるが、これをアホ毛と呼ぶかどうかははっきり定まっていないらしい(要検証)。

語源・由来・歴史[編集]

  • 同人界では古くから使われ、正確な初出は不明であるが、商業では 山田南平久美子 & 慎吾シリーズ』で「アホ毛」という語が初めて用いられたという説がある。この作品は白泉社の雑誌「花とゆめ」1990年20号からシリーズ連載が開始されている。そのコミックスの中で作者自らヒロイン久美子の1本毛の事を「アホ毛」と言及。同氏は同人出身であるため、その影響と思われる。
  • 東浩紀著『動物化するポストモダン』(ISBN 4-06-149575-5) では、
    「『触覚のように刎ねた髪』は、筆者の観察では、90代の半ば、ノベルゲームの『』で現れたことから一般化し」(p.66)
    と記されている。同ゲームのキャラクター・柏木初音の「触覚のように跳ねた髪」は本項の「アホ毛」そのものであり、同作が発売された1996年当時からこのような表現が見られたこと、そしてその時点ではまだ これを「アホ毛」と呼ぶのが一般的でなかったことを示している。
  • 「触角」はその翌年に同社がリリースしたToHeartの雛山理緒が、ある昆虫に類似した跳ねた前髪をしていた為、これと言い分けられるようになったとも取れる。
  • ドリマガ増刊 RASPBERRY Vol.17には、アホ毛の最初の由来はStudio e.go!のマスコットキャラであるデボスズメだと記載されている。
  • 日本の少女漫画の嚆矢である手塚治虫リボンの騎士』の主人公サファイア、また後年の『ふしぎなメルモ』の主人公メルモではさらに明らかに、髪を跳ねさせることによるキャラクター造形を見ることができる。呼称としては近年であるがキャラクターの造形法としての歴史は古そうである。また、髪の毛に特殊な能力を持たせる例は水木しげるゲゲゲの鬼太郎』の主人公鬼太郎の「妖怪アンテナ」(妖気を感じると髪の毛が一房棘のように逆立つ)の表現に原型を見ることができる。さらに遡ればA・E・ヴァン・ヴォークトのSF小説『スラン』の触毛スランが元祖と思われる。
  • アホ毛を持つ男性キャラクターの元祖は『ジャングルはいつもハレのちグゥ』(1996年から連載開始)のハレと推測される。ゲームでは『ファイナルファンタジータクティクス』(1997年)の主人公ラムザ・ベオルブがアホ毛を持っている。なお「疲労・落胆」のパターンにおいては、魔夜峰央パタリロ!』作中、ジャック・バンコランマライヒヒューイットら長髪の美形男性キャラクター達が困ったり言いくるめられたりしたときに、困惑の度合いに応じてまとまった髪の中の1本または数本、あるいは束になってくるりと1回転して撥ね出てくる描写がある。
  • 一方、アメリカン・コミックス (アメコミ) の世界においては、男性のアホ毛は古くからその存在が確認されている。たとえば、古典アメコミの代表格である『スーパーマン』では、主人公スーパーマンの前髪一束が小さくはねるように描かれており、それ自身が彼のトレードマークとなっている。実際、その実写映画においても、彼を演じた俳優クリストファー・リーヴブランドン・ラウスらは、前髪に意識的にアホ毛を作り出して撮影に臨んだ。
  • アホ毛がキャラクターデザインに取り入れられている場合、その本数は1本ないし2本が殆どだが、『魔法遣いに大切なこと』の主人公菊池ユメは、アホ毛が3本もあるという点で他には無い特徴を持ったキャラクターである。
  • Fate/hollow ataraxia』においては、ヒロインの一人・セイバーのアホ毛を他者が触れることで、彼女の別人格である黒セイバーが現れる。人格のみならず服装も瞬時に変貌するため、アホ毛に関する仕掛けの中では現在のところ最も大掛かりなものではないかと思われる。

外部リンク[編集]

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